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2024年12月

リング誌新装開店ガラ in リヤド - まずは紙での復活を正式リリース/公式WEBサイト再開は年明け1月 -

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■印刷媒体先行発表・P4Pランキング更新



12月19日、リヤドで豪勢なパーティが催された。リング誌印刷媒体の復活を盛大に祝すとともに、新装なった公式WEBサイト(+モバイルアプリ)のお披露目かと思いきや、カウントダウンが始まっていたWEBサイトは、何と「COMING SOON IN JANUARY」に挿し代わり、さらに「OUR WEBSITE IS COMING SOON」へと変更。

ドメインも「ringtv.com」から「ringmagazine.com」に変わっていたが、とにもかくにも「紙」を最優先するトゥルキ・アルシャイフ長官(サウジ政府エンテーテイメント庁)のセンス、WEBとモバイル・アプリを後回しにできる感性には唖然とする他ない。

かく言う拙ブログ管理人は、勉強は大嫌いなくせに本を読むのは大好きで、紙のページをめくって文字を眼で追うことに、何となれば音楽を聴く以上の楽しみを覚えさえする人種の1人であり、書籍の大切さと有り難さは、齢を重ねれば重ねるほど浅学の我が身に染み入る。

そんな管理人でも、操作性を含む利便性とデザイン性の高いWEBをしっかり整備した上で広く公開を行い、ユーザーに惜しみなく有用な情報を提供することの意味と意義も、人並みには理解しているつもりだし、優れたビジネスマンでもある筈のトゥルキ氏が、WEBとモバイル・アプリを仇や疎かにしないだろうとも思う。

リニューアルされたWEBサイトは一時的に公開されていたらしく、残念ながら私はニアミスしてしまったが、モバイル・アプリも確認できない。WEBに関しては、更新されたP4Pランキングとトップページと思しきスクリーンショット,上述した「COMING SOON」が画像検索に引っ掛かった。

そしてさらにその後、今では日本のファンにもすっかりお馴染みになった「The Ring」のロゴに、ベージュの背景色を基調にして、ギリシャ神などのモノクロのイラストを配したページに変わっている。

リニューアル公開直後に延期されたトップページ

<1>画像:ごく短い間公開されていたらしいトップページ
<2>現在の状態(ringmagazine.com)
<3>画像:モバイル・アプリのGoogle検索結果
※念の為スマホとiPadからアクセスしてみたが、既に公開を停止した旧バージョンしかヒットせず。
モバイル・アプリの検索結果




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◎更新されたP4Pランキング(12月6日付)

■男子P4P
1位:オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)
2位:井上尚弥(日/大橋)
3位:テレンス・クロフォード(米)
4位:アルトゥール・ベテルビエフ(ロシア)
5位:ドミトリー・ビヴォル(ロシア/キルギス)
6位:ジェシー・ロドリゲス(米)
7位:カネロ・アルバレス(メキシコ)
8位:ジャーボンティ・ディヴィス(米)
9位:中谷潤人(日/M.T)
10位:デヴィン・ヘイニー(米)

■女子P4P
1位:クラレッサ・シールズ(米)
2位:ケイティ・テーラー(アイルランド)
3位:シャンテル・キャメロン(英)
4位:アマンダ・セラノ(米/プエルトリコ)
5位:ディナ・ソルスランド(デンマーク)
6位:ガブリエラ・ファンドゥーラ(米)
7位:ヨカスタ・ヴァージェ(ヴァーレ/コスタリカ)
8位:アリシア・バウムガードナー(米)
9位:ナターシャ・ジョナス(英)
10位:ミカエラ・メイヤー(米)

<4>画像:ごく短い間公開されていたらしいP4Pランクページ


(1)画像:男子P4Pランキング(12月6日更新)
(2)画像:女子P4Pランキング(12月6日更新)

◎参考:10月14日付け(旧リング誌最終ランキング)
■男子P4P
1位:オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)
2位:井上尚弥(日/大橋)
3位:テレンス・クロフォード(米)
4位:アルトゥール・ベテルビエフ(ロシア)
5位:ドミトリー・ビヴォル(ロシア/キルギス)
6位:カネロ・アルバレス(メキシコ)
7位:ジェシー・ロドリゲス(米)
8位:ジャーボンティ・ディヴィス(米)
9位:中谷潤人(日/M.T)
10位:デヴィン・ヘイニー(米)


印刷媒体の正式な復活を12月19日にしたのは、今期リヤド・シーズンで行われる格闘技イベントの代表格に位置付けられ、世界的に多くの人々の耳目を集める(筈の)「ウシク(P4P1位) vs フューリー2」に合わせたからに他ならない。

P4Pランキングの更新は、注目のリマッチを2週間後に控えた12月6日。延期になった有明のX'mas決戦=井上尚弥(P4P2位) vs サム・グッドマン=まで約18日というタイミングでもあり、カネロとバム・ロドリゲスの順位が入れ替わった以外変動は無し。

