両国3大決戦 プレビュー 1  - ”マタドール恒成”に大いなる期待・・・をしても大丈夫? -

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■2月24日/両国国技館/WBO世界J・バンタム級王座決定12回戦
WBO1位 田中恒成(日/畑中) vs WBO2位 クリスティアン・バカセグア(メキシコ)




「マタドールみたいになるんじゃないですか。」

2月15日に帝拳ジムで練習を公開したバカセグアの印象と、今回の戦術について問われた畑中会長がそう答えた。

「一度打ち出すと止まらなくなる。手数が出ますね。」

対するバカセグアも負けてはいない。「私の角は鋭い。下からすくい上げる。彼は宙を舞うだろう」と必勝をアピール。


ご存知の通り、メキシコは中米随一ボクシングが盛んな国ではあるが、同時に闘牛の国でもある。畑中会長がそこまで意識したのかどうかは別にして、実にタイムリーな発言だったと感心するばかり。

これは勿論、井岡一翔に完膚無きまでにやられた後、最優先で取り組むべきテーマに掲げ続けてきた「ディフェンスの改善」への期待、大きな意味合いも込められてのこと。

昨年5月に地元で行ったパブロ・カリージョ(コロンビア)との10回戦は、その成果がようやく形となって現れた快勝と評価したい。タフでハートの強いカリージョを的確なジャブで削り、右の強打もフルスウィングではなく、パワーよりも精度とタイミングを優先。

し止め切れずに大差判定かと思われたラスト・ラウンド、マックウィリアムズ・アローヨ倒したを井岡のストレート、あるいはハッサン・エンダム・ヌジカムとの第1戦、第4ラウンドに火を噴いた村田諒太畢生の一撃を彷彿とさせる、それはもう鮮やかな右のカウンターでダウンを奪い、そのままレフェリーストップを呼び込む。


単純な中央突破は影を潜め、カリージョの出足を良く読み、無駄打ちと無駄打たれ(?)の愚を冒さない。試合を終えた田中の顔は綺麗なままで、「もう少し足を使ってくれれば・・・」と欲の深いマニアの性がつい口を突いて出てしまうほど、田中のボクシングは変貌した。

以前の突貫スタイルを支持する人たちの眼には、「慎重過ぎる」「面白みが無くなった」と映る場面もあったと思うけれど、「打ちたい欲」を我慢して戦術的ディシプリンに撤する田中に、「それでいいんだ。間違っていない。」と心の声で声援を贈り続ける。

田中自身は、昨年12月の発表会見で述べた「KO奪取」への意気込みを、記事の最後でご紹介する計量後の囲み取材でも繰り返していた。

発表会見でも、村田大輔トレーナーと一緒に磨いてきた「新たなスタイル(打たせずに打つ)」への手応えとともに、「父親から教わった前に出続けるボクシング」へのこだわりにも触れている。


1歩も退くことなく、ムキになって打ち合いに雪崩れ込む悪癖が再現するのではないかと、要らぬ筈の老婆心が暗雲のように拡がり、不安をかき立ててしまう。田中の正確なバカセグア評が、お節介な懸念を大きくしてしまう。

「プロで20戦していますが、そのうち19戦を世界チャンピオンかランカーと戦ってきた。これまで対戦した選手たちと比べて、(バカセグアは)それほど難しい相手だとは思わない。」

仰る通り。スピード,パワー,テクニックのいずれを取っても、良く言ってローカルランクの上位といった水準で、バカセグアに世界2位の肩書きは重過ぎる。世界ランク入りの根拠は、2021年に獲得したWBOラティーノ王座。ただし、真に名のある相手との対戦は無し。


びっくりするのは、2015年7月のデビュー戦を129ポンドのS・フェザー級で戦っていること。2戦目から一気にS・バンタム級まで絞り、2017年から18年にかけてバンタム級を行き来しながらS・フライ級を試し、2019年にはフライ級リミットでモイセス・カジェロス(山中竜也とWBOの105ポンドを争いTKO負け)に10回判定負け。

これ以降、115ポンドに定住して戦績が安定。日本に比べればまだまだ選手層が厚く、侮れない中堅がひしめくメキシコの軽量級で、ここまでローカル・ファイトを生き残ってきたのは、打たれ強さを含めたフィジカル・タフネスの賜物だが、リアルなローカル王者クラスとやっていないからだとも言える。

井岡と同じく、計量後のリバウンドを最大限に活かし、ガードを固めて圧力をかけ続け、手数だけは出し続けて田中を白兵戦に引きずり込み、守りの意識が薄れるのを待って相打ちの左フックか右アッパー、もしくは右のオーバーハンド(ボラード)でイチかバチかの1発を狙う。


”メキシカン・ロッキー”に勝機があるとすれば、それぐらいしか思い浮かばない。油断さえしなければ、田中の4階級制覇は九分通り達成したも同然であり、それだけに余計な色気を抑えるのが大変。

KOを狙って真正面から攻め急ぐ、悪い虫が騒ぎ出すのがとにかく怖い。そこを耐えて冷静に戦術的規律を保つのは、カリージョ戦以上の困難を田中を強いることになるだろう。

掛け率が存外に接近しているのは、井岡戦の強烈な記憶が未だに尾を引きずっているからで、あれだけ一方的かつ無残なKO負けを払拭する為には、それ相応の相手に同等以上のインパクトを残して勝つ以外に道はない。

□主要ブックメイカーのオッズ
<1>BetMGM
田中:-500(1.2倍)
バカセグア:+400(5倍)

<2>betway
田中:-599(約1.17倍)
バカセグア:+400(5倍)

<3>ウィリアム・ヒル
田中:1/5(1.2倍)
バカセグア:7/2(4.5倍)
ドロー:16/1(17倍)

