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■6月14日/MSGシアター,N.Y./IBF世界ライト級挑戦者決定12回戦
IBF3位 アンディ・クルス(キューバ) vs IBF5位 三代大訓(横浜光)

Cruz_Mishiro1

コンビネーション&攻防一体の始祖とされるベニー・レナード、3階級同時制覇のヘンリー・アームストロング、アイク・ウィリアムズ,カルロス・オルティス,”石の拳”ロベルト・デュラン,アレクシス・アルゲリョ,パーネル・ウィテカー.フリオ・セサール・チャベス,シェーン・モズリー,オスカー・デラ・ホーヤ,へクター・カマチョ,フロイド・メイウェザー・Jr.,マニー・パッキャオ,ファン・M・マルケス,テレンス・クロフォード,ヴァシル・ロマチェンコ,そしてジャーボンティ・ディヴィス・・・。

東洋(OPBF)圏が輩出した王者は、数多くの敗北と引分けを糧に史上第1号の栄誉を勝ち取った不屈の雄、まさに”百年に1人の漢男(おとこ)”ガッツ石松、カリスマ辰吉に次ぐ平成のスター畑山隆則、モンゴル出身の第1号王者ラクバ・シン、リング誌伝統のベルトを含む8階級制覇の超天才マニー・パッキャオの4名だけ。

ベネズエラ&日本が共同で創り上げた傑作ホルヘ・リナレス、スーパー及び暫定並立によるWBA正規の小堀佑介(角海老)を含めても、150年に及ぶ近代ボクシングの歴史を通じて僅か6名しかいない。

ヘビー,ミドル,ウェルターの3階級とともに、近代ボクシングの歩みを連綿と紡ぎ、築き上げてきた神々の階級に、今また1人の和製ライト級が挑む。


左ジャブの巧さ(精度&多彩さ)では国内中量級屈指と評すべき存在であり、前後左右に刻む細やかなステップワークとの連動を最大の武器に戦う三代大訓(みしろ・ひろのり)は、昨今当たり前のようになったアマチュア出身組み。

島根県の松江工業高から中央大学へと進み、大きなタイトルには無縁だったものの、強豪中央(関東大学リーグ2部/1部復帰を目指し奮闘中)で主将の重責を担い、ワタナベジムからS・フェザー級でプロ入り。

6戦目で獲得したOPBF王座を4度守り(返上/2021年3月25日付け)、130ポンドのWBO王座を米本土から持ち帰った伊藤雅雪(伴流→横浜光)を2-0の判定に下した10回戦以降、難関のライト級に定住した。

OPBF(130ポンド)のV4には、日本タイトルを持つ末吉大(帝拳)との「OPBF・日本統一戦(スプリット・ドロー)」に始まり、渡邉卓也(青木/元WBO AP王者)、竹中良(三迫/元OPBFフェザー級王者)、木村吉光(白井・具志堅/後にOPBFとWBO AP王座を同時に保持)を3タテした熱闘を含む。


2023年2月25付けにて、ワタナベジムから横浜光ジムに移籍。いち早くネット配信に着目してyoutubeに公式チャンネルを開設し、メキシコとフィリピンを手始めに海外進出を図り、引退してプロモーターに転進した伊藤と共同歩調を取りつつ、問題児カシメロの戦線復帰に尽力するなど、積極果敢に攻め続ける石井一太郎会長(元OPBF・日本ライト級王者)の下、移籍発表から2ヶ月後の4月15日、新天地での初陣を迎える

没落して久しい韓国に渡り、4勝2敗の無名選手を相手にした8回戦(ライト級契約)に臨んだ三代だったが、まさかの5回負傷判定負け。プロ初黒星を喫して世界ランク(WBO12位)を失う。

初回にバッティングで右の瞼をカットした三代は、韓国人選手の攻勢を捌く余裕が無く、ペースを掌握し切れない微妙なラウンドを重ねてしまい、4名の審判団に唯一日本から参加した田中浩二副審も、47-48の1ポイント差で韓国人選手を支持した。


滅多なことでは動じない石井会長も、流石に慌てたに違いない。4ヶ月後の同年8月に8連勝中(5KO/無敗)の中国人選手を招聘し、明白な3-0判定で再起(8回戦)。さらに3ヶ月後の11月には、日本ライト級1位の浦川大将(帝拳)にも8回3-0判定勝ち。日本タイトルへの挑戦権を得る。

こうして昨年4月9日、仲里周磨(オキナワ)に10回3-0判定勝ちを収めて日本タイトルを奪取。中里とはプロ4戦目で拳を交えており、6年5ヶ月ぶりの再戦で旧敵を返り討ちにした。

三代 vs 中里

早期の世界ランク返り咲きを実現すべく、8月に組まれた初防衛戦で11位の宮本知彰(一力)に6回TKO勝ち。続いて12月7日、関西の期待を背負うホープの1人で、フェザー級(元日本王者)から階級を上げた丸田陽七太(まるた・ひなた/森岡)を6回終了TKOに退け、2度目の防衛に成功。

4月度のIBFランキングで5位に付けると、先(5)月16日、キューバから出現した新たな異能アンディ・クルスとのエリミネーターに言及した記事が、リング誌公式サイトに掲載される。