だがしかし、カネロが新参のバムに追い抜かれて7位に落ちたことの意味は、我々日本人の想像を遥かに超えて、大きな波紋となって拡がる恐れを孕む。


それは一重に、サウジという国が抱えるマスメディア対応における危うさであり、人権弾圧にも直結しかねない由々しき問題でもある。すなわち私たちの関心は、12月8日にアップした買収関連の過去記事で触れた「深く暗い闇」へと、遅かれ早かれ向かわざるを得ないのだが、それはまた別の機会に。

欧米のボクシング及び格闘技の専門記者やスポーツ・ジャーナリストたちが、現時点で何よりも懸念しているのは、リヤド・シーズンのメディア対応に他ならない。ボクシングと格闘技イベントの取材を目的にサウジを訪問するメディア関係者を、トゥルキ氏とその関係者が厳しくチェック・峻別していると言う。

この指摘が本当に事実だとすれば、ことは穏やかではない。リヤド・シーズンに対するネガティブな論旨は勿論、サウジの政治体制(絶対君主制+サウード家による支配)に言及するのはご法度。いわんや、「例の問題(深く暗い闇)」を持ち出すのはもっての他・・・。

パスの有無に関わらず、プレスルームへの立ち入りを禁止された記者は1人や2人では無いとも言われ、トゥルキ氏による「リング誌の編集権は完全に独立している」との説明について、「何の保証にもならない」と吐き捨てる論調の記事やポスト、そうした記事への悲観的な投稿コメントを頻繁に見受ける。


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◎トゥルキ氏とカネロの対立

リング誌におけるカネロの処遇が注視される最大の理由は、テレンス・クロフォード戦のリヤド開催オファーを巡るトゥルキ氏との対立であり、交渉は始めから互いの主張がぶつかり合い、ギクシャクした関係に改善の目処は立たず、程なくしてトゥルキ氏から決裂を宣言した。

確たる裏が取れた情報ではないが、カネロが度外れて法外なギャランティを要求したとの風聞もある。糸目をつけない(?)札束攻勢をこれもでかと繰り広げるトゥルキ氏が、「その話ならもう結構。ウンザリだ」と匙を放り投げるほどだから、総額1億9,100万ドル(約300億円超)を55-45で分け合った「ウシク vs フューリー2」を余裕で上回る金額ではないかともっぱら。

ボクシングの質,水準を単純に比較すれば、レベルダウンが顕著な現代のヘビー級(L・ヘビー級以上の最重量級)より、スピード,テクニック,パワー,心身のタフネスの総てにおいて傑出したアビリティが求められるライト級~ミドル級までの中量級が、優れて魅力的に映るのは致し方のないことではある。

無論、最激戦区の中量級と言えども、競技人口の減少がもたらす相対的なレベルダウンは免れない。天才的な黒人選手を切れ目なく輩出し続けた20世紀のアメリカが異次元の例外だっただけで、地域と国の別を問わずヘビー級は「人材不足」が当たり前。


話を元に戻すと、あくまでこの風聞が事実だと仮定した皮算用に過ぎないが、こと資金力において、サウジ政府の潤沢なオイル・マネーを後ろ盾にするリヤド・シーズンを相手に、互角に渡り合えるボクシング・プロモーションは地球上に存在し得ない。

呑める筈のない法外な金銭的要求は、イコールで「お断りの意思表明(やる気はない)」に他ならず、かと言って莫大なオイル・マネーを後ろ盾にするトゥルキ氏が、「金額だけ」でカネロと揉めたとは考えづらい。「もう結構」とソッポを向くほど腹を立てた理由は、もっと別なところにあるのでは・・・?。

◎カネロに言及するトゥルキ氏と困惑を露にするデラ・ホーヤ


ラスベガスに取って替わり、ボクシング&格闘技の中心地=文字通りの「メッカ」=をリヤドに確立する。トゥルキ氏の目論見を百も承知の上で、エディ・ハーンとDAZNは自ら進んでリヤド・シーズンに近づき、デラ・ホーヤはリング誌の経営権を丸ごと売却した。

近代ボクシング発祥の地、英国のボクシング界を代表する勢力に成長したハーン率いるマッチルームに、唯一真正面から抗うことが可能なオポジション、クィーンズベリー・プロモーションズのフランク・ウォーレンは、本国では有り得ないマッチルームとの共闘を承諾。リヤドで「5 vs 5の対抗戦」に臨み、見事全勝をマークして鼻息を荒くする。

そのウォーレンとタッグを組み、タイソン・フューリーを共同プロモートするボブ・アラムも、昨年10月のフランシス・ガヌー(カメルーン)戦をきっかけにトゥルキ氏と本格的に接触。ウシク vs フューリーのヘビー級4団体統一戦をリヤドで実現させ、今夏のパートナーシップ締結へと歩みを進めると、齢93の老骨にムチを打ってダイレクト・リマッチの交渉に骨を折り、19日のガラにも招待されて元気な姿を見せた。


