タフなマッチメイクから一息(?)の超新星と堤試行錯誤の元王者 - 井岡一翔 vs J・ペレス アンダーカード・プレビュー -
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<1>12月31日/大田区総合体育館/フェザー級10回戦
WBC11位 堤駿斗(志成) vs WBA15位 ルイス・モンシオン・ベントゥーラ(ドミニカ)
WBC11位 堤駿斗(志成) vs WBA15位 ルイス・モンシオン・ベントゥーラ(ドミニカ)
堤の次は堤。
駄洒落のつもりではないが、命を削るがごとき壮絶な打撃戦を繰り広げた堤聖也と穴口一輝の興奮冷めやらぬ中、フェザー級で世界を見据える同姓のスーパー・エリートが、昨年に続く2度目の大晦日興行参戦。
あと数歩日本タイトルに届かなかった穴口は、心身の限界を超えたに違いない深刻なダメージが心配だが、幸いにも現時点で異変は報じられていない。確かに穴口のパンチも十二分に効いていた。がしかし、王者の強打を浴びて複数回倒されていたことを考慮すれば、8ラウンド辺りでの棄権、すなわち将来ある若い身を守ることを最優先にするべきではなかったか・・・。
年が明けてからでもいいので、できるだけ早いタイミングでCTスキャンとMRIの検査を是非とも受けて貰いたいし、少なくとも2ヶ月は完全な休養にあてて、本格的なジムワークの再開まで3ヶ月程度の間隔を開けることをお勧めしたい。
長めの静養が必要なのは、1千万円の優勝賞金と死守したベルトとともに年越しする王者も同じ。
なんて原稿を書いていたが、念の為にとニュースを検索してみると・・・。「急性硬膜下血腫で緊急手術」の一報が。
「ああ、やっぱり・・・」と絶句した。
試合終了直後、自軍コーナーに戻った穴口の右足がガクンガクンと大きく痙攣して、まともに座れない状態になっていた。堤聖也とワタナベのコーナーも異変に気付いたが、その後肩を担がれながらも、自分の足で歩いて控え室に戻っていたし、救急搬送も報じられず、落ち着いたのかと安堵していたのだが。
事態を公表した安河内JBC事務局長によると、「手術は成功したが、意識は回復しておらず予断を許さない。」とのこと。今はただ、無事な帰還と回復を願うのみ。
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成り行き上「もう1人の堤」と書いてしまったが、コアなボクシング・ファンが熱い視線を送る「堤」と言えば、むしろ明日リングに上がる堤駿斗(つつみ・はやと)だろう。
粟生隆寛,岩佐亮佑,林田太郎(駒大3年時高校2年の井上尚弥から白星),三須寛幸(拓殖大で全日本2連覇)らを輩出した関東の名門、習志野高校から東洋大学に進学。アマ時代に獲得したタイトルは13にも及ぶ。
アマキャリアのハイライトは、どうしてもユース世界選手権の金(国内男子史上初)ということになってしまうが、当然駿斗も東京五輪メダル候補の最右翼の1人。女子の階級増を実現する為、またもや見直しが行われ、フライ(48~52キロ),フェザー(~57キロ),ライト(~63キロ),ウェルター(~69キロ),ミドル(~75キロ),L・ヘビー(~81キロ),ヘビー(~91キロ),S・ヘビー(91キロ~)の8階級に統一された。
AIBA(現在の呼称:IBA)とプロ契約を結ぶ選手が皆無の日本は、代表枠を最優先で与えられるAPB(AIBA Pro Boxing)とWSB(World Series of Boxing/財政難を理由に2019年に終了)とは無縁であり、五輪前年の世界選手権が最も重要な大会として位置づけられる。
ここで代表枠を得られないと、過酷な5大陸予選(日本はアジア・オセアニア枠)を勝ち抜くしかない。枠がまだ残っている階級については、世界最終予選の道が残されてはいるが、「世界選手権 or 5大陸予選」が日本に取っての大原則。
日本には開催国枠として「男×4+女×2階級」の計6枠が与えられていたが、日連は「世界選手権のメダリストと、5大陸予選で自力で枠を獲得した選手の権利を尊重・最優先にする」と公表。
