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リヤドのリング初見参 /モンスターらしい豪快なKO決着に期待(P4P1位復帰へ) - Night of The Samurai プレビュー II -

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■12月26日/モハメド・アブドゥ・アリーナ,リヤド(サウジアラビア)/4団体統一世界S・バンタム級タイトルマッチ12回戦
4団体統一王者 井上尚弥(日/大橋) vs WBC1位 アラン・D・ピカソ(メキシコ)



※フル・プレス・カンファレンス(Lemino公式)
https://www.youtube.com/watch?v=QaeMjaIWDDA


「今後のキャリアをより加速させて行く一戦。この試合の内容がパウンド・フォー・パウンド1位への返り咲きを左右する。」

驚異的な集中力と節制でカネロを圧倒。3階級で4団体を統一したテレンス・クロフォードの引退表明を受けて、「P4PのNo.1は自分以外にいない」と明言(Leminoで公開されたドキュメンタリー)したモンスターにとって、「今度こそ下手は打てない」と言ったところだろう。

「どんな展開になるにしろ、最後はしっかりKO決着したい。」

「本番は来年なので・・・」

◎12月13日の公開練習時に行われた会見


※拓真とのライト・スパー



今月13日に行われた公開練習(話題となった拓真とのライト・スパー)時のインタビューでも、完璧と言っても過言ではないヒット&アウェイを貫徹したアフマダリエフ戦とは違い、本来の倒し切るスタイルで戦うと語っている。

「冷静にボクシングの美しさを見せながら、時に残酷さ・・すべてミックスして勝ちたい。」

◎密着ドキュメンタリー PRELUDE TO THE DREAM MATCH 井上尚弥 vs アラン・ピカソ ~夢舞台への前奏曲~(ハイライト短縮版)
2025年12月12日公開/Lemino公式



にしても、「サムライ・ナイト」とは良くぞ名付けたものだ。

毎年秋に開幕するリヤド・シーズンの2025年末尾を飾るボクシング・イベントに、井上尚弥を始めとする日本のトップ・ボクサー6名が終結。メキシコから総勢4名の選手(挑戦者3名)と王者1名を呼び、「日本 vs メキシコ」の国別対抗戦を仕掛けた。

◎The Night of Samurai 対戦カード
<1>4団体統一S・バンタム級王座戦
井上尚弥(大橋) vs アラン・デヴィッド・ピカソ(メキシコ)

<2>S・バンタム級12回戦
中谷潤人(M.T) vs セバスティアン・エルナンデス(メキシコ)

<3>IBF J・バンタム級王座戦
ウィリバルド・ガルシア(メキシコ) vs 寺地拳四朗(B.M.B.)

<4>WBA S・フェザー級暫定王座戦
ジェームズ・ディケンズ(英) vs 堤駿斗(志成)
※堤の負傷(眼窩底骨折の重症)により中止

<5>ライト級10回戦
今永虎雅(いまなが・たいが/大橋) vs アルマンド・マルティネス(キューバ)

<6>S・バンタム級8回戦
堤麗斗(志成) vs レオバルド・クィンタナ(メキシコ)


主役は間違いなくモンスターとビッグ・バンの両雄であり、来年5月の東京ドームを睨んだ前哨戦の位置づけ。トゥルキ長官の覚えも目出度い堤兄弟と、大橋会長が次期王者の最右翼と期待する今永の国際舞台へのデビューを兼ねる。

ファイナル・プレッサーに現れたピカソが、「(土曜は)サムライ・ナイトではなく、”アステカ・ナイト”になる」と言って、同胞と思われるファンから拍手を浴びていたが、一昔前なら「メキシコ vs プエルトリコ」の対抗戦になっていたに違いない。

「老害は黙っとけ」

若いファンの皆さんにお叱りを受けそうだが、プロにおいては王国アメリカに肩を並べるボクング大国メキシコも、トップクラスのレベルが落ちたなと言わざるを得ない。


マルコ・A・バレラ,エリック・モラレス,ダニエル・サラゴサ,ラファエル・マルケス,イスラエル・バスケス,オスカー・ラリオスらに比肩し得る存在は皆無で、才能の払底を本気で心配してしまう。

メキシコの東大(?)に当たる最高学府で脳科学を学び、二束のわらじを履く秀才は、ことボクシングに関する限り筋金が入り切ってはいない。ところが、いささかひ弱に見えるその秀才を、永らくメキシコシティに本部を置くWBCが、本来タレントがひしめいて仕方が無かった筈の、122ポンドの1位に据えて強力にバックアップする。

これもまた、一昔前なら有り得ない事態。

軽量級にしか世界で活躍する場が無い日本のボクサーが、まさかこんな形で脚光を浴びる日が来ようとは。昭和を生きたオールド・ファンは、唯々我が眼を疑い感慨に耽るばかり・・・。

◎Naoya Inoue & Junto Nakatani EXCLUSIVE JOINT SITDOWN INTERVIEW | Mr. Verzace Podcast | Ep. 5
2025年12月25日公開/リング誌公式



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「ノーベル賞と世界チャンピオン」

人生で成し遂げるべき目標について、25歳の若者アラン・デヴィッド・ピカソはそう述べている。

ピカソといえばパブロ。日本人の大多数が、おそらくそう答える筈。戦乱の悲劇と反戦を描いた大作「ゲルニカ」で知られるキュビスムの天才画家は、スペインのマラガに生を受けた。

絵画の大家と同じスペイン語を話し、実父アロンソの指導を受け、まずはボクサーとしての頂点を目指すピカソについて、我々日本のファンは詳しい来歴をほとんど知らない。

であるからこそ、7月に組まれた亀田京之介(MR)との10回戦は、その実像を知るのに打ってつけのテストマッチとなった。そしてその内容と結果は、日本だけでなく世界中のファンと関係者を大いに落胆させた。

デビュー戦でTKO負けを喫し、新人王戦(一応決勝まで進んだ)とユース王座戦も落とした京之介は、数々のジムを渡り歩きながら腕を磨き、中川麦茶(ミツキ)や元世界王者すりヤン・ソー・ルンヴィサイらを破って浮上。

今年2月にメキシコに渡り、ティファナでルイス・ネリーと対戦。ほぼワンサイドで打ちまくられ、いいところなく7回TKOに退いている。亀田3兄弟と血縁関係ににあり、悪餓鬼キャラで売り出したものの、実力がまったく追い付いて行かず、心あるファンからも見放されてしまった。

そんなを相手にチューンナップに臨んだピカソは、フェザー級を主戦場にする京之介との体格差に苦しみ、打っては打ち返される見栄えの悪い展開に終始。勝利自体に問題は無かったけれど、2-0のマジョリティ・ディシジョンで株を落とす。

調整試合の多くをフェザー級で行っているピカソだったが、リバウンドで大きくなった京之介とは一回りサイズが違い、コンビネーションとカウンターで効かせる場面もありながら、決定的なチャンスに結びつけることができなかった。

◎ピカソの試合映像
<1>亀田京之介戦:10回2-0判定勝ち
2025年7月19日/MGMグランド(ラスベガス)
フェザー級契約10回戦
オフィシャル・スコア:98-9,97-93,95-95
https://www.youtube.com/watch?v=WZTy54uld6A

<2>アザト・ホヴァニシアン戦:
2024年8月24日/アレナ・シウダード・メヒコ(メキシコシティ)
WBCシルバーS・バンタム級王座戦(V1)
オフィシャル・スコア:118-110×2,120-108
https://www.youtube.com/watch?v=g19sqbyQQtY

