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”見えざる意思”は動いたのか / - P・タドゥラン vs 銀次郎 2 レビュー Part 2 -

■5月24日/インテックス大阪5号館,大阪市住之江区/IBF世界M・フライ級タイトルマッチ12回戦
王者 ペドロ・タドゥラン(比) 判定12R(2-1) 前王者/IBF4位 重岡銀次郎(日/ワタナベ)

勝者タドゥランが告げられた瞬間、国家演奏の時のように左胸に手を当てて天を仰ぐ銀次郎

意識が未だに戻らない重岡銀次郎の容態も含めて、どんな具合に記事を書けば良いのか、様々思い悩む間にも容赦なく時間は過ぎて行く。

Part 1の記事中、リベンジを期すチーム銀次郎のタドゥラン対策について、ほぼ計画通り、狙い通りに機能していたと書いた。次の一点を含めて。

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ただ1点、前戦の教訓を活かし切れなかった事象を除いては・・・。現代アメリカのレフェリングの問題点として、検証の必要性に言及しておくべきかもしれず、詳しくは後述する。
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あらかじめお断りしておきたい。この記事を書くことによって、重岡銀次郎が見舞われた悲劇の原因を発見したかのように騒ぎ、そうだと決め付ける意図は毛頭ありません。

そしてこれもまた当然ながら、第1戦と第2戦の主審を務めたスティーブ・ウィリスとチャーリー・フィッチ(いずれも米/ニューヨーク州)両審判、ペドロ・タドゥラン本人、両軍のコーナーを束ねたカルロス・ペニャロサ(王者陣営),町田主計(まちだ・ちから)両チーフ・トレーナー等々、誰か特定の個人(と両陣営を支えるスタッフの面々)に、重大事故の責任をなすりつける意思もまったくない。

また、タイトルマッチを承認したIBF、試合を公式戦として認定した上で運営全般を所管したJBC、2名の主審を派遣したニューヨーク州アスレチック・コミッション(NYSAC)等々、今回の興行に関わった特定の組織に対して、「あなた方が定めた試合ルールが間違っていた。だからこの深刻な事故を招いたのだ」と、明確な医学的根拠を示すことができないにも関わらず、一方的に非難・批判を浴びせるものでもない。


では、「前戦の教訓を活かし切れなかった唯一の事象」とは何か。それは、「ホールディングで相手の動きを止めた状態での加撃」である。

昨年7月末~8月の頭にかけて、第1戦のレビューを書いた。その中で第9ラウンドに発生した場面を例に上げて「極めて危険な状況」だと指摘した。

加えてノーチェックのまま静止しようともしない主審スティーブ・ウィリスについて、「何というボンクラぶりだろう。」と批判した。さらに、「こんなレフェリーを、二度と呼んではいけない。」と続けている。

第1戦・第9ラウンドに発生した問題の場面

文章の走り過ぎを恥じつつも、当該記事に書き連ねた文面を転載しておこう。

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上体を折った低い位置から銀次郎が出そうとした左と、タドゥランが打ち下ろす右が交錯して、そのまま抱え合った状態で固定されると、強靭なフィジカル・パワーで銀次郎をロープに押し込んだタドゥランは、空いている左の拳を思い切り、連続で6発も銀次郎の顔面に打ち込む。

銀次郎も思い出したように右の拳を上げて防ごうとしたが、もう間に合わない。あろうことか、主審ウィリスはただ見ているだけ。6発殴ったところでようやく間に入った。何というボンクラぶりだろう。

【画像】

潰れた右眼にも当たった筈である。背筋が凍るとはまさにこの事だ。「お前はいったい、何をチェックしていたんだ!」と、ウィリスを怒鳴りつけたい衝動にかられる。
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「2試合の主審に事故の責任を負わせようという気は一切無い」とのお断りにウソ偽りはないけれど、同時に第1戦と第2戦を担当した2名のレフェリーに対して、「何故この危険な行為・状況を見過ごすのか?」との疑念(と怒りに近い感情)を禁じ得ないのも事実。

ただし、今読み返すとやはり文章が走り過ぎていたと思う。なおかつ最も重要な指摘が抜けている。「ホールディングで相手の動きを止めた状態での加撃」は、ルール上反則に該当するということ。

身が縮む思いだが、よりにもよって、けっして欠いてはならない「反則」への言及を忘れてしまうとは・・・!


