遂に実現する日本人現役P4P対決 - 井上尚弥 vs 中谷潤人 東京ドーム決戦プレビュー III -
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■5月2日/東京ドーム/4団体統一世界S・バンタム級タイトルマッチ12回戦
統一王者/リング誌P4P2位 井上尚弥(日/大橋) vs 元3階級王者/リング誌P4P6位 中谷潤人(日/M.T)
統一王者/リング誌P4P2位 井上尚弥(日/大橋) vs 元3階級王者/リング誌P4P6位 中谷潤人(日/M.T)
史上初にして唯一、そして最後かも知れない、日本人同士のリング誌P4P対決が間もなくゴングを迎える。
王国アメリカには、未だに井上尚弥を認めようとしないボクサーや関係者が存在しており、彼らが口を揃えて言うことは1つ。
「確かにレコードは凄い。プロで10年以上戦って一度も負けてない。4階級制覇を達成したし、バンタムとS・バンタムで4団体をまとめたのはグレートだ。でも、ヤツはいったい誰を倒したんだ?」
「クロフォードとヤツを比べること自体がおかしいだろ。クロフォードは最激戦区の140(ポンド)と147で立て続けに4団体を獲ったんだ。しかも147では、P4Pファイターのエロール・スペンスを子供扱いにした。」
「スペンスだけじゃない。ショーン・ポーターやケル・ブルック、アミル・カーンも歯が立たなかったし、S・ウェルターでも2つ獲って、最後はS・ミドルに上げてカネロに勝っちまった。」
「ヤツのレコードを見たけど、俺たち(アメリカで戦うボクサー総てと言いたいらしい)が知ってるのは2人しかいない。ノニト・ドネアとノニト・ドネアだ。ああ、フルトンもいたね。うっかりしてたよ・・・」
本領を回復したモンスターが、額面通り中谷を粉砕しても彼らは言い続けるだろう。
「ヤツが抜群に強いのは、日本でやる時だけだ。アウェイ(海外)では大したパフォーマンスを見せてない。」
何かを絶対に認めたくない、何がどうあっても否定しかしたくない連中に付ける薬はない。議論とはとても呼べない、不毛な言い合いに終始するだけ。時間と労力の無駄である。
「相性は最悪。ボクシングの引き出しは僕の方が多い。でも、持っている引き出しをより多く使わなければいけないのも僕で、それだけサイズの差が(持つ意味は)大きい。」
「長身のサウスポーでパワーがある。これですよ。確かに彼は長い距離で強い。それだけじゃなくて接近戦も上手いし、ラフファイトもできる。でも(自分に取って)一番(のディス・アドバンテージ)はこれ。」
モンスター自らが語っているように、中谷は懐が深くて、普通なら届かない筈の距離から強打が飛んで来る。かと思うと、高い上背を深くかがみ込んで、長い両腕を上手く畳んでショートフックとアッパーを回転させ、揉み合いになっても簡単に押し負けることがない。
S・フライ級までは、突進力のあるしつこいメキシカン・スタイルを苦手にしていて、真っ直ぐ下がって上体が伸び上がり、オフ・バランスを招く悪い癖が直らなかったが、バンタム級に進出して以降、適時スタンスを調整しながら、腰を落とし気味にして左右のスペースを使い、バランスを失わない捌きを身に付けた。
昨年暮れにリヤドで開催された「サムライ・ナイト」は、色々な意味で日本のファンにはホロ苦い一夜となったが、とりわけ中谷の苦闘は誰も予想しておらず、早くも「階級の壁」を持ち出される始末。
ボクシング界を席巻するオイル・マネーの本拠地で、モンスターとの大一番を控えた122ポンドのテストマッチ。注目度も高く、力むなと言う方が無理な状況ではあったけれど、何もああなってしまうまで、真っ正直にエルナンデスに付き合う必要はなかった。
ごく当たり前にロングジャブと左ストレートで突き放し、入って来るところにアッパーやフックを合わせつつ、一流のマタドールよろしく左右に回り込み、得意のクリンチワークも駆使して荒ぶる雄牛をいなせばいい。
横綱相撲で圧倒しようと、受けに回って自滅した格好。拙ブログ管理人のスコアは、2ポイント差でビッグ・バンになっていたが、中谷の判定負けを支持する声も存外に目立ち、「そう言いたい気持ちはわかる」と素直に頷くしかない拙戦。
とにもかくにも、負けなくて良かった。エルナンデスがモンスターのスパーリング・パートナーとして重用されているとの風聞は耳にしていたが、帰国後に受けたインタビューで、大橋会長とモンスターが「(中谷の苦戦は)想定の範囲内」と答えていたのにはいささか驚いた。
