カテゴリ:
■7月25日/有明アリーナ/WBO世界フェザー級タイトルマッチ12回戦
王者 ロベイシー・ラミレス(キューバ) vs WBO11位 清水聡(日本/大橋)





2大会連続のメダル獲得(及び3大会連続出場)を目標に掲げ、階級もライト級に上げて臨んだリオ五輪の代表選考会で、国内大本命の成松大介(熊本農業→東京農大→自隊校)に敗れた後、大橋ジムからのプロ入りを選択。

リオの本大会終了に合わせるかのように、128ポンド契約(S・フェザー級)契約の6回戦で初陣を飾ったのが2016年9月4日。

座間スカイ・アリーナの特設リングに登場した清水は、井上兄弟+従兄弟(尚弥&拓真+浩樹)の前を固める前座のトリ的な立場を担い、韓国から呼ばれた無名選手に粘られながらも、第5ラウンドに踏み込みざま(出会い頭)の左ボディを射し込み、テンカウントのKO勝ちで胸を撫で下ろした。

規格外のタッパにも関わらず、自ら距離を詰めて密着しつつ、左右のフックを上から振り下ろし、長い腕を折り畳んでボディを叩き、インサイドからショートアッパーを小突き上げる。

長身痩躯の五輪メダリストで、しかもサウスポー。鋭く長いジャブでロング・ディスタンスをキープしながら、手堅いポイントメイクにいそしむ・・・思わずテクニカルな技巧派をイメージしてしまいそうだが、清水のボクシングは流麗さやキメの細かさとは対極のインファイトに本領を発揮。

誰の目にも明らかなスピードの不足と、無駄に低くワイドに広がるガードへの不安を、ゴツンゴツンと鈍い音を立てて着弾する硬い拳で拭い去り、パワーで勝利を引き寄せていく。

デビュー時に三十路に突入していた年齢もさることながら、ほぼノーガードのままノシノシ歩いて、多少の被弾を承知の上で前進を繰り返す武骨な戦い方を間の当たりにして、「とてもじゃないが世界は無理。日本ランクで躓くんじゃないか・・・」とため息をつく熱心なファンが少なくなかった。


そんなファンの心配を他所に、強気を貫く大橋会長。4戦目で韓国人王者を5回KOに退け、首尾良くOPBF王座を獲らせると、それなりの挑戦者を選んで4連続防衛に成功。すべてKOの8連勝で世界への飛躍を煽る。

坂晃典(仲里)や大橋健典(角海老宝石)、渡邉卓也(DANGAN AOKI)に源大輝(ワタナベ)、佐川遼と竹中良の三迫勢など、126ポンドの国内トップ組みとの対戦が陽の目を見ない中、S・フェザーへの増量を試す。

完全な転級ではなく、大目標の世界タイトルに少しでも早く辿り着くべく、「可能性を探る」といったニュアンス。安全確実なマッチメイクを第一にしてきた大橋会長が、生来の勝負度胸を解放。フィリピンのハードパンチャー,ジョー・ノイナイ(この人もサウスポー)を招聘した。

126から130ポンドへと転じた関西の雄,坂に大阪で挑戦。まさかの2回TKOで坂を血祭りに上げ、WBOアジア・パシフィックのベルトを獲得したばかり。重さと切れ味を併せ持つ左右の強打は、清水に取っても十分な脅威になると思われたが、「世界を現実のものとする為には、このレベルは問題なく突破して貰わないと・・・」と、大橋会長は自らの気を引き締めるかのごとく、珍しくも厳しい調子で「本格的なテスト」への抱負を語る。


興行(2019年7月12日)のメインは、ロンドン五輪のステーブル・メイトでもある村田諒太。ラスベガスで見るも無残に打ちまくられ、御大ボブ・アラムの面前でWBAの正規王座を追われた村田が、プロ入り後初めてとなる大阪(準地元)で、文字通り進退を賭して臨む大一番。

