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■3月13日/両国国技館/WBO世界J・フライ級タイトルマッチ12回戦
王者 岩田翔吉(帝拳) vs 元WBO暫定王者/2位 レネ・サンティアゴ(プエルトリコ)



「スーパー高校生」,「95世代」,「黄金世代」

呼び方は様々なれど、アマチュアでしのぎを削り合った田中恒成,井上拓真,ユーリ阿久井政悟,堤聖也,比嘉大吾に、アマ経験の無い山中竜也を加えた1995年生まれのチャンピオンたちと、早生まれの岩田(1996年2月)は同期に当たる。

恵まれたパンチング・パワーを最大限に活かす攻撃的なスタイルは、武居由樹に続いて堤とも壮絶に打ち合った比嘉との共通項だが、いわゆる”攻めダルマ型”ではなく、スピーディな出入りとともにハードヒットを叩き込む。

右ストレート&フックが強いのは当然にしても、それ以上に得意なパンチが左フック(上下)と左右のアッパー。ジャブと崩しを省略していきなり狙うことも多く、ツボに入った時の即決KO、パンチの衝撃音(リアル・モンスター,井上尚弥には1歩譲るが)は、最軽量ゾーンとは思えない迫力。

◎配信を行うU-NEXTのハイライト映像
【3.13U-NEXT BOXING.2】連続KO中の岩田翔吉 激闘ハイライト!初防衛戦に挑む!
2025年3月6日/U-NEXT格闘技公式


108ポンドでは大きな部類に入る163センチ(リーチは短い:162センチ)のサイズも強力な武器になるけれど、「ジャブと崩しの不足」と「迂闊な被弾」が玉に瑕。突出したパワーの持ち主が陥り易い、「一本調子(単調)」の悪弊が顔を覗かせる。


「うっかり被弾」は、頭と肩を振らない現代のボクサーに共通する技術的欠陥で、なおかつ国内外の別を問わないが、特に現代日本のボクサーはボディワークのヴォリュームが減って頭を振らなくなった。

ウィービングとステップを連動させて細かくリズムを刻み、そのリズムに乗せて頭と肩を振るのが20世紀(昭和)のスタンダードであるなら、上半身を直立させたまま、ディフェンスの7~8割方をブロック&カバーに依存するのが現代流。

スタンスを広く取る選手も増えた。スタンスを広げ過ぎれば、スムーズに円を描きながら、四角いリングを丸く使うフットワークは困難になる。動きは前後のステップのみになりがち。運動量は落ちるに決まっているし、相対的に手数も少なくなって行く。「単調になるな」と言う方が間違っている。多彩な変化など求めてはいけない。ごく当たり前の話だ。


3年前の初挑戦では、ジョナサン・”ボンバ”・ゴンサレス(プエルトリコ)のステップ&ディフェンスと、清濁併せ呑むプロの駆け引きに絡め取られてしまい、倒そうと意気込む前のめりの気持ちと姿勢が空回り。老巧サウスポーの術中にまんまとハマり、自慢の強打を封じ込まれて中差の0-3判定負け。

ハイリスクなクロスレンジを潰すクリンチワークにも悩まされたが、4歳の頃から実父ルイスによってボクシングのイロハを仕込まれ、ユースの世界選手権で金メダルを獲得するなど、ボンバの国際試合を含めた豊富なアマ経験+プロ30戦のキャリアは伊達ではなかった。

◎試合映像:ボンバ・ゴンサレス vs 岩田
2022年11月1日/さいたまスーパーアリーナ(メイン:拳四朗 vs 京口)
オフィシャル・スコア:112-116×2,111-117
WBO J・フライ級王座挑戦
ttps://www.youtube.com/watch?v=Cs8xRiBJ_YE

9歳(小学4年)で山本”KID”徳郁のジムに通い始めて、中学2年からボクシングに専念した岩田も、高校・大学で71戦のアマキャリアを積み、日本国内のスタンダードに照らせば充分過ぎる英才教育型の1人ではあるものの、プロ9戦での挑戦は流石に早過ぎたと言うべきか。


