兄弟同時世界王者誕生なるか /メキシコ発の豪打者ヌニェスに挑む左の和製巧打者 - E・ヌニェス vs 力石 プレビュー -
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■5月28日/横浜BUNTAI/IBF世界J・ライト級王座決定12回戦
IBF位 エデュアルド・ヌニェス(メキシコ) vs IBF位 力石政法(日/大橋)
IBF位 エデュアルド・ヌニェス(メキシコ) vs IBF位 力石政法(日/大橋)
※ファイナルプレッサー(フル/Lemino公式)
https://www.youtube.com/watch?v=I_PRA3kEFEw
昨年10月、遥々イタリアまで遠征して、母国の期待を一身に背負うマイケル・マグネッシにリードを許しながら、最終12回に劇的な逆転TKOでWBCシルバー王座と指名挑戦権を持ち帰った力石が、どうしたことかIBFの王座決定戦に推挙された。
王座を保持するアンソニー・カカーチェ(アイルランド)が、ヌニェスとの指名戦履行に応じず、より高額の報酬を保障されたリー・ウッド(英)を選び、自らベルトを放棄。ランキング2位が空位だった為、3位の力石にお鉢が回ったという流れ。
昨年11月、五輪金メダリストのロブソン・コンセイソン(ブラジル)から緑のベルトを奪還したWBC王者オシャキー・フォスター(米)には、ブランドン・フィゲロア(米)との再戦を制して、同じWBCのフェザー級を獲ったスティーブン・フルトン(米)との対戦話が持ち上がっている。
ファンと関係者から高い評価を受けるヌニェス(昭和の昔はヌネスと表記された)は、白星がすべてノックアウトという戦跡のみならず、顎にたくわえた黒々とした髭のせいで、メキシカンというよりロシアのファイターに見えなくもない。
決定力に溢れた強打と強靭なフィジカルを武器に、強力なプレスをかけて攻め込む剛直なスタイルも、ロシアと旧ソ連圏出身のステートアマを想起させる。生まれも育ちもメキシコで、P4Pランク入りを目前にしていた長谷川穂積を地獄に叩き落し、WBOとWBCの統一王者となったフェルナンド・モンティエルの実父で、フェルナンドを含む実の息子3人に加えて、ホルヘ・アルセやヘスス・ソト・カラス、ウーゴ・カサレスらを手掛けたマヌエル・モンティエル・Sr.の指導を受けている。
そんなヌニェスだが、どうした訳かニックネームは”シュガー(Sugar)”。スピード&シャープネスに優れた、流麗なスタイルを連想させる二つ名について、「シュガー・レイ・ロビンソンにシュガー・レイ・レナード、シュガー・シェーン・モズリー・・・。偉大なボクサーは、”シュガー”を名乗る。」と述べており、ファイトスタイルとの関連性はどうやら無い模様。
昨年2月にはタジキスタンまで足を伸ばし、地元の強豪シャフカッツ・ラヒモフと激突。IOCと揉めに揉めているアマチュアの統括団体IBA(旧称:AIBA)が主催する、”アマチュアのプロ興行”への参戦が注目を集めた。
一進一退の白熱した攻防が続き、残り2ラウンズを制した方が勝つ。そうして向かえた11ラウンド、自慢の強打を爆発させてストップ勝ち。130ポンドで一度はIBFの王座に就いたラヒモフを倒したこの一戦を、出世試合と見ても間違いではない。
唯一の黒星は、6回戦の修行時代(11戦目)に喫したもので、以来18連続KOを更新継続中。ちゃんとした試合映像がネット上に見当たらないのが残念だが、不惑を過ぎても戦い続ける元フェザー級王者を僅か2回で圧殺した昨年4月のオスカル・エスカンドン戦、ロマチェンコへの挑戦経験を持つミゲル・マリアガ(2人ともコロンビア人)を6ラウンズで破壊した8月の連勝が、米本土におけるヌニェスの認知度アップに貢献した。
モンスターとの対戦が正式決定したアフマダリエフも傘下に収めるエディ・ハーンがチームに帯同していて、大橋会長との初対面に話題が集まっていたが、あくまでメキシコ国外での共同プロモート。
母国内ではオスワルド&レイナルド・クチュル親子(ジョニー・ゴンサレスを長くハンドリングした)の下で戦ってきた。
直前のオッズはヌニェスを支持しているが、その差は意外に小さい。やはり、アウェイで厳しいタフ・ファイトを耐え抜き、見事なTKO勝ちで世界に辿り着いたマグネッシ戦が大きく影響している。
□主要ブックメイカーのオッズ
<1>FanDuel
ヌニェス:-220(約1.45倍)
力石:+172(2.72倍)
<2>betway
ヌニェス:-250(1.4倍)
力石:+200(3倍)
<3>ウィリアム・ヒル
ヌニェス:1/2(1.5倍)
力石:8/5(2.6倍)
ドロー:14/1(15倍)
<4>Sky Sports
ヌニェス:1/2(1.5倍)
力石:2/1(3倍)
ドロー:18/1(19倍)