2試合続けての大阪府立(エディオン・アリーナ)参戦に加えて、世界に照準を合わせる五輪銅メダリストが相手とあって、高いモチベーションを隠さないノイナイがスタートから攻め込む。

棒立ち状態で足が動かない清水も、「待ってました」と言わんばかりに強打で応戦するが、スピード負けがモロに響く。右ジャブをカウンター気味に貰ってフラつき、警戒していた筈の左ストレートを食らい、あっという間に2度ノックダウン。


クリンチワークも駆使して時間を稼ぎ、ストップ負けを持ち応える。戦況を立て直そうと第3ラウンドには攻勢に転じたが、左ストレートを軸にしたノイナイのパンチをかわせず、被弾が続いて右眼が塞がってしまう。

そして第6ラウンド、鼻血も止まらず右眼の状態を確認すべく主審の福地がドクターチェックを要請。ドクターは継続を容認して再開されたが、間もなく清水が自ら右手を小さく上げ、そのままノイナイに背を向ける。

すかさず飛び込んで右から左を振るうノイナイ。無防備の清水はこのワンツーで横転。背後からの攻撃だったが、主審の福地はノイナイの反則を取ることなく、清水の試合放棄による終了を宣告した。

「(主審もしくは自軍コーナーに)試合を止めて貰おうと思って・・・」

試合後語った通り、背を向けたのはギブアップの意思表示で間違いなし。グウの音も出ない完敗(惨敗)。ショッキングなプロ初黒星に、陣営は色と声を失い沈黙するのみ。

溢れんばかりの気迫と持ち前の強打を取り戻し、ロブ・ブラントを滅多打ちにしてベルトの奪還に成功した村田(2回TKO勝ち)、既にキャリアは下降線に入っていたとは言え、フィリピンの実力者ジョナサン・タコニンを問題にしなかった拳四朗(WBC L・フライ級戦V6/4回TKO勝ち)の横に並ぶことは叶わず。


「身体が重くて、思うように動けなかった。パンチは見えていたが、(反応が遅れて)かわし切れなかった。」

「動きの悪さ」は、130ポンドの調整が直接的な原因。そう取れなくもない敗戦の弁に、ファンの反応は厳しく容赦がない。

「年齢的にも限界。これ以上続けても無駄にダメージを残すだけ。」

試合後の検査で両眼窩底及び眼窩内の骨折も判明して、緊急手術と入院がそうした論調に拍車をかける。33歳を過ぎた清水は、肉体的には完全にピークアウトしており、精神的にも復帰は難しいのではないか。そうした見方が大勢を占める中、深く傷ついた胴メダリストは現役へのこだわりを見せる。

武漢ウィルス禍による興行の自粛も加わり、復帰戦は2020年7月16日。元日本ユース王者の殿本恭平(勝輝)を迎えて、保持を認められたOPBFフェザー級王座のV5戦。

初回に得意の左で2度のダウンを奪い、幸先の良いスタートと思いきや、簡単に試合を諦めない殿本の反撃を緩してしまう。このままズルズルと判定決着・・・。嫌な予感が後楽園ホールを覆い始めた第7ラウンド、懸命に前進を続ける殿本に左ボディからのストレートをヒット。

後退する殿本をコーナーに詰めて連打を浴びせ、レフェリーストップ(この試合を担当したのも福地勇治)を呼び込んだ。

眼窩底骨折が引き起こす眼筋マヒなどの深刻な後遺症もなく、以前と変わらぬ姿を披露できたのは何より。しかし、「以前と変わらぬ」ままでは念願の世界は遠のいて行く。


パンチ力に衰えは感じられないものの、打ち下ろしのフックが粗く雑に見えがちで、スピードと運動量に欠けるマイナスだけが際立つ。そして変異株による流行を繰り返し、容易に先の見えないパンデミックがまたもや行く手を阻む。