※ピカソもエルナンデスと同様、老雄ホヴァニシアンから上げた白星が出世試合


昨年モンスターへの挑戦が内定と報じられた際にも、「今やっても勝ち目はゼロ以下」「止めといた方がいい」と、同胞の元王者や著名なトレーナーらがこぞって諌める異常事態が発生。一転して陣営が撤退を表明すると、「賢明な決断」との見方が大勢を占めた。

もっともピカソ本人はSNSでやる気を訴え続け、「ダック(逃げて)してなんかいない」と自身の本意ではないことを強調。「知らないうちにキャンセルされていた。何時でも戦う」と、半ば怒りを交えながらの強弁を繰り広げる。

それだけに、京之介戦の出来に否が応でも注目が集まり、期待に反する拙戦が招いたファンの失望に対して、「理系の単位取得に追われて、充分な準備ができなかった」とエクスキューズ。


大学で医学を学び、優れた医師になることを夢見ながら、チャンピオンのまま交通事故で若い生命を散らしたサルバドル・サンチェスに例える者も少なくないが、プロボクサーとしての到達点には天地の開きがある。

直前のオッズはマージンがワイド過ぎて、もはや賭けとしての体を為さない。

□主要ブックメイカーのオッズ
<1>BetMGM
尚弥:-3000(1.03倍)
ピカソ:+1100(12倍)

<2>シーザース
尚弥:-3500(1.03倍)
ピカソ:+1300(14倍)

<3>ウィリアム・ヒル
尚弥:1/33(1.03倍)
ピカソ:10/1(11倍)
ドロー:25/1(26倍)

<4>Sky Sports
尚弥:1/20(1.05倍)
ピカソ:13/1(14倍)
ドロー:40/1(41倍)

◎公開練習


※フル・メディア・ワークアウト(Matchroom公式)
https://www.youtube.com/watch?v=9DdqZMibZXU

ピカソのボクシングは、積極果敢に攻勢をかけるメキシカン・スタイルを基調に、ブロック&カバーを主体に守る正攻法のボクサーファイト。中谷と対戦するエルナンデスと良く似ているけれど、比較すれば身体とパンチにキレもあるし、攻め込む際の力強さも感じさせてくれる。

攻防のまとまりも良く、良くも悪くもソツがない。がしかし、まとまりの良さとソツの無さが、試合運びの巧さやポイントメイクに直結しているとは言い難く、多くの同胞が思わず辛口の忠告に逸るのもむべなるかな・・・。

東京ドームのネリー戦、ラスベガスの大会場で行われたカルデナス戦のように、イレ込み過ぎることなく冷静さを保ち、立ち上がりを丁寧にまとめて攻め急ぎさえしなければ、遅くとも中盤6~7ラウンドまでには終わるべくして終わる。

気をつけるべきは、ピカソと陣営のモチベーションの高さあるのみ。キャリアハイの報酬に止まらず、モンスターのすべてを奪う為に、キャリアハイの準備と仕上がりで挑んで来るに違いない。


「(自分と戦う相手は)モチベーションが違う。映像で確認できる実力より、5~6割増しを想定して準備する。」

モンスター自らがそう述べている通り、くれぐれも油断は禁物。


◎井上(32歳)/前日計量:121.5ポンド(55.1キロ)
戦績:31戦全勝(27KO)
世界戦通算:27戦全勝(24KO)
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■4階級制覇・2階級+4団体統一
WBA(V2)・WBC(V3)・IBF(V2)・WBO(V3)4団体統一王者
前4団体=WBA(V7)・IBF(V6)・WBC(V1)・WBO(V0)統一バンタム級王者.元WBO J・バンタム級(V7),
(1)WBC L・フライ級:2014年4月6日~2014年11月6日(V1/返上)
(2)WBO J・フライ級:2014年12月30日~2018年3月6日(V7/返上)
(3)WBAバンタム級:2018年5月25日~2023年1月13日(V8/返上)
(3)IBFバンタム級:2019年5月18日~2023年1月13日(V6/返上)
(4)WBCバンタム級:2022年6月7日~2023年1月13日(V1/返上)
(4)WBOバンタム級:2022年12月13日~2023年1月13日(V0/返上)
(5)WBC・WBOバンタム級:2023年7月25日~在位中(V6)
(6)WBA・IBFバンタム級:2023年12月26日~在位中(V5)
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元OPBF(V0),元日本L・フライ級(V0)王者

アマ通算:81戦75勝(48KO・RSC) 6敗
2012年アジア選手権(アスタナ/ロンドン五輪予選)銀メダル
2011年全日本選手権優勝
2011年世界選手権(バクー)3回戦敗退
2011年インドネシア大統領杯金メダル
2010年全日本選手権準優勝
2010年世界ユース選手権(バクー)ベスト16
2010年アジアユース選手権(テヘラン)銅メダル
身長:164.5センチ,リーチ:171センチ
※ドネア第1戦の予備検診データ
右ボクサーパンチャー(スイッチヒッター)


◎ピカソ(25歳)/前日計量:121.1ポンド(54.9キロ)
戦績:33戦32勝(17KO)1分け
※アマ経験を含む詳しい来歴は不明
身長:173センチ,リーチ:178センチ
右ボクサーファイター

◎前日計量


※フル・ウェイイン
https://www.youtube.com/watch?v=E1tChZUx4Cs


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■リング・オフィシャル:未公表

”ビッグ・バン”のお披露目興行 /中谷潤人4階級制覇に向け初陣へ - Night of The Samurai プレビュー I -

カテゴリ:
■12月26日/モハメド・アブドゥ・アリーナ,リヤド(サウジアラビア)/S・バンタム級契約12回戦
WBA1位/3階級制覇王者 中谷潤人(日/M.T) vs WBA位



※フル・プレス・カンファレンス(Lemino公式)
https://www.youtube.com/watch?v=QaeMjaIWDDA

来年5月の東京ドームに向けて、”愛の戦士”あらため”ビッグ・バン”を名乗る中谷が、ラスベガスを超えるMMA&ボクシングのメッカを目指すリヤドで、S・バンタム級の初陣を迎える。

現地入りしてすぐに会見と公開練習をこなすハードな日程を縫って、モンスターと一緒にインタビューも行なわれた。ベルトこそ懸けられていないが、ダブルメインの扱いであることに間違いはない。

122ポンドに上げて生じた4ポンドの余裕は、削げ落ちた頬と土気色の表情に相応の生気を与えてくれた。やつれた感さえ否めなかったバンタム級の後半に比べれば、一息つけたのは確かにしても、本人が話すほど「楽になった(減量が)」のかどうかは・・・。

仕上がりそのものは順調な様子で、まずは一安心。

◎公開練習


※フル・メディア・ワークアウト(Matchroom公式)
https://www.youtube.com/watch?v=9DdqZMibZXU

◎Naoya Inoue & Junto Nakatani EXCLUSIVE JOINT SITDOWN INTERVIEW | Mr. Verzace Podcast | Ep. 5
2025年12月25日公開/リング誌公式



「P4PのNo.1」を目標に掲げて、モンスターとの大一番を控える3冠王のテストマッチに呼ばれたのは、20勝(18KO)のレコードを誇る25歳のメキシカン。175センチのタッパに恵まれた大型パンチャーの触れ込み。

エリックとディエゴのモラレス兄弟、トニー・マルガリート,ラウル・”ヒバロ”・ペレス,ファン・F・エストラーダ,ハイメ・ムンギア,ジャッキー・ナーヴァら、錚々たる面々を輩出したティファナの出身で、エリック・モラレスのコーナーでアシスタントを任されていたフェルナンド・フェルナンデスがチーフ・トレーナーを務めている。