世界選手権のメダリストと全日本選手権の優勝者が異なった場合、あらためて当該選手同士による代表選考を行い、最終選考とする。また、世界選手権で枠を獲得できなかった階級は、全日本選手権の優勝者と日連が選出する候補者による代表選考を行い、5大陸予選への派遣を決める(Box-Off方式の採用)。
世界選手権の代表は、本命と目される有力候補が全日本で敗れた場合を除き、選考会の結果如何によらず、前年の全日本選手権優勝者がそのままスライドすることが多い。
◎2018年全日本選手権優勝者
L・フライ級:重岡優大(拓殖大)
フライ級: 柏崎刀翔(福井県連)
バンタム級:村田昴(日大)
ライト級:森坂嵐(東京農大)
L・ウェルター級:成松大介(自体校)
ウェルター級:岡澤セオン(鹿児島県体協)
ミドル級:森脇唯人(法政大)
L・ヘビー級:栗田琢郎(日大)
※2018年度はロンドン・リオの2大会で採用された階級を継続
2012年のロンドン大会で正式競技となった女子の出場人数枠(3階級:1階級×12名=36名)を捻出する為、男子のフェザー級が廃止され、駿斗は主戦場にしていたバンタム級で頂点を目指すも、緒戦(シード:2回戦から)で右拳を骨折。不戦勝で決勝に進んだ中岡蓮(愛媛総合警備保障)を0-3判定に下した村田昴に凱歌が上がった。
そして2019年の世界選手権について、AIBAが「東京五輪の予選を兼ねない」との方針を打ち出した為、日連は柏崎(F),成松(L),岡澤(W),森脇(M)の全日本王者4名をそのまま正代表に選出。
また、実施階級が変わって復活したフェザー級(57キロ)について、あらためて代表選考会の実施を通知。世界選手権に相応しいレベルかどうかを判断する目的で、L・ヘビー級も同時に行うことに。
2019年6月14日、バンタム級とライト級から上位2選手が呼ばれて、ナショナル・トレセンに集合。4名によるトーナメントが行われ、16日の終了後に村田昴(前年の全日本王者)の派遣が決まる。L・ヘビー級は全日本王者の栗田ではなく、元々本命視されていた拓大の梅村錬が推挙された。
※本代表選考会の試合結果は非公表
世界選手権の本番では、柏崎(F),村田(Fe),梅村(L・H)の3名が初戦で姿を消し、善戦健闘の成松もベスト8を目前にしてブラジル代表に2-3の惜しい星を落とす。1回戦をシードされたウェルター級の岡澤は、ただ1人ベスト8まで駒を進めたものの、英国代表のパット・マコーミックに2-3で敗れ、あと1歩のところでメダルに届かなかった。
年末の全日本選手権で巻き返しを狙った駿斗は、準決勝で村田昴(自衛隊体育学校:自隊校)を5-0で破り、決勝でも実力者の藤田健児(自隊校)に5-0のポイント勝ち。
◎五輪実施階級の優勝者
フライ級:田中亮明(中京高校教諭/東京の本大会で銅メダル獲得)
フェザー級:堤駿斗(東洋大)
ライト級:西山潮音(駒沢大)
ウェルター級:岡澤セオン(鹿児島県体協)
ミドル級:森脇唯人(自隊校)
L・ヘビー級:梅村錬(拓殖大)
同じ東洋大出身の大先輩,村田諒太に続けとばかりに、ヨルダンで開催されたアジア・オセアニア予選(2020年3月)に乗り込むも、まさかの初戦敗退。岡澤(W)に加えて、女子の入江聖奈(日体大/Fe=本大会で金メダルの壮挙)と並木月海(自隊校/F=本大会で銅メダル)の3名が自力で出場枠を確保した。
この後、全世界を大混乱に陥れる武漢ウィルス禍の大流行が日本にも襲い掛かり、3月24日に1年間の延期が決まる。日連は翌25日に談話を発表。自力で枠をもぎ取った3名と、開催国枠を使って代表に選出した田中(F)、成松(L)、森脇(M)の選考に変更無しとの方針を示す。
5大陸予選も思うようにスケジュールを消化できない中、最後のチャンスとなる世界最終予選(2021年6月/パリ)が、パンデミックを理由に中止(2021年2月中旬)。
梅村錬(L・H)、浜本紗也(日本大/ライト級)、鬼頭茉衣(中京大大学院/ウェルター級)、津端ありさ(西埼玉中央病院/ミドル級)の男女4選手とともに、代表権奪取の夢を絶たれてしまう。
