リヤドのリング初見参 /モンスターらしい豪快なKO決着に期待(P4P1位復帰へ) - Night of The Samurai プレビュー II -
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■12月26日/モハメド・アブドゥ・アリーナ,リヤド(サウジアラビア)/4団体統一世界S・バンタム級タイトルマッチ12回戦
4団体統一王者 井上尚弥(日/大橋) vs WBC1位 アラン・D・ピカソ(メキシコ)
4団体統一王者 井上尚弥(日/大橋) vs WBC1位 アラン・D・ピカソ(メキシコ)
※フル・プレス・カンファレンス(Lemino公式)
https://www.youtube.com/watch?v=QaeMjaIWDDA
「今後のキャリアをより加速させて行く一戦。この試合の内容がパウンド・フォー・パウンド1位への返り咲きを左右する。」
驚異的な集中力と節制でカネロを圧倒。3階級で4団体を統一したテレンス・クロフォードの引退表明を受けて、「P4PのNo.1は自分以外にいない」と明言(Leminoで公開されたドキュメンタリー)したモンスターにとって、「今度こそ下手は打てない」と言ったところだろう。
「どんな展開になるにしろ、最後はしっかりKO決着したい。」
「本番は来年なので・・・」
◎12月13日の公開練習時に行われた会見
※拓真とのライト・スパー
今月13日に行われた公開練習(話題となった拓真とのライト・スパー)時のインタビューでも、完璧と言っても過言ではないヒット&アウェイを貫徹したアフマダリエフ戦とは違い、本来の倒し切るスタイルで戦うと語っている。
「冷静にボクシングの美しさを見せながら、時に残酷さ・・すべてミックスして勝ちたい。」
◎密着ドキュメンタリー PRELUDE TO THE DREAM MATCH 井上尚弥 vs アラン・ピカソ ~夢舞台への前奏曲~(ハイライト短縮版)
2025年12月12日公開/Lemino公式
にしても、「サムライ・ナイト」とは良くぞ名付けたものだ。
毎年秋に開幕するリヤド・シーズンの2025年末尾を飾るボクシング・イベントに、井上尚弥を始めとする日本のトップ・ボクサー6名が終結。メキシコから総勢4名の選手(挑戦者3名)と王者1名を呼び、「日本 vs メキシコ」の国別対抗戦を仕掛けた。
◎The Night of Samurai 対戦カード
<1>4団体統一S・バンタム級王座戦
井上尚弥(大橋) vs アラン・デヴィッド・ピカソ(メキシコ)
<2>S・バンタム級12回戦
中谷潤人(M.T) vs セバスティアン・エルナンデス(メキシコ)
<3>IBF J・バンタム級王座戦
ウィリバルド・ガルシア(メキシコ) vs 寺地拳四朗(B.M.B.)
<4>WBA S・フェザー級暫定王座戦
ジェームズ・ディケンズ(英) vs 堤駿斗(志成)
※堤の負傷(眼窩底骨折の重症)により中止
<5>ライト級10回戦
今永虎雅(いまなが・たいが/大橋) vs アルマンド・マルティネス(キューバ)
<6>S・バンタム級8回戦
堤麗斗(志成) vs レオバルド・クィンタナ(メキシコ)
主役は間違いなくモンスターとビッグ・バンの両雄であり、来年5月の東京ドームを睨んだ前哨戦の位置づけ。トゥルキ長官の覚えも目出度い堤兄弟と、大橋会長が次期王者の最右翼と期待する今永の国際舞台へのデビューを兼ねる。
ファイナル・プレッサーに現れたピカソが、「(土曜は)サムライ・ナイトではなく、”アステカ・ナイト”になる」と言って、同胞と思われるファンから拍手を浴びていたが、一昔前なら「メキシコ vs プエルトリコ」の対抗戦になっていたに違いない。
「老害は黙っとけ」
若いファンの皆さんにお叱りを受けそうだが、プロにおいては王国アメリカに肩を並べるボクング大国メキシコも、トップクラスのレベルが落ちたなと言わざるを得ない。
マルコ・A・バレラ,エリック・モラレス,ダニエル・サラゴサ,ラファエル・マルケス,イスラエル・バスケス,オスカー・ラリオスらに比肩し得る存在は皆無で、才能の払底を本気で心配してしまう。
メキシコの東大(?)に当たる最高学府で脳科学を学び、二束のわらじを履く秀才は、ことボクシングに関する限り筋金が入り切ってはいない。ところが、いささかひ弱に見えるその秀才を、永らくメキシコシティに本部を置くWBCが、本来タレントがひしめいて仕方が無かった筈の、122ポンドの1位に据えて強力にバックアップする。