世界タイトルへの執着と焦る気持ちを隠さなくなった清水に、大橋会長が用意したテストマッチ第2弾は、中京初のバンタム級王者,薬師寺保栄の期待を一身に背負う若きサウスポー,森武蔵を東都に呼び、森が持つWBOアジア・パシフィック王座も懸けたOPBFとの統一戦(2021年5月21日)。

殿本戦から1年近くが経過し、無傷の12連勝(7KO)を更新中の森を推す声も多い。基本的なガードの位置に余り変化はないが、無駄に開く悪癖に修正が施されて、足もそれなりに動き、距離と間合いへの意識もしっかりしている。

序盤こそ森の接近に上手く対処できず、危ないタイミングで左ストレートを狙われヒヤリとしたが、中盤以降ショートのワンツーも含めた組み立てで距離を保ち、森に自分のボクシングをさせなかった。


プロ転向5年、11戦目にして初めての判定勝ち。12ラウンズの長丁場にもかかわらず、ガス欠もなく、顔は綺麗なまま。手応えを掴んだ陣営は、本格的に世界挑戦を模索するが交渉が思うように進まない。

世界戦が何時決まってもいいように、保持するベルトの防衛戦は眼中になし。いたずらに時間だけが過ぎ、2021年11月にWBOアジア・パシフィック王座を返上すると、翌2022年1月にはOPBF王座のはく奪が発表される。

これ以上の試合枯れは流石にマズイと判断したのだろう。昨年12月13日、尚弥 vs ポール・バトラー戦の前座に出場。負け越しの中堅フィリピン人とチューンナップ(S・フェザー級契約)を行い、難なく2ラウンドでストップ。1年半を超えるブランクに終止符を打つ。


◎「37歳初めての世界挑戦」
Leminoのyoutube公式チャンネルで公開されているドキュメンタリー

※ロンドン五輪代表チームの戦友,須佐勝明と鈴木康弘(母校で起こした不祥事でアマ・プロ問わず現場復帰は困難と思われたが・・・)が合流


まさかの来日が実現した王者ラミレスは、五輪連覇の華々しい戦果が示す通り、現代キューバを代表する才能の1人。

2018年7月、メキシコ国内で行われたナショナルチームの合宿から抜け出し、そのままアメリカに入国。亡命キューバ人の大きなコミュニティがあるフロリダではなく、ラスベガスに活動と生活の拠点を置く。

トップランクと複数年の契約を結び、日本のファンにもお馴染みのイスマエル・サラスのサポートを受け、万全の態勢で船出・・・した筈だった。


亡命から1年を経た2019年8月、プロの初陣は東部の要所フィラデルフィア。エドガー・バーランガとジェイソン・ソーサをメインに据えたローカル興行に組み込まれたデビュー戦を、こともあろうにラミレスはしくじってしまう。

選んだ階級は126ポンドのフェザー級。米英ではけっして珍しいことではないが、6回戦ではなく4回戦でのスタート。結果的にこの判断が裏目に出た。

生贄としてあてがわれたアダン・ゴンサレス(メキシコ系)は、戦績もはっきりしない正真正銘の無名選手(Boxrec上は8戦4勝2敗2分け)。「ナメるな」と言う方が無理な相手で、実際にラミレスはナメてかかっていたと思う。

開始早々突っかけるゴンサレスの右フックをダッキングで回避したまでは良かったが、すかさず返した左フックをよけ損ねて被弾。身体を反転させながら両手をリングに着いた。ダメージは浅かったが、規定のエイト・カウントを聞く。

勢いに乗ったゴンサレスは、小気味のいい連打を続けて簡単に下がらない。積極果敢に攻め続けるゴンサレスを止められず、挽回を急ぐラミレスには流れを変える時間が足りなかった。


4回戦ではなく6回戦だったら、ゴンサレスのインファイトにもっと落ち着いて対処できたに違いなく、逆転の判定勝ちも充分に望めたと確信する。

記念碑的(?)な大失敗を反省したトップランクは、3ヶ月後の仕切り直しを6回戦で組んだ。相手はやはり無名のメキシコ系米国人。ラミレスも冷静にラウンドを運んで最終6ラウンドのストップ勝ち。

