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2025年03月

 - ジェルサレム vs 優大 2 プレビュー -

カテゴリ:
■3月30日/愛知県国際展示場(ホールA),愛知県常滑市/世界級タイトルマッチ12回戦
王者 メルヴィン・ジェルサエム(比) vs 前王者/WBC1位 重岡優大(ワタナベ)



昨年3月31日、電光石火の右カウンターを浴びて不覚のダウンを奪われ、同門の先輩谷口将孝(2回TKO負けでWBO王座を譲る)のテツを踏んでしまった優大が、丁度1年ぶりのリマッチに挑む。

敗因は明確だ。”オラオラ・キャラ”全開の根拠無き前進。ワイドオープンなガードを閉めることなく、ジャブも崩しもそこそこに強振を繰り返す。倒されたパンチがまともに見えていないのに、同じ戦い方を性懲りも無く繰り返していたら、勝てる試合も落とすのは当たり前。

ペドロ・タドゥラン(比)にコテンパンにやられた弟の銀次郎ともども、これ以上はないというくらいはっきりしている。勝負事において自信を持つのは極めて大事なことではあるが、あの井上尚弥だって、ここまで自信過剰に愚かな真似は絶対にしない。

昨年8月24日に組まれた再起戦(大和アリーナ/大阪市吹田)では、タドゥランとの対戦経験もある実力者サミュエル・サルヴァ(比)を10回3-0判定に下しているが、相手の出方を伺う姿勢は回復していたけれど、ジャブと崩しの手間を端折る悪癖はそのまま。目立った改善の跡は見られなかった。


受けて立つ側となったジェルサレムは、1位ルイス・カスティーリョ(メキシコ)をフルマークに近い3-0判定に退けて、第一の関門となる指名戦を終えている(昨年9月22日/マニラ)。

谷口から奪ったWBOのベルトを、カリフォルニアのインディアン・カジノ(初渡米)で指名挑戦者のオスカー・コラーゾ(米/プエルトリコ)に奪われた失敗を糧に、ジェルサレムは丁寧な組み立てから右のカウンターを狙うスタイルを熟成させ、さらに安定感を増した。


ヘッドとしてコーナーを預かる町田主計(まちだ・ちから)トレーナーは、2017年に閉鎖した名門ヨネクラジムからワタナベジムに移籍し、銀次郎と横山葵海(よこやま・あおい)も担当。名実ともに、ワタナベジムの屋台骨を支えるチーフ。

優大と銀次郎のアビリティ&センスを信じるのはいいけれど、粗雑な攻防が手付かずとの印象がどうしても付いて回る。いざゴングが鳴ってしまえば、現実問題として選手個々人に任せるしかない。

ただし、序盤にダウンを喫して機先を制された上に、ペースを取り戻すきっかけすら掴めない状況下で、具体的な戦術転換を指示できずにズルズル流れてしまうのは、チーフ・トレーナーの責任を問われても致し方がなく、為す術なく中南米や韓国勢の軍門に下り続けた80年代の悪夢そのもの。、


「どんな展開になっても勝つのは私。」

静かに余裕を見せるジェルサレムの言葉には、経験と技術の裏づけを伴った説得力が溢れており、「右対策は万全」と言い切る優大のテンションの高さに不安だけを感じるのは、おそらく拙ブログ管理人だけではないと思う。

ところが・・・。直前のオッズは、どうした事か優大を支持。大きな開きではないが、身銭を切るファンは、地の利込みでの王座奪還を予測している。

□主要ブックメイカーのオッズ
<1>FanDuel
ジェルサレム:+196(2.96倍)
優大:-144(約1.69倍)

<2>betway
ジェルサレム:+138(2.38倍)
優大:-163(約1.61倍)

<3>ウィリアム・ヒル
ジェルサレム:5/4(2.25倍)
優大:4/6(約1.67倍)
ドロー:14/1(15倍)

<4>Sky Sports
ジェルサレム:13/8(2.625倍)
優大:4/6(約1.67倍)
ドロー:16/1(17倍)


◎畑山隆則(KO負けで陥落・引退から復帰)との対談
※昨年8月のサルヴァ戦前


まずはしっかり距離を見定めて、右のリードで王者の出足を僅かに遅らせながら、コンパクトな左で上下を打ち分けることが重要だと、昭和からボクシングを見続けてきたマニアは、今日もまた同じ繰言を呟くのみ。

サルヴァ戦の再現(内容と出来)では、小差の割れた判定まで持ち込むのが精一杯か・・・。


◎ジェルサレム(31歳)/前日計量:104ポンド(47.2キロ)
現WBCストロー級王者(V1),元WBO M・フライ級王者(V0)
戦績:26戦23勝(12KO)3敗
身長,リーチとも157センチ
※以下計量時の計測
血圧:130/81
脈拍:52/分
体温:34.0℃
右ボクサーパンチャー


◎優大(27歳)/前日計量:104.7ポンド(47.5キロ)
前WBCストロー級王者(V1),前日本ミニマム級(V0),元WBOアジア・パシフィックM・フライ級(V1),元日本ユースミニマム級(V0)王者
戦績:10戦9勝(5KO)1敗
アマ通算:91戦81勝(21RSC・KO)10敗
2018年度全日本選手権優勝(L・フライ級)
2015年度高校選抜優勝
2015年度インターハイ優勝
2015年度第70回回国体少年の部優勝
2014年度インターハイ優勝
階級:ピン級
熊本開新高校→拓殖大学
身長:160.8センチ,リーチ:158.7センチ
※ウィルフレド・メンデス戦の予備検診データ
※以下計量時の計測
血圧:135/88
脈拍:52/分
体温:35.2℃
左ボクサーファイター


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■オフィシャル

主審:レイモンド・チャン(香港)

副審:
ジェセフ・グウィルト(タイ)
タウット・プルームサムラン(タイ)
クリス・テレス(米/ニューメキシコ州)

立会人(スーパーバイザー):アクー・ジャン(中国)


日本人男子初の2階級同時制覇へ - A・アヤラ vs 矢吹 プレビュー -

カテゴリ:
■3月29日/愛知県国際展示場(ホールA),愛知県常滑市/IBF世界フライ級タイトルマッチ12回戦
王者 アンヘル・アヤラ(メキシコ) vs IBF J・フライ級王者 矢吹正道(LUSH緑)



「幾ら何でも落とし過ぎじゃ・・・?」

しょっぱなからウェイトの話で恐縮だが、リミット一杯の112ポンドで計量をクリアした矢吹に対して、約1.3ポンドアンダーの110.7ポンド(50.2キロ)を計測した王者アヤラについて、調整ミスの懸念が持たれている。

計量後の会見で記者から質問が飛ぶと、「飛行機の中で何も食べなかった。想定よりも軽くなったのは確かだが問題は無い」と答えていたが、おそらくその言葉にウソはない。直近3年間(8試合)の公式計量を見れば一目瞭然。

<1>2024年8月9日:D・アポリナリオ戦:110ポンド3/4(50.1キロ)
※IBF王座決定戦
<2>2023年10月14日:F・アルバラード戦:111ポンド1/4(50.4キロ)
※IBF挑戦者決定戦
<3>2023年3月4日:ルイス・ロドリゲス戦:113ポンド(51.25キロ)
<4>2022年7月23日:ミゲル・A・エレラ戦:109ポンド1/4(49.4キロ/110ポンド契約10回戦)
<5>2022年4月9日:C・ロサレス戦:112ポンド(50.8キロ)
WBC挑戦者決定戦
<6>2021年8月6日:ファン・A・スニガ戦:112ポンド1/2(50.82キロ/113ポンド契約10回戦)
<7>2021年4月30日:ブランドン・G・ヴァルガス戦:111ポンド1/4(50.36キロ)
※フライ級マイナー地域王座戦
<8>2021年1月22日:ジョバニ・ゴンサレス戦:110ポンド1/2(49.9キロ)
※WBC FECARBOXフライ級王座戦


P4Pランク入りで何かと話題の、”バム”ことジェシー・ロドリゲスの返上に伴うIBF王座決定戦で、フィリピン期待のデイヴ・アポリナリオ(26歳/21勝14KO:対戦時は無敗)をボディ攻撃でし止めた前戦も、今回とほとんど同じ50.1キロで仕上げている。

出世試合となった3年前のクリストファー・ロサレス(元WBCフライ級王者/体重超過の比嘉大吾をストップ)戦は、リミット丁度の112ポンドでクリアしているが、直近8試合のうち112ポンド以上で計量したのは、113ポンドで調整した2年前のチューンナップとロサレス戦の2試合のみ。

WBCが直轄するフライ級の下部タイトルを獲得した2021年1月の試合では、何と50キロを切っている。110ポンド1/4(50.4キロ)で計量した2019年3月のデビュー時点から、主戦場は変わることなくフライ級だが、19歳から20歳になる2020年頃までは線の細さが目立った。

敢えてリミット上限にはこだわらず、一番動けてスタミナへの不安もない状態に合わせているとも言えるし、108ポンド(L・フライ級)への階級ダウンを視野に入れていたフシも伺える。


2021年の後半ぐらいからフィジカルが出来上がってきたとの印象があり、それでも意識的に身体を大きくしないのは、トレーナー兼マネージャーとして愛する息子をサポートし続ける実父サンティアゴの方針らしい。

キャリア最重量の調整は、下積みを終えようかという2020年12月の8回戦。114ポンド3/4(52キロ)で秤に乗った。

体重調整が可能なうちはフライ級で防衛を続けつつ、加齢&トレーニングの効果で自然に大きくなるのを待って階級を上げるのか、バム・ロドリゲスがバンタム級(一気にS・バンタム?)に去るタイミングに合わせてS・フライ級に行くのか。