2年前の7月、ラスベガスでカネロに一泡吹かせたドミトリー・ビヴォルは、ハーンの差配に従い、昨年10月リヤド・シーズンに初登場。同じマッチルーム傘下のリンドン・アーサー(英)を明白な3-0判定に下すと、今年6月キングダム・アリーナに再び姿を現し、北アフリカのイスラム教国リビア出身のマリク・ジナードを6回TKOで一蹴。

そして10月12日の大一番(フューリーと同様3戦連続のリヤド)、ベテルビエフとのL・ヘビー級4団体統一戦に臨み、0-2の判定に涙を呑むも、ビヴォルの勝利を支持する声も多く、来年2月22日の再戦を正式リリース済み。リヤド・シーズン初参戦のベテルビエフ共々、評価を下げずに済んでいる。

また、8月3日にイスラエル・マドリモフ(ウズベク)が保持するWBA S・ウェルター級王座にアタックしたクロフォードは、際どい3-0判定で辛くも4階級制覇を達成。加齢(37歳)の影響と言うより、増量の限界を露呈したと表すべき低調なパフォーマンスで株価はやや下げも、P4P3位を維持。

別記事でご案内の通り、マドリモフ vs クロフォード戦はリヤド・シーズンの海外進出第1弾としてロサンゼルスで挙行され、本番2ヶ月前の6月中旬、クロフォードはアンバサダーとしても正式に名乗りを上げた(契約内容は未公表)。


つまり、カネロを除くP4P(10月14日時点)の上位5名は、いずれもトゥルキ氏と何らかの縁を結び、井上尚弥とクロフォードを除く3名は、既にキングダム・アリーナで戦っている。

トゥルキ氏のオファーに尻をまくったP4P上位選手は、今のところカネロただ1人。「いつどこで誰と戦うのか。決めるのは私だ」とプライドを誇示するカネロの蛮勇は、果たして吉凶のどちらに転ぶのか。

ティム・ジューもヴァージル・オルティズ戦に応じず、トゥルキ氏の不評を買ったが、バフラム(バクラム)・ムルタザリエフ(ロシア)に3ラウンドでストップされてしまい、セバスティアン・ファンドーラ(米)へのリベンジはもとより、オルティズ戦云々の状況ではなくなってしまった。


メキシコの独立記念日にちなんだ9月(14日)のラスベガス興行で、大方の予想通りエドガー・バーランガ(米)を大差の判定で退けたカネロ(34歳)だが、5月のハイメ・ムンギア戦に続く快勝にも関わらず、ドミトリー・ビヴォル(ロシア)に喫した完敗の印象が尾を引き、「加齢と勤続疲労による総合的なアビリティの低下」を払拭し切れずにいる。

多くのファンが期待するデヴィッド・ベナビデスに背を向けたまま、「ビヴォルへの雪辱を諦め、L・ヘビーから撤退するのは仕方が無いにしても、組し易い相手ばかりを選ぶ。現代最高のチャンピオンの1人に相応しくない」との批判もどこ吹く風。

当のトゥルキ氏も、「楽な相手=確実に勝てる相手=しか選ばない」とディスったが、カネロは一切意に介す様子がない。

その姿は、まさにキャリア最終盤のメイウェザーを彷彿とさせる。残念としか言いようがないけれど、タイソンからデラ・ホーヤ、そしてマネー・メイ&パッキャオを経て受け渡された「PPVセールス・キングのバトン」を、今もまだカネロが握っているのも事実。


最大の焦点は契約ウェイト。154ポンドで「階級の壁」に捕まった感が否めないクロフォードとの体格差を考えると、155ポンド契約でカネロに挑んで轟沈したアミル・カーン(あれからもう8年も経つ)の二の舞を真剣に心配せざるを得ない。

カネロは168ポンドの契約ウェイトを簡単に譲らないだろうし、正常な感覚を失っていないファンなら、クロフォードのフィジカルが160ポンド超の調整に耐えられるとも思わない筈だ。

いったい全体、何ポンドなら2人はフェアに戦えるのか。ジャーボンティ・ディヴィス vs 井上尚弥戦以上に、両雄の対戦は非現実的に思える。

「また(カーンやチャーロのように)下の階級から上げさせるのか。」

実際にやるとなれば、そうした批判がおそらく噴出する。それでもなお、米本土での100~150万件の突破が難しくても、それなりにPPVは売れてしまう。配信の規模がもたらす経済的な効果は絶大。どこの国のどんなプロモーターでも、できるものなら組みたいと切望するカードには違いない。