これもまた、一昔前なら有り得ない事態。
軽量級にしか世界で活躍する場が無い日本のボクサーが、まさかこんな形で脚光を浴びる日が来ようとは。昭和を生きたオールド・ファンは、唯々我が眼を疑い感慨に耽るばかり・・・。
◎Naoya Inoue & Junto Nakatani EXCLUSIVE JOINT SITDOWN INTERVIEW | Mr. Verzace Podcast | Ep. 5
2025年12月25日公開/リング誌公式
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「ノーベル賞と世界チャンピオン」
人生で成し遂げるべき目標について、25歳の若者アラン・デヴィッド・ピカソはそう述べている。
ピカソといえばパブロ。日本人の大多数が、おそらくそう答える筈。戦乱の悲劇と反戦を描いた大作「ゲルニカ」で知られるキュビスムの天才画家は、スペインのマラガに生を受けた。
絵画の大家と同じスペイン語を話し、実父アロンソの指導を受け、まずはボクサーとしての頂点を目指すピカソについて、我々日本のファンは詳しい来歴をほとんど知らない。
であるからこそ、7月に組まれた亀田京之介(MR)との10回戦は、その実像を知るのに打ってつけのテストマッチとなった。そしてその内容と結果は、日本だけでなく世界中のファンと関係者を大いに落胆させた。
デビュー戦でTKO負けを喫し、新人王戦(一応決勝まで進んだ)とユース王座戦も落とした京之介は、数々のジムを渡り歩きながら腕を磨き、中川麦茶(ミツキ)や元世界王者すりヤン・ソー・ルンヴィサイらを破って浮上。
今年2月にメキシコに渡り、ティファナでルイス・ネリーと対戦。ほぼワンサイドで打ちまくられ、いいところなく7回TKOに退いている。亀田3兄弟と血縁関係ににあり、悪餓鬼キャラで売り出したものの、実力がまったく追い付いて行かず、心あるファンからも見放されてしまった。
そんなを相手にチューンナップに臨んだピカソは、フェザー級を主戦場にする京之介との体格差に苦しみ、打っては打ち返される見栄えの悪い展開に終始。勝利自体に問題は無かったけれど、2-0のマジョリティ・ディシジョンで株を落とす。
調整試合の多くをフェザー級で行っているピカソだったが、リバウンドで大きくなった京之介とは一回りサイズが違い、コンビネーションとカウンターで効かせる場面もありながら、決定的なチャンスに結びつけることができなかった。
◎ピカソの試合映像
<1>亀田京之介戦:10回2-0判定勝ち
2025年7月19日/MGMグランド(ラスベガス)
フェザー級契約10回戦
オフィシャル・スコア:98-9,97-93,95-95
https://www.youtube.com/watch?v=WZTy54uld6A
<2>アザト・ホヴァニシアン戦:
2024年8月24日/アレナ・シウダード・メヒコ(メキシコシティ)
WBCシルバーS・バンタム級王座戦(V1)
オフィシャル・スコア:118-110×2,120-108
https://www.youtube.com/watch?v=g19sqbyQQtY
※ピカソもエルナンデスと同様、老雄ホヴァニシアンから上げた白星が出世試合
昨年モンスターへの挑戦が内定と報じられた際にも、「今やっても勝ち目はゼロ以下」「止めといた方がいい」と、同胞の元王者や著名なトレーナーらがこぞって諌める異常事態が発生。一転して陣営が撤退を表明すると、「賢明な決断」との見方が大勢を占めた。
もっともピカソ本人はSNSでやる気を訴え続け、「ダック(逃げて)してなんかいない」と自身の本意ではないことを強調。「知らないうちにキャンセルされていた。何時でも戦う」と、半ば怒りを交えながらの強弁を繰り広げる。
それだけに、京之介戦の出来に否が応でも注目が集まり、期待に反する拙戦が招いたファンの失望に対して、「理系の単位取得に追われて、充分な準備ができなかった」とエクスキューズ。
大学で医学を学び、優れた医師になることを夢見ながら、チャンピオンのまま交通事故で若い生命を散らしたサルバドル・サンチェスに例える者も少なくないが、プロボクサーとしての到達点には天地の開きがある。
直前のオッズはマージンがワイド過ぎて、もはや賭けとしての体を為さない。
□主要ブックメイカーのオッズ
<1>BetMGM