2020年11月デビュー~2022年8月の10戦をバンタム級で戦い、2022年11月以降S・バンタム級に定住。2戦目(4回戦)で判定勝ちを収めた後、出世試合となった今年5月のアザト・ホヴァニシアン(アルメニア)戦(10回判定勝ち)まで、17試合連続KO勝ちを続けていた。

メキシコ国内では、大物プロモーター,フェルナンド・ベルトラン(最大手の興行会社プロモシオネス・サンフェル)の傘下で戦っており、初渡米が叶った2024年9月のヨンフレス・パレホ(ベネズエラ)戦をきっかけに、サンディエゴに活動拠点を設けてティファナとの往復を継続中。


40歳を目前にした大ベテランのパレホは、かつてバンタム級でWBAの暫定王座に就いたとは言え、会長職を実の父親から禅定されたメンドサ・ジュニアがとち狂い、ありとあらゆる批判にも臆せず(馬耳東風)、スーパー・正規・暫定の3人王者制にまい進・乱発していた10年以上も前のこと。

猛威を振るう武漢ウィルス禍により、2020年と2022年をそれぞれ丸々1年休み、2021年暮れにメキシコ国内で行われた亀田和毅戦(12回0-3判定負け)の後、2023年2月にも亡命キューバ人のアリエル・ペレスに8回0-3判定負け。

KO(TKO)を免れている点だけは、技術と経験の賜物と見るべきだろうが、試合枯れが続く中での連敗はそのままキャリアの終焉を如実に示しており、「勝って当然」のオールド・タイマー。危なげなく攻め続けて棄権に追い込んだが、トップランクを正式契約へと動かすには至らなかった模様。


アルメニアの勇敢なファイター,ホヴァニシアンもまた、37歳の高齢に加えて、ルイス・ネリー(2023年2月/11回KO負け)、ピカソ(2024年8月/12回0-3判定負け)と連敗中で試合間隔が空いていた。

フィジカル・タフネスとインファイトを売りにしてきた”クレイジーA(Crazy A)”も、激闘による疲労と加齢の影響は明らか。世界ランクからも外れて久しく、第9ラウンドにはホールディングで減点されるなど昔日の面影は無し。

正式な引退こそ表明していないけれど、階級を上げて来た元王者に続いて、メキシコのホープ2人の踏み台となり、その役割を終えた。


現在のランキング(WBC10位・IBF12位・WBO11位)が示す通り、米国内ではほとんど無名と言って良く、ベルトランの盟友ボブ・アラム率いるトップランクとの友好的な関係を保ちつつ、フレディ・ローチやロベルト・ガルシア、ジョエル・ディアス,アベル・サンチェス,ボブ・サントス等々,カリフォルニアで活動する著名なトレーナーに付いたという話も聞かない。

詳細なインタビューも当然行われておらず、アマ経験の有無も含めた詳しい来歴は不明。現時点での評価についてあえて申せば、「戦績だけはいいメキシコのローカル・トップ」といったところだろうか。


◎試合映像
<1>A・ホヴァニシアン戦:10回3-0判定勝ち
2025年5月10日/パチャンガ・アリーナ(カリフォルニア州サンディエゴ)
https://www.dailymotion.com/video/x9jaydw
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オフィシャル・スコア:98-91×3
主催:トップランク/配信:ESPN+
メイン:レイモンド・ムラタラ UD12R ザウル・アブドゥラエフ(IBF暫定ライト級王座戦)/エマニュエル・ナバレッテ NC8R チャーリー・スアレス(WBO J・ライト級王座戦]
※スアレスはリオ五輪代表(ライト級)からプロ入りしたフィリピン期待の中量級ホープ(29連勝10KO)。バッティングによるナバレッテの負傷判定勝ち→ノーコンテストに変更(カットは正当な打撃によるものと判明=WBOはリマッチを指示)

<2>Y・パレホ戦:4回終了TKO勝ち
2024年9月20日/デザート・ダイヤモンド・アリーナ(カリフォルニア州グレンデール)
https://www.dailymotion.com/video/x960f64
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オフィシャル・スコア(第4ラウンドまで):39-37×2,40-36
主催:トップランク/配信:ESPN+,ESPN Knock Out
メイン:ハイメ・ムンギア KO10R エリック・バジニアン
※チャーリー・スアレスの再起戦(3回TKO勝ち)も行われた、


ブロック&カバーで守りながら、厚みのある上半身と太い下半身に支えられたフィジカルを武器に、圧力をかけ続け前進を繰り返す真っ正直な正攻法。Boxrecの身体データには間違いも多く、165センチの記載が事実か否かは別にして、映像で見る限りリーチは短い。

身体的な特徴ゆえに、ロング・ジャブで突き放すアウトボックスは難しく、恵まれたサイズを最大限に活かすプレス・スタイルを採ったとの印象。

エマニュエル・ナバレッテが得意にする、カマのように大きな弧を描いて、アウトサイドから遅れ気味に着弾するメキシカン特有のフック%アッパーも無い。ジャブを突きながら、ショートのワンツーとフックを軸に、インサイドからのアッパーを混ぜたベーシックなコンビネーションで時間をかけて切り崩す。

極めて高いKO率に相応しい爆発力、1発でし止める圧倒的なパワーも感じられない。実直で派手さの無いボクシングだが、その分堅実とも言える。具体的な数値は不明ながら、リバウンドの幅はかなりありそう。

長身選手にありがちなギクシャクとした動き、腰高な不安定感が少ないのは、無闇に振り回さないスタンダードなボクシングのお陰で、余計な力みが無いことが一番の要因だとは思うけれど、リバウンドの効用も無視はできない。

◎RAW WORK | JUNTO NAKATANI SPARRING FOR NIGHT OF THE SAMURAI | BOXRAW



率直に申し上げて、「いい相手が見つかったな」と思う。中谷に見劣りしないサイズを持ち、ワンパンチ・フィニッシュの怖さは無く、柔らかい割りには変化にも乏しい。頑丈そうではあるし、守りもそれなりにしっかりしている為、そう簡単に倒れそうにないのも好ましい。

アップセットの要素は限りなくゼロに近く、オッズも大きく差が開いている。

□主要ブックメイカーのオッズ
<1>BetWay
中谷:-1587(1.06倍)
エルナンデス:+700(8倍)

<2>FanDuel
中谷:-1500(1.07倍)
エルナンデス:+1000(11倍)

<3>ウィリアム・ヒル
中谷:1/12(1.08倍)
エルナンデス:11/2(6.5倍)
ドロー:20/1(21倍)

<4>Sky Sports
中谷:1/12(1.08倍)
エルナンデス:4/1(5倍)
ドロー:25/1(26倍)


明白な力の差を見せるのは当然で、余り時間をかけず綺麗に倒し切りたいところではあるが、西田凌佑との統一戦で見せた一気呵成の攻勢ではなく、しっかり距離をキープしながら、出所のわかりにくいジャブで内・外を丁寧に打ち分けつつ、ガードの隙をスピードに注力した速い左で抜け目なく打ち抜く。

ノックアウトを無理に急がず、理詰めの崩しで静かに仕掛けた方が、却ってチャンスの到来を早めるのではと、そんな気がする。

とは言え身体はあるので、「まともにやっていたら勝てない」と覚悟を決め、ガードそっちのけでブンブン振り回してきたら、”まさかの一撃”がまったく無いと言い切ることはできない。

前後だけでなく両サイドを余すところなく使い、いつも以上に隙の無いボクシングを徹底して、窮鼠猫を噛む間も与えないぐらい圧倒して欲しいし、この相手なら十二分にできる筈。、