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こうして五輪出場こそ叶わなかったが、”ネクスト・モンスター”、”井上尚弥2世”と呼ばれるなど、早くから注目を集めたのも、ユース世界選手権の金メダルを筆頭にした華々しい戦果の賜物。
弟の麗斗(れいと)も習志野高から東洋大へと進み、1年生で出場したユース世界選手権(2021年:キエルツェ/ポーランド)でライト級の金メダルを獲得しており、大会優秀選手にも選出されている。
パリ五輪でのメダル獲得(フェザー級を選択)に大きな期待を担い、2021年の世界選手権(ベオグラード/セルビア)にも代表として派遣され、3回戦でロシアのヴセヴォロド・シュムコフに1-4の完敗。目標としていた準決勝進出は成らず、代表枠を獲り逃す。
※ロシアとベラルーシは「AIN(中立な個人選手)」としてパリ五輪への出場を承認済み
さらに今年2月(25・26日)、男子世界選手権(4月末~5月上旬:ウズベキスタン/タシケント)と、アジア大会(9月~10月:中国杭州/男女)の代表選考会にも召集を受けたが、棄権による不戦敗扱い。
初戦で麗斗と当たる予定だった原田周大(専修大)が正代表となり、9月の本大会で銀メダルと併せて貴重なパリの代表枠を確保する(世界選手権は1回戦敗退)。フェザー級の代表選考に呼ばれた4名の中には、同じ東洋大の田中将吾が含まれていて、選考会の決勝を棄権して原田に譲り、バンタム級の代表に選出されている。
さらに11月21日から墨田区総合体育館で行われた全日本選手権では、緒戦となる2回戦(4日目)の計量で50グラムオーバーの失格。本当に落とせなかったのかという疑問も含めて、一連の経緯がモチベーションの維持に悪影響を及ぼしたことは想像に難くない。
上述した代表選考のプロセスに関して、日連の意向(フェザー級は原田の派遣が決まっていた?)を汲んだ東洋大の三浦数馬監督(OB/元日本S・バンタム級王者)が、バンタム級での調整が可能だった田中を代表に送り込むことを条件に、麗斗に因果を含めたのではないか、卒業を待たずに志成ジムからプロ入りするのでは・・・等々、無責任な憶測も聞かれた。
2028年のロス大会を十分狙える年齢(21歳)だが、プロのジムならどこでも欲しい逸材には違いなく、動向が気にかかる状況ではある。
そして千葉の堤兄弟には一番上にもう1人兄がいて、3人揃って幼い頃から空手とキックボクシングを習っていたそうだが、駿斗が中学2年でボクシングに転向するまで、那須川天心も同じジム仲間だったという。
小学校1年の時に参加した空手の大会で負けた女の子が、那須川の妹(梨々:プロのキックボクサーとして活躍)だったのは有名な逸話の1つ。
キックへの専念を決めた天心が、2011年に結成した「TEAM TEPPEN」に誘われるままに参加。K-1に憧れを抱き、格闘技のプロになると思うようになった。
長兄の勇斗はボクシング部の無い県立犢橋(こてはし)高校に進学した為、千葉市内にある本多フィットネスジムに通いながら、ジム所属のアマチュア選手として練習を継続(学校の方針で公式戦への出場は無し)。
卒業後拓殖大に入学してボクシングを続けたが、タイトルや入賞歴を含む戦績は開示していない。プロへ進むこともなく、弟2人のサポート役を務めていたとのことだが、今年の春頃ブレイキング・ダウンへの参加が伝えられた(敗れた模様)。
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ボクシングも小学5年からスタートしていたそうだが、空手&キックとの掛け持ちを止めた駿斗は、日連が主催する「UJ(アンダージュニア)大会で優勝(弟の麗斗も優勝)した他、JPBAが手掛けるU-15全国大会でも優勝している。高校生になって以降の目覚しい活躍は上記の通り。
「(五輪予選敗退は)やはりショックだった。メダルを獲れると信じていたので。でも、五輪は東京で終わりと決めていたので迷いはなかった。格闘技のプロになって成功すること。それが子供の頃からの夢だったので、ブレることは一切無かった。」