ボンバに苦杯を喫した後、フィリピンの中堅&トップクラスを4人立て続けに倒して復調。とりわけ良かったのが昨年1月のレネ・マーク・クァルト戦で、同胞のペドロ・タドゥランから2勝を挙げ、重岡銀次朗とも拳を交えて、9回終了間際まで粘った105ポンドの元IBF王者から4度のダウンを奪って6回TKOの圧勝。

小兵のクァルト(公称156センチ)は、強気でどんどん前に出ながら振り回す。元王者の積極果敢なファイター・スタイルは、岩田に取っておあつらえ向きの好都合でしかなく、致し方のないことではあるが体格差も目立った。

懸案事項のケアレスミス(うっかり被弾)はこの試合でも散見されたが、形勢を一気に逆転するほどの影響はなく、詰めに持って行く過程における不可抗力だと、陣営はそう判断しているのかもしれない。

◎試合映像:岩田 TKO6R クァルト
2024年1月20日/後楽園ホール
ttps://www.dailymotion.com/video/x8veozm


そうこうしているうちに、ボンバが体重苦を理由にフライ級への増量を表明。1位に付けた岩田に、持ち主を失ったベルトの争奪戦が決まる。時は昨年10月13日、場所は有明アリーナ。

翌14日と合わせた2日間に、中谷潤人,井上拓真(vs 堤聖也),田中恒成,ユーリ阿久井政悟,トニー・オラスクアガの5王者が相次いで登場する前例無き大興行。拓真 vs 堤のWBAバンタム級タイトルマッチをメインに、阿久井のV2戦が華を添える初日に、岩田の決定戦も組み込まれた。

2日目の露を払うWBOフライ級王者オラスクアガの挑戦者が、プロ初黒星を献上した因縁のボンバとくれば、闘志の炎は否が応でも燃え盛る。


対するもう1人のコンテンダーは、ランク2位で元欧州(EBU:WBC傘下)王者のハイロ・ノリエガ(スペイン)。2018年にプロ入りして以来、無傷の14連勝(3KO)を更新中の32歳。KOが少ないのは無理な深追いをしないからで、けっして非力な訳ではない。

2022年5月に獲得したEBUのタイトルは、防衛戦を一度もやらずに返上。そのまま防衛を続けていれば、WBC王者のパンヤ・プラダブスリ(タイ)に挑戦できた筈だが、昨年3月にWBO直轄の下部タイトルを獲り方針転換。

言葉が通じない上にまるで勝手を知らないタイへ行くより、スペイン語圏のプエルトリコで戦うのが賢明な選択ということなのか、タイ陣営に接触してみたが、どうも感触が思わしくなかったのか。

岩田戦の直前にニカラグァまで足を伸ばすと、パナマの中堅選手を大差の判定に退け、WBOのラティーノ王座を獲得。ボンバへと標的を変更する。


ノリエガと彼のチームが行った海外遠征はこの1回のみで、岩田戦が2度目の国外渡航だった。32歳のノリエガは162センチを公称していたが、会見や計量で163センチの岩田と並ぶと肩の位置が明らかに低い。

一晩のリカバリーを経た2人のサイズ(骨格)には、一目で分かるほどの違いがあり、立ち上がりから岩田は圧力を強める。戦前の予想通り、すばしっこいステップと身のこなしで岩田の圧をいなそうとするノリエガだが、時折放つ大きな左右はなかなかのキレとパワーを感じさせる。

岩田もノリエガの動き出しに素早く反応して、丁寧にステップを刻む。ノリエガのショートにはさほどの怖さはなく、第2ラウンドに入ると早くもプレスが効き始めた。するとノリエガが戦術を変える。岩田のジャブをかいくぐりながら、強打を振り回し始めた。

警戒を強める岩田。勢いを強めて乱戦に持ち込もうとするノリエガ。これに強打で応酬せず、岩田はジャブ&ステップの基本を変えない。


「そう、それでいい。パワーファイトに付き合う必要はない。ジャブさえ出していれば、踏み込んで来るノリエガにフックかアッパーをカウンターできる。」

そのジャブで、ノリエガの右目の下が赤くなった。時間の問題だろうと眺めていたら、左のリード右のオーバーハンドを合わせられてヒヤリ。しかしその後、右アッパーのボディが綺麗な角度とグッド・タイミングでノリエガのベルトラインを捉える。これは効いた。