◎中谷(27歳)/前日計量:121.6ポンド(55.1キロ)
戦績:30戦全勝(23KO)
世界戦通算:10戦全勝(9KO)
※5連続KO更新中
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■3階級制覇
(1)WBOフライ級:2020年11月6日~2022年10月27日(V2/返上)
(2)WBO J・バンタム級:2023年5月20日~2023年12月14日(V1/返上)
(3)WBCバンタム級:2024年2月24日~2025年9月18日(V4/返上)
(4)IBFバンタム級:2025年6月8日~9月18日(V0/返上)
※2団体統一
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元日本フライ級(V0/返上),元日本フライ級ユース(V0/返上)王者
2016年度全日本新人王(フライ級/東日本新人王・MVP)
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アマ戦績:14勝2敗
身長:173センチ,リーチ:176センチ
左ボクサーパンチャー


◎エルナンデス(25歳)/前日計量:120.8ポンド(54.7キロ)
WBC10位・IBF12位・WBO11位(WBAランク外)
戦績:20戦全勝(18KO)
身長:175センチ,リーチ:165センチ
右ボクサーファイター

◎前日計量


※フル・ウェイイン
https://www.youtube.com/watch?v=E1tChZUx4Cs


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■リング・オフィシャル:未公表


43歳の閃光三度び日本のリングへ - 両国トリプル世界戦プレビュー 【堤 vs ドネア Part 2】 -

カテゴリ:
■12月17日/両国国技館/WBA世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
正規王者 堤聖也(日/角海老宝石) vs 暫定王者 ノニト・ドネア(比)



「倒されたら立ち上がって倒し返せばいい」

「今のドネアに負けることは許されない」

「ずっとずっと準決勝にいる感じです」

発する言葉の端々に、この試合に懸ける堤の覚悟が滲み出る、自身に有利なオッズについて聞かれれば、「ドネアを低く見過ぎ」だと意に介さず、必殺の左フックに対する警戒とともに、「何が何でも突破しなければ(すべてが水泡に帰す)」との決意が溢れ出す。

<1>BetMGM
堤:-275(1.36倍)
ドネア:+230(3.3倍)

<2>シーザース
堤:-380(1.26倍)
ドネア:+260(3.6倍)

<3>ウィリアム・ヒル
堤:2/7(1.29倍)
ドネア:11/4(3.75倍)
ドロー:14/1(15倍)

<4>Sky Sports
堤:4/11(1.36倍)
ドネア:3/1(4倍)
ドロー:18/1(19倍)


本来ならば、7月にやる予定だった暫定王者アントニオ・バルガス(米)とのWBA内統一戦を、2年前から不調を訴えていた左眼の手術を理由に延期。堤は休養王者への横滑りを余儀なくされ、バルガスが正規へと昇格。

手術は左右両眼に行われ、無事な回復が伝えられると、ペンディングになっていたバルガス戦が12月17日開催でフィックスされるも、今度はバルガスが私的理由(母親の逝去による精神的なショック)で戦線離脱。

何とか日本開催に持ち込み、承認料の荒稼ぎを狙うお手盛りとは言え、6月にアルゼンチンで暫定王座を獲得したドネアとの対戦をWBAが義務付け。キャリア最大のライバルでもあり、戦友でもある比嘉大吾(白井具志堅→志成)に引導を渡した格好のバルガスの撤退は、堤のモチベーションに少なからぬ影響を与えたに違いない。

なおかつ代わりに浮上したドネアは、どこからどう見てもキャリアの終幕を迎えており、最短での殿堂入りを確実視されているとは言え、半ば「勝って当たり前」と表すべき状況。戦友比嘉の敵討ちという、年末に打ってつけのストーリーも含めて、色々な意味でバルガスの方がやり易かった。


バルガス戦を飛ばす原因となった眼疾は、懸念材料の筆頭。ファンなら誰もが気がかりで心配をしている筈。左眼の角膜に傷ができてしまい、痛みと濁りで酷い時はまともに目を開けていられなかったというから、そんな状態でキャリアを左右する大勝負をよく続けていたものだと驚くばかり。

症状を放置して治療が遅れれば、角膜の上皮が欠損するなどして、より深い層にまで病巣が浸透。角膜潰瘍を発症する恐れもあるという。角膜を傷つける原因のトップは、コンタクトレンズ装着時のアクシンデントとのことだが、堤の場合、やはり激闘の代償で負った戦傷ではないかと疑ってしまう。

今後も戦い続けていく以上、傷病名や状態をつまびらかに出来ない事情は理解するけれど、そうであるがゆえに心配も尽きない。手術が両眼に及んだという点も、詳細を知ることができないファンの不安を増幅する。「もう問題ない。万全です」と語る堤の言葉を、今はただただ信じるしかない。


◎公開練習
2025年12月3日/oricon


オープン・ワークアウトの堤は、パンチにも動きにもキレがあって好調そのもの。石原トレーナーとのミットワークでも、鋭いジャブから小気味のいいショートのコンビネーションを叩き込み、これだけ見ていれば頼もしい限り。

前日計量にはゲッソリ殺げた頬で登場。大胆にウェイトを上げ下げしてきたドネア以上に、減量は過酷さを増している様子。止むを得ないことではあるが、ここからのリカバリー,回復が何よりも重要になる。

◎計量後の囲み取材
2025年12月16日/oricon



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◎参考にすべきサンティアゴの戦い方

公称159センチのアレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)は、あえて遠目の中間距離をベースにして、左フックのカウンターを徹底して警戒しながら、鋭く素早い踏み込みで大きなドネアとの距離を潰すことに成功した。

同じ位置に留まらないよう、頭の位置にも気をつけつつ、踏み込む時にはさらにクラウチングを深くして、西岡利晃を沈めた(右)アッパー対策も兼ねるなど、至るところに工夫の跡が伺える。

もともとドネアのディフェンスには穴が多く、特にジャブを貰う確率が高い。あれだけの攻撃力と決定力があれば、オフェンスに偏重しがちになるのは当然で、左リードを無造作に出しては、引き手の戻りがおざなりになるところへオーバーハンドの右を狙い打たれる場面も増えた。


”フィリピノ・フラッシュ”の語源となったスピード&シャープネスを最大限に活かし、先に右(オーソドックス)を打たせておいて、一瞬遅らせてクロスで放つ電光石火の左フックは、”後の先”とも言うべき芸術の域に達していた。

加齢と勤続蓄積により、ダルチニアン,シドレンコ,モンティエルを血祭りに上げた当時の絶妙なタイミングは失われたが、破壊力は健在と見るのが妥当で無難。ドネアに容易に肉薄されない為にも、立ち上がりの早い時間帯に、当たらなくてもいいから(左右どちらでも)強打を見舞っておきたいところではある。

ただし、ドネアが元気な前半戦(3~4ラウンズ)の間は、正面突破の突進はしない方がいい。賢明なサンティアゴがやったように、どちらかと言えばロング・ディスタンスに身を置き、ドネアの打ち終わりに合わせて飛び込み、そのままサイドへ脱出するか、いっそくっついてブレイクを待つ。

右のオーバーハンドも常に狙いたいが、打ち込み際は頭と左肩を左サイドへ傾け、上体を沈めながら振り抜く。きめ細かい前後のステップを踏み、ドネアが疲れて集中の維持が難しくなるまで大振りは慎む。


せわしなく丁寧な出はいりとフェイントを繰り返し、前後左右に揺さぶりをかけ続けて、ドネアの頭脳を自由にさせないことが肝心。堤の眼に不安が無ければ、マージンはともかく順当に3-0の判定をモノにできる。

その為にも、とにかく拙攻・攻め急ぎは厳禁。豊富なアマ経験を今こそ総動員して、サンティアゴと同程度に攻防をまとめることさえ出来れば、後半から終盤にかけてストップを呼び込み、現役にこだわるドネアの執念を断つことも可能。

