天才児の連敗確定? - エストラーダ vs 天心 ショートプレビュー -

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■4月11日/両国国技館/WBC世界バンタム級挑戦者決定12回戦WBC1位 ファン・F・エストラーダ(メキシコ) vs WBC2位 那須川天心(日/帝拳)



キックの天才児が2連敗決定?。

遠来の2冠王の評判がえらくいい。今月3日、心機一転新たに編成したチームとともに、2022年の暮れ以来となる2度目(?)の来日を果たしたチャンプ(WBCからフランチャイズ王者の認定を受けている)は、6日に練習を公開。

国内取材陣とファンの想像を遥かに超える、良好かつ充実したシャープネスとパワーを披露した”エル・ガーヨ(El Gallo;スペイン語の雄鶏/エストラーダのニックネーム)”は、迫り来るキャリアの終焉をほとんど感じさせない、極めて完成度の高いボクシング、隙の無い攻防一体をこれでもかと見せ付ける。

ハードコアなマッチメイクによる歴戦の疲労&ダメージに加えて、年齢的な限界,衰えを指摘されるようになって久しく、試合間隔も長くなった。

思わずため息が漏れそうな、無駄のない流麗な動きとコンビネーション。万全の仕上りを目の当たりにした取材陣のみならず、youtubeにチャンネルを開くボクシング関係者とファンを含めて、一気に悲観的な論調へと傾く。


日の出の勢いで台頭する”バム”・ロドリゲスに喫した自身初のKO負けから、早くも2年近くが経過。準備期間の不足を理由に、契約に含まれていた再戦条項を放棄した現代メキシコ軽量級の大看板は、いよいよバンタム級への進出を決断すると、長年コーナーを任せてきた戦友ホセ・カバジェロに別れを告げる。

新しいチーフは、やはり地元ソノラ州に拠点を構えるヘルマン・レオン。実弟アルフレド・レオンの兄弟2人を中心にしたファミリー・ビジネスで、ボクサーとしての成功を夢見るソノラ州の若者たちを支えてきた。

昨年6月14日、州都のヘルモシオに26歳の小柄なローカルクラスを呼び、20年近いプロキャリア中、2度目に重い調整(119ポンド)でリングに上がったエル・ガーヨは、ベストな状態とは言えないながらも、無難な試合運びで10回判定勝ち。


いかにも身体が重そうで、いいパンチを打ち込んでも、その都度若いローカルランカーから打ち返される。集中を欠いて2発・3発と被弾する場面も散見された。絵に描いたようなアンダードッグの若衆カリム・アルセ(21勝3敗2分け/8KO)は、折れそうになるハートを奮い立たせて、厳しく切ない10ラウンズを粘り切った。


S・フライ級では世界戦のKO勝ちが目に見えて減ったエストラーダ。とは言え、シーサケットやロマ・ゴンらとの激戦が続いたことを思えば、これはもう止むを得ない。直ちに「階級の壁」と断定することはできない。

がしかし、生涯の宿敵ロマ・ゴンと同様、112ポンドのフライ級でピークを築いたエストラーダにとって、118ポンドのバンタム級はいささか勝手が違うと、素直にそう思えたのも事実。歴戦の王者が繰り出す連射を浴びても、無名の若者は気持ちと態勢を立て直して反撃。逆にエストラーダがコーナーを背負わされ、ヒヤリとする局面も・・・。

実力と実績の違いを考えれば、明らかに物足りない内容ではあったものの、チューンナップにおける多少のもたつきや”らしからぬ攻防の粗”は、海外のトップレベルにとって半ばセオリーでもある。


階級アップと故障からの回復等々、エストラーダほどの練達でも、ブランク明けの復帰戦で格下相手に冴えないパフォーマンスに終始する姿を、これまで一度ならず見せてきた。そうした不出来に比べて、正式な118ポンドの初陣が特別酷かったとは思わない。ただ、オフィシャルスコアほど圧倒的な開きは無かった。

◎試合映像:エストラーダ 10回3-0判定 カリム・アルセ(メキシコ)
2025年6月14日/ソノラ州ヘルモシオ
オフィシャル・スコア:98-89,99-88,100-87
前日計量:エストラーダ119ポンド,アルセ不明
https://www.youtube.com/watch?v=FTJxJy9SlWw


さて、昨年6月の再起戦について、「20年近いプロキャリア中2度目に重い」と書いた。では、計量時のウェイトが一番重かったのはいつで、誰との試合だったのか。

それは、今を去ること7年半前。年の瀬が迫るカリフォルニアに飛んだエル・ガーヨは、クラレッサ・シールズ,セシリア・ブレイクフスの女子重量級2トップの露払いとして、S・バンタム級の10ラウンズを戦った。

相手はビクトル・メンデスというローカル・ランカーで、対戦時のレコードは27勝(19KO)4敗2分け。エストラーダと同郷のソノラ州出身で、170センチを公称するだけあって背丈は十分。ひょろっとした痩身だが、エストラーダよりかなり大きい。

この大きなメンデスに対して、28歳のエストラーダは油が乗り切り元気一杯。一切臆することなく前に出て強打を叩き込み、しっかりボディも効かせて着実に削り続け、7ラウンド終了後のギブアップに追い込む。

◎試合映像:エストラーダ vs ビクトル・メンデス(メキシコ)
2018年12月8日/スタブハブ・センター,カリフォルニア州カーソン
70-63 Carla Caiz 69-64 Jerry Cantu 68-65
前日計量:エストラーダ119ポンド1/4,メンデス119ポンド1/4
https://www.youtube.com/watch?v=L4340BVeGtM