現代メヒコの王様を抜いて6位に浮上したバム・ロドリゲスは、24歳の若きメキシカン・アメリカン。6月29日にファン・F・エストラーダ(メキシコ)を圧倒。老練の試合巧者を7回KOに屠ってWBC S・フライ級王座に就き、出戻りの載冠に成功すると、「流石に過大評価なのでは?」との疑義を押しのけ、P4Pランクも9位から5位へと躍進。

7月20日と27日の更新でも5位を維持したが、この間カネロは、常に1つ上の4位に付けている。好調を維持するバムは、11月9日の初防衛戦で同胞の暫定チャンプ,ペドロ・ゲバラと激突。

3度の来日経験を持ち、アンドリュー・モロニー(豪)を番狂わせの12回2-1判定に下して、暫定ながらも2つ目となる緑のベルトを巻いたゲバラ(元WBC L・フライ級王者)も、抜群のスピード&シャープネスに強打を併せ持つ駿馬には歯が立たず、僅か3ラウンドで撃沈した。

軽量級の新たな顔として、国際的な注目を集め出したバムの高評価は当然にしても、「エル・ガーヨ(ガーロ)戦の出来は確かに凄い。しかし、ブランクを繰り返すガーヨ(カネロと同じ34歳)に昔日の面影は無く、35歳のゲバラも衰えは明白。勢いを買うにしても、この2勝を持ってカネロより上?」との疑問は残る。

Turki Alalshik_Canelo

カネロのランキングと戦評をしっかり追跡することは、リスタートしたリング誌の記者とスタッフ、なかんずくランキング・ボードの判断と投票に及ぼすであろう、トゥルキ氏の影響力を見定める一助となり得るかもしれない。

マッチルームを筆頭に、ゴールデン・ボーイ,トップランク,クィーンズベリーの米・英4大プロモーションは、リヤド・シーズンのボクシング興行を支える中核的存在となったが、トゥルキ氏との関係構築についてアラム以上に慎重な姿勢を保ってきたアル・ヘイモンのPBC(Premier Boxing Champions)も、マドリモフ vs クロフォード戦に、デヴィッド・モレル,イサック・クルス,アンディ・クルスらの支配下選手を参戦させた。

マッチルームがハンドリングするバム(とデヴィン・ヘイニー:P4P10位)は、いずれ近いうちにキングダム・アリーナに登場するだろう。その際、バムと対峙するライバルとして、バンタム級を独占する4人の日本人チャンプは格好の候補となり得るし、とりわけ中谷潤人(P4P9位)とのマッチアップは、日本人のみならず、世界中の好事家にとって垂涎のカードに成り得る。

恒例の大晦日興行で運命のダイレクトリマッチに挑む井岡一翔を含めて、バムの相手が務まりそうな115パウンダーは、井岡と再び相まみえるフェルナンド・マルティネスら数名に限られる。バムが切望して止まない井上尚弥との軽量級No.1決定戦は、おそらくだが、その先に見えてくるのではないか。


そしてそれ以上に動向が気になるのは、P4Pランクで冷遇され続けるジャーボンティ・ディヴィスであり、未だトップ10入りは叶っていないものの、カネロが回避し続けたデヴィッド・ベナビデスだろう。

ディヴィスが8位に据え置かれ続けることに、異を唱える在米ファンと識者は後を絶たない。拙ブログ管理人も、この意見には100%同意。少なくともトップ5圏内に留まるべき存在であり、ドーピング違反と体重超過でミソを付けたベナビデスも、L・ヘビー~クルーザー級での今後のパフォーマンス次第にはなるが、近い将来のトップ10入りを確実視される。

この2人について、PBCの広報は「彼らがサウジに行くのかどうか、今のところは何とも言えない。すべては条件次第になる。彼らは既にPPVのスターであり、北米で大きなマーケットを確保している」と、リヤド・シーズンに対するけん制と警戒を怠らない。

カネロとデイヴィス,ベナビデスのマッチメイクが、今後どう動くのか。前進 or 停滞,もしくは現状維持のいずれに向かうのか。

それは取りも直さず、サウジ当局の意向がリング誌に及ぼす影響力を測る物差しであるのと同時に、世界最大のマーケットを誇る王国アメリカに対する影響力そのものを指し示す、分かり易いバロメーターの役割を否が応でも果たしてしまう。


試合を中継・配信するメディア,プラットフォーマーを含むプロモーターの覇権争いが原因で、ファンの誰もが望むビッグ・ファイト,メガ・ファイトが陽の目を見ず、徒に時が過ぎ去り旬の時期を喪失する。

洋の東西を問わないボクシング界の悪弊を、オイル・マネーとリヤド・シーズンが打破してくれるのであれば、それはもう大歓迎。何も言うことはない。

「カネロ vs クロフォード」が、本当に世界中のファンが渇望する最高のカード足り得るのか。その評価と価値判断はともかく、優れたビジネスマンでもある筈のトゥルキ氏が、資金力と政治力に思い切りモノを言わせて、我らがモンスターにディヴィス 戦を強要する愚を冒さない事を願うのみ。