前半3~4ラウンズ、できれば6ラウンドを過ぎるまでは、攻防が単調かつ粗く雑にならないよう集中を切らさず、ドネアの左リードがルーズになる瞬間を逃さず、右を決め切って欲しい。

左ボディと十八番にする上下のコンビネーションは、その為の囮,陽動と考えるくらいで丁度いいのでは。


◎堤(29歳)/前日計量:117.7ポンド(53.4キロ)
WBAバンタム級王者(V1),元日本バンタム級王者(V2/返上)
戦績:15戦12勝(8KO)3分け
世界戦:2戦1勝1分け
アマ通算:101戦84勝(40RSC・KO)17敗
九州学院高校→平成国際大学
2013年(平成25年度)高校選抜L・フライ級優勝
※高校選抜:JOCジュニアオリンピックを兼ねる
身長:166センチ,リーチ:164センチ
血圧:157/91
脈拍:46/
体温:36.7℃
※計量時の検診
好戦的な右ボクサーファイター(スイッチ・ヒッター)


◎ドネア(43歳)/前日計量:117.7ポンド(53.4キロ)
現WBAバンタム級暫定王者(V0)
戦績:51戦43勝(28KO)8敗
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世界戦通算:27戦20勝(12KO)7敗
■5階級制覇
(1)IBFフライ級:2007年7月~2009年7月(V3/返上)
(2)WBA S・フライ級暫定:2009年8月~2010年10月(V1/返上)
(3)WBC・WBO統一バンタム級:2011年2月~2012年2月(V1/返上)
(4)WBO J・フェザー級:2012年2月~2013年4月(V2)
(5)IBF J・フェザー級:2012年7月~10月(V0/返上)
(6)WBAフェザー級スーパー:2014年5月~10月(V0)
(7)WBO J・フェザー級:2015年12月~2016年11月(V1)
(8)WBAバンタム級:2018年11月~2019年11月(V1)
(9)WBCバンタム級:2021年5月~2022年6月(V1)
(10)WBAバンタム級暫定:2025年6月~(V0/在位中)
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アマ通算:68勝8敗(2000年シドニー五輪代表候補)
2000年全米選手権優勝
1999年インターナショナル・ジュニア・オリンピック(メキシコシティ)金メダル
1999年ナショナル・ゴールデン・グローブス ベスト8
※階級:L・フライ級
身長:170.2センチ,リーチ:174センチ
※井上尚弥第1戦の予備検診データ
血圧:121/88
脈拍:130/
体温:35.5℃
※計量時の検診
右ボクサーファイター(スイッチ・ヒッター)


◎前日計量


◎前日計量:U-NEXT公式
https://www.youtube.com/watch?v=YSMvH0Olk7s


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■オフィシャル

主審:ルイス・パボン(プエルトリコ)

副審:
レシェック・ヤンコヴィアク(ポーランド)
ピニット・プラヤッサブ(タイ)
ロバート・ホイル(米/ネバダ州)

立会人(スーパーバイザー):安河内剛(日/JBC)


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■高見に残る懸念と不安

レネ・サンティアゴ(プエルトリコ)との統一戦に臨む高見享介(帝拳)は、パンチの決定力(重さと硬さ)だけを採れば、具志堅用高から始まった108ポンドの歴代日本人チャンプの中でも突出している。

持ち前の強打で一気に押し潰してしまうのがベストには違いないが、同門の岩田翔吉がやられたように、距離を縮める前に動かれすかされ、誤魔化し戦術に絡め取られて、空転を繰り返す恐れは十二分。

とにかく上体が突っ立てしまわないよう、ある程度ガードを楽に構えて、長めの距離をキープしながら間断なくジャブを突き、テンポ良くリズムを刻んで圧力をかけつつ、サンティアゴを呼び込む工夫も必要になる。


オラスクアガに挑む桑原は、遅かれ早かれのるかそるかの勝負に出るしかない。まともにボクシングをやっていたら、オラスクアガにプレスされて万事窮す。タイミングの余り良くない挑戦だが、チャンスはすべからくこうしたもの。

8~9割方の確率で、オラスクアガのKO防衛との見立てにならざるを得ない。

失格のフルトンにライト級暫定王座? - O・フォスター vs S・フルトン プレビュー -

カテゴリ:
■12月6日/フロスト・バンク・センター(旧称AT&Tセンター),テキサス州サンアントニオ/WBC世界S・フェザー級タイトルマッチ12回戦
王者 オシャキー・フォスター(米) vs WBCフェザー級王者 スティーブン・フルトン(米)



「ふーん・・・」

S・バンタム級時代に繰り広げた接戦で因縁を結んだ(?)フィゲロアにけじめを着け、ベルトの統一に向けて急ぎ足で動き出すのかと思いきや、130ポンドに上げて3階級制覇に挑む。

東京で一敗地に塗れた我らがモンスターの参戦を待たずして、このまま126ポンドを後にしてしまうのか、それとも結果次第で王座を保持したまま出戻るつもりなのか。いずれにせよ、フルトンの3冠挑戦が報じられた時、さしたる感慨にふけることもなく、思いの外(ほか)恬淡としている己に気づく。


「イノウエがやるべきことをやったら、もう一度戦う。そして私自身の実力をあらためて証明したい。」

帰国後に受けたインタビューのどれかで、あるいはフィゲロアへの挑戦(再戦)が決まった直後だったかもしれないが、リベンジへの思いを口にしていたと記憶する。しかし、それはそれ、これはこれ。

サイズ(階級&体格)の違いは、明白な実力差を埋めて余りあるアドバンテージを大きな選手に与える。その事実を踏まえる前提で、両雄のリマッチ(126ポンド)を想像してみるが、どう考えを張り巡らせようとも、我らがモンスターの優位は動きそうにない。

再戦があればあったで良し。無ければ無いでそんなものかと・・・。


それより何より問題なのは、ちっともワクワクしない期待感の無さ。130ポンドと126ポンドのWBC現役王者対決。しかもチャレンジャーのフェザー級王者には、3階級制覇が懸かっている。90年代以前(20世紀)のプロボクシングなら、世界中のファンと関係者が注視せずにはいられない「事件」だった。

WBAとWBC老舗2団体が我先にと争いながら、猛然と突っ走り続けた乱脈なチャンピオンシップ運営が招いた当然の帰結。ミもフタも無い言い方で恐縮だが、チャンピオンとランカーの粗製乱造による権威の失墜と喪失は、止まるところを知らない。

リスク回避を第一に、ポイントメイクを主眼にして揺るがない王者フォスターのスタイルが、興味と関心の低下にさらなる拍車をかける。上手いと前向きに評価することもやぶさかではないものの、それ以外に評価のしようがないボクシング。

そしてムーヴィング・センス&クィックネスを含む完成度は、例えばシャクール・スティーブンソンの域には達しておらず、手足と身体全体のスピード&シャープネスにおいても、世界最高水準の太鼓判を押すことは難しい。


ウェルター級に転じたフロイド・メイウェザーが、露骨極まりないラスベガス・ディシジョンのバックアップを背景に確立した”タッチ&アウェイ”は、王国アメリカで戦う黒人選手たちを中心にして、世界的規模で瞬く間に拡散浸透。数多くのクローン(亜流)を生むこととなったが、フォスターもその列に並ぶ1人。

どうしようもない”出来損ないのコピー(失礼)”が引きも切らず、玉石混交の渦の中でフォスターは十二分に上等の部類と評せはするけれど、「何を置いても観なければ」と、筋金の入ったファンのモチベーションを掻き立ててはくれない。

