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■2月24日/両国国技/WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
王者 アレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ) vs WBC1位/2階級制覇王者 中谷潤人(日/M.T)




昨年9月のS・フライ級ラスト・マッチから5ヶ月。中谷のバンタム級初陣は、大番狂わせの3-0判定で黄昏のドネアを破り、緑のベルトを手中にしたサンティアゴへのアタック。

アルヒ・コルテス戦のプレビューで触れた減量苦は、118ポンドに上げても劇的な改善には至っていない様子だが、土気色でまるで精気が感じられなかった前回に比べれば、まだ人間らしい顔色をしている。

※過去記事:戦慄の左ストレートは火を噴くか? - 中谷潤人 vs A・コルテス 直前ショート・プレビュー -
2023年9月17日
https://keisbox.online/archives/22847676.html


心配していた通り、中谷の仕上がりは万全とは言えず、実力差が明らかなアルヒ・コルテスにかなり押し込まれていた。公称159センチのサンティアゴは、同じく163センチのコルテスよりさらに小さい。

それでも、老いたりとは言え160センチ台後半のドネアに力負けせず、最後までガス欠することもなく、12ラウンズを動き続けてユナニマウス・ディシジョンをもぎ取っている。

※過去記事:ドネアが3度目の載冠へ /小兵のメキシカンは叩き上げの兵(つわもの) - ドネア vs サンティアゴ ショートプレビュー -
2023年7月30日
https://keisbox.online/archives/22106755.html


そして、13センチに及ぶ身長差を武器に変える術を、サンティアゴはそれなりに身に付けており、低い態勢で懐に潜り込んでくるところを十八番のショートアッパーで迎え撃とうとガードが開いたところへ、下から打ち上げるストレートやフックで狙われると怖い。

中谷のことだから、積極的に自分から距離を潰して、アッパーを軸にしたコンビネーションで崩しにかかりそうだが、ロングの左を効かせてからで充分。

ミドル級に上げた途端、打たれ脆さが露になったトーマス・ハーンズのように、痩身のパンチャーが一旦崩れ出すと手の施しようがなくなる。むしろここは、打ち下ろしのストレートでしっかり捉えたいし、その為には、ロングジャブ&ステップで距離をキープする時間も重要。

密着しないと勝負にならないサンティアゴを突き放して焦らしつつ、長めのアッパーを真ん中から打ち抜くなど、メキシコ陣営の想定にない工夫が必要になるかもしれない。

例え僅かであったとしても、3ポンドがもたらす調整末期の余裕のお陰で、コルテス戦より上向くであろう仕上がり状態が、増量の影響+サンティアゴのしつこさを当たり前に超えていれば、ここまであれこれ考えることもないと思うが・・・。


直前のオッズは、概ね予想通りのマージンで着地。

□主要ブックメイカーのオッズ
<1>BetMGM
サンティアゴ:+500(6倍)
中谷:-700(約1.14倍)

<2>betway
サンティアゴ:+500(6倍)
中谷:-800(1.125倍)

<3>ウィリアム・ヒル
サンティアゴ:9/2(5.5倍)
中谷:1/6(約1.17倍)
ドロー:14/1(15倍)

<4>Sky Sports
サンティアゴ:6/1(7倍)
中谷:1/6(約1.17倍)
ドロー:40/1(41倍)


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2024/02/10


◎「ターニングポイントになる試合」



開始間もない時間帯は、じっくり落ち着いて慎重に。サンティアゴの動きと当たりに気をつけながら、けっして打ち急がず、ジャブから入る基本&細かく丁寧なステップの励行を。


◎サンティアゴ(27歳)/前日計量:117.7ポンド(53.4キロ)
戦績:36戦28勝(14KO)3敗5分け
身長:159センチ,リーチ:166センチ
血圧:127/75
脈拍:118/分
体温:36.3℃
※計量時の測定
好戦的な右ボクサーファイター

◎中谷(25歳)/前日計量:117.5ポンド(53.3キロ)
前WBO J・バンタム級王者(V1/返上),前WBOフライ級(V2/返上),元日本フライ級(V0/返上),元日本フライ級ユース(V0/返上)王者
2016年度全日本新人王(フライ級/東日本新人王・MVP)
戦績:26戦全勝(19KO)
アマ戦績:14勝2敗
身長:172センチ,リーチ:170センチ
脈拍:81/分
血圧:106/70
体温:36.4℃
※計量時の測定
左ボクサーパンチャー

◎前日計量


◎Inoue, Nakatani, & the Japan Card Make Weight | FULL WEIGH-IN
Top Rank Boxing



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■オフィシャル

主審:ローレンス・コール(米/テキサス州)

副審:
アラン・クレブス(米/ワシントン州)
フェルナンド・バルボサ(米/フロリダ州)
ジョエル・スコービー(カナダ)

立会人(スーパーバイザー):ミゲル・パブロ(スペイン/WBC大使)