さらに3ヶ月を挟んだ3戦目もメキシコ系で、問題なく4回KO勝ち。4ヶ月を置いた4戦目でドミニカ人選手を初回TKOに退けると、デビュー戦で万馬券を当てさせたアダン・ゴンサレスにフルマークの3-0判定でリベンジ。

この後8回戦を2試合やり、6回戦でのチューンナップを経て初の10回戦(2021年10月)。フェザー級契約なのに、NABF(北米)J・フェザー級王座が懸けられる変則タイトルマッチ。ほとんどワンサイドでペースを握り、3-0の大差判定勝ちでベルトを巻く。


昨年2月の10戦目で英国に遠征(スコットランド)。ジョシュ・テーラーの前座でアイリッシュの中堅サウスポーを3回TKOで捌くと、プエルトリコのホープ,アブラハム・ノヴァとの無敗プロスペクト対決に臨み、見事5回TKO勝ち。

何事にも慎重なアラムは、ライト級契約でイサック・クルスとミシェル・リベラに善戦したアルゼンチンの中堅ホセ・マティアスをブッキング。

フェザー~S・フェザー級を主戦場にするマティアスは、求められるままに128ポンド契約を呑み、9ラウンドまで粘り食い下がった。


プロの水にも慣れたという訳で、エマニュエル・ナバレッテ(メキシコ)が返上したWBO王座の決定戦に出場(今年4月)。相手はそのナバレッテに連敗して階級を上げて来たガーナのファイター,アイザック・ドグボェ。

160センチ台前半の小兵にもめげず、126ポンドでの復活を目指すドグボェに対して、珍しく(?)サイズで優位に立つラミレスは、無理を慎み常に一定の距離を維持。くっつかれると煩く厄介なドグボェに打ち合いを許さず、最終12ラウンドにはダメ押しのダウンも追加。

想像を超えるワンサイドの判定で、遅ればせながら(?)も世界タイトルを奪取。冷静沈着に12ラウンズをまとめ切ったラミレスは、待ちかねた終了のゴングが鳴ると、高らかに右手を掲げて勝利を誇示。興奮気味に何事かを叫び、感情を爆発させる。


どちらかと言えばラミレスはカッとなり易く、一度び頭に血が上ると我を忘れて打ち合いにのめり込んでしまう。プロ向きと言っても差し支えのない性格が、キューバ出身のアマ・エリートに特有のプライドの高さと相まって、試合運びという面ではマイナスに働きがち。

熱くたぎる野生への傾倒を理性で抑え込み、着実にポイントを積み重ねる堅実なボクシングの遂行は、絶対に失敗が許されない世界戦の檜舞台で、ただならぬストレスとフラストレーションをラミレスに与えていた。

この人の本質的な美意識は、おそらくは「倒し切って勝つ」ことにある。3分×3ラウンド制のアマチュアでもそれを貫くのは大変なのに、プロの世界戦は12ラウンズなのだ。


身体能力の高さ(スピード&柔軟性)と眼の良さ(優れた反応)、類稀なカウンターのセンスも含めた高度なテクニックとスキルは、プロ・アマの別は元より、国や地域,人種の違いを超えて認めるべき真に天才的なボクサーに必須の条件と表していい。

それらの諸条件をラミレスも当然満たしている。それは疑う余地のないところで、「何時でも好きなように外して、好きなように打てる」という、過剰なまでに圧倒的な自信も含めての話しになる。

シャクール・スティーブンソン(米),ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン),マイケル・コンラン(アイルランド),アンドリュー・セルビー(英),ツグスソグ・ニヤンバヤル(モンゴル)、そして我らが須佐勝明・・・。