ロサレス戦にはWBC王座への挑戦権が懸かっていたと記憶するが、メキシカン優遇がお家芸のWBCでそのまま挑戦しなかったのは、安定政権を樹立していた(6連続防衛)同胞の先輩王者フリオ・セサール・マルティネスを回避したと見るべきだろう。

圧倒的なフィジカルの強度と心身のタフネスを武器に、公称157センチの小兵とは思えないパワーショットを繰り出すマルティネスは、確かに当時のアヤラには危険過ぎた。

手にした指名挑戦権を行使することなく、無名の中堅選手を2人倒した後、日本のファンにも馴染み深いフェリックス・アルバラード(来日して井岡一翔,小西伶弥と対戦)を相手に、IBFのエリミネーターに進出したのは、マルティネス以上にリスキーなバム・ロドリゲスが、より大きな報酬を求めて、老いが否定できないファン・F・エストラーダに照準を定めて、S・フライ級に出戻ったからに他ならない。

この辺りの周到な計算は、ハンドリングを担うフェルナンド・ベルトラン(プロモシオネス・サンフェル:メキシコを代表するプロモーター/ボブ・アラムの盟友でもある)の政治力があってのものだが、実父サンティアゴもそれ相応の影響力を行使している筈。


また、アヤラは今回が初来日ではない。昨年11月から12月にかけて、注目ルーキーの1人,森脇龍星(アマ:35戦26勝9敗)のスパーリング・パートナーとして、ABEMAの資金力にモノを言わせて招聘。矢吹戦の下交渉も込みなのは間違いないが、プロ2戦の二十歳には贅沢過ぎると話題になった。

3戦目の相手がWBC S・フライ級26位のメキシカンということで、メキシコのスタイルに眼を鳴らす目的だったようだが、12月24日の本番では、サルバドール・フアレスに判定負け。プッシングをノックダウンに取られる不運はあったが、時期尚早の感も否めない。

◎【世界に迫る】ガチスパー!デビュー2戦ボクサー森脇龍星vs現役ボクシング世界王者アヤラ| 12.21亀田興毅3150×LUSHBOMU3ABEMA無料生中継
2024年12月10日 ABEMA ボクシング 【公式】


Webにアップされたハイライト映像では、豪快に強振する姿ばかりが目立つけれど、18勝8KOの戦績が示す通り、安全圏をキープしながらの出はいりが本来の持ち味。ハイガードを徹底する基本重視の慎重さとは裏腹に、器用にスイッチを操りながら、眼と反応でかわす見切りにもセンスと適性を発揮する。

サンデーパンチは、同じ位置から振り出して途中で軌道を変える左(フック,アッパー)。メキシカンに特有のテクニックと言うと、大雑把に括ってしまい過ぎかもしれないが、アッパーは右も上手い。

ワンツー→左フックからつなぐ定石は勿論のこと、左リードに続くワンツーのツーに使ったり、前振り無しでタイミング良くガードの真ん中を通したりと、精度も含めてなかなかの芸達者ぶり。

ユニークなニックネーム(カメレオン)の由来について聞かれると、「どんなスタイルにも即応できる引き出しと柔軟かつ自在なボクシングIQ」と答えていた。アステカTVの中継映像では、“マジック・カメレオン(La Magica Del Cameleon)” のテロップが使われている。


「108ポンドのチャンピオンなのだから、いいボクサーには違いない。パンチもある。特に警戒するのは右。ストレートも強いが、ボラード(スウィング気味に振るう強打:メキシコ独特の表現)に対する注意を怠ることはできない。でも、ヤブキは振り回し過ぎる。狙い目にはなると思う。」

「ヤブキのカウンターに気を付けながら、適時攻防を切り替えながら命中精度を上げて行く。そして、少しづつダメージを与えてチャンスメイクしたい。」

インタビューや会見で攻略の糸口について、長期戦を前提にした戦術の一端を開陳したが、アヤラ親子には「隙だらけ」と見えているのだろうか。矢吹の勢い(特に立ち上がり)を殺ぐことを目的にしたブラフとも取れるし、そのままの本音とも取れる。あるいはその両方か・・・。

丸9年のプロキャリアで4敗している矢吹だが、衝撃的な2度の即決KO負けが忘れ難い。修行時代に当たったユーリ阿久井政悟に、必殺の右を左リードに被せられた初回KO負けと、スタイルを一変させてファイター化した拳四朗にリベンジを許した3回KO負け(WBC L・フライ級王座の初防衛戦)。

黒星の半分は、全日本新人王の決勝で当たった中谷潤人戦(4回判定負け)と、キューバの試合巧者ダニエル・マデリョン(8回判定負け)とのフル・ラウンズに渡る2度の敗北なのだが、おそらくファンの脳裏にはほとんど残っていない。


「ヤブキの尖った顎を狙え。お前の左が当たれば彼はひとたまりもない。すぐに決着は着く。」

公開練習でミットを持つ実父サンティアゴは、鋭い眼差しで愛息の動きとパンチをチェックしつつ、最終的な確認を終えて手応えを滲ませていた。長期戦と思わせておいて、いきなり強打を打ち込んで来るケースを、矢吹陣営は想定しておく必要がある。

高地で知られるメキシコ国内で50日間に及ぶトレーニング・キャンプを張り、こなしたスパーリングは120ラウンズ超。充実したキャンプで「仕上がりは最高」とアピールする親子の視線の先にあるのは、ユーリ阿久井を凄絶な逆転KOに屠り、WBCに続いてWBAを吸収した拳四朗との3団体統一戦。


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「もうL・フライは無理。二度とやらない(出戻りは有り得ない)。」

以前から限界を訴えていた矢吹の体重調整は、フライ級に上げてもなお厳しい模様。本番1ヶ月前から減量を追った映像が、ABEMAの公式チャンネル(ボクシング)にアップされている。

◎試合1ヶ月前からの減量に密着
【明日3.29世界戦】失敗は許されない…矢吹正道の減量密着!どうやって!?体脂肪3%から5キロ落とす
2025年3月28日/ABEMA公式



1週間前の段階でおよそ5キロのオーバーに、昭和に育ったボクシング・マニアは驚く。「早めに落とし過ぎると、スパーリング(実戦練習)に悪影響が出る(しっかり動けないと駄目)」と矢吹は語り、それでいて極端な水抜き(ドライアウト)には頼らない。

1週間前から食事と水分補給をぎりぎりまで制限して、体重を落とす為だけのジムワークを行う。最後の1日(本番4日前)は呑まず食わずでハードな練習を2時間こなし、計量前日(試合の3日前)の朝には、リミットまで残り1キロ余り。その1キロを、2時間超の半身浴で絞り落として仕上げる。

計量前日に5キロを一気に水抜きするのではと、一部の総合格闘家がよくやる(らしい)荒業を想像して冷や汗をかいたが、年季の入ったトップ・プロボクサーは流石に違った。経験と知見に基づく計画的な着地はお見事の一言。


L・フライ級時代の矢吹が、計量後にどの程度リバウンドしていたのかは明確ではないが、フライ級で瞬殺されたユーリ阿久井戦、そして拳四朗との2連戦では、上半身の厚みにかなりの差があった。

特に拳四朗との骨格の違いは顕著で、第1戦でよくストップまで追い込んだものだと、いまさらながらに感心する。

しかし、111ポンド契約(10回戦)で戦った昨年3月のケヴィン・ヴィヴァス戦の矢吹は、上半身が見違えるほど大きく厚くなっていた。やはり、4ポンドの違いがもたらす余裕は凄い。

計量後のリバウンドに制限を設けるIBFルールが適用される為、ヴィヴァス戦と同等の回復が見込めるかどうかは判然としないが、L・フライ級時代に比べて打たれた際の耐久力が増す可能性はある。


今回矢吹に期待するのは、畢生の出来と賞賛すべきノンシンガ戦を超えるフットワークとイン&アウト。絶え間なく細かいステップを刻み、タイミングに傾注した鋭いジャブで距離をコントロール。

右の強打を急がず、拳四朗との第1戦で奏功した左フックもなるべくコンパクトに。アウトポイントを念頭に置いた丁寧な組み立てが、ハイガードでありながら打ち出すと顎が上がり易いアヤラのウィークネスを的確に捉えるに違いない。


直前のオッズは、意外にも(?)矢吹。ただしその差は小さい。ほとんど互角に近いと言った方が正確。ノンシンガ戦のパフォーマンスに対する評価だろう。

□主要ブックメイカーのオッズ
<1>FanDuel
アヤラ:+110(2.1倍)
矢吹:-146(約1.68倍)

<2>betway
アヤラ:+120(2.2倍)
矢吹:-138(約1.72倍)

<3>ウィリアム・ヒル
アヤラ:11/10(2.1倍)
矢吹:8/11(約1.73倍)
ドロー:16/1(17倍)

<4>Sky Sports
アヤラ:6/5(2.2倍)
矢吹:9/11(約1.81倍)
ドロー:16/1(17倍)


◎アヤラ(24歳)/前日計量:110.7ポンド(50.2キロ)
※当日計量:121.3ポンド(55.0キロ)/+10.6ポンド(+4.8キロ)
(IBF独自ルール:リミット+10ポンドのリバウンド制限=122ポンド/55.3キロをクリア)
戦績:18戦全勝(8KO)
現IBFフライ級王者(V0)
身長,リーチとも168センチ
※以下計量時の計測
血圧:112/72
脈拍:75/分
体温:35.9℃
右ボクサーパンチャー(スイッチヒッター)