<4>Sky Sports
田中:2/11(約1.18倍)
バカセグア:21/5(5.2倍)
ドロー:16/1(17倍)


井岡に敗れた直後、リマッチについて問われる度び、「負けた自分がもう一度と、そう簡単には言えない」と否定的な態度を変えなかった。

今一度世界のベルトを巻いて、とにもかくにも4階級制覇を成し遂げる。その上で2団体を統一すれば、井岡が負けない限り自ずと再戦への扉は開いて行く。田中自身の口から、井岡へのリベンジが聞かれるとすれば、おそらくその後になるのではないか。

「目標は4団体統一。S・フライ級の最強を証明する。」

中谷潤人との指名戦回避でまたもや男を下げた井岡は、追い続けるファン・F・エストラーダ戦一択あるのみ。それ以外の対戦相手は眼中に無し。田中とは、3年前の大晦日で決着済みといったところ。

115ポンドのNo.1と目されるエストラーダに明白な差を付けて打ち破れば、すべての批判を吹き飛ばせるだけでなく、P4Pトップ10圏内への定着も夢ではなくなる。


ワンサイドのKO勝ちが喉から出るほど欲しい。そうであればある程、カリージョ戦と同じ辛抱が必須。そう肝に銘じて、「無駄打ち+無駄打たれ」の抑制に撤して欲しい。





◎田中(28歳)/前日計量:114.6ポンド(52キロ)
元WBOフライ級(V3/返上),元WBO J・フライ級(V2/返上),元WBO M・フライ級(V1/返上)王者
※現在の世界ランク:WBA4位・WBC4位・IBF3位
戦績:20戦19勝(11KO)1敗
世界戦通算10戦9勝(5KO)1敗
アマ通算:51戦46勝(18RSC・KO)5敗
中京高(岐阜県)出身
2013年アジアユース選手権(スービック・ベイ/比国)準優勝
2012年ユース世界選手権(イェレバン/アルメニア)ベスト8
2012年岐阜国体,インターハイ,高校選抜優勝(ジュニア)
2011年山口国体優勝(ジュニア)
※階級:L・フライ級
身長:164.6センチ,リーチ:167センチ
※井岡一翔戦の予備検診データ
脈拍;73/分
血圧:112/82
体温;36.3℃
※計量時の測定
右ボクサーファイター


◎バカセグア(26歳)/前日計量:114.6ポンド(52キロ)
戦績:28戦22勝(9KO)4敗2分け
身長:163センチ
脈拍;46/分
血圧:121/78
体温;36.2℃
※計量時の測定
右ボクサーファイター

◎前日計量


◎計量時のインタビューでKO宣言



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■オフィシャル

主審:ベンス・コヴァチ(ハンガリー)

副審:
ドン・トレッラ(米/コネチカット州)
パット・ラッセル(米/カリフォルニア州)
スラット・ソイカラチャン(タイ)

立会人(スーパーバイザー):レオン・パノンチーリョ(米/ハワイ州/WBO副会長)


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■主流派(大橋+帝拳)へようこそ

色々な見方や意見はあるだろうが、三十路を目前にした田中が、中京のローカル・スターから脱却する転機を迎えた。

カリージョ戦の中継は、中京地区の民放5局が共同運営する「Locipo(ロキポ)」というWEB配信サービスで行われている。試合内容が良かっただけに、本当に勿体なく残念に思えてならない。

今回は、ESPN+(トップランク経由)で米本土にも配信される。月額11ドル弱のサブスクは、熱心な在米ボクシング・ファンにとって大きな負担にはならない筈で、尚弥の弟とアンカハス、ドネアに勝ったサンティアゴにノックアウト・オブ・ジ・イヤーの中谷が絡むカードは、一定の訴求力が期待できる。

田中の試合は、世界戦とは言っても相手が相手だけに、完全なセミ扱いにならざるを得ないけれど、視聴者数は少なくても、在米マニアの眼に触れることが第一。

※Takuma Inoue vs. Jerwin Ancajas (Main Card)
ESPN+ ? Top Rank Boxing
https://www.espn.com/espnplus/player/_/id/64de4119-f90b-4f38-af8f-f705b4a9136f/country/us/redirected/true

我が青春の小澤征爾 - 2024年2月・訃報に接して -

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■序


ozawa-around1970s

来るべき刻(とき)がやって来た。

2年前(2022年)の暮れ、「ONE EARTH MISSION」と題されたJAXAとの共同プロジェクトで、国際宇宙ステーションに滞在中の若田光一船長(日本人初)に向けて、サイトウ・キネン・オーケストラとともに「エグモント序曲」の生演奏を届ける御年86歳のマエストロは、うずくまるように車椅子に深く沈み込んでいた。

癌との闘いによる疲弊が衰えに拍車をかけ、すっかり小さくなってしまった身体が痛々しく、正視するのが辛くてたまらない。

かすかに持ち上げて拍子を取る両腕はか細く弱々しかったが、しかしだからこそ、「我らがマエストロに恥をかかせてなるものか」との決意がメンバー全員にみなぎり、遅めのテンポと燃えるような奏者たちの熱気ゆえに、後半からコーダにかけてテンポとアインザッツが乱れる場面が散見はされたものの、演奏は実に立派なものだった。

そしてこの配信より4ヶ月前、8月26日に行われた松本のフェスティバルにも、まったく同じいでたちで車椅子を押されながらステージに登場している。この時はマスクで顔を覆ったまま、客演のシャルル・デュトワと旧交を温め、客席に向かって手を振るだけで退場したのだが、ご覧になった多くの方々も、永の別れを予感したのではないか。