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◎JBCルールとWBCルールにおける反則とみなす行為の規定

では、本当に反則に該当するのか。まずは、試合を所管したJBCルールを見てみよう。JBCはルールブックを有料で販売している為、公式サイト上にPDF化されたファイルをアップロードしていない。

西日本協会の公式サイトに全文ではないが掲載されており、幸いなことに反則の規定も含まれている。

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【第28章 ダウンおよびファウル】
第89条 次の各項をファウルとし、これを禁ずる。
11 リング・コーナー又はロープに相手を押さえ付けること及び一方の手で相手を押さえながら片方の手で加撃すること。
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西日本協会公式サイトの掲載
JBCルールが定める反則に該当する行為(西日本協会公式サイトより)-2

JBCルール「第28章-第89条」の規定は、もう長らく変わっていない。WBAは2000年代に入って以降、いつの総会で改訂されたのかはよくわからないが、反則に該当する行為を箇条書きにした部分をカットしてしまった。

タドゥラン vs 銀次郎戦に懸けられたベルトは、周知の通りIBFである。困ったことに、WBAの内部機関(事実上の下部組織)として発足したWBCの後に続き、WBAから分裂を繰り返したIBFとWBOの後発2団体も、WBAに倣った訳ではないだろうが、反則に該当する行為を明文化していない。


WBCを除く3団体が個別具体的に反則を明文化しない理由に進む前に、主要4団体中唯一規定しているWBCルールを見てみよう。公式サイト上にPDF化した公式ドキュメント(各種ルール)をまとめてアップしてあり、大変分かり易く有り難い。

「WBCチャンピオンシップの為の統合ルール(WBC Synthesized Rules for Championship Fights)」と題された公式文書中、16番目の項目として「ファウル」に関する具体的な項目が記述されている。

RULES WBC OFFICIAL DOCUMENTS
WBC Synthesized Rules for Championship Fights
WBCルールにおけるファウル規定

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16. Holding the opponent’s head or body with one hand while hitting with the other.
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日本式に言えば「第16条の第16項」となるのだろうか。内容をそのまま直訳すると、「片手で相手の頭や体を押さえながら、もう一方の手で打つ。」となり、「リング・コーナー又はロープに」という附帯条件有無の別はあるにせよ、禁止される行為そのものはJBCルールと変わらない。

第1戦・第9ラウンドのケースは、タドゥランが打ち込んだ右をかわしざまに銀次郎が両腕でその右をキャッチする格好となり、フィジカル・パワーに優るタドゥランがそのままの態勢で銀次郎をロープ際まで押し込み、ガラ空きになった銀次郎の顔面を自由になる左腕で何発も殴るというもの。

「一方の手で相手を押さえながら(JBC)/片手で相手の頭や体を押さえながら(WBC)」という状態とまったくイコールではないと、へ理屈をこねくり回すこともできる。

がしかし、この規定によって防止したい危険な状況とは、「正当な打撃以外の方法で相手を無防備な状態に追い込み殴る,殴り続ける」ということに他ならない。どのような手段(組み付く・腕を絡める・その両方等)を用いるにせよ、「正当な打撃」に該当しなければ反則とみなす。


第2戦-第5R終了間際に起きた問題の場面

今回の第2戦、第1戦の第9ラウンドと同じ危険な場面は、第5ラウンドの終了間際に訪れた。第1戦のウィリスと同様、主審フィッチは銀次郎を押さえつけて殴るタドゥランを静止しようとしていない。

拙ブログ管理人には、もはや理解の外としか言いようがないけれど、第2戦の問題はこの場面に止まらない。第1戦との違い、本質的な問題点については章を改めて検証する。


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◎IBFルールの問題点

「相手を押さえながらの加撃」について明文化していないIBFは、同様に規定の無いWBA,WBOに比べると、開催地を所管する地元コミッションとの連携について、あれこれと記している。

はっきり「尊重すべし」とまでは書かれていないが、IBFルールとその方針を優先し過ぎることがないよう、地元コミッションとの協調関係に配慮した文面であることは間違いない。

IBF Bout Rules (Effective 10-19-2015)
https://www.ibf-usba-boxing.com/wp-content/uploads/BoutRules.pdf