ノリエガの強振は、思い切りがいいと言うより、”捨て身”に近い感覚。スタミナ配分には気を付けながらも、当たればもうけものとばかりに前へ出る。

思わず岩田の「貰い癖」が心配になったが、冷静に前後のステップとジャブで距離と間合いを外す姿に一安心。「これなら問題ないな。まずはジャブ。しっかり突いているだけでいい。ノリエガの方からフックとアッパーの射程に入ってきてくれる」と、画面への集中を増すと、続く第3ラウンド、早くも勝負の時が訪れた。


ノリエガは右のオーバーハンドを狙い続けるが、寸でのところで見切る岩田。目と反射だけでかわすのはリスキーだが、僅かでも頭の位置を変えることが重要。岩田のプレスに追い詰められながらも、断続的に反撃を続けるノリエガ。

岩田の右アッパーとノリエガの右フックが交錯。「危ない!」と声をあげそうになったが、岩田のスピードが優っている為、サイズのディス・アドバンテージと相まって、ノリエガの散発は射程を微妙に外し続ける。

ほぼ距離を掌握した岩田は、左右の強度をシフトアップ。しかし、スリーパンチ・コンビの最後の左フックが当たりそうになり、手応えを感じたノリエガがかさにかかり出す。しかし、岩田もジャンピング・レフト(アッパー or フック)で対抗。かつてのメイウェザーを思わせる飛び道具が出ると、ノリエガがカウンターのリスクを省みず強引に左右を振るって前進。

八~九分程度の力でブンブン振り回す為、まともに当たれば効く。迫力に押されて真っ直ぐコーナーまで下がり、クリンチで分断する岩田。落ち着いて対処できている。そして残り30秒付近だった。

右のショートアッパーで軽くノリエガの顎を跳ね上げると、パワーアップしたいきなりの右アッパーが炸裂。一瞬上体を伸び上がるように反らせたノリエガが、そのまま身体を折り曲げて倒れ込み仰向けになる。

倒れる際に岩田の右が軽くノリエガの後頭部に入っていたのと、上から押し潰すような態勢になっていた為、反則を取られやしないかと不安になったが、レフェリーのライル・カイズ・Jr.(米/カリフォルニア州)も良く見ていてダウンを宣告。スペイン陣営の抗議も無かった。


このまま終わるかと思ったが、ふらつきながらも立ち上がって再開。駆け出すように接近する岩田。ニュートラルコーナーでの待機中、セコンドから残り時間が少ないことを指示されていたに違いない。

円を描くように、ロープ伝いに逃げるノリエガ。最後は右アッパーから返す恐怖の左フックだった。ラウンド終了のゴングとほぼ同時に、背中からひっくり返るノリエガを見て、左手を振りながら脱兎のごとく駆け寄るラウル・カイズ。凄絶なフィニッシュに暫く声が出なかった。

◎試合映像:岩田 TKO3R ノリエガ
2024年10月13日/有明アリーナ
WBO J・フライ級王座決定戦
ttps://www.dailymotion.com/video/x979v6m

初挑戦の時にこのボクシングが出来ていたら、むざむざボンバの手練手管に篭絡されることも無かったと確信するが、手痛い敗北があったからこその進境と見るのが筋だと思う。


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2025/03/06 U-NEXT格闘技公式
https://www.youtube.com/watch?v=BxdFOzKj1Fg

◎ファイナル・プレッサー
<1>岩田


<2>サンティアゴ



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◎チャレンジャーは元暫定王者

マネージャーのマルガリータ・クルス(Margarita Cruz)、コーナーを預かるジョナサン・ロペス・サンチェス(Jonathan Lopez Sanchez/チーフトレーナー)に、カットマンのヘスス・マヌエル・アヤラ(Jesus Manuel Ayara)、さらにはジェシカ夫人も伴って来日した挑戦者は、32歳になるプエルトリカン。

2023年10月、ニカラグァの首都マナグァに渡り、地元のケヴィン・ヴィヴァスを最終12回KOにノックアウト。WBOの暫定王座を獲得した。

日本のオールド・ファンにとっても忘れ難い、ニカラグァ史上最大のボクシング・ヒーロー,アレクシス・アルゲリョの名前を冠したスポーツ・コンプレックス(大型の複合スポーツ施設)を舞台に、「WBOナイト・オブ・チャンピオンズ(The WBO Night of Champions)」と題された興行。