キャリアの中心となったボストン交響楽団は、2月9日の定期演奏会(現地時間/シンフォニー・ホール)で、若かりし日の小澤を捉えた素晴らしい遺影を掲げ、2021年にCEOに就任したチャド・スミスが丁重な弔辞を述べた後、バッハのアリアを演奏してかつてのシェフを偲んだ(指揮:カリーナ・カネラキス)。

◎Boston Symphony Orchestra Remembers Seiji Ozawa with Remarks and Bach's Air on the G String
2024年2月10日公開/ボストン響公式チャンネル


◎BSO公式サイト・トップ(現在は通常モードに復帰)
BSO_top
◎追悼ページ:A Tribute to Seiji Ozawa
https://www.bso.org/stories/a-tribute-to-seiji-ozawa


また、ヨーロッパにおける活動拠点とも言うべきベルリン・フィルとウィーン・フィルは、それぞれの公式トップページに小澤の写真を掲載し、丁寧な文章とともに哀悼の意を表している。

◎BPO公式サイト・トップ(現在は通常モードに復帰)
BPO_top_
◎追悼ページ:Trauer um Seiji Ozawa
https://www.berliner-philharmoniker.de/stories/trauer-um-seiji-ozawa/

◎VPO公式サイト・トップ
VPO_top
◎追悼ページ:Die Wiener Philharmoniker trauern um Seiji Ozawa
https://www.wienerphilharmoniker.at/de/magazin/die-wiener-philharmoniker-trauern-um-seiji-ozawa/6210

想像以上に深刻だった健康不安の為、期待された結果を残せないまま離任することになったウィーン国立歌劇場も、弔辞を掲載してくれていた。

◎DIE WIENER STAATSOPER TRAUERT UM SEIJI OZAWA
2024年2月9日/ウィーン国立歌劇場公式サイト
https://www.wiener-staatsoper.at/die-staatsoper/medien/detail/news/die-wiener-staatsoper-trauert-um-seiji-ozawa/

2015年に我らがマエストロに名誉賞を授与したケネディ・センターもまた、動画をアップしてその功績にスポットを当てている。

◎A Kennedy Center Tribute to Seiji Ozawa (1935-2024)
2024年2月10日/ケネディ・センター公式チャンネル


◎ケネディ・センター名誉賞(錚々たる顔ぶれが揃う受賞者)
<1>公式サイト(授賞式)
https://www.kennedy-center.org/whats-on/honors/

<2>公式サイト(デジタル・ステージ)
https://www.kennedy-center.org/digitalstage/kennedy-center-honors/

<3>Wiki
https://en.wikipedia.org/wiki/Kennedy_Center_Honors


NHKを相手に盛大な大喧嘩をやらかし、意を決して再渡米した28歳の小澤を、毎夏のフェスティバルの指揮者に大抜擢(ラヴィニア音楽祭/1964年~68年)。最初の大きなチャンスを与えてくれたシカゴ交響楽団と、さらなる蛮勇を振るって(?)音楽監督に迎えてくれたトロント交響楽団(1965年~1969年)もまた、哀悼の意を表する記事をアップしたのも嬉しい限り。

シカゴの記事を書いたフランク・ヴィレッラは、シカゴ響の合唱団(Chicago Symphony Chorus)で20年以上歌った声楽家で、オーケストラ(1891年創立)の歴史的文献や写真,音源などの貴重な資料をまとめたローゼンタール・アーカイヴス(Rosenthal Archives)の館長を努める人物。

◎Remembering Seiji Ozawa
2024年2月9日/CSO公式サイトExperience CSO
フランク・ヴィレッラ [ 30 min read ]
https://cso.org/experience/article/17180/remembering-seiji-ozawa

トロント響公式サイトトップ
Tronro_SO_top
◎Seiji Ozawa 1935-2024
https://www.tso.ca/home/seiji-ozawa/


1970年から7年間音楽監督の重責を担い、ヨーゼフ・クリップスとの初来日以来、7年ぶりとなる日本公演(1975年6月)を実現したサンフランシスコ交響楽団は、公式インタグラムに記事をアップしただけに止まった。

就任3年目の1973年からボストン響との兼務になり、着任早々東海岸へと足場を移した格好になったことが楽団と地元音楽ファンの感情を多少なりとも害し、好ましからざる印象を残したことは否めない。

オケにとって、桂冠の名誉を贈呈したブロムシュテット(1985年~95年)、マイケル・ティルソン・トーマス(1995年~2020年)ほどの存在ではないとの評価は止むを得ないが、せめて公式サイト上で弔意を示してくれてもよかったのでは。

The SF Symphony is deeply saddened by the news of Seiji Ozawa’s passing earlier this week at the age of 88.
2024年2月10日/サンフランシスコ響公式インスタグラム
https://www.instagram.com/p/C3I9SWKvHVE/?img_index=1

そして、弦楽四重奏を基盤にした室内楽を教えることを目的に、スイスのジュネーヴに作った「スイス国際音楽アカデミー(Seiji Ozawa International Academy Switzerland)」は、2月9日付けで小澤の死を悼むプレスリリースを出し、同時に今夏に予定する第20回の開催中(7月1日~12日)、7月9日に追悼演奏会を行うと発表。

◎Seiji Ozawa 1935 - 2024
2024年2月9日/Seiji Ozawa International Academy Switzerland
https://mailchi.mp/da413d7dfa7e/communiqu-de-presse-9-fvrier-2024-press-release-feb-9-2024?e=0fe5c057df


日本国内では、後半~終盤のキャリアを決定付けた松本のフェスティバル、こだわり続けたオペラの伝承を託す音楽塾、大師匠の斎藤秀雄と並ぶ恩師,吉田秀和から2代目館長を引き継いだ水戸芸術館が哀悼を捧げるページを公開した他、設立に直截携わった新日本フィルは、ボストン響と同様、2月10日に三重文化会館で行われた演奏会の冒頭、バッハのアリアを演奏(指揮:藤岡幸夫)。