◎矢吹(32歳)/前日計量:112ポンド(50.8キロ)
※当日計量:121ポンド(54.9キロ)/+9ポンド(+4.1キロ)
(IBF独自ルール:リミット+10ポンドのリバウンド制限=122ポンド/55.3キロをクリア)
戦績:21戦16勝(15KO)4敗
世界戦:3戦2勝(1KO)1敗
現IBF J・フライ級王者(V0)/元WBC J・フライ級王者(V0)
前日本L・フライ級王者(V1/返上)
2016年度西日本新人王(フライ級)
アマ戦績:21戦16勝(9RSC・KO)5敗
三重県立四日市四郷高校→
身長:166.4センチ,リーチ:166センチ
※寺地拳四朗第1戦の予備検診データ
※以下計量時の計測
血圧:116/94
脈拍:96/分
体温:36.0℃
右ボクサーファイター

◎前日計量


◎前日計量フル映像
※29分38秒~計量後の会見
https://www.youtube.com/watch?v=w5h1-orSXIY


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■オフィシャル

主審:中村勝彦(日/JBC)

副審:
パトリック・モーレイ(米/州)
パヴェル・カルディーニ(ポーランド)
フィリップ・ホリデー(豪)

立会人(スーパーバイザー):安河内剛(日/JBC事務局長)


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■主なアンダーカード

渡米を果たしただけでなく、S・バンタム級時代のエマニュエル・ナバレッテに挑戦したジョー・サンティシマ(比/28歳:32戦25勝21KO7敗/現在は130~126ポンドが主戦場)が、”マダム・キラー”を名乗るLUSH緑のライト級ホープ,英豪(えい・ごう/24歳/4戦4勝2KO/アマ51戦5勝16敗)を迎え撃つハンディキャップ戦(S・フェザー級8回戦)。

パンデミック下のラスベガス(MGMグランド内に設置された無観客専用小ホール)で、モンスターの破壊的なボディを浴びて沈んだマイケル・ダスマリナス(比/32歳:41戦36勝25KO3敗2分け)も、全日本新人王を経て日本フェザー級6位に付ける21歳、岡本恭佑(HKスポーツ/11戦9勝6KO1敗1分け)に胸を貸す(フェザー級8回戦)。

2022年度の全日王者(バンタム級)で、56戦44勝(12RSC)12敗の好レコードを残してワタナベジムからプロ入りした横山葵海(よこやま・あおい/2戦2勝1KO)は、中谷潤人とWBOフライ級王座を争ったジーメル・マグラモ(比/30歳)が保持するOPBF S・フライ級王座に挑む。

横山が勝てば、堤駿斗(志成)に並ぶ最速3戦目でのOPBF奪取になるが、30勝(23KO)4敗のマグラモも、2023年9月のトニー・オラスクアガ(現WBOフライ級王者)戦で7回KO負けした後、115ポンドでOPBF王座を獲得して復活。昨年10月、初防衛に成功して好調を維持している。

休まず振り続ける鉄球(Wrecking Ball)をに挑む破壊王(The Power) - N・ボール vs ドヘニー プレビュー -

カテゴリ:
■3月15日/エコー・アリーナ,リヴァプール/WBA世界フェザー級タイトルマッチ12回戦
王者 ニック・ボール(英) vs 元IBF J・フェザー級王者/WBA6位 T・J・ドヘニー(アイルランド)

ドヘニーが0.1ポンド超過した前日計量の模様
写真上:フェイス・オフ中に罵り合いが始まりひと悶着
写真下:全裸で秤に乗るドヘニー


前日計量でドヘニーがウェイトオーバー!?。

どうかご安心を。全裸になって秤に乗った1回目、リミットの126ポンドを0.1ポンド(約45.4グラム)超過したチャレンジャーは、1時間後の再計量でも1オンス(約28.3グラム)上回ったが、王者陣営からOKが出て事無きを得たようである。

これが単なる調整試合だったなら、おそらく1回目ですんなりOKになっていた筈だが、タイトルマッチとなれば話は別。ましてや世界戦。公開練習から会見,そして計量と、今はオンラインでフルに配信されてしまう。


我らがモンスターも、118ポンドの完全制覇が懸かったポール・バトラー戦でリミットを30グラムオーバーしたが、トイレで小用を足してもう一度秤に乗り、50グラムアンダーで無事終了。勿論、パンツは履いたままである。

有名なオーディション番組「BGT(Britain's Got Talent/ブリテンズ・ゴッド・タレント)」に出演して大変な話題になった芸人さんではないが、「Don't worry. I'm wearing(安心してください。履いてますよ)」といったところか。

遠来のWBOチャンプを5分間待たせて最大の難関(?)をクリアしたモンスターだが、ことボクシングに関する限り、自らに課すハードルを常に高く保持し続け、完璧主義を貫く真の統一王者らしからぬハプニングではあった。


「下から階級を上げた選手が計量をミスするのは、ボクシングでは珍しいことではない。」

鬼塚勝也と対戦する以前、フライ級でデビューしてから、J・バンタム~バンタムの間を行き来していたタノムサク・シスボーベー(タイ)が、WBAバンタム級王者だったルイシトに挑戦することになり、計量(当時は当日)を目前に控えて、体重がリミットまで落ちずに苦しんでいたとジョーさんが明かしたことがある。

軽量級では3~4ポンド程度(約1.3~1.8キロ)の差とはいえ、この違いが大きい。僅かな余裕がもたらす心理的な効果、安心感が裏目に出て、体重調整が遅れ気味になってしまう。

エキサイトマッチが始まって間もない頃から、裏話的な逸話の1つとして、ジョーさんが時々話していたことを思い出す。


もっともドヘニーの場合、フェザー級での調整は何度も経験済みで、4年前にはマイケル・コンランとWBAフェザー級の暫定王座を争ったこともあるだけに、今回のケアレスミスはいただけない。

とにもかくにも明日の本番は、WBAの承認を受けた世界タイトルマッチとして挙行される。

直前のオッズは圧倒的に王者を支持。モンスター戦の途中撤退は、敵前逃亡と謗られても反論が難しいものだったし、岩佐亮佑から奪った122ポンドのIBF王座をダニー・ローマンに奪われた2019年4月から昨年9月のモンスター戦まで、10戦して5勝(5KO)5敗。足掛け13年のプロキャリアで記録した5度の黒星を、すべてこの間に喫している。

世界を獲ったのは6年目だから、出世が特別遅かった訳ではない。三十路に突入した後の載冠になったのは、25~26歳の間にプロデビューした為で他に理由は無し。

王座を失った後の5つの白星すべてがKOという点は、”The Power”の異名に恥じず流石の一言。しかし、不惑を間近に控えた年齢を考えれば、完全なるピークアウトと判断されるのは止むを得ない。万馬券扱いは半ば当然・・・。

□主要ブックメイカーのオッズ
<1>FanDuel
ボール:-1600(約1.06倍)
ドヘニー:+810(9.1倍)

<2>betway
ボール:-1205(約1.08倍)
ドヘニー:+700(8倍)

<3>ウィリアム・ヒル
ボール:1/14(約1.07倍)
ドヘニー:7/1(8倍)
ドロー:20/1(21倍)

<4>Sky Sports
ボール:1/12(約1.08倍)
ドヘニー:10/1(11倍)
ドロー:25/1(26倍)


昨年3月、リヤドのキングダム・アリーナに初登場したボールは、痩身のメキシカン,レイ・バルガスをほうほうの体に追い込みながら、不運と言うには余りに気の毒なスプリット・ドローで緑のベルトを獲り逃がした後、同じ場所で米国期待のレイモンド・フォードを僅少差の2-1判定にかわしてWBA王座に就いた。

そして昨年秋、ホームタウンのリヴァプールに実力者ロニー・リオスを迎えた初防衛戦でも、終始一貫攻め続けて10回TKO勝ち。9回までのスコアも、フルマークに近い大差(90-80,89-80,88-81)を付けての快勝。

公称157センチの超小兵をものともせず、「Wrecking Ball(レッキング・ボール)」のニックネームそのままに、火の玉となってガンガン相手を叩き壊しに行く突貫戦法は、激しさとスタミナという点で、我らが”攻めダルマ”比嘉大吾をも凌駕する。

勿論、代償として負うダメージは大きい。毎試合のように傷を作り顔を腫らす。ドヘニーより10歳若いとは言え、あと2年で三十の大台(今は小台?)。遅かれ早かれやって来る心身の限界を超えた途端、それまでのタフネスがウソのように撃たれ脆くなるファイターを、どれだけの数見てきただろう。

ラファエル・マルケスとの歴史に残る3連戦で疲弊消耗し、右眼の視力を失いキャリアを終焉させたイスラエル・バスケス、同じくブランドン・リオスと壮絶な打撃戦を三度び繰り返して深手を負ったマイク・アルバラード、そのアルバラードとティム・ブラッドリーやルーカス・マティセらとの白兵戦で摩滅してしまい、やっと登り詰めたトップの座から滑り落ちたルスラン・プロヴォドニコフ等々・・・。


この戦い方で、いったいどこまで己の肉体と精神持つのか。それこそが最大の懸念材料ということになるが、S・ライト級まで上げたメキシカン・ピットブルことイサック・クルス(163センチ)にも同じことが言える。

いつどこで誰に追い落とされてもおかしくないリヴァプール生まれの火の玉小僧を、苦労して世界チャンピオンに育て上げたフランク・ウォーレン(イングランドを代表するプロモーター/エディ・ハーンに対抗し得る唯一の存在)が、モンスターとの大一番を急いだとしてもむべなるかな。


モンスターに相対したドヘニーは、”The Power”の愛称が泣く待機策に終始。驚くほど慎重だったモンスターの立ち上がりにも助けられながら、ひたすら守りに徹して時々リターンを狙うパッシブな戦術に閉じこもった。