<1>カットが発生した場合の対応(2頁)
故意による反則によって一方の選手がカットした場合、レフェリーは「故意であることを」をジャッジ,コミッショナー(地元コミッションから現場に派遣された代表者)、IBFから派遣された立会人(スーパーバイザー)に伝える。

<2>偶発的な反則によって試合が続行不可となった場合(3頁)
原因となった反則について、レフェリーは「偶発的な事故(故意ではない)であること」を、コミッショナー(地元コミッションから現場に派遣された代表者)、IBFから派遣された立会人(スーパーバイザー)に伝える。

<3>薬物と刺激物の使用に関する規定(3頁末尾~4頁)
試合中に選手が摂取できるものは、地元コミッションが許可した水又はスポーツドリンクに限る。

<4>アンチ・ドーピングに関する規定(4頁)
ドーピング検査の実施は原則試合(直)後の実施を義務付けているが、地元コミッションの要請(規定)により、試合(直)前に行うこともできる。
採取した検体は所定の容器(改ざん防止措置済み)を使用し、対象となる2名の選手ごとにA検体とB検体とに分けて保管した上、地元コミッションが指定する検査機関に提出する。
A検体に陽性反応が確認された場合、すべての関係者に通知し、対象の選手が希望した場合、上述した検査機関においてB検体の検査を実施する。

<5>総則及び規制(5頁)
ジャッジが採点を記すスコアカードは、毎ラウンド終了後に回収して、コミッショナー(地元コミッションから現場に派遣された代表者)と、IBFから派遣された立会人(スーパーバイザー)が集計を行う。

<6>IBF立会人(スーパーバイザー)に対する指示確認事項(8頁)
立会人は試合会場に到着次第、速やかにプロモーター,地元コミッショナー(地元コミッションから現場に派遣された代表者)と連絡を取ること。
地元コミッショナー,又は地元コミッションから現場に派遣された代表者とともに、公式計量を行うこと。

◎IBFルール 反則に関する規定(1頁末尾~2頁)
IBFルール/反則規定

という具合で、試合を所管する地元コミッションの果たす役割が大きいのは当たり前で、IBFに限らず、認定団体が承認する世界戦と地域タイトルマッチは、何から何まで認定団体のルールで運営される訳ではない。

特に世界最大のボクシング・マーケットを誇る米本土は、年間に行われる興行数もダントツに多く、チャンピオンシップの承認料を経営基盤とする認定団体に取って、アメリカは最高最大のお得意様になる。

ボクシングに限らずあらゆるスポーツは、「1国1コミッション」が大原則になるが、各州の独立性を重んじるアメリカでは、「開催地を所管する各州ルール」が認定団体のルールより優先され、認定団体もこれを受け入れるしかない。


そんなアメリカでさえ、世界戦や地域タイトル戦の運営ルールが州ごとに異なることへの異議、主要4団体が独自に定めるそれぞれのルールとの整合性に関する問題意識、アマチュアと同じく、「1国・1コミッション制度」のデファクト・スタンダードに従うべしとする声等々、「統一コミッション」の必要性を説く人たちはいた。

「1国・1コミッション」でなければオリンピックに参加できないアマチュア・ボクシングは、「州の独立性」を乗り越えて、全米を統括する組織「USA Boxing」を運営できている。アマにできることを、なぜプロはできないのかという次第。

90年代末~2000年代初頭、大のボクシング狂でもあったジョン・マケインが中心になって尽力・推進した、いわゆる「モハメッド・アリ法」を制定する際、各州コミッションの上部統合組織として「ABC(Association of Boxing Commissions)」を立ち上げ、さらには各州ルールの上に位置付ける「米国統一ルール(Unified Boxing Rules:ユニファイド・ルール)」も策定する。

なおかつ「ユニファイド・ルール」の実際は、コモンセンスとして定着したプロボクシングのルールについて、そのアウトラインをざっと取りまとめたに過ぎず、具体的な採点基準(拙ブログ管理人は重大な欠陥だと考えている)を明示せず、反則行為に関する列挙も無し。

◎Unified Boxing Rules - Association of Boxing Commissions
https://www.abcboxing.com/unified-rules-boxing/


「ABC」に対する各州コミッションの反発は想像以上に根強く、自ずと「上部統合組織」には成り得ず、有体に申し上げれば、主な役割は「ユニファイド・ルールの管理と更新」のみと表してもあながち間違いとも言い切れない。