◎J.S.バッハの管弦楽組曲第3番より第2曲アリア(小澤征爾氏への献奏として)
2024年2月10日公開/新日フィル公式チャンネル


◎新日フィル公式サイト・トップ
NJP_top
◎【訃報】小澤征爾氏(桂冠名誉指揮者)ご逝去について
2024年2月9日/新日本フィル公式サイト:重要なお知らせ
https://www.njp.or.jp/news/8062/

◎【訃報】小澤征爾(総監督)逝去について
2024年02月10日/セイジ・オザワ 松本フェスティバル公式サイト
https://www.ozawa-festival.com/news/2024/02/10/190000.html

◎【訃報】小澤征爾(音楽塾塾長、音楽監督)逝去について
2024年2月10日/小澤征爾音楽塾公式サイト
https://ozawa-musicacademy.com/news/2136

◎小澤征爾水戸芸術館館長ご逝去のお知らせ
2024年02月10日/水戸芸術館公式サイト
https://www.arttowermito.or.jp/topics/article_41364.html


ベルリンとウィーン、トロントの各オーケストラが示してくれた敬意には、思わず涙が出そうになった。

そして、記事のタイトルに倣って恥ずかしげも無く申し上げれば、私の脳裏と心の中に生き続ける小澤の姿は、冒頭に掲載した写真のままである。

私の中の小澤征爾について、少しづつ章をあらためながら、演奏会の記憶も掘り起こして書き連ねて行こうと思う。

序章の末尾に、「エグモント序曲」と舞台挨拶の映像を。忍びなく辛いけれど、老いの現実もしっかり見つめねばならない。

◎ONE EARTH MISSION - Unite with Music - Full recorded LIVE Performance
2022年12月1日/小澤征爾 Seiji Ozawa 公式チャンネル


◎世界へ配信!One Earth Mission~小澤征爾氏指揮/サイトウ・キネン・オーケストラのハーモニーと和の心を
2022年12月1日/JAXA公式サイト
https://humans-in-space.jaxa.jp/news/detail/002677.html

◎小澤征爾さん登場で会場総立ち 音楽の祭典OMFでサプライズ 3年ぶりにステージ上に
2022年8月27日/NBS長野放送ニュース

引退撤回の

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■2月8日/ミケロブ・ウルトラ・アリーナ,ラスベガス/WBO世界J・ウェルター級タイトルマッチ12回戦
王者 テオフィモ・ロペス(米) vs WBO10位 ジャメイン・オルティズ(米)



唐突な引退を声明したかと思いきや、あっという間の撤回。ジョー・ルイスやモハメッド・アリの昔から、トップボクサーの引退宣言ほどアテにならないものはないとわかり切ってはいたし、26歳という年齢を考えれば、余程の怪我か重篤な疾病でもない限り、普通に考えて有り得ない。

早速ブリーチャー・レポートに「1億ドル超が約束されるなら翻意してもいい」との一報が出て、「やっぱり・・・」と頷く。


<1>TEOFIMO LOPEZ JR. SAYS HE’S RETIRING?AND NO ONE CLOSE TO HIM BELIEVES IT
2023年6月29日/リング誌
https://www.ringtv.com/655098-teofimo-lopez-jr-says-hes-retiring-and-no-one-close-to-him-believes-it/

<2>Teofimo Lopez Says He'd 'Only' Return to Boxing on $100M+ Contract After Retiring
2023年6月13日/Bleacher Report
https://bleacherreport.com/articles/10078979-teofimo-lopez-says-hed-only-return-to-boxing-on-100m-contract-after-retiring

<3><4>Teofimo Lopez Jr. claims to be 'retired' in aftermath of massive win over Josh Taylor
2023年6月11日/CBS Sports
https://www.cbssports.com/boxing/news/teofimo-lopez-jr-claims-to-be-retired-in-aftermath-of-massive-win-over-josh-taylor/

<4>Teofimo Lopez Not Retiring, Won't Vacate WBO Title Despite Previous Claims4202023年7月13日/Bleacher Report
https://bleacherreport.com/articles/10082558-teofimo-lopez-not-retiring-wont-vacate-wbo-title-despite-previous-claims


カネと政治力を併せ持つ有力プロモーターと渡り合う為に、支配下のボクサーが自らの引退を賭して場外戦を繰り広げること自体は、さほど珍しいことではない。

トップランクもご他聞に漏れず、キューバの軽量級を代表する両巨頭,ユリオルキス・ガンボア&ギジェルモ・リゴンドウとの派手な喧嘩別れは未だ記憶に新しく、契約満了まで辛抱することが出来ず、アラムが提示するマッチメイクを片っ端から断り続けたマイキー・ガルシアは、2年半に及ぶレイ・オフを甘んじて受け入れた。

最近では、ウェルター級に上げて以降、躍起になって追い続けたエロール・スペンスとの統一戦が一向に実現に向かわず、メディアを介してトラッシュトークを一度ならず繰り広げたテレンス・クロフォードも、ビッグマネー・ファイトへの渇望とともに、リゴンドウと同様「不当な低評価」への不満を訴えている。


2人が口にした「不当な低評価」は、マッチメイクとギャランティの決定権を握るトップランクとHBO,ESPNに対する抗議であるのと同時に、伸び悩むチケットセールスと視聴者数(ノンPPV)に象徴される、「ファンの見る眼の無さ」への逆批判も含む。

惨憺たる結果(5万件に届かなかったとされる)に終わったショーン・ポーター戦のPPVセールスと、さっぱりなゲートを槍玉に挙げられ、「彼は自身の市場価値をわかっていない。実態以上の評価と条件を我々は与えてきた」とアラムに突っ込まれたクロフォードは、最終的に民事訴訟を仕掛けて居直るしかなかった。