安全な距離に身を置くことを最優先にしつつ、モンスターが強力なプレスをかけて来るや否や、極端な後傾バランスにシフトしてとにかくよける。逃げる。これが奏功して(?)、中盤まで持ち応えたドヘニー。

前に出て来ない相手はボディから崩す。いつものように腹に的を絞ったモンスターの豪打に晒され、見る間に弱るドヘニー(元々ボディはウィークネス)。「そろそろフィニッシュか」と思われた第7ラウンド、ロープ際とコーナーに詰められたところで、突然腰を押さえてギブアップ。


「1度もノックダウンを奪われずに試合を終えた」

自身初のTKO負けと引き換えに、キャンバスに膝や手を着くことなくリングを降りたドヘニーにとって、最大の目標がこれだったのかもしれない。ダウンカウントを取られることなく試合を終えることが、本当に勲章になるのだとしたら、逆説的になってしまうが、それこそがモンスターの勲章と評して間違いない。


「イノウエよりもドヘニーを圧倒して、イノウエよりも早い回でKOする。」

ボール自ら複数のインタビューで語っていた通り、年末のリヤド開催が内定した(?)モンスターとのタイトルマッチに向けたデモンストレーション。ドヘニーを媒介とした、モンスターとの実力比較だけを目的としたマッチメイク。

先日行われた「那須川天心 vs ジェイソン・モロニー」と同じ、動機と構図は寸分違わない。そして、天心に苦闘を強いたモロニーと同様、ドヘニーがボールに一泡吹かせる恐れは十二分にあると考えている。


まず第一に、ドヘニーは正面から打って来る相手をコントロールするのが意外に上手い。ラミド戦の即決KOのインパクトが強過ぎて、ドヘニーの特徴が正しく理解されていないように思う。

岩佐戦とローマン戦,中嶋戦をご覧いただくと良く分かるが、出はいりを軸にしたアウトボックスをやらせると、ドヘニーはかなり厄介な存在になる。モンスターにも試みていたけれど、先に打たせおいてリターンを効かせるのが得意なパターン。

超弩級のパワーだけでなく、スピード&反応も超一級品のモンスターには通用しなかったが、大概のランカークラスとチャンピオンなら、勝てないまでもいい勝負に持って行ける筈。ディフェンスが甘く、「肉を切らせて骨を絶つ」展開になりがちなボールが、勢いにまかせてワンパターンの突進を繰り返すと、ラミドの二の舞になる確率は想像以上に高いと危惧する。


モンスターはまともに貰ってくれなかったが、ダッキングで相手のワンツーやフックをかわしざま、低い姿勢から右を突きつつサイドへ動き、死角から放つ左がボールには当たりそうだ。

フォード戦を見る限り、サウスポーを特段不得手にしていなさそうなボールも、計量後に10キロ以上リバウンドするドヘニーのフィジカルには苦労させられるだろう。モンスターとやった時も、一晩で11キロ(公式計量55.1キロ→当日再計量66.1キロのウェルター球)戻したことが話題になった。

リミットが122ポンド(55.3キロ)から126ポンド(57.1キロ)に増える分、モンスター戦と同じ66キロまで増やした場合、およそ2キロ減って(それでも)9キロのアップ。ひょっとしたら、70キロに近い60キロ台後半(S・ウェルター球)まで戻して来ることも、想定の範囲内ではある。

ボールもかなり戻していると思うが、「機動力&運動量+しつこい手数」を生命線にするだけに、身体が重くなり過ぎて、踏み込みのスピードと勢いが落ちたら逆効果で意味がない。

ビートルズ(リヴァプール出身)のヒット曲で、1964年に製作された初主演映画のタイトルにもなった「A Hard Day's Night」をちゃっかり拝借して、イベントを盛り上げるフランク・ウォーレン。

その目論見通り「ハードでキツい一夜」になるのはドヘニーだけなのか、はたまたボールに取っても厳しい晩になるのか。大きな差が開いた掛け率ほどスムーズに事は運ばないよと、長年のコーチでもありメンターでもあるポール・スティーブンソンに、余計な一言をかけてやりたい気もする。


モンスターのリヤド・デビューがドヘニーとの再戦では絵にならないから、ボールが負ければターゲットのベルトも変わる。疑う余地は無し。

「5月4日T-モバイル・アリーナ(ラスベガス)で決定」と報じられたモンスターの次戦に、WBO王者ラファエル・”エル・ディヴィーノ”・エスピノサ(メキシコ)のV3戦が組み込まれたのは、ズバリそういう意味である。

ボールとエスピノサのどちらが出て来ても、モンスターの5階級制覇が揺らぐことはなく、126ポンドにおけるモンスターのパフォーマンスは、この階級で大きく躓いたノニト・ドネアとのポテンシャルの違いをも浮き彫りにする。


◎ファイナル・プレッサー


◎フル映像
https://www.youtube.com/watch?v=FwJVtUFg54k

拙ブログの勝敗予想は・・・5.5-4.5~6-4でボール。ドヘニーが唐突に腰を押さえて足をひきずり、途中棄権することはもう無いと思うので、7~8割方の確率で判定決着だろうか。ポイント・マージンの割れた3-0か、小差の2-1。

早い時間帯でのバッティングによるノーコンテストだけはご勘弁を。160センチに満たないボールと166センチのドヘニーは、構え合った状態でちょうど頭1つ分丈が違う。猪突猛進するボールの頭が、ドヘニーの顔面にめり込む場面は絶対に見たくない。


◎ボール(28歳)/前日計量:125.6ポンド(約56.97キロ)
戦績:22戦21勝(12KO)1分け
世界戦:3戦2勝(1KO)1分け
アマ戦績:25戦23勝2敗
ジュニア全英(ABA:The London Amateur Boxing Association)選手権優勝
※年度・階級不明
身長:157センチ,リーチ:165センチ
右ファイター


◎ドヘニー(38歳)/前日計量(1回目):126.1ポンド(約57.42キロ)
※1時間後に行われた再計量で126ポンド(リミット上限)を1オンス(約28.3グラム)超過も、王者側からOKが出てタイトルマッチとして承認
元IBF J・フェザー級王者(V1)
戦績:31戦26勝(20KO)5敗
世界戦通算:5戦2勝(1KO)3敗
アマ戦績:不明
北京五輪代表候補
身長:166センチ
リーチ:172.5センチ
※岩佐亮佑戦の予備検診データ
左ボクサーファイター

◎前日計量
FURIOUS! Nick Ball vs TJ Doheny ? WEIGH-IN & FACEOFF ? Frank Warren & TNT Sports
Seconds Out
https://www.youtube.com/watch?v=L53bkUmUPfw


◎フル映像
https://www.youtube.com/watch?v=cf61oUk6kIs


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■リング・オフィシャル:未発表


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◎試合映像

■N・ボール
<1>ボール TKO10R ロニー・リオス(米)
2024年10月5日/M&Sバンク・アリーナ(英/リヴァプール)
オフィシャル・スコア(9回まで):90-80,89-80,88-81
WBAフェザー級王座V1
https://www.dailymotion.com/video/x96u5s6

<2>ボール vs レイモンド・フォード(米)
2024年6月1日/キングダム・アリーナ(リヤド/サウジアラビア)
オフィシャル・スコア:115-113×2,113-115
WBAフェザー級王座獲得(クィーンズベリー vs マッチルーム 5 vs 5)


<3>ボール 引分12R(1-1-1)vs レイ・バルガス(メキシコ)
2024年3月8日/キングダム・アリーナ(リヤド/サウジアラビア)
オフィシャル・スコア:116-110,112-114.113-113
WBCフェザー級王座挑戦
https://www.dailymotion.com/video/x8u9eio

<4>ボール 判定12R(3-0) アイザック・ドグボェ(ガーナ/英)
2023年11月18日/マンチェスター・アリーナ(英/マンチェスター)
オフィシャル・スコア:119-108,118-109,116-111
WBCシルバーフェザー級王座V4
https://www.dailymotion.com/video/x8prktl

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■T・J・ドヘニー
<1>井上尚弥 TKO7R ドヘニー
2024年9月3日/有明アリ-ナ
オフィシャル・スコア(6回まで):59-55×2,58-56
※ドヘニーに2ラウンズを与えたのはネバダ選出のロバート・ホイル/ひたすら後退+当て逃げを評価し過ぎるラスベガス・ディシジョンの典型(悪弊)
4団体統一S・バンタム級王座挑戦
https://www.youtube.com/watch?v=D3x9xqWj2xQ

<2>ドヘニー TKO1R ジャフェスリー・ラミド(米)
2023年10月31日/後楽園ホール
WBOアジア・パシフィックJ・フェザー級王座V1
※中嶋戦に続くショッキングな連続KOで日本国内におけるドヘニー再評価の機運が高まる
ttps://www.dailymotion.com/video/x947fnc

<3>ドヘニー TKO4R 中嶋一輝(大橋)
2023年6月29日/後楽園ホール
WBOアジア・パシフィックJ・フェザー級王座獲得
ttps://www.youtube.com/watch?v=TINgUCvX2js

<3>サム・グッドマン(豪) 判定10R(3-0) ドヘニー
2023年3月12日/クドス・バンク・アリーナ(豪/シドニー)
オフィシャル・スコア:100-89,98-92,97-92
WBOオリエンタルJ・フェザー級王座決定戦


<4>マイケル・コンラン 判定12R(3-0) ドヘニー
2021年8月6日/フォールズ・パーク, ベルファスト(英/アイルランド)
オフィシャル・スコア:116-111×2,119-108
WBAフェザー級暫定王座決定戦
https://www.dailymotion.com/video/x84mgke