横浜光の公式チャンネル(A-SIGN.BOXING)にも、早速本人が登場する動画が速やかにアップされ、年季の入ったマニアたちを驚かせた。

◎世界選手権3連覇アンディクルスVS三代大訓
2025年5月17日/A-SIGN.BOXING.COM


◎ANDY CRUZ VS. HIRONORI MISHIRO IBF LIGHTWEIGHT TITLE ELIMINATOR SET FOR JUNE 14
2025年5月16日/リング誌公式サイト
https://ringmagazine.com/en/news/andy-cruz-vs-hironori-mishiro-ibf-lightweight-title-eliminator-set-for-june-14

◎日本語版
https://ringmagazine.com/ja/news/andy-cruz-vs-hironori-mishiro-ibf-lightweight-title-eliminator-set-for-june-14-ja


◎三代大訓VSアンディクルス 直前SP


◎ファイナル・プレス・カンファレンス(フル映像)
2025年6月12日/マッチルーム公式
※クルスと三代:18分頃~
https://www.youtube.com/watch?v=F4JW9cZVlYU


■試合映像
(1) vs 丸田陽七太(森岡/元日本フェザー級王者)
2024年12月7日/後楽園ホール
6回終了TKO勝ち(日本王座V2)
オフィシャル・スコア(5回まで):59-55×2,58-56
https://www.youtube.com/watch?v=c2nvOrtYQ78

(2) vs 宮本知彰(一力)
2024年8月16日/後楽園ホール
6回TKO勝ち(日本ライト級王座)
オフィシャル・スコア(5回まで):50-44×2,49-45
ttps://www.dailymotion.com/video/x958a8o

(3)vs 仲里周磨(オキナワ)
2024年4月9日/後楽園ホール
10回3-0判定勝ち(日本ライト級王座獲得)
オフィシャル・スコア:96-94×2,97-93
ttps://www.dailymotion.com/video/x8wv040

(4) vs 浦川大将(帝拳)
2023年11月4日/後楽園ホール
8回3-0判定勝ち(日本ライト級挑戦者決定戦)
オフィシャル・スコア:78-74,79-73
ttps://www.dailymotion.com/video/x8qs3bu

(5) vs ジュン・ミンホ(誼敏虎/韓国)
2023年4月15日/パラダイスシティ,仁川(インチョン)
オフィシャル・スコア(5回まで):46-50,47-49,47-48
ttps://www.dailymotion.com/video/x8o86tx

(6) vs 伊藤雅雪(横浜光/元WBO J・ライト級王者)
2020年12月26日/墨田区総合体育館
ttps://www.dailymotion.com/video/x7yfkhb

◎過去記事:国内ライト級No.1決定戦? /難敵三代を相手に鼎の軽重を問われる伊藤・・・ - 話題のA-SIGN興行 直前プレビュー -
2020年12月26日
https://blog.goo.ne.jp/trazowolf2016/e/6d43494e17e345c8f545d5f48757756d


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◎クルス(29歳)/前日計量:135ポンド
戦績:5戦全勝(2KO)
アマ通算:140勝9敗
■2020年東京五輪ライト級金メダル
■世界選手権
2021年ベオグラード(セルビア)金メダル
2019年エカテリンブルグ(ロシア)金メダル
2017年ハンブルク(独)金メダル
※階級:いずれもL・ウェルター級
2015年ドーハ(カタール)バンタム級ベスト8敗退
※銅メダルを獲得したドミトリー・アサナウ(ベラルーシ)に0-3ポイント負け
■ユース・ジュニア世界選手権
2012年ユース(イェレバン/アルメニア)L・フライ級ベスト8敗退
※決勝でアフマダリエフを破って金メダルを獲得したル・ビン(中国/プロ:4勝2敗と苦戦中)に13-16で惜敗
■パンアメリカン・ゲームズ
2019年リマ(ペルー)L・ウェルター級金メダル
2015年トロント(カナダ)バンタム級金メダル
■セントラル・アメリカン&カリビアン・ゲームズ(中央アメリカ・カリブ海競技大会)
2018年バランキージャ(コロンビア)L・ウェルター級金メダル
■パンアメリカン選手権
2017年(テグシガルパ/ホンジュラス)L・ウェルター級金メダル
■2024年キューバ vs フランス対抗戦(ヴァラデロ/キューバ)
五輪2大会(2016リオ・2020東京)連続銀メダルのソフィアン・ウーミア(プロ:6戦全勝3KO)に0-3ポイント負け(L・ウェルター級)
■キューバ国内選手権
2016年~2019年まで4年連続優勝(L・ウェルター級)
2014年バンタム級準優勝
※決勝でロベイシー・ラミレスにポイント負け
身長:175センチ
右ボクサー


◎三代(30歳)/前日計量:134.6ポンド
前日本ライト級王者(V2/返上),元OPBF S・フェザー級王者(V4/返上)
戦績:19戦17勝(6KO)1敗1分け
アマ通算:57戦41勝(4RSC・KO)16敗
松江工業高→中央大(主将)
2012年度インターハイ(北信越かがやき総体・新潟市体育館)/ライト級ベスト8
※優勝した李健太(り・ごんて/大阪朝鮮高級学校/現日本S・ライト級王者)にポイント負け
身長:177(179)センチ
※()内:Boxrecの身体データ訂正・更新済み
右ボクサーファイター

◎前日計量


◎前日計量(フル)
https://www.youtube.com/watch?v=56qb2Wot3sg




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■リング・オフィシャル:未発表


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