そんなだから、スーパーや暫定を乱発するWBAに対して、「ABC」が主体となり、「本来世界王者は各階級に1人であるべき」との主張に基づき、「同一階級に複数の世界王者を常設する異常事態を解消せよ」と提言を行い、「できなければWBAを全米から締め出す」と脅しをかけた時には驚いた。

慌てたWBAは暫定王座の解消に動いたが、ほとぼりが冷めたと考えたのか、性懲りも無く「暫定王座の並立」をまたぞろやらかしている。「2~3年でもいいから、WBAを米本土から締め出してくれ」と本気でそう思う。


IBF設立のそもそもの動機は、WBA内部の権力闘争だった(1968年のWBC独立とまったく同じ)。中南米に握られたWBAの実権を王国アメリカに取り戻すべく、長期化するベネズエラのヒルベルト・メンドサ会長を追い落とそうとした旧NBAの残党が、1983年の会長選挙で推したロバート・リーが僅少差で落選した為、そのままリーを担いで分派独立に踏み切った。

1983年の発足以来、IBFの本部はニュージャージー州内に置かれ続けている。設立の経緯からみても、他の3団体に比して、「地元(全米各州)コミッションとの連携協調」にことさら留意するのは自明の理。

ならば、ウィリス&フィッチのレフェリー2名と、重責を託されたベン・ケイティ(ケイルティ/豪),ジョージ・マルティネス(カナダ)の両立会人は、JBCルールを承知した上で「ルール上の問題とすべき状況」を放置したのか、あるいはJBCルールへの理解も尊重も無かったのか。

ことに第2戦に臨席したマルティネスは、IBF本部でチャンピオンシップ・コミッティのチェアマンを務める大幹部の1人でもあり、開催地を所管するJBCとの密な連携を、より一層求められる立場にある。

数十年に1人出るか出ないかという、リアルなモンスターの出現で一時的に沸き返ってはいるが、ナオヤ・イノウエが現役を退くまでの泡沫(うたかた)の夢でしかない。

ボクシングが斜陽産業であることは紛れもない事実で、米日両国のマーケット規模は比ぶべくもなく、何だかんだと言ってみたところで、彼らが尊重・遵守すべき対象はあくまで米本土。極東の島国(のルールなど)知ったこっちゃない・・・ということなのか。


その答えは、いずれも否。何が悪いと言って、JBCの忌むべき官僚的な体質こそが諸悪の根源であり、拙ブログ管理人が書き記さねばと考えた今回の問題も、JBCの「事なかれ主義」が大きく影響している。


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◎何が起きても他人事?-主体性と責任感がまったく見えないJBC

日本国内で重大事故が繰り返される中、遂に世界タイトルマッチのリングでも起きてしまった。しかし、ルールの違いについて余りにも無頓着な、あえて申せば無責任な姿勢と体制は変わる気配すらない。

怒りと衝動に任せて、「JBCの日和見主義,事なかれ主義に起因する」と書きたいところなれど、それでは文章が走り過ぎた第1戦のレビューと同じ禍根を残してしまう。

こと世界戦に関する限り、JBCは自ら定めた国内ルールを易々と放棄する。WBAとWBCが分裂した60年代末~2013年3月までの間、日本国内で行われたWBAとWBCの世界戦について、JBCは「WBAとWBCのルールで運営される」との姿勢を変えずに来た。

四半世紀以上に渡って「存在しないもの」として扱い、見てみぬフリを決め込み続けた後発2団体への加盟・参加を表明した2013年4月以降は、IBFとWBOがそこに加わる。

突発(偶発)的なトラブルやアクシデントが起きると、「今回はWBAルールで運営されていますので・・・」などと臆面もなく話し、堂々とエクスキューズに使う。その一方で、試合開始時に「コミッショナー宣言」を執り行い、「世界タイトルマッチであることを認める」と公言。終了後のリング上では、「(世界王者として認める)認定証の授与」を行ってきた。

典型的なご都合主義、日和見主義と断じざるを得ない。

2023年に萩原実氏(東京ドーム顧問→JBC理事長→コミッショナー)が就任して以降、この恒例行事は行われなくなったけれど、「世界戦として認める」と世界に向けて言い放ちながら、各認定団体のルールとJBCルールの整合性は一切考えない。