<5>イオヌット・バルタ(ルーマニア) 判定8R(3-0) ドヘニー
2020年3月6日/シーザースパレス・ドバイ(UAE)
オフィシャル・スコア:78-74×2,77-74
フェザー級8回戦
https://www.dailymotion.com/video/x7slx4l

<6>ダニエル・ローマン(米) 判定12R(2-0) ドヘニー
2019年4月26日/イングルウッド・フォーラム(カリフォルニア州)
オフィシャル・スコア:116-110×2,113-113
※ドロー裁定のエドワード・ヘルナンデス・Sr.(開催地選出)はジャッジ失格(?)
IBF J・フェザー級王座挑戦


<7>ドヘニー TKO11R 高橋竜平(横浜光)
2019年1月18日/MSGシアター(ニューヨーク)
オフィシャル・スコア(10回まで):100-89×2,97-92
IBF J・フェザー級王座V1
https://www.dailymotion.com/video/x7tthux

<8>ドヘニー 判定12R(3-0) 岩佐亮佑(セレス)
2018年8月16日/後楽園ホール
オフィシャル・スコア:117-112,116-112,115-113
IBF J・フェザー級王座獲得
https://www.dailymotion.com/video/x6t46tv

”ボンバ”に負けた者同士の激突・・・手強い挑戦者を明確に倒せるか - 岩田翔吉 vs レネ・サンティアゴ プレビュー -

カテゴリ:
■3月13日/両国国技館/WBO世界J・フライ級タイトルマッチ12回戦
王者 岩田翔吉(帝拳) vs 元WBO暫定王者/2位 レネ・サンティアゴ(プエルトリコ)



「スーパー高校生」,「95世代」,「黄金世代」

呼び方は様々なれど、アマチュアでしのぎを削り合った田中恒成,井上拓真,ユーリ阿久井政悟,堤聖也,比嘉大吾に、アマ経験の無い山中竜也を加えた1995年生まれのチャンピオンたちと、早生まれの岩田(1996年2月)は同期に当たる。

恵まれたパンチング・パワーを最大限に活かす攻撃的なスタイルは、武居由樹に続いて堤とも壮絶に打ち合った比嘉との共通項だが、いわゆる”攻めダルマ型”ではなく、スピーディな出入りとともにハードヒットを叩き込む。

右ストレート&フックが強いのは当然にしても、それ以上に得意なパンチが左フック(上下)と左右のアッパー。ジャブと崩しを省略していきなり狙うことも多く、ツボに入った時の即決KO、パンチの衝撃音(リアル・モンスター,井上尚弥には1歩譲るが)は、最軽量ゾーンとは思えない迫力。

◎配信を行うU-NEXTのハイライト映像
【3.13U-NEXT BOXING.2】連続KO中の岩田翔吉 激闘ハイライト!初防衛戦に挑む!
2025年3月6日/U-NEXT格闘技公式


108ポンドでは大きな部類に入る163センチ(リーチは短い:162センチ)のサイズも強力な武器になるけれど、「ジャブと崩しの不足」と「迂闊な被弾」が玉に瑕。突出したパワーの持ち主が陥り易い、「一本調子(単調)」の悪弊が顔を覗かせる。


「うっかり被弾」は、頭と肩を振らない現代のボクサーに共通する技術的欠陥で、なおかつ国内外の別を問わないが、特に現代日本のボクサーはボディワークのヴォリュームが減って頭を振らなくなった。

ウィービングとステップを連動させて細かくリズムを刻み、そのリズムに乗せて頭と肩を振るのが20世紀(昭和)のスタンダードであるなら、上半身を直立させたまま、ディフェンスの7~8割方をブロック&カバーに依存するのが現代流。

スタンスを広く取る選手も増えた。スタンスを広げ過ぎれば、スムーズに円を描きながら、四角いリングを丸く使うフットワークは困難になる。動きは前後のステップのみになりがち。運動量は落ちるに決まっているし、相対的に手数も少なくなって行く。「単調になるな」と言う方が間違っている。多彩な変化など求めてはいけない。ごく当たり前の話だ。


3年前の初挑戦では、ジョナサン・”ボンバ”・ゴンサレス(プエルトリコ)のステップ&ディフェンスと、清濁併せ呑むプロの駆け引きに絡め取られてしまい、倒そうと意気込む前のめりの気持ちと姿勢が空回り。老巧サウスポーの術中にまんまとハマり、自慢の強打を封じ込まれて中差の0-3判定負け。

ハイリスクなクロスレンジを潰すクリンチワークにも悩まされたが、4歳の頃から実父ルイスによってボクシングのイロハを仕込まれ、ユースの世界選手権で金メダルを獲得するなど、ボンバの国際試合を含めた豊富なアマ経験+プロ30戦のキャリアは伊達ではなかった。

◎試合映像:ボンバ・ゴンサレス vs 岩田
2022年11月1日/さいたまスーパーアリーナ(メイン:拳四朗 vs 京口)
オフィシャル・スコア:112-116×2,111-117
WBO J・フライ級王座挑戦
ttps://www.youtube.com/watch?v=Cs8xRiBJ_YE

9歳(小学4年)で山本”KID”徳郁のジムに通い始めて、中学2年からボクシングに専念した岩田も、高校・大学で71戦のアマキャリアを積み、日本国内のスタンダードに照らせば充分過ぎる英才教育型の1人ではあるものの、プロ9戦での挑戦は流石に早過ぎたと言うべきか。


ボンバに苦杯を喫した後、フィリピンの中堅&トップクラスを4人立て続けに倒して復調。とりわけ良かったのが昨年1月のレネ・マーク・クァルト戦で、同胞のペドロ・タドゥランから2勝を挙げ、重岡銀次朗とも拳を交えて、9回終了間際まで粘った105ポンドの元IBF王者から4度のダウンを奪って6回TKOの圧勝。

小兵のクァルト(公称156センチ)は、強気でどんどん前に出ながら振り回す。元王者の積極果敢なファイター・スタイルは、岩田に取っておあつらえ向きの好都合でしかなく、致し方のないことではあるが体格差も目立った。

懸案事項のケアレスミス(うっかり被弾)はこの試合でも散見されたが、形勢を一気に逆転するほどの影響はなく、詰めに持って行く過程における不可抗力だと、陣営はそう判断しているのかもしれない。

◎試合映像:岩田 TKO6R クァルト
2024年1月20日/後楽園ホール
ttps://www.dailymotion.com/video/x8veozm


そうこうしているうちに、ボンバが体重苦を理由にフライ級への増量を表明。1位に付けた岩田に、持ち主を失ったベルトの争奪戦が決まる。時は昨年10月13日、場所は有明アリーナ。

翌14日と合わせた2日間に、中谷潤人,井上拓真(vs 堤聖也),田中恒成,ユーリ阿久井政悟,トニー・オラスクアガの5王者が相次いで登場する前例無き大興行。拓真 vs 堤のWBAバンタム級タイトルマッチをメインに、阿久井のV2戦が華を添える初日に、岩田の決定戦も組み込まれた。

2日目の露を払うWBOフライ級王者オラスクアガの挑戦者が、プロ初黒星を献上した因縁のボンバとくれば、闘志の炎は否が応でも燃え盛る。


対するもう1人のコンテンダーは、ランク2位で元欧州(EBU:WBC傘下)王者のハイロ・ノリエガ(スペイン)。2018年にプロ入りして以来、無傷の14連勝(3KO)を更新中の32歳。KOが少ないのは無理な深追いをしないからで、けっして非力な訳ではない。

2022年5月に獲得したEBUのタイトルは、防衛戦を一度もやらずに返上。そのまま防衛を続けていれば、WBC王者のパンヤ・プラダブスリ(タイ)に挑戦できた筈だが、昨年3月にWBO直轄の下部タイトルを獲り方針転換。

言葉が通じない上にまるで勝手を知らないタイへ行くより、スペイン語圏のプエルトリコで戦うのが賢明な選択ということなのか、タイ陣営に接触してみたが、どうも感触が思わしくなかったのか。

岩田戦の直前にニカラグァまで足を伸ばすと、パナマの中堅選手を大差の判定に退け、WBOのラティーノ王座を獲得。ボンバへと標的を変更する。


ノリエガと彼のチームが行った海外遠征はこの1回のみで、岩田戦が2度目の国外渡航だった。32歳のノリエガは162センチを公称していたが、会見や計量で163センチの岩田と並ぶと肩の位置が明らかに低い。

一晩のリカバリーを経た2人のサイズ(骨格)には、一目で分かるほどの違いがあり、立ち上がりから岩田は圧力を強める。戦前の予想通り、すばしっこいステップと身のこなしで岩田の圧をいなそうとするノリエガだが、時折放つ大きな左右はなかなかのキレとパワーを感じさせる。

岩田もノリエガの動き出しに素早く反応して、丁寧にステップを刻む。ノリエガのショートにはさほどの怖さはなく、第2ラウンドに入ると早くもプレスが効き始めた。するとノリエガが戦術を変える。岩田のジャブをかいくぐりながら、強打を振り回し始めた。

警戒を強める岩田。勢いを強めて乱戦に持ち込もうとするノリエガ。これに強打で応酬せず、岩田はジャブ&ステップの基本を変えない。


「そう、それでいい。パワーファイトに付き合う必要はない。ジャブさえ出していれば、踏み込んで来るノリエガにフックかアッパーをカウンターできる。」

そのジャブで、ノリエガの右目の下が赤くなった。時間の問題だろうと眺めていたら、左のリード右のオーバーハンドを合わせられてヒヤリ。しかしその後、右アッパーのボディが綺麗な角度とグッド・タイミングでノリエガのベルトラインを捉える。これは効いた。