それでも、140ポンドでの4団体統一と3階級制覇のチャンスを得られた点は、ドネア戦とロマチェンコ戦を例外として、15~25万ドルの相場で我慢を強いられた軽量級のリゴンドウに比べれば、王国アメリカのマーケットを支える花形の中量級という大きな違いはあるにせよ、アラムの指摘が事実であることも認めざるを得ない。


トップランクとの契約切れを待つ間、マイキーのようにロマンを追ってケツをまくったりせず、丁々発止の駆け引きをやりつつ、試合のオファーには応じたリアリストのクロフォードは、アラムと別れて5年間待たされ続けたスペンス戦を遂に実現しただけでなく、ワンサイドの勝利をこれでもかと見せつけて、カネロに近いポジションを引き寄せ(?)ご満悦の体。

また、先月末から今月始めにかけて、唐突に引退を発表したシャクール・スティーブンソン(26歳)もアラムの有力な持ち駒だが、こちらは条件闘争ではなく、エドウィン・デ・ロス・サントス戦の塩っぷりを酷評され、感情的になっているだけとの見方が大勢を占めており、「テオフィモの”一時的な引退”以上に早い帰還」を確実視されている。


テオフィモに話を戻すと、ジョシュ・テーラー(英)を番狂わせの3-0判定に下して2階級制覇を達成した直後の表明だったこと、さらにベルトも返上していなかったことから、本気度を疑われたのも致し方がない。

「十中八九、トップランクに対する条件闘争。アラムがそれなりに譲歩して、すぐに翻すだろう。」

年季の入ったボクシング・ファンなら誰もがそう思っていた筈で、待遇が幾らかでも改善したのかどうかは定かではないが、現役の続行については大方の見立て通りになった。

◎ファイナル・プレス・カンファレンス


※ファイナル・プレッサー(フル)
https://www.youtube.com/watch?v=4JAlIU3uxRA


直前の掛け率をチェックすると、結構な差が開いていた。

□主要ブックメイカーのオッズ
<1>BetMGM
テオフィモ:-650(約1.15倍)
J・オルティズ:+450(5.5倍)

<2>betway
テオフィモ:-599(約1.17倍)
J・オルティズ:+450(5.5倍)

<3>ウィリアム・ヒル
テオフィモ:1/7(約1.14倍)
J・オルティズ:9/2(5.5倍)
ドロー:18/1(19倍)

<4>Sky Sports
テオフィモ:1/6(約1.17倍)
J・オルティズ:6/1(7倍)
ドロー:22/1(23倍)


世界挑戦まで2試合のテストマッチを挟み、ダウンを奪われ2-1判定の辛勝を拾った(?)サンドロ・マルティン(スペイン)との転級第2戦は、仮想テーラー(自分より大きなサウスポー)として呼んだつもりが、打ち合い回避の逃げ足を徹底されたこともあって(事前に分かってはいた筈)、いい場面を作り切れずに終わったことが、本番のテーラー戦で福となった格好。

対するジャメインも、ロマチェンコの復帰戦に抜擢されて力及ばず敗れはしたものの、大いに奮闘して一躍注目を集めた後、1年近く休んで昨年9月にカムバック。138ポンド契約でのリング・リターンを無事に終えている。

世界を獲る前のデヴィン・ヘイニー、ホセ・ペドラサ(セミでキィショーン・ディヴィスと対戦予定)、アーノルト・バルボサ・Jr.らに敗れたメキシコの中堅,アントニオ・モランを大差の3-0判定に下しているが、階級アップのテストはこの1試合のみ。

3試合かけて140ポンドに頭と身体を慣らしたテオフィモに比べると、どうしても線の細さは否めない。5ポンドの差(ライト級のリミット上限:135ポンド)を埋めるのは、簡単なことではないと実感させられる。


勝つことを最優先させたテーラー戦では、「当て逃げ&クリンチ」が目に付いたテオフィモ。あらためて、スピード(素早い反応も含めた)こそが最大の持ち味だと強く認識した。妥当ロマチェンコをやってのけた戦術的ディシプリンを、ここぞという大一番で再び発揮したとも言えるが、それも生来の速さがあってこその2階級制覇。

テーラーの圧力に容易に押し負けないよう、フィジカル強化に努めたことも確かではあるものの、3本のベルトを矢継ぎ早に手放した英国の王者は、テオフィモのスピード&アジリティに対応し切れず、普段通りにプレスできなかったことが最大の敗因。


テオフィモが落ち着いてボクシングに撤した場合、中差以上のユナニマウス・ディシジョンで初防衛に成功すると見るのが、妥当な予想にはなる。

不安要素があるとすれば、テオフィモのムラっ気。開始ゴングと同時に、ジョージ・カンボソスを上から見下すように、後先考えずにブンブン振り回して前進。ディフェンスが完全にお留守になったところへ、絵に描いたような右カウンターを浴びてダウン。

挽回を焦ってさらに熱くなって打ち合い勝負から抜け出せなくなり、まんまと大番狂わせを献上した大失敗を、今回もまた繰り返す恐れがゼロではない。

負けて元々(?)のジャメインは、スタートから急襲を仕掛ける奇策も有り。上手くハマって、カンボソスのようにテオフィモを空転させられたら、”The Takeover(乗っ取り屋:テオフィモのあだ名)”が、強気の”テクニシャン(The Technician:ジャメインの愛称)に”Takeover”される展開が無きにしも非ず。