尚弥:-3000(1.03倍)
ピカソ:+1100(12倍)
<2>シーザース
尚弥:-3500(1.03倍)
ピカソ:+1300(14倍)
<3>ウィリアム・ヒル
尚弥:1/33(1.03倍)
ピカソ:10/1(11倍)
ドロー:25/1(26倍)
<4>Sky Sports
尚弥:1/20(1.05倍)
ピカソ:13/1(14倍)
ドロー:40/1(41倍)
◎公開練習
※フル・メディア・ワークアウト(Matchroom公式)
https://www.youtube.com/watch?v=9DdqZMibZXU
ピカソのボクシングは、積極果敢に攻勢をかけるメキシカン・スタイルを基調に、ブロック&カバーを主体に守る正攻法のボクサーファイト。中谷と対戦するエルナンデスと良く似ているけれど、比較すれば身体とパンチにキレもあるし、攻め込む際の力強さも感じさせてくれる。
攻防のまとまりも良く、良くも悪くもソツがない。がしかし、まとまりの良さとソツの無さが、試合運びの巧さやポイントメイクに直結しているとは言い難く、多くの同胞が思わず辛口の忠告に逸るのもむべなるかな・・・。
東京ドームのネリー戦、ラスベガスの大会場で行われたカルデナス戦のように、イレ込み過ぎることなく冷静さを保ち、立ち上がりを丁寧にまとめて攻め急ぎさえしなければ、遅くとも中盤6~7ラウンドまでには終わるべくして終わる。
気をつけるべきは、ピカソと陣営のモチベーションの高さあるのみ。キャリアハイの報酬に止まらず、モンスターのすべてを奪う為に、キャリアハイの準備と仕上がりで挑んで来るに違いない。
「(自分と戦う相手は)モチベーションが違う。映像で確認できる実力より、5~6割増しを想定して準備する。」
モンスター自らがそう述べている通り、くれぐれも油断は禁物。
◎井上(32歳)/前日計量:121.5ポンド(55.1キロ)
戦績:31戦全勝(27KO)
世界戦通算:27戦全勝(24KO)
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■4階級制覇・2階級+4団体統一
WBA(V2)・WBC(V3)・IBF(V2)・WBO(V3)4団体統一王者
前4団体=WBA(V7)・IBF(V6)・WBC(V1)・WBO(V0)統一バンタム級王者.元WBO J・バンタム級(V7),
(1)WBC L・フライ級:2014年4月6日~2014年11月6日(V1/返上)
(2)WBO J・フライ級:2014年12月30日~2018年3月6日(V7/返上)
(3)WBAバンタム級:2018年5月25日~2023年1月13日(V8/返上)
(3)IBFバンタム級:2019年5月18日~2023年1月13日(V6/返上)
(4)WBCバンタム級:2022年6月7日~2023年1月13日(V1/返上)
(4)WBOバンタム級:2022年12月13日~2023年1月13日(V0/返上)
(5)WBC・WBOバンタム級:2023年7月25日~在位中(V6)
(6)WBA・IBFバンタム級:2023年12月26日~在位中(V5)
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元OPBF(V0),元日本L・フライ級(V0)王者
アマ通算:81戦75勝(48KO・RSC) 6敗
2012年アジア選手権(アスタナ/ロンドン五輪予選)銀メダル
2011年全日本選手権優勝
2011年世界選手権(バクー)3回戦敗退
2011年インドネシア大統領杯金メダル
2010年全日本選手権準優勝
2010年世界ユース選手権(バクー)ベスト16
2010年アジアユース選手権(テヘラン)銅メダル
身長:164.5センチ,リーチ:171センチ
※ドネア第1戦の予備検診データ
右ボクサーパンチャー(スイッチヒッター)
◎ピカソ(25歳)/前日計量:121.1ポンド(54.9キロ)
戦績:33戦32勝(17KO)1分け
※アマ経験を含む詳しい来歴は不明
身長:173センチ,リーチ:178センチ
右ボクサーファイター
◎前日計量
※フル・ウェイイン
https://www.youtube.com/watch?v=E1tChZUx4Cs
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■リング・オフィシャル:未公表