ノリエガの強振は、思い切りがいいと言うより、”捨て身”に近い感覚。スタミナ配分には気を付けながらも、当たればもうけものとばかりに前へ出る。

思わず岩田の「貰い癖」が心配になったが、冷静に前後のステップとジャブで距離と間合いを外す姿に一安心。「これなら問題ないな。まずはジャブ。しっかり突いているだけでいい。ノリエガの方からフックとアッパーの射程に入ってきてくれる」と、画面への集中を増すと、続く第3ラウンド、早くも勝負の時が訪れた。


ノリエガは右のオーバーハンドを狙い続けるが、寸でのところで見切る岩田。目と反射だけでかわすのはリスキーだが、僅かでも頭の位置を変えることが重要。岩田のプレスに追い詰められながらも、断続的に反撃を続けるノリエガ。

岩田の右アッパーとノリエガの右フックが交錯。「危ない!」と声をあげそうになったが、岩田のスピードが優っている為、サイズのディス・アドバンテージと相まって、ノリエガの散発は射程を微妙に外し続ける。

ほぼ距離を掌握した岩田は、左右の強度をシフトアップ。しかし、スリーパンチ・コンビの最後の左フックが当たりそうになり、手応えを感じたノリエガがかさにかかり出す。しかし、岩田もジャンピング・レフト(アッパー or フック)で対抗。かつてのメイウェザーを思わせる飛び道具が出ると、ノリエガがカウンターのリスクを省みず強引に左右を振るって前進。

八~九分程度の力でブンブン振り回す為、まともに当たれば効く。迫力に押されて真っ直ぐコーナーまで下がり、クリンチで分断する岩田。落ち着いて対処できている。そして残り30秒付近だった。

右のショートアッパーで軽くノリエガの顎を跳ね上げると、パワーアップしたいきなりの右アッパーが炸裂。一瞬上体を伸び上がるように反らせたノリエガが、そのまま身体を折り曲げて倒れ込み仰向けになる。

倒れる際に岩田の右が軽くノリエガの後頭部に入っていたのと、上から押し潰すような態勢になっていた為、反則を取られやしないかと不安になったが、レフェリーのライル・カイズ・Jr.(米/カリフォルニア州)も良く見ていてダウンを宣告。スペイン陣営の抗議も無かった。


このまま終わるかと思ったが、ふらつきながらも立ち上がって再開。駆け出すように接近する岩田。ニュートラルコーナーでの待機中、セコンドから残り時間が少ないことを指示されていたに違いない。

円を描くように、ロープ伝いに逃げるノリエガ。最後は右アッパーから返す恐怖の左フックだった。ラウンド終了のゴングとほぼ同時に、背中からひっくり返るノリエガを見て、左手を振りながら脱兎のごとく駆け寄るラウル・カイズ。凄絶なフィニッシュに暫く声が出なかった。

◎試合映像:岩田 TKO3R ノリエガ
2024年10月13日/有明アリーナ
WBO J・フライ級王座決定戦
ttps://www.dailymotion.com/video/x979v6m

初挑戦の時にこのボクシングが出来ていたら、むざむざボンバの手練手管に篭絡されることも無かったと確信するが、手痛い敗北があったからこその進境と見るのが筋だと思う。


『U-NEXT BOXING.2 トリプル世界タイトルマッチ』3/13(木) U-NEXTで独占ライブ配信!
2025/03/06 U-NEXT格闘技公式
https://www.youtube.com/watch?v=BxdFOzKj1Fg

◎ファイナル・プレッサー
<1>岩田


<2>サンティアゴ



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◎チャレンジャーは元暫定王者

マネージャーのマルガリータ・クルス(Margarita Cruz)、コーナーを預かるジョナサン・ロペス・サンチェス(Jonathan Lopez Sanchez/チーフトレーナー)に、カットマンのヘスス・マヌエル・アヤラ(Jesus Manuel Ayara)、さらにはジェシカ夫人も伴って来日した挑戦者は、32歳になるプエルトリカン。

2023年10月、ニカラグァの首都マナグァに渡り、地元のケヴィン・ヴィヴァスを最終12回KOにノックアウト。WBOの暫定王座を獲得した。

日本のオールド・ファンにとっても忘れ難い、ニカラグァ史上最大のボクシング・ヒーロー,アレクシス・アルゲリョの名前を冠したスポーツ・コンプレックス(大型の複合スポーツ施設)を舞台に、「WBOナイト・オブ・チャンピオンズ(The WBO Night of Champions)」と題された興行。

ボンバの防衛戦もメインで予定されていたが、インフルエンザによる発熱で戦う前に王者がダウン。本番2日前にギブアップしてしまい、タイトルマッチは中止。

セミの「サンティアゴ vs ヴィヴァス(WBOの下部タイトル戦)」をメインにするしかなくなり、WBOが急遽暫定王座戦への格上げを承認したというのが一連の経緯。

◎試合映像:サンティアゴ KO12R ヴィヴァス
2023年10月23日/ポルデボルティーヴォ・アレクシス・アルゲリョ(マナグァ,ニカラグァ)
オフィシャル・スコア(11回まで):108-101,106-103,105-104
WBO J・フライ級暫定王座決定戦
https://www.dailymotion.com/video/x8p8kgj


KO率が高いにも関わらず、サンティアゴもクィックネス重視のテクニカルなスタイルを持ち味にするボクサーファイター。黒人特有の柔軟性にも優れており、負けない為なら何でもやるボンバに比べると、遥かに正攻法で好感が持てる。

5ヶ月後の昨年3月2日、首都サンファンにある1万8千人収容の大会場(プエルトリコ最大の屋内施設)で、正規王者ボンバとのWBO内統一戦に臨み、小~中差の0-3判定負け。クリンチ&ホールド込みの安全策は、ジャッジの好みと主観によってポイントのマージンが揃わないことが多い。

試合を有利に進める為に、持てる技術と経験に知恵や工夫を総動員するのは、プロならずとも当たり前の所作ではあるが、その目的によって観客がが受ける印象は180度異なってしまう。


「負けないこと」を第一にするか、「明確に勝ちに行く」のか。

前者の代表格がバーナード・ホプキンスであり、ウェルター級に上げて以降のフロイド・メイウェザー・Jr.ということになる。

「”プロの裏技”を容赦なく駆使する+ルールの拡大解釈」、すなわち”ラフ&ダーティ”が最大の特徴ということになるが、キレかかった相手がスレスレの際どいパンチや対抗措置を取るや否や、オーバーアクションで派手に痛がり、時には反則勝ちまで拾いに行く。

大袈裟な田舎芝居はB-HOPとマネー・メイのお家芸だった。流石にそこまではやらないけれど、ボンバも彼らの系譜に連なる”やりにくい”タイプの典型。

日本語は実に便利なもので、”試合巧者”や”狡猾”、”巧妙”に”絶妙”から”達者”に至るまで、多種多様な表現があって言い換えが可能なのだが、要するに”ラフ&ダーティ”で事足りる。

サッカー業界でよく使う”マリーシア”に該当するテクニカル・タームが、ボクシングにもあればいいのにといつも思う。

◎試合映像:ボンバ・ゴンサレス 判定12R(3-0) サンティアゴ
2024年3月2日/コリセオ・デ・ホセ・ミゲル・アグレローテ(アグレロト/サンファン)
WBO内統一戦(正規 vs 暫定)
オフィシャル・スコア:117-111,116-112,115-113
WBO J・フライ級タイトルマッチ
※会場の名称:有名なコメディアン兼俳優に由来
https://www.youtube.com/watch?v=Qud0um0eUkk


念願の正規昇格を逃したサンティアゴは、へこたれることなく再起。昨年10月、ペルーの中堅選手を母国に招き、フルマークの3-0判定勝ち。WBOが認定するインターナショナル王座に就いた。

◎試合映像:サンティアゴ 判定10R(3-0) リカルド・アストゥヴィルカ(Ricardo Astuvilca)
2024年10月30日/コリセオ・マルセロ・トゥルヒーヨ(ウマカオ,プエルトリコ)
オフィシャル・スコア:100-90×3
WBOインターナショナル J・フライ級王座戦
※会場の名称:著名な政治家に由来
https://www.dailymotion.com/video/x98ok08


12勝9KO(4敗)の戦績とは裏腹に、1発のパワーには欠ける。勇敢に打ち合うファイトも辞さないけれど、力でねじ伏せるタイプではなく、技とタイミングで効かせてから連打でストップを呼び込む。

相手がタフで相応の技術&経験の持ち主だと、判定決着にならざるを得ない。ボクシングは正直かつクリーンで、マリーシア満載の仕掛けをふんだんに使うボンバのような嫌らしさはない。

ノリエガ戦と同様、岩田がしっかりジャブを突いて距離をキープしていれば、大事に巻き込まれる心配はまずないと考える。


◎サンティアゴの公開練習


直前の掛け率もかなりの差が付いた。

□主要ブックメイカーのオッズ
<1>FanDuel
岩田:-950(約1.14倍)
サンティアゴ:+500(6倍)

<2>betway
岩田:-901(約1.11倍)
サンティアゴ:+550(6倍)

<3>ウィリアム・ヒル
岩田:1/8(1.125倍)
サンティアゴ:5/1(6倍)
ドロー:16/1(17倍)

<4>Sky Sports
岩田:1/8(1.125倍)
サンティアゴ:7/1(8倍)
ドロー:25/1(26倍)


世界ランカーとは言っても、大口のスポンサーを持たない大多数がボクシング1本で食えないのが現実。洋の東西を問わない悲しむべき常識に従って、サンティアゴも安定した定職(大学の清掃員)に就いて家族を養う。