ジャメインもまた、狡猾な技術&神経戦を想起させる愛称とは裏腹な、年齢相応の好戦性も併せての売りだけに、退くに退けなくなって墓穴を掘る逆効果のリスクも小さくはないけれど、当たり前にやっていたら、冷静かつ戦術的ディシプリンに撤するテオフィモを攻略するのは難しい。どうにかして、頭に血を上らせたいところ・・・。


◎公開練習



◎テオフィモ(26歳)/前日計量:139.6ポンド
現WBO J・ウェルター級王者(V0)、元3団体統一ライト級王者(WBA:V0,IBF:V1,WBO:V0)
戦績:20戦19勝(13KO)1敗
アマ通算:150勝20敗
2016年リオ五輪ライト級出場(初戦敗退)
※ホンジュラス(両親の母国)代表
2016年リオ五輪米大陸予選準優勝
2015年リオ五輪米国最終予選優勝
2015年ナショナル・ゴールデン・グローブス優勝
2015年ユース全米選手権ベスト8
2014年ナショナル・ゴールデン・グローブス2回戦敗退
2014年ユース全米選手権3位
※階級:ライト級
身長:173センチ,リーチ:174センチ
右ボクサーファイター


◎オルティズ(27歳)/前日計量:139.6ポンド
現在のランキング:WBO10位/IBFライト級13位
戦績:19戦17勝(8KO)1敗1分け
アマ通算:100勝14敗
2016年リオ五輪代表候補(L・ウェルター級)
2015年五輪米国最終予選ベスト8
※予選:決勝でジャロン・エニス(25歳/29戦全勝27KO)にポイント負け
※本戦:準々決勝でエイブラハム・ノヴァ(28歳/21勝15KO1敗)にポイント負け
2015年ナショナル・ゴールデン・グローブス準優勝(ライト級)
※決勝でテオフィモ・ロペスにポイント負け
2015年全米選手権ベスト4(ライト級)
※準決勝でヘナロ・ガメス(27歳/10勝7KO1敗)にポイント負け
身長:173センチ,リーチ:175センチ
左右ボクサーファイター(スウィッチ・ヒッター)

◎前日計量


※前日計量(フル)
https://www.youtube.com/watch?v=RYSCJTE_3i4

負けん気というか、きかん気にかけては容易に引けを取らない両者だけに、トラッシュトークの応酬になってもおかしくないと考えていたが、プレス・カンファレンスに続いて計量も波風立たずに終了。

静かな分だけフェイス・オフの緊張感が増したようにも感じたけれど、海外ではぎゃあぎゃあ煩く騒ぎ立てる様子を食傷気味に眺める機会が多過ぎて、何もないと拍子抜けしてしまうから困ったものだ。


BLOOD SWEAT & TEARS: Teofimo vs Ortiz | FULL EPISODE



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■リング・オフィシャル:未発表


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■ミケロブ・ウルトラ・アリーナ

聞き慣れない名称を耳にして、「またラスベガスに、新しい屋内施設が出来たのか?」と思いきや、マンダレイ・ベイ・リゾート&カジノホテルに設置された12,000人収容のイベントセンターだった。

近くは「GGG vs カネロ第1戦」が行われ、開場した1999年の秋には、全世界のボクシングファンが熱視線を寄せた「デラ・ホーヤ vs トリニダード戦」を開催した他、「デラ・ホーヤ vs F・バルガス(2002年)」、「マルコ・A・バレラ vs パッキャオ第2戦(2007年)」、「パッキャオ vs J・M・マルケス第2戦(2008年)」等々、20世紀末~21世紀の幕開けを飾るビッグファイトを手掛けた大会場の1つ。

「バドワイザー」で知られるビール・メーカー「アンハイザー・ブッシュ」が、自社の新しいブランド「ミケロプ・ウルトラ」のプロモーションの一貫として、2021年に命名権を取得した。



ネーミング・ライツは、箱物の運営にとってもはや不可欠と表すべきなのだろうが、例えばエディオン・アリーナを名乗る大阪府立体育会館のように、馴染み深い名前が変わることへの一抹の寂しさは残る。

命名権を獲得しつつ、地元の人たちとファンに親しまれた名前をそのまま継承する、太っ腹の経営者が1人くらい現れても良さそうなものだが、雇われ社長では到底叶わない無理難題ということか・・・。


倒せないキックの天才児 /狂っているのはどちらの感覚・・・? - L・ロブレス vs 天心 プレビュー -

カテゴリ:
■1月23日/エディオン・アリーナ大阪,大阪市浪速区/121ポンド(54.8キロ)契約8回戦
WBA・WBO14位 ルイス・ロブレス(メキシコ) vs 那須川天心(帝拳)



日本キック史上最高・最大の天才児が、ことボクシングでは倒せない。

「パンチが無い」「詰め切る気迫も連打も全然足りない」等々、物足りなさばかりが喧伝される中、二桁のそれも下の方ではあるものの、一応3戦目でバンタム級の世界ランカーを迎える。


与那覇勇気(真正)とのデビュー戦は、あくまでディフェンスがテーマだった。「いかに打たせ(れ)ず」一方的な展開を作り出すのか。チーフの大役を任された粟生隆寛(エリートアマから帝拳に入りWBCのフェザー級とS・フェザー級を獲った元2階級制覇王者)の狙いは、そこにしか無かったと断じる他ない。

戦前から明らかだったスピードの差を存分に活かし、前後左右に素早く動く見切りの速さと精度の高いジャブ,コンビネーションに唸らされた。

与那覇は勇敢な強打者で、基本的な攻防の技術もしっかりした選手だが、その与那覇に天心は何もさせずに8ラウンドを戦い切っている。ジャッジ1人が、1ポイントを与那覇に振ったことに、「1発も貰ってない。というか、触らせてもいない。フルマークでしょ。」と異を唱える。