ボンバの防衛戦もメインで予定されていたが、インフルエンザによる発熱で戦う前に王者がダウン。本番2日前にギブアップしてしまい、タイトルマッチは中止。

セミの「サンティアゴ vs ヴィヴァス(WBOの下部タイトル戦)」をメインにするしかなくなり、WBOが急遽暫定王座戦への格上げを承認したというのが一連の経緯。

◎試合映像:サンティアゴ KO12R ヴィヴァス
2023年10月23日/ポルデボルティーヴォ・アレクシス・アルゲリョ(マナグァ,ニカラグァ)
オフィシャル・スコア(11回まで):108-101,106-103,105-104
WBO J・フライ級暫定王座決定戦
https://www.dailymotion.com/video/x8p8kgj


KO率が高いにも関わらず、サンティアゴもクィックネス重視のテクニカルなスタイルを持ち味にするボクサーファイター。黒人特有の柔軟性にも優れており、負けない為なら何でもやるボンバに比べると、遥かに正攻法で好感が持てる。

5ヶ月後の昨年3月2日、首都サンファンにある1万8千人収容の大会場(プエルトリコ最大の屋内施設)で、正規王者ボンバとのWBO内統一戦に臨み、小~中差の0-3判定負け。クリンチ&ホールド込みの安全策は、ジャッジの好みと主観によってポイントのマージンが揃わないことが多い。

試合を有利に進める為に、持てる技術と経験に知恵や工夫を総動員するのは、プロならずとも当たり前の所作ではあるが、その目的によって観客がが受ける印象は180度異なってしまう。


「負けないこと」を第一にするか、「明確に勝ちに行く」のか。

前者の代表格がバーナード・ホプキンスであり、ウェルター級に上げて以降のフロイド・メイウェザー・Jr.ということになる。

「”プロの裏技”を容赦なく駆使する+ルールの拡大解釈」、すなわち”ラフ&ダーティ”が最大の特徴ということになるが、キレかかった相手がスレスレの際どいパンチや対抗措置を取るや否や、オーバーアクションで派手に痛がり、時には反則勝ちまで拾いに行く。

大袈裟な田舎芝居はB-HOPとマネー・メイのお家芸だった。流石にそこまではやらないけれど、ボンバも彼らの系譜に連なる”やりにくい”タイプの典型。

日本語は実に便利なもので、”試合巧者”や”狡猾”、”巧妙”に”絶妙”から”達者”に至るまで、多種多様な表現があって言い換えが可能なのだが、要するに”ラフ&ダーティ”で事足りる。

サッカー業界でよく使う”マリーシア”に該当するテクニカル・タームが、ボクシングにもあればいいのにといつも思う。

◎試合映像:ボンバ・ゴンサレス 判定12R(3-0) サンティアゴ
2024年3月2日/コリセオ・デ・ホセ・ミゲル・アグレローテ(アグレロト/サンファン)
WBO内統一戦(正規 vs 暫定)
オフィシャル・スコア:117-111,116-112,115-113
WBO J・フライ級タイトルマッチ
※会場の名称:有名なコメディアン兼俳優に由来
https://www.youtube.com/watch?v=Qud0um0eUkk


念願の正規昇格を逃したサンティアゴは、へこたれることなく再起。昨年10月、ペルーの中堅選手を母国に招き、フルマークの3-0判定勝ち。WBOが認定するインターナショナル王座に就いた。

◎試合映像:サンティアゴ 判定10R(3-0) リカルド・アストゥヴィルカ(Ricardo Astuvilca)
2024年10月30日/コリセオ・マルセロ・トゥルヒーヨ(ウマカオ,プエルトリコ)
オフィシャル・スコア:100-90×3
WBOインターナショナル J・フライ級王座戦
※会場の名称:著名な政治家に由来
https://www.dailymotion.com/video/x98ok08


12勝9KO(4敗)の戦績とは裏腹に、1発のパワーには欠ける。勇敢に打ち合うファイトも辞さないけれど、力でねじ伏せるタイプではなく、技とタイミングで効かせてから連打でストップを呼び込む。