中~重量級に比して、圧倒的に低い報酬に甘んじなくてはならない軽量級でも、世界タイトルを獲れば確実に人生は変わる。防衛できずに負けたとしても、世界チャンピオンの称号は第二の人生をスタートする時に大きな助けになってくれる。

そうした意味において、暫定と正規には小さからぬ開きがあり、サンティアゴは必死になって勝ちに来る筈。ただし普段見せている積極性、リスクテイクを恐れない気の強さは、幾分目減りする可能性がある。

公開練習時のぶら下がりか、もしくは来日直後の会見のどちらだったか、「(破壊力は岩田に譲るが)技術はこちらが上」と発言していた。いつも以上にボックスを心がけて、ノリエガのように無謀な打ち合いに雪崩れ込んで自滅する愚は冒さない。十中八九、そういう意味が込められていると考えるべき。

どちらかと言えば、ボンバのやり方に近づく。あそこまでリスク回避を徹底できないとは思うけれど、誤魔化しの技も適度にまぶしながら、ボンバをもっとクリーンにして、打つべき展開においてはしっかり打つ。そして深追いを慎む。

とは言うものの、生まれ持った性分は容易に変えられるものではなく、岩田のプレスが効き始めた途端、強打を大振りして来る場合も十二分に想定される。逆に言えば、岩田の方からそうなるように仕向けて、アッパーのカウンターで致命傷を与えたい。

とにもかくにも、冷静であり続けることが何よりも大事。岩田にとって勝利への最短距離は、ジャブを突いて動き続けること。


◎岩田(29歳)/前日計量:107.8ポンド(48.9キロ)
戦績:15戦14勝(11KO)1敗
世界戦:2戦1勝(1KO)1敗
アマ通算:71戦59勝(16RSC・KO) 12敗
日出高校(目黒日本大学高校)→早稲田大
2013(平成25)年度インターハイL・フライ級優勝
身長:163センチ,リーチ:162センチ
※軽量後の検診データ
体温:35.6℃
脈拍:90/分
血圧:125/90
右ボクサーファイター


◎サンティアゴ(32歳)/前日計量:107.4ポンド(48.7キロ)
元WBO J・フライ級暫定王者(V0)
戦績:16戦12勝(9KO)4敗
世界戦:1勝(1KO)1敗
アマ戦績:不明
身長:160センチ
※軽量後の検診データ
体温:36.8℃
脈拍:72/分
血圧:131/72
右ボクサーファイター

◎前日計量


◎フル映像
https://www.youtube.com/watch?v=uUoHSC4RdO4

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■オフィシャル

主審:ベン・ロドリゲス(米/イリノイ州)

副審:
モハマド・アクィル・タマノ(比)
スラット・ソイカラチャン(タイ)
ジョン・バジル(米/ニューヨーク州)

立会人(スーパーバイザー):リチャード・デクィア(米/NABO副会長)



 - タンク vs ローチ プレビュー -

カテゴリ:
■3月1日/バークレイズ・センター,ブルックリン(N.Y.)/WBA世界ライト級タイトルマッチ12回戦
王者 ジャーボンティ・ディヴィス(米) vs WBA S・フェザー級王者 ラモント・ローチ・Jr.(米)

小声で何か言い合うディヴィス(左)とローチ(右)

世界チャンピオン同士の対決。二昔前なら大事件である。

異なる階級の下の階級から上の階級のベルトに挑むとなればなおさらで、これでもかと煩悩を刺激されたマニアは血相を変えて勝敗予想に没頭し、試合展開を空想しては悦に入る。

がしかし、認定団体の増加と限界を超えた階級・ランキングの新設拡大に加えて、主に老舗のWBAとWBCによるチャンピオン・シップの乱脈運営が原因で、もはや単なる2~3階級制覇では誰も驚かない。

計画的かつ大幅なリバウンドが定着浸透した前日計量の影響も、よくよく考え直すべき大きな問題の1つ。階級制の意味を根底から覆すとまでは言わないけれど、リングインの時点で、いったい幾つ上の階級まで体重を増やし(戻し)ているのかよくわからず、アンフェアなハンディキャップ・マッチと化す可能性が懸念されるまでになった。

90年代半ば~後半に「主要4団体」と言われ出して以来、実に四半世紀を経て、ようやくトレンドを迎えるに至った「4団体統一」の意義深さを痛感させられる。


135ポンドのWBA王者に、130ポンドのWBA王者がアタックする今回のタイトルマッチも、イベントを主催するPBC(Premier Boxing Champions)とamazon primeの懸命のプロモーションにも関わらず、前評判は天文学的な数値の差でディヴィスに傾く。

□主要ブックメイカーのオッズ
<1>FanDuel
G・ディヴィス:-1040(約1.10倍)
L・ローチ:+2000(21倍)

<2>betway
G・ディヴィス:-2000(1.05倍)
L・ローチ:+900(10倍)

<3>ウィリアム・ヒル
G・ディヴィス:1/20(1.05倍)
L・ローチ:8/1(9倍)
ドロー:20/1(21倍)

<4>Sky Sports
G・ディヴィス:1/16(1.0625倍)
L・ローチ:12/1(13倍)
ドロー:30/1(31倍)

1対21は幾らなんでもと思うけれど、1対10はごく当たり前の見立てになってしまう。それほどディヴィスのパフォーマンスは突出していて、135ポンドのランキングを見渡しても、まともに試合になりそうな候補がおいそれと見当たらない。

「シャクールが徹頭徹尾安全策に閉じこもれば、あるいは・・・」

お気持ちは十二分に察するが、判定まで持ち応えることができたら御の字なのでは。


ローチも上手い。それは間違いない。パンチの精度と上下に散らすコンビネーション、内・外をしっかり打ち分けるリードジャブの使い方、カウンターのタイミング等々、すべて一流の域と評して差支えのない上等な水準。

だがしかし、タンクと比較した途端、たちまちそれらは色褪せる。パンチもスピードもテクニックも、何もかもが平均的に見えてしまう。圧倒的な決定力の差は仕方がないにしても、ローチにとって生命線になるクィックネスにおいても、明らかにディヴィスを上回るとまでは言えない。

ディヴィスが本気で脚を使って動き、休まずイン&アウトを繰り返しながら、パワーセーブしたジャブ&ショートでリスクヘッジ&コントロールに徹したら、勝負になるのは全盛のロマチェンコしか思い浮かばない。一番いい頃のリナレスでも、判定決着まで粘れるかどうか。遅かれ早かれ、打たれ脆く回復力に欠ける顎を一撃されて撃沈。

ローチのように裏・表のない正直な正攻法は、トップクラスの選手たちにとって例外なく組し易いものに違いないが、とりわけディヴィスは何1つ脅威に感じていない筈。安全策を採ると攻撃力まで殺がれるシャクールとヘイニーも(ディヴィスにとって)大きな開きはなく、絶好調のタンクを追い落とすのは難儀に過ぎる。


突け入る隙があるとすれば、ディヴィスの余裕が油断にかわる瞬間。そこを狙うしかない。極めて困難かつ確率の低い勝負に賭けるのみ。

S・フェザー級時代のように、ディフェンスそっちのけでねじ伏せる力業に出てくれれば、ローチにも色々やりようはある。とは思うが、S・ライト級まで上げて増量の怖さを知り、無理を慎むクレバネスの効果を実感した今のディヴィスは、いよいよ手が付けられない領域にその足を踏み込んだ。

確か5~6年前ぐらいだと思うが、誰もが慣れ親しんだ”Tank”というあだ名を嫌がり、「ザ・ワン(The One)」を使っていたことがある。結局定着せずに終わり、お気に入りではなかった”Tank”に逆戻りしてしまった。

小柄な体躯をものともせず、疾風怒濤の勢いで接近しつつ豪快な強打で倒し切るスタイルを、在米ファンと記者は”小型タイソン”と呼ぶ。ありがちな話ではあるが、ディヴィス自身はタイソンとの比較がおきに召さなかったらしく、「オレは頭も使えるんだ。突貫ファイトで勝っているのは、今はそれで充分だからさ。その気になれば、何だって出来るんだぜ」と、アイアン・マイクが横にいたら、恐ろしい形相で殴りかかってきそうなことを平然と言い放つ。

「その気になれば何でも・・・」は、見栄っ張りでも嘘でもはったりでもなく、正真正銘の事実だった。

◎直近の試合映像
<1>ローチ
(1)ローチ TKO8R ファーガル・マクローリー
2024年6月29日/エンターテイメント&スポーツ・アリーナ,ワシントンD.C.
WBA S・フェザー級王座V1
https://www.youtube.com/watch?v=zNqIP3af1Qc

(2)ローチ vs エクトル・ガルシア
2023年11月25日/ミケロプ・ウルトラ・アリーナ,ラスベガス(ネバダ州パラダイス)
WBA S・フェザー級王座獲得
https://www.youtube.com/watch?v=JGZ1EY03rqc

<2>ディヴィス
(1)タンク KO8R フランク・マーティン
2024年6月15日/MGMグランド・アリーナ,ラスベガス(ネバダ州パラダイス)
WBAライト級王座V5
https://www.youtube.com/watch?v=stJH6XgImoU

(2)タンク vs ライアン・ガルシア
2023年4月22日/T-モバイル・アリーナ,ラスベガス
WBAライト級王座V4
https://www.youtube.com/watch?v=4dTzktjYIx4


「素速くヒットして、ボビング&ウィービングでかわす(I'm gonna chop, chop, bob and weave.)。(遅くとも)9ラウンドまでには終わらせる。本番のリング上で、互いの顎をテストしなくちゃな。ヤツは俺が倒してきた相手を、みんな打たれ弱い連中ばかりだと思ってるようだから、ちゃんとテストしてやるぜ。」