そして2戦目は、メキシコから呼び直したアンダードッグ。2022年9月18日にセットされていたが、当初予定のメキシカン,ファン・フローレスが武漢ウィルスに感染してしまい、相手と日程を再調整。

代わりにやって来たルイス・グスマン・トーレスを、初回にいきなり左を決めてダウンさせると、ボディアタックで弱らせた上、第7ラウンドには連打を集めて2度目のダウン(一旦スリップ裁定→ノックダウンに訂正)。

ここでジ・エンドかと思いきや、集中打をまとめられずにまた判定勝ち。流石に今度はフルマークだったものの、「倒せない天才児」への不満をファンが口にし出す。


◎試合前の公開練習
<1>デビュー戦前の公開スパーリング
2023年4月5日/amazon prime公式


まずはディフェンス。守ることに主眼を置いたボクシングで、距離を詰めて来る福井勝也(26歳/4戦全勝3KO)が仕掛ける攻撃のほぼすべてに反応。福井は59勝16敗のアマキャリアを持つエリートで、天心は潜在能力の高さとセンスを存分に発揮した。.

<2>グスマン戦前
2023年9月8日/amazon prime公式


デビュー戦に比べれば、「打ち抜こうとする」意識だけは伺える。ただし、キック時代の思い切りの良さ、迷いの無さは望むべくもなし。とは言え、2戦目でここまでできれば何も言うことはない。素晴らしいの一言。

<3>ロブレス戦直前
2024年1月11日/amazon prime公式


一瞬たりとも止まらない。軽快なステップで動き続けるベーシックはそのままに、しかし打つ時は足を止めて体重を乗せて行く。これもまだ意識と身体のシームレスな連携には今数歩と見受けるが、「倒せない」ことへの批判について、一定の回答を出そうと様々模索はしている。

ただし、勇敢で獰猛なロブレス相手に、正面に位置を取ったまま足を止めて立つのはリスキー。焦ることなど何もないと思うが、期待値が高い分そうも言っていられないということか。

マッハの踏み込みに崩しのフェイントを混ぜ込み、タイミングを外して当て易くする工夫を求めるのは、まだまだ酷との印象も有り。天心ほどのスピードを持ってしても、真っ正直にワンツーもろとも飛び込んでも、それなりに経験を積んだボクサーなら、後方と両サイドへのステップで対応できてしまう。

自分から距離を詰めるにしても、もっと頭を振って全身でフェイントを入れておかないと、カウンターを浴びて慌てることにもなりかねない。ステップとタイミングの細かい変化は極めて重要。


どれだけ批判されても、今はまだ「一瞬も止まらず動き続けるポイントボクシング」に撤するべきなのでは。バンタム級への階級ダウンも込みにはなるけれど、遅かれ早かれちゃんと倒せるようになる。

私もそうだが、井上尚弥の破格過ぎるパワーを見続けているせいで、ファンの感覚が狂い出しているのも事実。天心の左ストレートに、キック時代の「貫く」感覚が蘇えるのもそう遠くは無い筈だと、ひとまずは言っておこう。

85歳になるナチョ・べりスタインの帯同は意外なサプライズだが、本番のリング上でサプライズは不要。無理をせずに、フルマークの判定で良いと思う。


ナチョには申し訳ないが、「まともに触れないままの判定負け」を覚悟していただく。


◎【ダイジェスト版】1.23 LIVE BOXING 6 スペシャルコンテンツ「TENSHIN NASUKAWA ~ボクシングへの挑戦#4~」| プライムビデオ
2024年1月10日


◎フル映像:1.23 LIVE BOXING 6 スペシャルコンテンツ
2024年1月9日/amazon prime
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0CJYVVQM8/ref=atv_dp_share_r_em_b7dbb132447b4



◎ロブレス(25歳)/前日軽量:119.5ポンド(54.2キロ)
戦績:18戦15勝(5KO)2敗1分け
身長:164センチ
右ボクサーファイター


◎那須川(25歳)/前日軽量:121ポンド(54.8キロ)
戦績:2戦2勝
キック通算:42戦全勝(28KO)
※各種のキック世界タイトルを総ナメ
身長:165センチ,リーチ:176センチ
左ボクサーファイター


◎前日軽量




阿久井の右に大きな期待 /岡山に錦を飾る夢は成るか? - A・ダラキアン vs ユーリ阿久井政吾 直前プレビュー -

カテゴリ:
■1月23日/エディオン・アリーナ大阪,大阪市浪速区/WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦
王者 アルテム・ダラキアン(ウクライナ) vs WBA1位 ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)



2018年2月の載冠(ブライアン・ビロリアに大差の3-0判定勝ち)以来、6連続防衛(3KO)を更新中のダラキアンが、いよいよ本邦初お目見え。

昨年12月14日に決まっていた井上拓真(大橋) vs ジェルウィン・アンカハス(比)戦が延期(拓真が肋骨を骨折)となり、同日開催予定だったダラキアン vs 阿久井も日程の再調整を迫られる。

拓真を見舞ったアクシデントが、減量が佳境を迎える前だったことがは不幸中の救いなれど、概ね1ヶ月のスパンが両者の調整にどう影響したのか、あるいはしなかったのか。


武漢ウィルス禍によるブランクに加えて、母国を襲った悲劇の影響もあり、パフォーマンスに精彩を欠く試合が続いたせいか、直前のオッズは拮抗。日本国内での実績しかなく。しかも地方ジム所属の阿久井だが、突出した右の決定力は海外でもそれなりに知られているらしい。

□主要ブックメイカーのオッズ
<1>BetMGM
ダラキアン:-110(約1.91倍)
阿久井:+100(2倍)

<2>betway
ダラキアン:-110(約1.91倍)
阿久井:-110(約1.91倍)