相対的に海外の選手たちより真面目で、減量の失敗(体重オーバー)はほとんどゼロに近く、ドーピング違反に至っては長きに渡り皆無だった。

「日本のボクサーに限って・・・」

「何か起きたら、その時考える。起きてから考えればいい。」


思い返すのもいまいましい、亀田一家の国内復帰容認と安河内剛事務局長の復職騒動、井岡一翔のドーピング違反を巡って露呈した、杜撰かつお粗末過ぎて話にならないJBCの管理体制も、同じ根っこから派生した悪しき事例。

ルイス・ネリーの悪質なドーピング違反が発覚した山中慎介と第1戦の公式結果(ネリーの4回TKO勝ち)を、ノーコンテストに改めなかったことも含めて(米欧のコミッションにおいてはNCへの変更が必須・常識)、一時が万事である。

ニューヨークとネバダ,カリフォルニアの3州並みに、自らのルールと立場を認定団体に対して強く主張しろと言うつもりはないが、試合ルールに限らず、すべての運用について責任を持つ矜持無くして、コミッションもへったくれもないだろう。


ルールの違いがレフェリングとスコアリングに影響する可能性を、どうして考えようとしないのか。

「レフェリーがチェックしない限り反則ではない=チェックされなければどんな状況であったとしてもセーフ」では無い筈だ。誤審が一切無いなら話は別だが、レフェリー&ジャッジも人間である以上必ず間違う。

主要4団体すべてへの加盟・承認に踏み切ってから、早くも12年が経った。いい加減「認定団体のルールで・・・」との言い訳は止めにして、「日本版ユニファイド・ルール」を策定すべきだと思う。

「米国統一ルール」をベースに、反則の規定から明確な採点基準まで含めて追加し、ついでにオープンスコア(WBC独自ルール:4及び8ラウンド終了後に途中採点を公開する)もやってしまえばいい。

日本国内で開催される世界戦と地域王座戦は、すべて「日本版ユニファイド・ルール」で運営する。英訳したルールを主要4団体と米本土の主要な州コミッション、BBBofC(英国のコミッション)に送付し、真に国際的規模の統一ルール策定を呼びかけてはどうか。

次章では、第1戦と第2戦を担当したレフェリーにライセンスを認可した、ニューヨーク州アスレチック・コミッション等のルールを確認したい。


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◎タドゥラン(28歳)/前日計量:104.5ポンド(47.4キロ)
※当日計量:114.9ポンド(52.1キロ)/IBF独自ルール(リミット:105ポンド+10ポンドのリバウンド制限)
(4回目でパス/1回目:52.4キロ,30分後2回目:52.3キロ,+100分後3回目:52.25キロ)
元IBF M・フライ級王者(V2)
戦績:23戦18勝(13KO)4敗1分け
世界戦:7戦3勝(2KO)3敗1分け
アマ通算:約100戦(勝敗を含む詳細不明)
身長:163センチ,リーチ:164センチ
血圧:137/102
脈拍:56/分
体温:36.1℃
※計量時の検診データ
左ボクサーファイター


◎銀次郎(25歳)/前日計量:104.9ポンド(47.6キロ)
※当日計量:114.2ポンド(51.8キロ)/IBF独自ルール(リミット:105ポンド+10ポンドのリバウンド制限)
現在の世界ランク:IBF4位/WBO10位
戦績:14戦11勝(9KO)2敗1NC
世界戦:6戦3勝(3KO)2敗1NC
アマ通算:57戦56勝(17RSC)1敗
2017年インターハイ優勝
2016年インターハイ優勝
2017年第71回国体優勝
2016年第27回高校選抜優勝
2015年第26回高校選抜優勝
※階級:ピン級
U15全国大会5年連続優勝(小学5年~中学3年)
熊本開新高校
身長:153センチ,リーチ:156センチ
血圧:125/70
脈拍:62/分
体温:36.6℃
※計量時の検診データ
左ボクサーファイター


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■オフィシャル

主審:チャーリー・フィッチ(米/ニューヨーク州)

副審:2-1で王者タドゥランを支持
ジル・コー(比):115-113
デイヴ・ブラスロウ(米/メリーランド州):113-115
中村勝彦(日/JBC):118-110

立会人(スーパーバイザー):ジョージ・マルティネス(カナダ/チャンピオンシップ・コミッティ委員長)


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