プロ転向を正式に明らかにしたのは、昨年4月13日。26日には後楽園ホールでプロテストに臨み、余裕でB級(6回戦)合格。実技(スパーリング)で胸を貸してくれたのは、名古屋の薬師寺ジムから移籍してきた志成ジムの先輩で、WBOアジア・パシフィックのベルトも巻いた森武蔵だった。
◎プロ入り会見
デビュー戦は7月13日。「井岡 vs ドニー・ニエテス(比)2」のアンダーカードで、特例として10回戦が認めら、OPBF5位の肩書きを持つジョン・ジェミノ(比)に、ほぼフルマークの3-0判定勝ち。
※試合映像:ttps://www.youtube.com/watch?v=-HSZ4M7fjsM
昨年大晦日の興行で2戦目のリングに上がり、S・バンタム級の前OPBF王者ペテ・アポリナル(比)と対戦。第6ラウンドに左フックからの連打でダウンを奪い、今度はリアルにフルマークの10回判定勝ちを収めたが、倒し切れなかったことへの悔しさ、反省の弁が強調される。
※試合映像
<1>Part 1:ttps://www.youtube.com/watch?v=BftLoQs_IiM
<2>Part 2:ttps://www.youtube.com/watch?v=zIi30tKd-yY
今年5月にABEMAとのスポンサー契約締結が報じられると、同月31日には空位のOPBF王座を懸けて、プロテスト以来となる後楽園ホールに見参。
世界挑戦経験(122ポンド/エマニュエル・ナバレッテに11回TKO負け)を持つジョー・サンティシマ(比)とぶつかり、大差の3-0判定で載冠に成功。3戦目での東洋太平洋タイトル奪取は、2017年10月に清水聡(大橋/引退)が作った4戦目を抜く国内男子最速記録を達成。
※試合映像:ttps://www.youtube.com/watch?v=OI9Fhs0JmD8
ガチンコのハードなマッチメイク故に止むを得ないことではあるが、KOが無いことへの不満とストレスは、駿斗自身が誰よりも痛感しているところ。
「KOはボクシングの華。どんなに綺麗に相手を完封しても、KOのインパクトは全然違う。プロである以上、倒して勝てるようにならないといけない。そこは自分で自分にプレッシャーをかけている。」
WBSSの準決勝でマニー・ロドリゲスとの対戦が決まった井上尚弥から、スパーリング・パートナーを依頼され、大橋ジムで複数回に渡ってリアル・モンスターと手合わせした経験も、「倒して勝つ」ことへのこだわりに強く影響しているらしい。
「もう試合です。本気で倒しに来る。あんな緊張感を味わったのは井上さんだけ。パンチがあるとか速いとか技術がどうとか言うより、本気で潰しにかかる迫力が凄かった。」
「尋常じゃない集中力を切らさず、スパーリングを何ラウンドもやり続ける。だから世界戦であれだけ倒せるんだと思い知らされた。ここまでやらなきゃ駄目なんだって。」
対戦相手の水準を当たり前に引き下げれば、すぐにでもノックアウトは可能なのだろうが、4戦目に迎えられたのは、WBA15位にランクされるドミニカ出身の好戦的なファイター,ルイス・モンシオン・ベントゥーラ。
どうやら、陣営には強気の相手選びを変えるつもりは毛頭無いらしい。しかし、10月13日に後楽園ホールでセットされたものの、試合前日に駿斗が40℃の高熱を出してダウン。計量云々の状態ではなく、試合は中止に(後日インフルエンザと判明)。
マドリード(スペイン)から中東ドバイ(UAE)を経由して、丸2日がかりで来日した陽気なドミニカンは、検診も無事に済ませてやる気満々。「(駿斗の試合)映像は見たよ。スパーも50ラウンズ以上こなしてきた。彼には何もさせない!」と意気込んでいただけに、突然のドタキャンに驚きと失望を露にしていた。
◎堤の欠場を伝える記事
<1>フェザー級のホープ堤駿斗が体調不良 あすの世界ランカー対決中止
2023年10月12日/Boxingnews.jp
https://boxingnews.jp/news/103558/
<2>堤駿斗が40度以上の高熱で13日の試合出場できず ドミニカから2日かけて来日した対戦相手も衝撃
2023年10月12日/スポーツ報知