◎カネロとの決裂に言及した8月6日のポスト

◎関連記事
<1>Turki Alalshikh just dropped a ton of Riyadh Season news about boxing's 2025 plans. Here's everything he said
2024年12月4日/Yahoo! Sports
https://sports.yahoo.com/riyadh-season-turki-alalshikh-news-boxing-plans-in-2025-canelo-crawford-fury-usyk-ngannou-jones-ryan-garcia-023141506.html

<2>Canelo Alvarez and Turki Alalshikh
2024年9月16日/Boxing Scene/トマス・ハウザー
https://www.boxingscene.com/canelo-alvarez-turki-alalshikh--185941

<3>Eddie Hearn Explains The Canelo Alvarez And Turki Alalshikh Beef
2024年8月13日/Forbes/ブライアン・マジーク
https://www.forbes.com/sites/brianmazique/2024/08/13/eddie-hearn-explains-the-canelo-alvarez-and-turki-alalshikh-beef/

<4>Turki Alalshikh accuses Canelo Alvarez of 'looking for easier fights' as Saudi Arabian boxing kingpin TEARS into Mexican superstar for turning down superfight with Terence Crawford
2024年8月7日/デイリー・メイル
https://www.dailymail.co.uk/sport/boxing/article-13718083/Turki-Alalshikh-accuses-Canelo-Alvarez-easier-fights.html

”浪速のクレバネス” 西田がV1に挑む - 無敗にして無名のチャレンジャーをどう捌く? -

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■12月15日/住吉スポーツセンター,大阪市住吉区/IBF世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
王者 西田凌佑(六島) vs IBF14位 アヌチャイ・ドーンスア(タイ)



大番狂わせ(と表して間違いない)の載冠から早や7ヶ月。辰吉丈一郎に並ぶプロ8戦目の王座奪取で関西のファンを大いに沸かせた名城信男(近畿大の大先輩)以来、六島ジムに2つ目の世界タイトルをもたらした浪速の俊足レフティが、ようやく初防衛戦のリングに登る。

減量苦を理由に一度はベルトの返上と階級アップに言及したものの、1つ上の122ポンドには”モンスター”が君臨。主要4団体のベルトが日本に集まった118ポンドは、WBCの中谷潤人(M.T)を中心に、WBOの武居由樹(大橋)、飽くなき闘志を燃えたぎらせ、井上拓真(大橋)から見事WBA王座を奪取した堤聖也(角海老)を巡る統一路線で賑わう。

この際、調整が可能な間はバンタムに留まるのが得策だと、新チャンプの興行権を握る六島ジムの枝川孝会長ならずとも考える。


遥か彼方の昭和の昔、日本で戦うプロボクサーたるもの、コンディションを犠牲にしてでも契約ウェイトを作るのが当たり前だった。本番前の1週間~10日程度は、呑まず食わずで過ごす選手も珍しくない。

勿論計量は当時の午前中で、夜の試合開始までに回復が叶わず、まともに動けない体でリングに上がらされ、精神力だけでフルラウンズ持ち応えて判定負け・・・そんな光景をどれ程見続けたことか。

それでもいつぞやの宮崎亮のように、半失神状態でスタッフにおんぶされて秤に乗せて貰う選手などいなかったし、計量前日に過度の脱水で倒れてしまい、病院に担ぎ込まれるなんて話も聞かずに済んだ。


様々なサプリメントやドライアウト(水抜き)は影も形も無く、計量後の食事は脂身の少ない肉(ステーキ)とフレッシュな野菜サラダに炊きたてのご飯が基本。選手たちは、カロリーかグラムで日々の体重と摂取した食事の量を自分で計算しながら、試合に合わせて体重を作る。

情報量と知識が格段に増えて、専門の栄養士やフィジカル・コーチのサポートを受けられるようになった現代のスタンダードの方が、選手の心身に良い結果をもたらすのは目に見えている筈なのに、水抜きのミスを見聞きするにつけ、「果たしてどっちがいいものやら・・・」とため息をつく。

社会環境の変化と常識・良識の変遷,色々な法制度の改訂を経て、クラブオーナー(ジムの会長)のやりたい放題が許されたJBCルールも改訂せざるを得なくなった。SNSと動画配信の発達普及のお陰もあって、選手それぞれに”個の意思表明”が可能となり、永らくボクシング村を支配してきた封建的なルールと慣習も、自由自在に幅を利かせづらい。歩みは遅いなりに、風通しは大分良くなったと思う。


クラブオーナーの代替わりが進み、競技人口の減少とジムの増加(引退した元王者の多くがジムを開く)という、永遠に克服不可能な二律背反によって、老舗・名門ジムの閉鎖が報じられても、もはや驚きを持って迎えることも無くなった。