アマ時代のラミレスは打ち破った、同時代の各国No.1と目される猛者たち。自信過剰になったとしても、許され然るべき錚々たる顔ぶれ。


「余り良く知らない。」

ファイナル・プレッサーでロンドン五輪当時の清水の印象について問われると、実に素っ気ない回答を即座に返したラミレス。

同じロンドンでメダルの栄誉に輝いた両選手だけに、「メダリスト対決」を煽りたい日本国内のメディアは、絵に描いたような見事な空振りに二の句が告げない。しかしながら、フェザー級で長く戦ってきた清水と、フライ~バンタム級で頂点を極めたラミレスには接点がなく、致し方のないことと諦めるべき。

プロ入り後も「これは!」という大物との対戦がない清水を、ラミレスが視野に入れる可能性もゼロに等しい。


「眼をつむっていても勝てる。」

乾坤一擲の大勝負に燃える清水には本当に申し訳ないが、清水の試合映像を見たラミレスは、十中八九そう思ったのではないか。

もう少し丁寧な表現に言い換えるなら、次のようになる。

「特別なことは何も要らない。普通にやることさえやっていれば、勝手に清水が倒れるか、さもなければレフェリーが止めに入る。」


スポーツブックのオッズも、とんでもない大差が付いた。

□主要ブックメイカーのオッズ
<1>betway
R・ラミレス:-3333(約1.03倍)
清水:+1400(15倍)

<2>Bet365
R・ラミレス:-2500(1.04倍)
清水:+1200(13倍)

<3>ウィリアム・ヒル
R・ラミレス:1/20(1.05倍)
清水:10/1(11倍)
ドロー:14/1(15倍)


大きな資金を必要とする世界戦を、ハナから負けるつもりで組むプロモーターは稀だ。大橋会長もトレーナーの八重樫東も、それこそ大橋ジム総出で清水をサポート・バックアップするだろうが、「長いボクシング人生に一区切りを着ける」為に用意されたと見られても止むを得ない。

それぐらい両雄のスピードには差があり、攻防のキメにも小さからぬ開きがある。清水がいつものようにゆったりとしたリズムで中間距離に留まり、ラミレスに正対し続けたら、それこそ「デカくてスローモーな標的」と化す。

ただし、上述した通りラミレスは熱し易く、我を忘れて打撃戦に応じてくれる可能性がゼロではない。ラミレスのペースを崩してカっとさせる為には、スティーブン・フルトンを追い詰めたブランドン・フィゲロアが格好のケース・スタディになる。


モタモタせずに、ラウンド開始のゴングが鳴ったら体格差を利して一気に王者をコーナーに押し込み、ボディを中心にガードの上を乱打。クリンチで逃げられても、再開したらまた同じように身体ごと押し込んで行く。

前半3~4ラウンズでスタミナをすべて使い切るぐらいの覚悟で、ラミレスをイラつかせて打ち合いに誘い込むことができれば、リゴンドウを2度引っくり返した天笠尚の奇跡が再現するかもしれない。

無論、勝敗とは別の話しにはなるけれど・・・。


◎ラミレス(29歳)/前日計量:125.7ポンド(57キロ)
戦績:13戦12勝(7KO)1敗
アマ通算:400勝30敗(概ね)
2016年リオ五輪金メダル(バンタム級)
2012年ロンドン五輪金メダル(フライ級)
2013年世界選手権(アルマトイ/カザフスタン)ベスト8(バンタム級)
※本大会で銅メダルを獲得する地元カザフのカイラット・イェラリエフ(リオ五輪代表/2017年世界選手権金メダル)に0-3判定負け
2011年世界選手権(バクー/アゼルバイジャン)3回戦敗退(フライ級)
※ロシア代表ミーシャ・アローヤン(ロンドン五輪銅だメル/世界選手権2連覇)に11-15で惜敗
2011年パン・アメリカン・ゲームズ金メダル(フライ級)
2013年パン・アメリカン選手権金メダル(バンタム級)
2010年ユース世界選手権(バクー/アゼルバイジャン)金メダル(バンタム級)
2010年ユース・オリンピック(シンガポール)金メダル(バンタム級)
キューバ国内選手権優勝5回(2011年・2012年・2014年・2015年・2017年)
身長:168センチ,リーチ:173センチ
左ボクサーファイター