https://hochi.news/articles/20231012-OHT1T51122.html?page=1
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突然のドタキャン騒ぎから2ヶ月。再び日本に降り立ったドミニカ人は、相変わらず明るく屈託がない。
一応オッズも付いていて、圧倒的なアンダードッグ扱いも意に介すことなく、「勝つのは俺。彼は物凄く期待されているみたいで、日本のファンには申し訳ないけど、余り気分のよくない年越しになる。でもこれが俺の仕事だから、悪く思わないで欲しい。」
□主要ブックメイカーのオッズ
<1>FanDuel
堤駿斗:-2400(約1.04倍)
ベントゥーラ:+1180(12.8倍)
<2>ウィリアム・ヒル
堤駿斗:1/20(1.05倍)
ベントゥーラ:8/1(9倍)
ドロー:22/1(倍)
<3>Sky Sports
堤駿斗:1/18(約1.06倍)
ベントゥーラ:9/1(10倍)
ドロー:28/1(29倍)
一応WBA15位の肩書きを持ってはいるが、ほとんど無名のローカル・ランカー。相応のアマチュア経験もあるとのことだが、国際大会での実績はないらしく、例によって戦績もはっきりしない。
youtubeに以下のチャンネルを見つけたが、本人のオフィシャルなのかどうかは不明。アマチュア時代の試合映像が9つ掲載されている。
■Mao Boxin Moncion Ventura
https://www.youtube.com/@maoboxinmoncionventura5125/videos
国内選手権を6度制しているとのことだが、確かにスピード&シャープネスに不足は無く、足捌きとムーヴィング・センスもまずまず。2021年2月にプロ入りして以降の映像も幾つかあって、「Luis moncion」というチャンネル名なので、こちらがオフィシャルの様子。
■Luis moncion
https://www.youtube.com/@luismoncion2507
ニカラグァのディルソン・フローレスという選手を6ラウンドでストップした映像を見ると、かなり強引に力で振り回していて、パンチに自信のあるイケイケどんどんと勘違いしてしまうが、相手との実力差が明々白々だからだと捉えるべき。他の試合映像を見ればわかる通り、適時足を使ったアウトポイントもこなす。
ストレートとフックだけでなく、アッパーも含めたカウンターのタイミングも悪くないので、駿斗が真っ正直に正面から突っ込みながら、同じテンポとリズムで「ワンツー、ワンツー⇒ボディ、さらに左の返し」の基本形を続けると、思わぬ落とし穴にハマる恐れがゼロではない。
いい加減KOが欲しい気持ちはわかるけれど、判定勝負を念頭に置きつつ、丁寧に立ち上がるのが得策。そもそも力でねじ伏せるボクシングではないだけに、ドミニカ人を先に引き出して、上手に右を合わせる場面も見たいところ。
それから、「Ventura」のカタカナ表記について一言。従来からある日本のカナ表記では、「ベンチュラ」と記載されることがほとんどだった。
ドミニカは周知の通りスペイン語圏で、エスパニョールの発音だと「ベントゥーラ」になる。流石に「ベンチャーラ」は無いと思う。
◎堤(24歳)/前日計量:125.7ポンド(57.0キロ)
OPBFフェザー級王者(V0)
戦績:3戦全勝
アマ通算:94戦88勝(26RSC・KO)6敗
習志野高→東洋大
■五輪予選
2020年3月東京五輪アジア・オセアニア予選(アンマン/ヨルダン)フェザー級1回戦敗退
※フィリピンのイアン・クラーク・バウティスタに2-3の惜敗
■国際大会
2021年世界選手権(ベオグラード/セルビア)ライト級初戦敗退
2016年ユース世界選手権(サンクトペテルブルグ/ロシア)フライ級金メダル
2017年ASBCアジアユース選手権(バンコク/タイ)バンタム級金メダル
2016年ASBCアジアユース選手権(アスタナ/カザフスタン)フライ級金メダル
2018年アジア大会(ジャカルタ・バレンバン/インドネシア)バンタム級初戦敗退