少なくとも表面上は、クラブオーナーに集中する権限の分散が図られ、封建制度は過去の遺物となったやに感じられるけれど、ギャランティ(ファイトマネー)の現物支給(チケット払い)は撲滅されることなく続いている。

プロモーター,マネージャー,トレーナーを事実上すべて兼ねることが可能な、我が国のクラブオーナーのメンタリティが本当に変わったのかどうか、その見極めは当然難しく、コンディショニングを度外視した無茶なマッチメイクを強要されるリスクは常に内在するし、世界王者の西田も例外では有り得ない。



枝川会長が選んだ挑戦者は、ランク14位のタイ人。ムエタイで100戦前後の戦歴を持つ、28歳のボクサーファイターで、構えはオーソドックス。公称163センチだから、現代のバンタム級としては小柄な部類に入り、リーチにも恵まれていない。無傷の16連勝(7KO)を更新中。

2022年6月、デビュー2戦目で獲得したABF(※)フェザー級王座を3度防衛した後、2023年5月にS・バンタム級の同じタイトルを獲り、同年7月に12勝8敗のフィリピン人を10回判定に下して、何故かIBFの豪州バンタム級王座(IBF Australasian)に就き、9月に122ポンドのベルトを防衛している。

戦歴に良く知られた名前は並んでいないが、2022年5月に初陣を飾ってから、2年半の間に16戦を消化。確実に勝てるであろう格下の選手を相手に、間隔を開けず休み無く連戦する20世紀(70年代以前)のスタンダードが残存するタイには、昔懐かしいプロボクシングのセオリーに従ってリングに上がり続けるケースが少なくない。

teem_Anuchai
※写真左:アヌチャイ,右:チーフトレーナーのチャッチャイ・サーサックン

若かりし日の面影はすっかり無くなってしまったが、かのユーリ・アルバチャコフと五分(1勝1敗)の星を残し、再戦をモノにして引導を渡したチャッチャイ(元WBCフライ級王者)の指導を受ける。


◎アヌチャイの試合映像
<1>vs ソムチャイ・ポルノーイ(Somchai Polnoy)戦
TKO5R(6回戦)
2023年6月28日/Market Village, Homepro, Rayong
https://www.dailymotion.com/video/x8mbnk5

<2>vs リカルド・スエノ(比/Ricardo Sueno)
UD10R(100-87/98-89/99-88)
2023年7月19日/ Rangsit International Stadium, Rangsit
※IBFオーストラリアン・バンタム級タイトルマッチ10回戦
(映像では「IBFパン・パシフィック バンタム級王座戦」と表記・紹介)
https://www.youtube.com/watch?v=WYpSCcE4twk


映像を見ると、ムエタイ出身者に共通するフィジカル・タフネスと強度,耐久性には一定の評価をすべき。ブロック&カバーでしっかり守りながら、前進を続けて圧をかけて行くが、崩しと駆け引きを忘れず、無闇やたらに振り回したりはしない。

なかなか本気のパンチは出さないが、フィリピンのスエノを倒した右フックは、スピード・切れ味・威力・タイミングのすべてに優れて鮮やか。その後のラウンドで揉み合いになり、流血試合になったが、いざとなると簡単に退かない気性の激しさはいかにもムエタイ戦士。

ネット上で視聴可能な試合映像が少なく、瞬間的なフットスピード、ラウンドが長引いた時の集中力と機動力、メンタル・タフネスは未知数になる。


ここいら辺で恒例(?)のオッズ。

□主要ブックメイカーのオッズ
<1>BetMGM
西田:-1200(約1.08倍)
アヌチャイ:+700(8倍)

<2>betway
西田:-1587(約1.06倍)
アヌチャイ:+750(8.5倍)

<3>ウィリアム・ヒル
西田:1/16(約1.06倍)
アヌチャイ:8/1(9倍)
ドロー:20/1(21倍)

<4>Sky Sports
西田:1/11(約1.09倍)
アヌチャイ:10/1(11倍)
ドロー:28/1(29倍)


国際的には無名の14位とあって、アヌチャイの万馬券扱いは止む無し。結果こそ即決KO負けだったが、井上尚弥との激しくやり合った初回の攻防で男を上げたロドリゲスを、文句の無い判定で突破した実績が大きくモノを言う。

蓄積した疲労の痕跡が露となり、最盛期の輝きは望むべくも無いとは言え、あのマニー・ロドリゲスに易々と主導権を与えず、早い時間帯に見事なボディショットを決めてダウンを奪い、一気に流れを引き寄せた勝負勘は、とてもプロ9戦目とは思えない。

往時の迫力に欠けながらも、中盤に入って挽回を急ぐロドリゲスの右を浴び、後退せざるを得ない場面が目立ち出したが、けっして無理をせずに左ガードの位置を修正。反撃への意思と態勢を保ち、序盤から有効なボディアタックを軸に巻き返し。