◎試合映像:中谷 vs エルナンデス
2025年12月27日/モハメド・アブドゥ・アリーナ,リヤド(サウジアラビア)
S・バンタム級12回戦
https://www.youtube.com/watch?v=BYe92OUz32U
モンスターの出来も芳しいものとは言えず、ひたすら倒されないことに腐心するピカソを追い詰め切れず、プロキャリア初となる2試合続けての判定勝ち。モンスターでさえ、普段の冷静さを失い、自らを頭上から俯瞰する視野の広さを忘れると、精密さの極地とも言うべき攻防のキメが粗くなり、本来なら倒せる相手も倒せなくなる。
フェザー級に上げてもパフォーマンスの質が落ちないようだと、ピカソのようにやろうとする輩が増えそうな気配がして、思わず身震いしてしまう。
◎試合映像:尚弥 vs ピカソ
2025年12月27日/モハメド・アブドゥ・アリーナ,リヤド(サウジアラビア)
4団体統一S・バンタム級戦
https://www.youtube.com/watch?v=apALYdv0kbs
中谷との体格差(身長:8センチ/リーチ:5センチ)は、オーソドックス同士なら何の問題にもならないだろう。サウスポーで半身に構える中谷だから、スタートの距離が普段よりも十数センチ以上遠くなり、踏み込みのタイミングを誤るのが怖い。
「数センチ、数ミリの狂いが取り返しのつかない事態を招く・・・」
やはりモンスター自身の言葉なのだが、そうした一方で、厳しいプレスに対する耐性が、以前と変わらずウィークネスになり得ることを露呈した中谷に、モンスターが持てるスピード&パワーを全開にしてラッシュを仕掛けたら、果たして中谷は持ち応えることができるのか?。
ルイス・ネリーとラモン・カルデナスに奪われたノックダウンのせいで、「クロスレンジでの左フック」への反応と対応にケチが付いたモンスター。「飛び込んで来てくれた方が有り難い。中谷の左フックがまともに決まれば、そのまま試合が終わってもおかしくない」と、希望的観測に胸を躍らせる中谷支持者も多そうだ。
延期を繰り返した挙句、とうとう消滅してしまったサム・グッドマンのトラブルが招いたモンスターの停滞は、年間4試合の強行軍を無事に貫徹した昨年1年間の苦労を持ってしても、報われたとはとても言えない。
「中谷戦の後、S・バンタムでもう1試合・・・」
最後の階級となるであろう、フェザー級への転級をなおも先送りにしようとするモンスターの狙いは、間もなくバンタムの初陣を迎えるバム・ロドリゲス。誰しも容易に想像が付く。
ボクシング人生の終活を強く意識するモンスターは、中谷戦後に126ポンドに上がり、「バムから逃げた」と言われたくない。なおかつ35歳での引退(一年延長を大橋会長に直訴?)を公言してきた経緯があり、デッドラインまでの残り2年間で、バンタムからS・バンタムを制したバムを、加齢の影響を無視できなくなる頃に迎え撃つのはちょっと・・・との思いもあるのではないか。
年明けの1月に26歳になったばかりのバムは、2年後に28歳になる。ボクサーとして、年齢的にも経験的にも、最も油が乗り切るピークと表していい(現在の中谷がまさに28歳)。
直前のオッズは、思ったよりも接近している。1対6~7ぐらいまで開くと想像していた。カルデナス戦のダウンと、ピカソを詰め切れずに終わったマイナスが、文字通りアフマダリエフを完封した大きなプラスから減点された。ピカソ戦の不出来を、「失速」と感じる海外のファンが少なくないのかもしれない。
□主要ブックメイカーのオッズ
<1>Caesars
尚弥:-455(1.22倍)
中谷:+355(4.55倍)
<2>BetWay
尚弥:-400(1.25倍)
中谷:+333(4.33倍)
<3>ウィリアム・ヒル
尚弥:1/4(1.25倍)
中谷:3/1(4倍)
ドロー:14/1(15倍)
<4>Sky Sports
尚弥:2/7(1.29倍)
中谷:17/5(4.4倍)
ドロー:20/1(21倍)
個人的な希望は、フルトン戦とアフマダリエフ戦の慎重かつ精妙を究めた出はいりを基本に、詰める際の手数を増やすこと。ツーからスリーで終わらせず、4発・5発と続ける。全力の2~3発より、若干パワーセーブして回転の速度をさらに上げた4~5発の方が、確実に倒す確率を上げる筈。
3戦連続の判定勝ちも有りと思う反面、どのラウンドでもいいからKOして欲しいと、欲目を抑え切れない愚かな自分がいる。できるものなら、序盤から先に仕掛けて、身体が温まり切らないうちに1発効かせてしまえと、乱暴な筋書きすら想起してしまう。