※モンゴル代表のエンカ・アマル・カルクーに2-3の惜敗/高校1年以来の黒星と話題になった
2019年コンスタンティン・コロトコフ記念国際トーナメント(ハバロフスク/ロシア)57キロ(フェザー)級優勝
■全日本選手権
2019(令和元)年度第89回大会57キロ(フェザー)級優勝
2017(平成28)年度第87回大会バンタム級優勝
※高校生の優勝は2011年第81回の井上尚弥(L・フライ級)以来6年ぶり
■インターハイ
2018(平成29)年度フライ級優勝
2016(平成28)年度フライ級優勝20
■高校選抜
2018(平成29)年度第29回フライ級優勝
2017(平成28)年度第28回フライ級優勝
■国体
2017(平成28)年第72回愛媛大会バンタム級優勝
2015(平成27)年第70回和歌山大会フライ級優勝
※2018(平成29)年第1回山根杯争奪戦バンタム級優勝
身長:171センチ
右ボクサーファイター
◎ベントゥーラ(25歳)/前日計量:124.8ポンド(56.6キロ)
戦績:11戦全勝(9KO)
アマ戦績:約130戦(勝敗詳細不明)
ベネズエラ国内選手権6回優勝
※階級及び年度不明
身長:165センチ
右ボクサーファイター
◎前日計量(ABEMA公式)
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■比嘉大吾がWBC5位ナワポンと10回戦
悪夢のウェイトオーバー騒動から、早くも5年半が経つ。生涯の師でもあり、戦友でもある野木トレーナーとともに志成ジムに移り、2020年の暮れにバンタム級で再起してから、思うような内容と結果を見せていない。
再起後の戦績は6戦して4勝(2KO)1敗1分け。世界ランキングはWBO5位を頭に、WBA7位,IBF12位と回復しつつあるけれど、フライ級時代の爆発力が影を潜め、国内ランカーを相手に苦闘が目立つ。
今年8月、ビンセント・アストロラビオ(比)を地元バンコクに招聘して、WBC王座への挑戦権を懸けて戦い、激しい打撃戦の末11回TKO負けに退いたナワポンは、この試合が4ヶ月ぶりの復帰戦。
タイのトップ選手らしくタフでハートが強く、少々打たれても音を上げずに打ち返して来る。頭を低くして状態を振りながら、電光石火の踏み込みとともにボディから攻め込んでいた以前の比嘉なら、さほど心配することもなかった。
運動量が落ちて真正面に留まる時間が増えた今は、強打の応酬で我慢比べに引きずり込まれてしまい、半歩先に根負けしてしまう恐れが無きにしも非ず。ガード(ブロック&カバー)だけでなく、ボディワークとステップを惜しまず使って、打たせずに打つ上手いファイター(昨今は絶滅危惧種と言っていい)への変貌再進化を願わずにはいられない。
白井・具志堅ジムの閉鎖を受け、志成ジムに移った木村吉光が、坂晃典(仲里)とのOPBF S・フェザー級王座決定戦(再戦)に挑む他、アマ58戦のS・フライ級,重里侃太朗(じゅうり・かんたろう/27歳/5勝2KO1分け/仲里ジムから移籍)は、まずまずのレコードを持つタイ人(一応ミニマム級の元コンテンダー)との8回戦に出場。
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木村吉光が減量の失敗で緊急入院した模様。極度の脱水でドクターストップがかかり、止むを得ず試合は中止。木村には1年間のサスペンドと階級アップが勧告される見込みとのこと。タイトルマッチが吹っ飛んだ坂は、年の瀬に踏んだり蹴ったりといった按配・・・
6回戦と4回戦が1試合づつ用意された予備カードから、どちらか1試合を行うものと思われる(おそらく6回戦)。早いKO決着が増えれば、2試合ともやるだろうけれども。
※【ボクシング】木村吉光、減量失敗で救急搬送 坂晃典との再戦は中止
12月30日/サンケイスポーツ
https://www.sanspo.com/article/20231230-LAA56Q7UOFPOVNNBMDBEZYDXCE/?outputType=theme_fight