敢えて距離を詰めてクロスレンジに止まり、第7ラウンドには左フックのカウンターでグラついたものの、気持ちを折ることなく打ち返し、再びボディで押し返す。自らも前に出て押し返した。

至近距離での消耗戦,削り合いとなった後半、西田は手数でも上回って気を吐く。キャリアで優るロドリゲスが、スリー・パンチ・コンビをまとめてはくっついて休み出すと、西田も手数をかけて流れを渡さない。


互いに疲れてキレを喪失したファイナル・ラウンドも、打ち合ってはくっつく展開のまま推移したが、西田は最後まで前に出てロドリゲスを押し続ける。ロドリゲスも力が落ちている中で最善を尽くして粘り食い下がったが、西田の若さに屈した格好。

そして本領からかけ離れた接近戦で、12ラウンズをフルに渡り合った西田のスタミナ、とりわけメンタルの強さに驚かされた。

KO,判定のいずれにしても西田の勝ち。悪く見積もっても7-3の優位は動かないと見るのが、ごく自然な流れにはなる。がしかし、ロドリゲスに挑戦した時の西田は、まさに今回のアヌチャイそのもの。


心身の傷みがボクシングの巧さを半減させてしまったロドリゲスに比べると、アヌチャイのフィジカルの強さとスタミナは要注意。特に怖いのは、鋭角的に振る右フック。前半からコツコツ腹も打っておきたいが、ガードが開く瞬間を必ず狙われる。タイミング次第にはなるが、いいパンチも食ってムキになったり、「ここは大丈夫だろう」と不用意に前に出て強振すると、逆手に取られて1発で決まる可能性はある。

また、中盤~後半にかけてアヌチャイの集中が途切れないようだと、想定外の苦闘を強いられる場合も有りか。いずれにしても、ロドリゲス戦以前の慎重かつ丁寧な立ち回り、ジャブとステップを絶やすことなくポジションチェンジを繰り返し、的を絞らせないボクシングを貫くことが何よりも重要ではないか。

無理と無謀を慎み、かわしながら、誘いながら打つ本来のアウトボックスに立ち戻り、多少の見映えの悪さやすべった転んだに一喜一憂することなく、ラウンドをしっかりまとめて勝ち切ってくれることを願う。


◎西田(28歳)/前日計量:117.5ポンド(53.3キロ)
当日計量:127.9ポンド(58.0キロ/+4.7キロ)
※IBF独自ルール:前日+10ポンド(約4.5キロ)のリバウンド制限をクリア
戦績:9戦全勝(1KO)
アマ通算:37勝16敗
2014(平成)年度第69回長崎国体フライ級優勝(少年の部)
王寺工高→近畿大
身長:170センチ,リーチ:173センチ
※以下は計量時の検診
血圧:127/81
脈拍:63/分
体温:36.1℃
左ボクサー


◎アヌチャイ(28歳)/前日計量:116.8ポンド(53.0キロ)
当日計量:125.7ポンド(57.0キロ/+4キロ)
※IBF独自ルール:前日+10ポンド(約4.5キロ)のリバウンド制限をクリア
戦績:16戦全勝(7KO)
ムエタイ戦績:100戦前後
※詳細及びタイトル歴不明
身長:163センチ
右ボクサーファイター

weigh-in
※左から:アヌチャイ,ベン・ケイティ(立会人),西田,枝川会長


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■オフィシャル

主審:中村勝彦(日/JBC)

副審:
染谷路朗(日/JBC)
ダンレックス・タプダサン(比)
サノング・アウムイム(タイ)

立会人(スーパーバイザー):ベン・ケイティ(豪/IBF Asia担当役員)



リヤド・シーズンがリング誌を買収 - 続報 -

カテゴリ:
■”Bible of Boxing”が向かう先は・・・

@Turki_alalshikh
TURKI ALALSHIKH / 9:25 AM ・ Dec 5, 2024
The first copy after getting The Ring magazine printed again … and it has a poster gift inside

既に20日ほど経ってしまったが、リング誌の身売りについて続報が出ているので、一応とりまとめておく。

まず冒頭に掲載したXは、渦中の人物トゥルキ・アルシャイフ氏が、12月5日付けで連投した動画付きのポストの1つ。復活するリング誌の印刷見本を紹介している。

買収に関する第1報が11月6日~7日にかけて出た後、11月12日にトゥルキ氏が、自身の公式Xに本件に関する第2報をアップ。



タイミングを合わせて売り手のオスカー・デラ・ホーヤが、ボクシングや格闘技について複数の活字媒体に寄稿するブライアン・マジークのインタビューに応じ、マジークのyoutubeチャンネルで公開するとともに、11日付けのフォーブス(主な寄稿先の1つ)に記事を掲載した。

◎Oscar De La Hoya Talks Ryan Garcia's Comeback Fight, Latino Night, Matchroom 5-v-5 and More
2024年11月12日/Brian Mazique