勿論、それをやってしまえば逆の目が出るリスクも増すけれど。
例え今回負けても、中谷には輝ける明日を築き直す為に、十分な時間的余裕がまだ残されている。モンスターに負けることは恥でも何でもない。負け方にもよるけれど、中谷のリングキャリアに致命傷を与える心配まではしなくて済む。
◎井上(33歳)/前日計量:121.5ポンド(55.1キロ)
戦績:32戦全勝(27KO)
世界戦通算:28戦全勝(24KO)
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■4階級制覇・2階級+4団体統一
(1)WBC L・フライ級:2014年4月6日~2014年11月6日(V1/返上)
(2)WBO J・フライ級:2014年12月30日~2018年3月6日(V7/返上)
(3)WBAバンタム級:2018年5月25日~2023年1月13日(V8/返上)
(3)IBFバンタム級:2019年5月18日~2023年1月13日(V6/返上)
(4)WBCバンタム級:2022年6月7日~2023年1月13日(V1/返上)
(4)WBOバンタム級:2022年12月13日~2023年1月13日(V0/返上)
(5)WBC・WBOバンタム級:2023年7月25日~在位中(V6)
(6)WBA・IBFバンタム級:2023年12月26日~在位中(V6)
元OPBF(V0),元日本L・フライ級(V0)王者
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アマ通算:81戦75勝(48KO・RSC) 6敗
2012年アジア選手権(アスタナ/ロンドン五輪予選)銀メダル
2011年全日本選手権優勝
2011年世界選手権(バクー)3回戦敗退
2011年インドネシア大統領杯金メダル
2010年全日本選手権準優勝
2010年世界ユース選手権(バクー)ベスト16
2010年アジアユース選手権(テヘラン)銅メダル
身長:164.5センチ,リーチ:171センチ
※ドネア第1戦の予備検診データ
血圧:93/68
脈拍:78/分
体温:36.1℃
※計量時の計測
右ボクサーパンチャー(スイッチヒッター)
◎中谷(28歳)/前日計量:121.6ポンド(55.1キロ)
戦績:32戦全勝(24KO)
世界戦通算:10戦全勝(9KO)
※5連続KO更新中
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■3階級制覇
(1)WBOフライ級:2020年11月6日~2022年10月27日(V2/返上)
(2)WBO J・バンタム級:2023年5月20日~2023年12月14日(V1/返上)
(3)WBCバンタム級:2024年2月24日~2025年9月18日(V4/返上)
(4)IBFバンタム級:2025年6月8日~9月18日(V0/返上)
※2団体統一
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元日本フライ級(V0/返上),元日本フライ級ユース(V0/返上)王者
2016年度全日本新人王(フライ級/東日本新人王・MVP)
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アマ戦績:14勝2敗
身長:173センチ,リーチ:176センチ
血圧:98/61
脈拍:109/分
体温:36.3℃
※計量時の計測
左ボクサーパンチャー
◎前日計量
◎前日計量(フル映像)
https://www.youtube.com/watch?v=ex2fu5VYo6A&t=791s
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■オフィシャル
主審:ロバート・ホイル(米/ネバダ州)
副審:
パトリック・モーリー(米/イリノイ州)
ラウル・カイズ(米/カリフォルニア州)
ファン・カルロス・ペラーヨ(メキシコ)
立会人(スーパーバイザー):
WBA:ホセ・オリヴィエ・ゴメス(パナマ/WBAランキング委員)
WBC:ケヴィン・ヌーン(アイルランド/タイ在住)
※WBCランキング委員,WBCチャイナ会長,WBCアジア及びWBCムエタイ事務局長
IBF:ジョージ・マルティネス(カナダチャンピオンシップ・コミッティ委員長)
WBO:グスターヴォ・オリヴィエリ(プエルトリコ)