<3>ウィリアム・ヒル
ダラキアン:4/5(1.8倍)
阿久井:4/5(1.8倍)
ドロー:16/1(17倍)

<4>Sky Sports
ダラキアン:1/1(2倍)
阿久井:4/5(1.8倍)
ドロー:16/1(17倍)


2020年2月のV4(ホスベル・ペレスに12回3-0判定勝ち)の後、パンデミックの為に1年9ヶ月のレイオフ。2021年11月の復帰戦では、大ベテランの元王者ルイス・コンセプシオン(パナマ/38歳=一応1位の指名挑戦)に9回TKO勝ち。

さらに、狂気の独裁者プーチンの野望が現実のものとなったウクライナへの武力侵攻により、2022年の1年間、試合どころの状況ではなくなった。

そして昨年1月28日、コスタリカのダビ・ヒメネスを3-0判定に下してV6に成功はしたものの、クリンチ&ホールドの多用が目に付き、後半のガス欠傾向も顕著。ブランクだけでなく年齢的な衰え(30代半ば過ぎ)を指摘する声もある。


2018年6月の初防衛戦で対峙したヨドモンコン(タイ/対戦時:暫定王者=8回TKO勝ち)戦以降、これはという実力者との対戦がなく、阿久井の右が爆発したらひとたまりもないとの見立て・・・?。

それでも、ボクシングの巧さには一日以上の長があり、左右のスイッチにロマチェンコを彷彿とさせるトリッキーなムーヴや速射連打、ノーガードの挑発もお手の物。スピード&シャープネスの低下と、反応の鈍化がどの程度回復しているのかにもよるが、マタドールよろしく阿久井の強打を空転させ続け、ワンサイドの判定をもぎ取っての帰国も想定の範囲内ではある。

阿久井の右はしっかり対策してくる筈で、ディフェンシブかつ慎重な立ち上がりで様子を伺うのでは?。阿久井の間合いとタイミングを掴んでも、単純に前に出たりせず、阿久井を引き込んでカウンターを狙う公算が大。


「日本国内に止まる」と書きはしたものの、矢吹と桑原拓(大橋)をストップした白星が光る。桑原を初回に倒した右は、打ち終わりに棒立ちになる一瞬を狙い済ました、それは見事な一撃。

回復した桑原も必死に奮戦し、最終10ラウンドまで進むも、再び右が炸裂して桑原は昏倒。そのままレフェリーストップとなった。

ここまでの2敗は、中谷潤人(M.T)との日本ユース王座決定戦(2017年8月)で、中谷6回TKOに退いた初黒星と、矢吹戦の直後に8回TKOで敗れたジェイセヴェー・アブシード(比)戦。

◎【ダイジェスト版】1.23 LIVE BOXING 6 スペシャルコンテンツ「BOXER RECORD#1 」
2024月1月10日/amazon prime公式


◎フル映像:無料公開中(amazon prime video)
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0CJYVVQM8/ref=atv_dp_share_r_em_b7dbb132447b4


中谷とは頭を付けた密着戦が続き、長身にもかかわらず中谷が得意にする左右のアッパーをまとめられ、ワンツーの強打を効かされ、ロープを背に防戦一方になりかけたところでストップされている。

世界ランク入りを狙ったアプシード戦は、初回に生命線の右(肘)を傷めてしまい、満足に右を打てない状況の中、第6ラウンドに右の打ち終わりを左のカウンターで迎撃されダウン。さらにまた左ショートの好打を浴びてダウンを追加。

第7ラウンド、起死回生の1発を狙ってアッパーで攻め込むも、アプシードもさる者で、しっかり粘ってサバイバル。続く第8ラウンド、ロープに押し込まれて連打を見舞われたところでストップ負け。


この敗戦はダラキアンも当然チェックしていると思われ、「省エネ+カウンター」の戦術徹底が容易に想像される。クリンチ&ホールドで阿久井の前進を分断するだろうし、そこでカっとなれば王者の思うツボ。

一旦打ち始めるや否や、ガードそっちのけで強振する悪癖が抜け切らない。好感阿久井の右が決まれば、ダラキアンもただでは済まないだけに、ボクシングが正直な阿久井の崩しのバリエーション、引き出しの多寡が試される、

単純に距離を詰めて右を打ち続けても、歴戦のダラキアンの術中にみすみすハマるだけ。いずれにしろ、阿久井は右にすべてを託すしかない。互いに身体が温まり切らないスタート直後、奇襲を仕掛けるのも一策ではあるが・・・。


◎ダラキアン(36歳)/前日軽量:111.1ポンド(50.4キロ)
WBAフライ級王者(V6/4KO)
戦績:22戦全勝(15KO)
アマ戦績:不明
身長・リーチとも164センチ
※軽量後の検診データ
体温:36.4℃
脈拍:47/分
血圧:184/83
右ボクサーファイター(スイッチヒッター)


◎阿久井(28歳)/前日軽量:112ポンド(50.8キロ)
元日本フライ級王者(V3/返上)
2015年度L・フライ級全日本新人王
戦績:20戦17勝(11KO)2敗1分け
アマ戦績:27戦20勝7敗
倉敷翠松高校→環太平洋大学
身長:センチ/リーチ:センチ
※軽量後の検診データ
体温:36.5℃
脈拍:53/分
血圧:128/89
右ボクサーパンチャー


◎前日軽量



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■オフィシャル

主審ギジェルモ・ペレス・ピネダ:(パナマ)

副審:
ルイス・パボン(プエルトリコ)
ジェレミー・ヘイス(カナダ)
ラウル・カイズ(米/カリフォルニア州)

立会人(スーパーバイザー)::レンツォ・バグナリオル(ニカラグァ/WBA国際コーデイネーター,元審判)


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