130~140ポンド圏内を通じても、長身の枠に入るレフティの力石は、しっかり距離を取りながら、ジャブ,ワンツーから右の返し(上下)で崩す正攻法のボクサーファイター。あまり打たせるタイプではないが、典型的なインファイターのマグネッシに押し込まれて、激しい打ち合いを余儀なくされた。
晴れ上がった顔がいかにも痛々しかったが、「ボクサーとしての勲章」だと胸を張り、「世界チャンピオンになる為だけに、それだけを目標にしてボクシングに打ち込んできた」と語る。
兄正道とともに、幼い頃から強制半ばに父親からボクシングを習い、何度も反発して練習をサボタージュしたとのこと。それでも、ボクシングでの成功を夢見て上京した兄を追い、18歳で東京へ。
しかし、それ以前に起こした事件が原因で逮捕起訴され、少年院で丸2年を過ごす。名古屋に戻り、薬師寺ジムに入門。その後、兄がいる緑ジムに移籍してプロキャリアを続けたが、チャンスを求めて昨年7月大橋ジムに移り、およそ10年ぶりとなる首都圏再登場。いきなり用意されたマグネッシ戦をモノにして、宿願の世界戦を手繰り寄せる。
◎矢吹・力石兄弟の略歴に触れた過去記事
108ポンド屈指のスラッガー ,矢吹正道- 中京の倒し屋に寄せる期待と不安 -
2021年9月22日
https://blog.goo.ne.jp/trazowolf2016/e/a12e3f6e3cc021e72cd13bd0568969b4
◎試合映像
<1>ヌニェス 11回TKO シャフカッツ・ラヒモフ(タジキスタン)
2024年2月16日/テニス・パレス&ウォータースポーツ・コンプレックス(ドゥシャンベ/ダジキスタン)
オフィシャル・スコア(10回まで):96-94×2,95-95
IBA Champions' Night(アマチュア統括団体IBA:旧AIBAが主催するプロ・イベント)
https://www.youtube.com/watch?v=PUP3ti13eAI
<2>力石 12回TKO マイケル・マグネッシ(伊)
2024年10月17日/パレス・オブ・アルフレド・ロンボリ(コッレフェッロ/伊)
オフィシャル・スコア(11回まで):103-106×2,102-107
WBC世界S・フェザー級挑戦者決定12回戦(シルバー王座戦)
https://www.youtube.com/watch?v=GNIEBSjBtOE
練習を公開したヌニェスについて、国内スポーツメディアも概ね好評価を与えており、自ら偵察に訪れた大橋会長は、「リカルド・ロペスに近い空気管がある」と、より一層警戒を強めた。
◎公開練習
<1>ヌニェス
https://www.youtube.com/watch?v=kvvYH5TfBwI
<2>力石
https://www.youtube.com/watch?v=QyhhTCOZRYc
率直に申し上げると、掛け率以上に厳しい展開を覚悟した方がいい。大橋会長が言及していた通り、「始めは慎重に距離を取りたい。1発効かされて手数をまとめられると、そこで終わりになりかねない」。
拙ブログ管理人の予想は、中盤~後半にかけてのTKOでヌニェス。力石がスタートの距離を間違えると、序盤の決着も有り。リードジャブを間断無く突き続けても、それだけで距離を保つのは困難。力のこもった左ストレートとボディで、しっかり押し返しておきたい。
マグネッシ戦の再現は容易ではないが、ヌニェスも上半身のボディワークはさほど豊富とは言えず、ディフェンスラインには相応の穴もある。力石の左がまともに当たれば、ヌニェスも無事ではいられない筈・・・。
◎ヌニェス(27歳)/前日計量:129.4ポンド(58.7キロ)
当日計量:139.6ポンド(63.3キロ)
※IBF独自ルールによるリミット上限+10ポンド(140ポンド:63.5キロ)のリバウンド制限
戦績:29戦28勝(28KO)1敗
身長:168センチ,リーチ:173センチ
※以下計量時の計測
血圧:113/73
脈拍:67/分
体温:35.9℃
◎力石(30歳)/前日計量:129.6ポンド(58.8キロ)
当日計量:139.1ポンド(63.1キロ)
※IBF独自ルールによるリミット上限+10ポンド(140ポンド:63.5キロ)のリバウンド制限
戦績:17戦16勝(11KO)1敗
アマ通算:30戦25勝(15RSC・KO)5敗
身長:177センチ,リーチ:182センチ
※以下計量時の計測
血圧:114/71
脈拍:85/分
体温:35.9℃
左ボクサーファイター
◎前日計量
◎前日計量(フル/Lemino公式)
https://www.youtube.com/watch?v=B5bYs0SLzLM
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■オフィシャル
主審:リッキー・ゴンザレス(米/ニューヨーク州)
副審:
クリス・ウィルソン(米/アリゾナ州)
オレナ・ポビヴェイロ(ベルギー)
ダンレックス・タプダサン(比)
立会人(スーパーバイザー):安河内剛(日/JBC事務局長)