発表会見から最終会見まで、常に余裕綽々のディヴィス。対するローチは、節度を持った表現に止めて勝利を誓う。

「勝利を確信できなければ、そもそもここに居るべきじゃない。これまで相対した敵を全員痛めつけてきた。今回も同じだ。アンダードッグかどうかなんて(勝敗予想やオッズは)一切気にしない。私が勝つ。それだけだ。」

◎ファイナル・プレッサー

※フル映像
https://www.youtube.com/watch?v=osy6fuXYbW4


メディアを入れた公開トレーニングでは、どちらも好調をアピール。隠すべきところは隠して、ベーシックなミット打ちを披露するローチ。本気の動きでもパンチでもないが、相変わらずキレがいい。

相手が名うてのパワーハウスとあって、普段よりも力をこめて打って入るように見える。動作のチェック・確認を目的にしたルーティンのミットでは、シャープネスに注力したコンビネーションが冴えて、上々の仕上がり具合。

ところが・・・。才気走ったディヴィスのトレーニング映像を見ると、圧巻のスピードとバネ(瞬発力),そして反応の速さに唖然とするのみ。我らがモンスターの練習風景にもまったく同じことが言えるけれど、普通に優れているといったレベルではどうあがいても及ばない、到達できない境地が現実に存在するのだと思い知らされる。

◎公開練習
<1>ローチ

※フル映像
https://www.youtube.com/watch?v=Kf682Zs_piM

<2>ディヴィス(2025年2月上旬)



日々の地道な努力を忘れ怠った天才が、飽きずに懲りずに素直に毎日の練習に打ち込み続けた凡人に足元をすくわれ、栄光の座から滑り落ちる「ウサギとカメ」に類する逸話は、それこそ見にタコで聞き飽きた。

私生活のトラブルが耐えないディヴィスには、かつての鉄人タイソンに通ずる転落の図式が心配される。しかし、ことトレーニングと節制に関する限り抜かりは無い。長年コーナーを率いてきたヘッドコーチ,カルヴィン・フォードとの信頼関係は厚く揺るぎがない。

tディヴィス(左)とカルヴィン・フォード(右)
※初めて世界王座を獲った2017~2017年頃のディヴィスとフォード

1967年8月の生まれだから、間もなく還暦になる。最近の映像や写真を見ると、髭にも白いものが目立つ。

プレスのカメラがあるところでは、常にサングラスを離さず緊張感を漂わせていたが、映画「ミリオンダラー・ベイビー」で老トレーナーを演じたモーガン・フリーマンを思わせる、積み重ねてきた年輪がごく自然に醸し出す味わい深さが滲むようになった。

カルヴィン・フォード(最近の撮影)
※最近撮影されたフォード


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チームの安定感という点では、ローチもけっして引けを取らない。9歳の時に始まった実父ラモント・シニアとの二人三脚は、既に20年を超える。ロイ・ジョーンズ親子やメイウェザー親子のように、近親憎悪とも言うべき対立が表面化して袂を分かつ親子鷹も少なくないが、ローチ親子に破綻の兆候は見られない。

父のシニアと一緒にラモント少年の才能を育み、一流のプロへと導いた従兄弟のバーナード・”ブーガルー”・ローチ(Bernard "Boogaloo" Roach)が、2017年に52歳の若さで突然亡くなる悲劇に見舞われたが、磐石の体制にヒビが入ることなく、念願の世界タイトルに辿り着いた。

生まれはワシントンD.C.だが、育ったのはメリーランド州のアッパーマールボロという人口千人に満たない小さな街で、息子をプロとして成功させる為に、父は近隣のキャピトル・ハイツ(人口4千~5千人規模)にあるノー・エクスキューズと名乗るジム(No “X” Cuse Boxing Club)に通わせた。

このジムはローチ親子の根城となり、シニアが立ち上げたマネージメント会社の看板にもなっている(NoXcuse Boxing)。

ラモント・ジュニア(左)とシニア(右)
※ローチとラモント・シニア(典型的な親子鷹)

従兄弟でトレーナーのバーナード・ローチ(故人)
※2017年に急逝したバーナード・ローチ


王国アメリカのアンチたち(記者とファン)から、「弱いヤツとしかやらない」等々、いわれの無い口撃を受ける我らがモンスターと同様、ローチ戦を選んだディヴィスとフォードにも同様の批判が集まっている。

「どうしてもっとタフな相手とやらないのか?」

今のディヴィスの勢いなら、より大きな稼ぎが見込める大物とやりたいのはヤマヤマだろう。しかし強さが際立つにつれて、マッチメイクは難しさを増して行く。トップランク,ゴールデン・ボーイの2大プロモーションに、後追いのPBCと英国から襲来したマッチルームが加わり、四つ巴の勢力争いを繰り広げる中、サウジ・マネーという脅威的なオポジションも参入して、雲行き(先行きの見通し)は怪しくなるばかり。

「今この時に、ローチと戦う意味がどこにあるのか?」

口さがない記者にツッコまれたフォードは、苦しい胸中を隠して言い返す。

1.2人は優れたアマチュアで拳を交えたこともある旧知の間柄
2.ローチが強く対戦を望んだ
3.色々言われるが「素晴らしい戦い」に違いない
4.話題性のあるイベントはメリーランドのコミュニティにとってもプラスになる
5.眼前の敵。それがローチだ。

◎参考映像:アマ時代の対戦
Did you know Lamont Roach and Tank Davis fought twice in the amateurs
https://www.youtube.com/watch?v=Fa51nXVkSuw


2人はジュニアの時代に2度対戦があるとのことだが、ディヴィスの口から語られたのは、2011年8月に判定で勝ったという1試合のみ。いずれにしても、ディヴィスが16歳でローチは15歳だから、ほとんど参考にならない。

どんなに実力が乖離していると思われても、勝負事である以上番狂わせの可能性はゼロではないが、流石にローチには厳しいと言わざるを得ない。判定決着まで行ければ上出来・・・というのが偽らざる本音ではある。

原始的と呼びたいほどの荒ぶる野生と、最高水準にまで高められた技術的洗練の共存。我らがモンスターに匹敵するディヴィスの快進撃を見ていると、2007年~2010年にかけてのパッキャオを思い出さずにはいられない。

そのディヴィスを持ってしても、マリオ・バリオスを終盤のストップに追い込んだ140ポンドのパフォーマンス(2021年6月/WBA S・ライト級正規王座獲得)を見る限り、ウェルター級(147ポンド上限)へのスムーズな移行は難しそうだ。

身長とリーチ、スピード&クィックネスに決定(爆発)力・・・傍目にはパックマンとさほど変わらないと見えるが、デラ・ホーヤを一方的にボコった後、ハットンを衝撃的な即決KOに屠り、さらにはコットを血祭りに上げ、ナチュラルな147パウンダーのクロッティに続いて、デラ・ホーヤとメイウェザーが避け続けたメキシカン・トルネードことトニー・マルガリートも圧倒。

そしてあのモズリーを、序盤の1発で驚嘆・萎縮させてしまったマッハの踏み込みと左ストレートの突破力には、さしものタンクも1~2歩遅れを取る。今後、これまで以上にハードなフィジカル・トレーニングに打ち込み、肉体強化を図ればわからないけれど、現状を単純に比較するとそういう答えになってしまう。


唐突な引退宣言の裏にあるのは、彼の地のトップボクサーが常套手段にする(サウジ・マネーを見越した)条件闘争単か、それとも単なる気紛れか、有り得ないとは思うけれども冗談抜きの本音だったのか。

渦中の人物トゥルキ氏との関係構築について、御大アラム以上に慎重なアル・ヘイモンの動静を注視しつつ、今後の身の振り方を決める為のアドバルーン(観測気球)。個人的にはそう捉えている。


◎デイヴィス(30歳)/前日計量:133.8ポンド
現WBAライト級正規(V4),元WBA S・ライト級(V0/返上).元WBA S・フェザー級スーパー(第1期:V2/第2期:V0:返上),元IBF J・ライト級(V1/はく奪:体重超過)王者
戦績:30戦全勝(28KO)
世界戦通算:12戦全勝(11KO)
アマ通算:206勝15敗
2012年ナショナル・ゴールデン・グローブス優勝
ナショナルPAL優勝2回
ナショナル・シルバー・グローブス3連覇(ジュニア)
ジュニアオリンピック優勝2回
※アマ時代(シニア)のウェイト:バンタム級
身長:166(168)cm/リーチ:171(175)cm
※Boxrecの身体データが修正されている/()内はM・バリオス戦当時の数値
左ボクサーファイター


◎ローチ(29歳)/前日計量:135ポンド
現WBA S・フェザー級王者(V1)
戦績:27戦25勝(10KO)1敗1分け
世界戦:3戦2勝(1KO)1敗
アマ通算:100戦超(詳細不明/125勝15敗説有り)
2013年ナショナル・ゴールデン・グローブス優勝
2013年全米選手権出場
※階級;ライト級
2011年ナショナルPAL優勝
リングサイド・トーナメント5回優勝
身長:170センチ,リーチ:173センチ
右ボクサーファイター

◎前日計量


◎フル映像
https://www.youtube.com/watch?v=1i7ufxTu8hc


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■オフィシャル

主審:スティーブ・ウィリス(米/ニューヨーク州)

副審:
グレン・フェルドマン(米/コネチカット州)
エリック・マリンスキー(米/ニューヨーク州)
スティーブ・ウェイスフィールド(米/ニュージャージー州)

立会人(スーパーバイザー):未発表





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