相手がタフで相応の技術&経験の持ち主だと、判定決着にならざるを得ない。ボクシングは正直かつクリーンで、マリーシア満載の仕掛けをふんだんに使うボンバのような嫌らしさはない。

ノリエガ戦と同様、岩田がしっかりジャブを突いて距離をキープしていれば、大事に巻き込まれる心配はまずないと考える。


◎サンティアゴの公開練習


直前の掛け率もかなりの差が付いた。

□主要ブックメイカーのオッズ
<1>FanDuel
岩田:-950(約1.14倍)
サンティアゴ:+500(6倍)

<2>betway
岩田:-901(約1.11倍)
サンティアゴ:+550(6倍)

<3>ウィリアム・ヒル
岩田:1/8(1.125倍)
サンティアゴ:5/1(6倍)
ドロー:16/1(17倍)

<4>Sky Sports
岩田:1/8(1.125倍)
サンティアゴ:7/1(8倍)
ドロー:25/1(26倍)


世界ランカーとは言っても、大口のスポンサーを持たない大多数がボクシング1本で食えないのが現実。洋の東西を問わない悲しむべき常識に従って、サンティアゴも安定した定職(大学の清掃員)に就いて家族を養う。

中~重量級に比して、圧倒的に低い報酬に甘んじなくてはならない軽量級でも、世界タイトルを獲れば確実に人生は変わる。防衛できずに負けたとしても、世界チャンピオンの称号は第二の人生をスタートする時に大きな助けになってくれる。

そうした意味において、暫定と正規には小さからぬ開きがあり、サンティアゴは必死になって勝ちに来る筈。ただし普段見せている積極性、リスクテイクを恐れない気の強さは、幾分目減りする可能性がある。

公開練習時のぶら下がりか、もしくは来日直後の会見のどちらだったか、「(破壊力は岩田に譲るが)技術はこちらが上」と発言していた。いつも以上にボックスを心がけて、ノリエガのように無謀な打ち合いに雪崩れ込んで自滅する愚は冒さない。十中八九、そういう意味が込められていると考えるべき。

どちらかと言えば、ボンバのやり方に近づく。あそこまでリスク回避を徹底できないとは思うけれど、誤魔化しの技も適度にまぶしながら、ボンバをもっとクリーンにして、打つべき展開においてはしっかり打つ。そして深追いを慎む。

とは言うものの、生まれ持った性分は容易に変えられるものではなく、岩田のプレスが効き始めた途端、強打を大振りして来る場合も十二分に想定される。逆に言えば、岩田の方からそうなるように仕向けて、アッパーのカウンターで致命傷を与えたい。

とにもかくにも、冷静であり続けることが何よりも大事。岩田にとって勝利への最短距離は、ジャブを突いて動き続けること。


◎岩田(29歳)/前日計量:107.8ポンド(48.9キロ)
戦績:15戦14勝(11KO)1敗
世界戦:2戦1勝(1KO)1敗
アマ通算:71戦59勝(16RSC・KO) 12敗
日出高校(目黒日本大学高校)→早稲田大
2013(平成25)年度インターハイL・フライ級優勝
身長:163センチ,リーチ:162センチ
※軽量後の検診データ
体温:35.6℃
脈拍:90/分
血圧:125/90
右ボクサーファイター


◎サンティアゴ(32歳)/前日計量:107.4ポンド(48.7キロ)
元WBO J・フライ級暫定王者(V0)
戦績:16戦12勝(9KO)4敗
世界戦:1勝(1KO)1敗
アマ戦績:不明
身長:160センチ
※軽量後の検診データ
体温:36.8℃
脈拍:72/分
血圧:131/72
右ボクサーファイター

◎前日計量


◎フル映像
https://www.youtube.com/watch?v=uUoHSC4RdO4

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■オフィシャル

主審:ベン・ロドリゲス(米/イリノイ州)

副審:
モハマド・アクィル・タマノ(比)
スラット・ソイカラチャン(タイ)
ジョン・バジル(米/ニューヨーク州)

立会人(スーパーバイザー):リチャード・デクィア(米/NABO副会長)