共産主義体制の崩壊により、90年代に始まった旧ソ連・東欧出身のエリート・アマ流入は、王国アメリカの屋台骨を揺るがす深刻な人材の枯渇(特に中~重量級の黒人選手のレベル低下)、年間にこなす試合数の激減と相まって、プロボクサーの高齢化を一気に加速拡大した。

執拗なクリンチ&ホールドの横行を、むしろ積極的な容認支援すら惜しまない王国アメリカのレフェリングの堕落が、見るも無残な抱きつき合戦と、それによる安易なインファイト潰しを常態化させてしまう。

ご本尊のメイウェザー様が第一線を退き、落ちるところまで落ちたレフェリング&スコアリングにようやく揺り戻しの兆しが見られ、今やプロボクシングの頂点に君臨しようかという(?)トゥルキ長官の「トムとジェリー(必死に逃げ回るベイビー・フェイスのネズミを悪漢のネコが必死に追いかけ回す)は真っ平御免」発言に勇気付けられつつ、プロボクシングに巣食い根付いた”タッチ&アウェイ”からの脱却はほとんど不可能だろう。

何となれば、当のフルトンも立派な”メイウェザー・クローン”の流れに属する典型的な現代版ボクサータイプであり、何を血迷ったのか、フェザー級の初陣でタフなカルロス・カストロを相手にスタートから猛然と打ち合いに雪崩れ込み、したたかに効かされノックダウンを喫した挙句、薄氷の2-1判定に救われる大失態を経て、乾坤一擲のフィゲロア戦では原点回帰を選択。首尾良く2階級制覇に辿り着いた。



駆け引きとディフェンスに重きを置く(せざるを得ない)という点では、似た者同士と言えなくもない。しかしよりアクティブかつ、時と場合によってはインファイトにも応じるフルトンを、私個人は好ましいと思うし支持もしたい。

ただし、130ポンドから上のクラスになると、S・バンタムでストロング・ポイントになっていたサイズのアドバンテージがその機能を失う。

遠めの中間距離をベースにしつつ、間断のない出はいりを繰り返すフォスターは公称174センチ。130~140ポンドでは十分な長身と言える。リーチも183センチだから、正確な数値だと仮定すればメイウェザー(H:173センチ/R:183センチ)とほとんど同じ。

対するフルトンのタッパは公称169センチ(リーチ:179センチ)。ワールドクラスのトップで覇を競うレベルになると、10センチ前後までのサイズの不利をものともせず、傍目には容易く克服してのけるトップボクサーが大勢を占める。

しかしそうした場合、小さな選手に不可欠となるのがフィジカルの強さ。一定程度以上のパンチ力も、当然あるにこしたことはない。


フルトンが126ポンドで披露した2試合のみを持って、130ポンド以上では通用しないと結論付けるのは拙速の謗りを免れず、流石に憚られる。曲がりなりにも世界の第一線で鎬を削る技術と経験があり、より大きくてリスクテイクを嫌うフォスターを相手に、フルトンがいかなる戦術で打開を図るのか。

モンスターとは違い、フォスターが強打を振るって倒しにかかることはまず考えらない。KOされる心配はゼロに等しいけれど、右のカウンターを決め切るチャンスは自ずと限られる。

試合の内容と展開、そして結末は全然異なるにしても、我らがモンスターとの大勝負に臨んだ際、生命線のリードジャブで遅れを取り、強打の応酬だけでなく、分があると思われていたタッチ合戦でも優位に立てず、文字通りの完敗した悪夢がデジャヴのように蘇って仕方がない。

痺れを切らしたフルトンが前に出ざるを得なくなり、攻防のキメが粗くなったところをコツンと狙い打たれて、窮鼠猫を噛むインファイトもクリンチ&ホールドで阻まれる。目立ったクリーンヒットも無いまま、両者ともに綺麗な顔のまま終了。無念の小差0-3判定負けでフルトンが怒りの会見・・・そんな光景が当たり前に浮かんでしまう。

互いに安全圏から出ようとせず、フェイントとインサイドワークの掛け合いで12ラウンズを終えるのが想定し得る最悪のシナリオ。そうした微妙な塩梅を象徴するかのように、掛け率も拮抗。

□主要ブックメイカーのオッズ
<1>BetMGM
フォスター:-120(1.83倍)
フルトン:+110(2.1倍)

<2>シーザース
フォスター:-135(1.74倍)
フルトン:+105(2.05倍)

<3>ウィリアム・ヒル
フォスター:10/11(1.91倍)
フルトン:10/11(1.91倍)
ドロー:14/1(15倍)

<4>Sky Sports
フォスター:19/20(195倍)
フルトン:15/13(2.15倍)
ドロー:16/1(17倍)


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◎フルトンがよもやのウェイト・オーバー

そんなこんなを書き連ねていたら、「フルトンが2ポンドオーバーで失格」との一報が舞い込み言葉を失った。しかもあろうことか、WBCがライト級(135ポンド)の暫定王座決定戦を認めるという。

馬鹿馬鹿し過ぎて真面目に論じる気にすらなれない。天心 vs 拓真戦に立会人として臨んだマウリシオ・スレイマン会長が、満面の笑みとともに持参した「サムライ・ベルト」にも呆れたが、タガの外れっぷりに関する限り、またぞろ正規・暫定・スーパーの並立をやり出したWBA以上ではないのか。

承認料の未払いを理由に、WBCからS・ウェルター級のベルトをはく奪されたテレンス・クロフォードが、自身のSNSで痛烈極まりない正論をぶちまけて話題になっている。「良くぞ要ってくれた」と喝采を浴びる一方で、払うものを払わずシカトを決め込むクロフォードを全面的に擁護する気にもなれない。


その昔、WBAバンタム級王者時代のルイシト・エスピノサに、J・バンタム級のトップランカーだったタノムサク・シスボーベー(タイ)が挑むことになり、関係者の1人として臨席していたジョーさん(ルイシトの個人マネージャーになるのは後の話)が、下から上げてきたタノムサクが最後の最後まで減量に苦しんでいたことを明かしていた。

「1階級上げるから楽だろうとみんな思う。でも違う。余裕があるからとキャンプでの体重調整が贈れ気味となり、直前になって慌てるケースは珍しくない。」

ジョーさんはそんな具合に述べていたと記憶するが、タノムサクは計量の時刻までに何とか118ポンドのリミットを間に合わせた。


バンテージへの言いがかりの一件では、王国アメリカの本当に嫌な一面を見せられたが、ことコンディショニングについて、フルトン自身は真面目にやりくりする選手だと感じていただけに、2ポンドもオーバーしておいて下げる努力を放棄する居直りには、もはや付ける薬が無い。

130ポンドのNo.1と目されているのは、心身ともに万全ではなかったけれど、とにもかくにもジャーボンティ・ディヴィスと互角以上に渡り合ったラモント・ローチで間違いなく、私生活でトラブルの耐えないディヴィスが戦力外となった為か、同じリングでイサック・クルスとS・ライト級のWBC暫定王座を争う。

フルトンもローチも、勝敗の結果如何によらず、現在保持しているベルトはそのまま承認される気配が濃厚。明らかにWBCも末期状態・・・。


◎フォスター(31歳)/前日計量:130ポンド
WBC S・フェザー級王者(第2期:V0/第1期:V2)
戦績:26戦23勝(12KO)3敗
世界戦:5戦4勝(1KO)1敗
アマ通算;100戦超(詳細不明)
2012年ロンドン五輪バンタム級代表候補
オリンピック・トライアル:アントニオ・ニエヴェス(井上尚弥の初渡米の相手)と、代表権を得たジョセフ・ディアスに勝ったものの、トラメイン・ウィリアムズに2戦2敗。補欠として代表チームに残る。
2010年ナショナルPAL優勝(バンタム級)
リングサイド全国トーナメント優勝×5回
ナショナル・ジュニア・ゴールデン・グローブス優勝×2回
※いずれも年度と階級不明
身長:174センチ,リーチ:183センチ
右ボクサーファイター