◎清水(37歳)/前日計量:125.7ポンド(57キロ)
前OPBFフェザー級(V6/返上),元WBOアジア・パシフィック同級(V0/返上)王者
戦績:12戦11勝(10KO)1敗
アマ通算:170戦150勝(70RSC・KO)20敗
2012年ロンドン五輪銅メダル(バンタム級)
2008年北京五輪代表緒戦(R16)敗退(フェザー級)
※銅メダルを獲得したヤクプ・キリク(トルコ)に9-12で惜敗。日本代表チームがAIBAに抗議を検討するなどスコアリングが問題視された。
2005年(綿陽・中国/緒戦敗退),2007年(シカゴ/1回戦敗退),2009年(ミラノ/39度の発熱で棄権),2011年(バクー/2回戦敗退)世界選手権4大会連続出場
2012年アジア選手権(アスタナ/カザフスタン)銅メダル(バンタム級)
2009年アジア選手権(珠海/中国)銅メダル(フェザー級)
全日本選手権優勝2回(フェザー級);2007年(第77回/駒大),2009年(第79回/自隊校)
国体優勝3回(フェザー級):2004年(第59回/埼玉・青森・山形各県),2007年(第62回/秋田県),2009年(第64回/新潟・青森両県)
関西高校→駒澤大学→自衛隊体育学校→ミキハウス
身長:179センチ,リーチ:181センチ
左ボクサーパンチャー


◎前日計量



◎キックオフ・カンファレンス
2023年4月28日
https://www.youtube.com/watch?v=w5rojA1CXs4


○○○○○○○○○○○○○○○○○○

□リング・オフィシャル:未発表


●●●●●●●●●●●●●●●●●●

■注目のアンダーカード

□54キロ契約8回戦
武居由樹(大橋) vs ロニー・バルドナド(比)



キックボクシングから転向後、6戦してすべてKO勝ち。那須川天心(帝拳)との対戦(近い将来)に注目が集まる武居が、フィリピンの曲者を相手に8回戦のチューンナップ。

パンチ力とフィジカルの強さはあるが、身体が硬くてボディワークが使えず、国内及び地域ランカークラスのカウンターをまともに浴びて勝ち残れない。

キックやK-1のチャンピオンから国際式に転じた多くの選手が、例外なく陥った破綻の構図だが、秀逸な柔軟性と敏捷性を併せ持ち、一瞬の隙を逃さず決定機に直結するカウンターにも適性を発揮する武居は、これまで登場してきたキック出身者らとは、明らかに一線を画す異能の持ち主。

パワーよりもタイミングとキレで倒すサウスポーは、年齢(27歳)的にも長い活躍が見込まれており、井上尚弥の動向によって階級を変える(バンタム or フェザー)必要に迫られるというのが大方の見立てだったが、バンタム級でのテスト実施となった。いずれにしても大成が期待される楽しみな存在である。

バルドナド(27歳/16勝9KO4敗1分け)は、フライ~S・フライ級を主戦場にしており、フライ級に進出した田中恒成の調整試合に選ばれ、善戦健闘の末に9回TKO負け。

パンデミックによる休止を挟み、2019年9月から昨年12月の石田匠戦まで3連敗を喫したが、今年1月に久々の白星を挙げてフィリピンの国内王座(バンタム級)を獲得したばかり。

最近の戦績だけでなく、体格的にも武居の優位は揺るがない。体重をしっかり乗せて振るう左右の強打には気が抜けないけれど、手間隙かけずに鮮やかに倒したいところではある。

◎前日計量
武居:117.5ポンド(53.3キロ)
バルドナド:118.8ポンド(53.9キロ)