◎関連記事
<1>Oscar De La Hoya Confirms Sale Of Ring Magazine To Turki Alalshikh
2024年11月11日/Forbes
https://www.forbes.com/sites/brianmazique/2024/11/11/oscar-de-la-hoya-confirms-sale-of-ring-magazine-to-turki-alalshikh/

<2>Oscar De La Hoya, Turki Alalshikh Reveal More Info On Ring Magazine Purchase By Saudi Arabia
2024年11月12日/The Boxing Tribune
https://theboxingtribune.com/oscar-de-la-hoya-turki-alalshikh-reveal-more-info-on-ring-magazine-purchase-by-saudi-arabia/

◎概略
(1)売却金額:1.000万ドル(デラ・ホーヤは2007年に700万ドルで買取)
(2)公式ウェブサイト:数週間以内に最新の仕様でリニューアル・オープン予定
(3)新しいモバイル向けアプリも同時リリース予定
(4)2022年度末に廃刊となった印刷媒体を復活(現編集長のダグ・フィッシャーが担当)
(5)トゥルキ氏が編集方針への不介入を明言
(6)毎年豪華な表彰式を実施

「(新体制のリング誌に対して)リヤド・シーズンは一切介入しない。」

トゥルキ氏はXのポスト内で、復活させる印刷媒体について、「米国だけでなく英国でも発刊する」事に加えて、「編集方針への不介入」と「独立性の担保」について明言。

既存の在米専門サイトを中心に巻き起こったハレーション=ベテラン記者たちがランキングとリング誌認定王座に対する恣意的な操作等への懸念を指摘=への対応だが、後に述べる「メディアに取っての大問題」の影響が尾を引いている。

「豪華な表彰式」も、おそらく年明けのリヤド開催になるだろうとの見立てがもっぱら。ニューヨークやラスベガスとの持ち回りでも、在米の専門記者たちは渋い顔をするに違いない。

「豪華な式典」の対象となるのは、当然ファイター・オブ・ジ・イヤー等の年間表彰と思われるが、トゥルキ氏のポストを読む限り、P4Pランキングやリング誌認定チャンピオンまで取り込みそうな雰囲気で、巷間伝えられる「サウジ国内での定期的なリーグ戦(詳細は不明)」に絡む「新たな表彰」の整備にも含みを残す文面ではある。


さらにトゥルキ氏は、28日付けでインスタグラムにリング誌関連の記事をアップ。12月19日以降、リング誌の定期購読を申し込んだユーザーに、メルセデス・ベンツのSL55 AMG(スポーツタイプの高級車)が当たる特典を発表した。

結構な年数が経っている中古車だが、「15万ドル相当(約2,200万円)」とのことで、印刷・電子どちらの媒体も対象にするものと思われるが、抽選方法も含めた詳細は不明。当選者の発表は年明けの1月11日と記載がある。



きっと、王族の誰かが所有していたものかもしれない。ヤナセのサイトを確認したら、販売可能な車両があり価格は1,800万円(!)。正規ディーラーより高値を付けている以上、リペアも万全で程度は抜群といったところか。
※メルセデス・ベンツ SL/ R230 2006年11月(平成18年11月) ~2008年1月(平成20年1月)
https://yanase.jp/mercedes-benz/catalog/sl/10037121/


それにしても驚くのが、公式サイトの問題。11月上旬のポストで「数週間後にリニューアル・オープン」と公にしていたのに、1ヶ月以上経過しても未だ「Comming Soon」のまま・・・。

リング誌オフィシャルサイトトップページのスクリーンショット:2024年11月10日現在工事中


「ringtv.com」のドメインを引き続き利用するにしても、別のディレクトリでリニューアルサイトを製作して、トップページだけ差し替えてオープンすればいいのに、わざわざ既存のWebサイトを潰して、これだけ長期間クローズにするのは尋常ではない。

印刷媒体の発売とモバイル・アプリのリリースも併せて、今月19日(?)に同時オープンする算段なのかもしれないが、BoxrecのWBA問題と同じく、余りにもファンを無視した行為ではないのか。

絶対君主制のお国の中なら、次期国王サルマーン皇太子の覚えも目出度く、エンターテイメント庁の管轄する分野を何から何まで思いのままに動かせても、世界中にいるボクシング・ファンの心まで自由自在に操れると考えるのは流石にどうかと思う。

14~15年落ちのメルセデスの高級スポーツ車でご機嫌を取っても、効果は一瞬。遅かれ早かれ、取材記者たちの反発だけでは済まなくなる。そして在米取材記者たちの強固なハレーションの原因は、実は1970年代後半に起きた例のスキャンダルだけではない。

サルマーン皇太子に付きまとう深く暗い闇、深淵については次章以降のどこかで。

※Part 2 へ

◎同じく12月5日のリング誌公式X


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