◎フルトン(31歳)/前日計量:132ポンド
※2ポンドの超過で失格
前WBC・WBO統一S・バンタム級王者(WBO:V2/WBC:V1)
戦績:24戦23勝(8KO)1敗
世界戦:5戦4勝1敗
アマ通算:75勝15敗
2014年ナショナル・ゴールデン・グローブス準優勝
2013年ナショナル・ゴールデン・グローブス優勝
2013年全米選手権準優勝
※階級:フライ級
ジュニア:リングサイド・トーナメント優勝
ジュニア・ナショナル・ゴールデン・グローブス優勝
※年度及び階級等詳細不明
身長:169センチ,リーチ:179センチ
右ボクサーファイター


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■リング・オフィシャル:未公表

S・フライ級進出も視野に・・・拳四朗が統一王座の初防衛戦 - 横浜BUNTAI トリプル世界戦 プレビュー -

カテゴリ:
■7月30日/横浜BUNTAI(旧称:横浜文体/横浜文化体育館)/WBC・WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦
統一王者 寺地拳四朗(B.M.B) vs WBA4位 リカルド・R・サンドバル(米)


※会見(公式フル映像)
https://www.youtube.com/watch?v=CkEsq4diRfA

リカルド・サンドバル(Richard Sandoval)と聞いて、80年代のバンタム級を賑わせた人気者リッチー(リカルド)・サンドバルを思い出したオールド・ファンも多かったのではないかと(勝手に)想像する。

”和製無冠の帝王”こと村田英次郎(金子)の挑戦を3度び弾き返した安定政権を樹立したジェフ・チャンドラー(米)を破り、短期間だがWBA王座を保持。ジュニアの世界選手権とパン・アメリカン・ゲームズでメダルを獲ったエリート選手でもあったが、丁度1年前の昨年7月22日、63歳の若さで天に召されてしまい、カリフォルニアのボクシング・ファンを悲しませた。

21日にチームとともに来日した挑戦者は、カリフォルニア出身のメキシコ系アメリカ人。大先達リッチーとの血縁関係はなく、正真正銘の同名異人。生まれたのは、ロサンゼルス近郊のモントクレアという人口4万人に満たない小さな街で、現在は同じ郡内にある工業都市サンバナディーノ(人口22万人超)に隣接する、リアルトという中規模都市(人口約10万人)に居住。

米本土でも詳細なインタビューは行われておらず、精確な来歴はわからない。来日直後のインタビューで判明したのは、「ボクシングを始めたのは10歳。以来ずっと続けてきた」、「ボクシングと直接関わりのある家族はいないが、父がファンでテレビの中継を良く見ていて影響を受けた」といった程度。

チームを率いるヘッドは、ホセ・トーレスというローカル・トレーナー。こちらもまた、名匠カス・ダマトが育てた2人目の世界王者(L・ヘビー級)と同姓同名。悪い癖で、ついつい寄り道したくなってしまう。

結果的に愛息をボクシングに誘った父は、フリオ・セサール・チャベスとファン・M・マルケス(好戦的なボクサーファイター)の支持者だったけれど、息子が憧れたのは、リカルド・ロペスとロマチェンコ(脚の速いボクサータイプ)。

成長した今現在は、まとまりの良い正攻法のボクサーファイトを身上にしており、フィニートの系譜を目指した模様。現実問題としてロマチェンコのスタイルを模倣するのは不可能に近く、全盛のフィニートが誇った高過ぎる完成度は別にして、印象的だった高いガードを筆頭に手本にし易いことだけは間違いない。


当然アマチュアでの活動歴もある筈だが、具体的な戦績と戦果を公表しておらず、大手プロモーションのスカウトの網にもかからなかったことから、目ぼしい実績を残すまでには至らなかったと思われる。

プロ入り後に積み上げた戦績は立派なもので、2016年6月にルーツのメキシコでプロデビュー。5戦目(4回戦)に0-2判定で初黒星を喫するも、8戦で4回戦を卒業すると、カリフォルニアに戻ってローカル興行に出場(6回戦)。12戦目で8回戦に上がり、丸3年目となる16戦目で10回戦に進出した。

一定レベル以上ののアマチュア経験者を、短期間で世界タイトルに挑戦させる”促成栽培方式”は日本独自のやり方で、欧米では時間をかけてプロの水に慣らすのが一般的。

1960年ローマ五輪のL・ヘビー級を制したモハメッド・アリは、6回戦でデビューした後、3年以上の月日をかけてプロのヘビー級で通用する身体を作り(10ポンド近い増量)、ソニー・リストンを破って王座に就いたのは20戦目(3年4ヶ月)だった。

そして、伝説の拳豪シュガー・レイ・ロビンソンからアリが継承したバトンを、多くのファンと識者から認められて受け継いだ2代目シュガー・レイ・レナードも、1976年モントリオール五輪のL・ウェルター級で金メダルに輝き、6回戦でプロデビュー。やはり3年9ヶ月をかけて25戦の経験を積み、史上に名高いディフェンス・マスターの1人、ウィルフレド・ベニテスを15回TKOに屠って最初のウェルター級王座を獲得している。

また、1996年アトランタ五輪のフェザー級で悔しい銅メダルに甘んじたフロイド・メイウェザー・Jr.は、130ポンドのJ・ライト級で何と4回戦からのスタート。2年間で17試合を消化すると、名王者ヘナロ・エルナンデスをスピードで圧倒。9回終了TKO勝ちを収めて、18戦目で1つ目のWBC王者となった。

新興のマイナー団体に過ぎなかったWBOを利用して、12戦目でWBO J・ライト級王座を獲らせて貰ったオスカー・デラ・ホーヤ(1992年バルセロナ五輪ライト級金メダル)、同一階級に正規&暫定&スーパーを並立させる、恐るべき拡張政策を断行したWBAの”銭ゲバ体質”に乗じて、7戦目でWBAのS・バンタム級暫定王座に就いたギジェルモ・リゴンドウ(2000年シドニー・2004年アテネ五輪連覇/バンタム級)、15戦目でWBAフェザー級のベルトを巻いたユリオルキス・ガンボア(2004年アテネ五輪フライ級金メダル)らは、例外中の例外と表していい。


アマで目立った活躍が出来なかったらしい(?)サンドバルが、15戦をこなしてから10回戦に上がったのは、欧米における常識的なキャリアメイクと言える。

初陣をS・フライ級で終えたサンドバルは、フライ級からフェザー級(S・バンタム級リミット+1ポンド強)の間を行き来しながら戦っている。大胆に階級を上げ下げしながら、修行中にベストウェイトを探ること自体は、これもまた欧米では良くある手法で特に珍しいものではない。

170センチ近いタッパに恵まれたことも、階級の選択に時間をかける要因の1つになったのだろう。2017年の暮れからフライ級に定住して、やはりメキシコと米国の両方でキャリアを進め、2019年7月にゴールデン・ボーイ・プロモーションズからお呼びがかかり、WBCインターナショナルのユース王座への挑戦機会を得る。

首尾良くユース王座を獲得したサンドバルは、地元カリフォルニアを中心にしたGBPのローカル興行の常連となったが、正式なプロモート契約を結んだのは2024年の年明け早々だったらしい。


契約締結が遅れた最大の理由は、2022年6月のエリミネーター(WBAフライ級/当時の王者:アルテム・ダラキアン)で、コスタリカのデヴィッド・ヒメネスにダウンを奪われ、12回0-2判定を失い、2度目の敗北を献上したこと。

サンドバルの勝利を支持する声も多く、判定に対する批判も小さくなかったとのことだが、ホームのロサンゼルスで勝ち切れなかった。そして、猛威を振るい続けた武漢ウィルス禍による興行の中止と自粛も痛かった。

GBPが用意したマッチメイクは非常に理に叶ったもので、参戦4試合目でフィリピンの元プロスペクト,レイモンド・タプゴンに7回KO勝ち(2020年2月)。ここでパンデミックによる1年4ヶ月の休止を余儀なくされる。

2021年8月の復帰戦で、英国ウェールズのフライ級ホープ,ジェイ・ハリスを8回KOに下し、年末の12月には、京口紘人(ワタナベ/先日引退を表明)への挑戦経験を持つカルロス・ブイトラゴ(ニカラグァ)にも7回TKO勝ち。

こうした辿り着いたエリミネーターだったが、あと1歩のところで世界挑戦を逃す。ちなみにヒメネスは、安定王者ダラキアンに英国の首都ロンドンで挑み明白な12回0-3判定負け。階級を上げて再起し、昨年4月、S・フライ級のWBA暫定王座を奪取。

今月20日には、キルギスタンで健文トーレス(TMK)に11回KO勝ち。井岡一翔(志成)とのリマッチを乗り切り、統一路線をひた走る( or バンタム級進出?)フェルナンド・マルティネス(亜)への指名挑戦権を獲得した。


ヒメネスに敗れたサンドバルは、再びローカルファイトからやり直し。ブイトラゴとの再戦(8回終了TKO勝ち)を含む4連勝(2KO)をマークすると、昨年7月、元WBO J・フライ級王者アンヘル・アコスタ(プエルトリコ)に10回KO勝ち。WBCシルバー王座に就く。

今年2月には、インディアナの中堅選手サレト・ヘンダーソンを10回判定に退けて、WBCシルバー王座の初防衛に成功。今年3月、ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)に劇的な最終回逆転TKO勝ちを収めて、A・C2団体を統一(L・フライ級に続く2階級+2団体統一)した拳四朗へのアタックがまとまった。

6割を超える高いKO率(軽量級では十分に高い)を記録しているが、一撃でし止める破壊力は無く、ジャブ&コンビネーションによる崩しとカウンターでチャンスメイクし、連打をまとめてストップを呼び込む。


安定感に優れたボクシングではあるものの、大きなハプニングのリスク,怖さは無い。積極果敢に打ち崩す好戦性も持ち合わせてはいるが、丁寧にラウンドをまとめるバランスの良さに適性を発揮する。

これでは前評判も盛り上がりづらい。リング誌P4Pランク入りを果たし、キャリアの後半~終盤を迎えてなお意気健康な拳四朗の防衛は堅く、本人が会見で述べた通り、「後半にKOできればいいが、勝ち方も問われる」。

□主要ブックメイカーのオッズ
<1>Caesars Palace
拳四朗:-500(1.2倍)
サンドバル:+325(4.25倍)

<2>betway
拳四朗:-500(1.2倍)
サンドバル:+350(4.5倍)

<3>ウィリアム・ヒル
拳四朗:1/6(約1.17倍)
サンドバル:4/1(5倍)
ドロー:16/1(17倍)

<4>Sky Sports
拳四朗:2/7(約1.29倍)
サンドバル:17/4(5.25倍)
ドロー:20/1(21倍)


◎公開練習
<1>サンドバル


<2>拳四朗



拙ブログ管理人も、8割方の確率で拳四朗の防衛(3-0判定 or 中盤以降のTKO)と見立ててはいるけれど、打たれ(せ)るようになった拳四朗の疲労と消耗が心配。蓄積したダメージは、何時顕在化するかわからない。30代を超えていれば尚更だ。

好戦的ではあっても、純正なメキシカン・スタイルではなく、粗く雑に振り回すのはフィニッシュを狙う場面に限られ、相手の打ち気を誘ってタイミング良くカウンターを取る術も知っている。

実際に見てみないとはっきりしたことは言えないが、慎重な待機策をベースに、プレスをかけながら前に出てくる拳四朗を迎え撃つ戦術も想定の範囲内。

拳四朗がパワーアップした右ストレートを振り出すのに合わせて、ベーシックなボディワークでかわしざま、得意にする左フック(やや下からアッパー気味にショートで打ち抜く)で迎撃するシーンは容易に想像がつく。


◎拳四朗(33歳)/前日計量:111.6ポンド(50.6キロ)
現WBCフライ級(V2),現WBAフライ級(V0),元WBC(通算V11/連続V8)・WBA(V2)統一L・フライ級王者
元日本L・フライ級(V2/返上),OPBF L・フライ級(V1/返上),元WBCユースL・フライ級(V0/返上)王者
戦績:26戦25勝(16KO)1敗
世界戦通産:17戦16勝(11KO)1敗
アマ通算:74戦58勝(20KO)16敗
2013年東京国体L・フライ級優勝
2013年全日本選手権L・フライ級準優勝
奈良朱雀高→関西大学
身長:164.5センチ,リーチ:163センチ
※矢吹正道第2戦の予備検診データ
※軽量時の検診データ
体温:36.0℃
脈拍:66/分
血圧:127/88mm
右ボクサーファイター


◎サンドバル(26歳)/前日計量:111.8ポンド(50.7キロ)
戦績:28戦26勝(18KO)2敗
アマ戦績:不明
身長:168センチ,リーチ:170センチ
※軽量時の検診データ
体温:35.9℃
脈拍:55/分
血圧:133/82mm
右ボクサーファイター


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■オフィシャル

主審:スティーブ・ジェルマン(カナダ)(カナダ)

副審:
レシェック・ヤンコヴィアク(ポーランド)
ジャッジ :パヴェル・カルディーニ(ポーランド)
ジャッジ :ジョセフ・グゥィルト(英/イングランド)

立会人(スーパーバイザー)
WBA:ウォン・キム(韓)
WBC:ケヴィン・ヌーン(アイルランド)


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◎サンドバルの試合映像
<1>2024年3月30日/youtubeシアター,カリフォルニア州イングルウッド
サンドバル 8回終了TKO C・ブイトラゴ第2戦
https://www.youtube.com/watch?v=TL1iPeoWF0Q

<2>2021年12月4日/MGMグランド・アリーナ,ラスベガス
D・ヒメネス 12回2-0判定 サンドバル
WBAバンタム級挑戦者決定12回戦
https://www.youtube.com/watch?v=y_3sUrqHKPw

<3>2020年2月6日/ファンタジー・スプリングス・カジノ,カリフォルニア州インディオ
サンドバル 7回KO R・タプゴン
https://www.youtube.com/watch?v=U8gqdvDJm5w

残念なことに、アコスタ戦の試合映像はネット上で確認できない。陣営をハンドリングするミゲル・コット(プロモーター)の差配だろうか。


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◎有利の予想が出ている比嘉と高見

トリプル世界戦と銘打たれている通り、3戦連続の挑戦となるバンタム級の比嘉大吾(志成)、プロ10戦目の初挑戦となるL・フライ級の高見亨介(帝拳)についても書きたいことはヤマほどあるが、時間が取れず涙を呑んで見送り。

日本国内の配信はU-NEXTになるが、サンドバルとエリック・ロサ(ドミニカ/WBA L・フライ級王者)を擁するゴールデン・ボーイ・プロモーションズの尽力により、米本土でもDAZNが配信を行う。

眼疾(左眼:詳細は不明)による堤聖也(角海老宝石)の休養を受けて、暫定から正規に昇格したBA王者アントニオ・バルガス(米)に挑む比嘉には、何としてもベルトを巻いて貰い、復帰を待つ堤との再戦実現を願う。



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