この2試合を見比べると、老いと疲弊のリアルな現実を認めざるを得ない。28歳のエストラーダは前に出るスピード(瞬発力)とバネが素晴らしく、それでいて腰が重くパンチが流れず、キレと威力もカリム・アルセ戦とはまったくの別人。口さがない表現で申し訳ないけれど、同じスタイルと持ち味のまま、経年劣化してしまった状態。

チームを一新したとは言っても、エストラーダのボクシングは完成されており、特別な変化は無し。と言うか、変わりようがない。だ環境から離れて、新鮮な緊張感の中で出直しを図りたかったのだろう。


無論この時とは気合の入り方が違う筈だし、マウリシオ・スレイマン会長御自ら立会人を買って出ていることも、老雄(失礼)の背中をさらに強く押す効果を持つ。

公開練習時のシャープネスが、計量後のリバウンドでどこまで落ちるのか落ちないのか。キックボクサーとのエキジビションをしくじり、大失態をやらかしたパッキャオも、前日(前々日?)の練習では、すっきりと絞ったスリムな上半身と、不惑を超えたとは思えないスピーディな身のこなしで観る者を唸らせていた。

「日本人キックボクサーにいくらボクシングの心得があっても、これでは勝負にならない。」

誰もがそう思ったに違いないが、一晩明けてリングに立ったパッキャオは、見事にお腹の周囲が膨れてしまい、やたらとサイズだけは大きい韓国人とやった時とほとんど同じ。

格闘技団体が手掛ける草興行(ボクシングに関する限り)と、WBC王座への挑戦権を懸けたリアルなファイトを同列に語るつもりはないが、リバウンドによるスローダウンとスタミナへの悪影響が脳裏を過ぎる。

◎公開練習
<1>天心


<2>エストラーダ



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◎原点回帰で捲土重来を期すキックの天才児

初めてのKO負けを契機にチームを解散したエストラーダよろしく、天心もまた国際式転向以来コンビを組んできた粟生隆寛(元WBCフェザー,S・フェザー級王者)トレーナーの下を離れて、15歳の時から本格的にボクシングを習った葛西裕一(元WBA世界J・フェザー級1位)を指名。

帝拳と葛西が立ち上げた「GLOVESジム」だけでなく、キック時代の古巣「TEPPEN GYM」にも頻繁に顔を出し、こちらは原点回帰を強力にアピール。

どちらかと言えばバランスに重きを置く粟生トレーナーの方針に沿って、天心は素直かつ従順な姿勢を保ち、どこまでも生真面目にプロボクサーたらんと努力精進を続けてきた。

戦績は僅か8戦に過ぎないけれど、5戦目からはジェルウィン・アシロ(比),ジェイソン・モロニー(豪),ビクトル・サンティリャン(ドミニカ)と、手強い相手との連戦が続き、遂に迎えた昨年12月の世界戦。


序盤の優勢を活かせず、天心にまったく引けを取らない井上拓真のスピード、上下を抜け目なく打ち分けるコンビネーションと精度の高いジャブ、鋭く速いアッパーを食らって主導権を奪われ、見る間に流れとポイントを失った。

終わってみれば完敗。キック時代を通しての生涯初黒星(プロ)。経験の差をこれでもかと味わい悔し涙を零す。最大の持ち味であるスピード&クゥイックネスを自ら捨てて、遮二無二打ち合わない時が済まないメンタルの不安定さを克己して、拓真は自らのストロングポイントを信じ切って、キャンプで取り組んだ戦術を貫き通して勝利を掴んだ。

ボクシングに対して真面目過ぎて(?)、キック時代の奔放さはリングの上では鳴りを潜めて、「頭で考えながら動く」不自由さが目に付く。やはりバランス重視のイスマエル・サラスの指導を受け、悩みながら戦っていたプロ初期の村田諒太を見る思いがした。


葛西裕一との再会が、天心の心身を縛っていた「ボクシングへの馴化」という手かせ足かせから解き放ち、いい意味での自由な戦い方を取り戻すことができれば、エストラーダに取りこぼしたとしても、大きなプラスになると思えて仕方がない。

高いガードを保持したまま、時に小刻みに頭と肩を振って駆け引きしつつ、迷いの無い鋭い踏み込みもろとも、真っ直ぐ伸びるワンツーで一気に飛び込む。

パンチの重さと決定力はとりあえず置いといて、見事に老練エストラーダを攻略して新旧交代を強く印象付け、目出度くP4P入りも果たしたバム・ロドリゲスの突破を想起させる。丸ごとコピーは出来ないし、そのつもりも無いだろうけど、葛西トレーナーは相当に意識していたに違いない。


倒すことはハナから捨てて、スピード&シャープネスを前面に押し出し、公開練習のワンツーを軸に出はいりを繰り返しながら、ステップワークを絶やさず打たせずに打つボクシングに徹しさえすれば、中差の判定を呼び込めそう。

エストラーダの状態次第にはなるが、コツコツ守りながら攻め続けることで、後半の自滅(TKO)に追い込むことなら、けっして夢物語ではないと確信する。

一番まずいのは、真正面に立って受けに回ること。拓真に遅れを取った現実から目を背けることなく、自身のストロングポイントを信じ切って戦う。それこそが、何より大切なマインド・セットである筈・・・。


直前の賭け率も、実に微妙なラインを突いてきた。

□主要ブックメイカーのオッズ
<1>BetWay
エストラーダ:-190(1.53倍)
天心:+140(2.4倍)

<2> FanDuel
エストラーダ:-125(1.8倍)
天心:+110(2.1倍)

<3>ウィリアム・ヒル
エストラーダ:4/5(1.8倍)
天心:EVS(1.8倍)
ドロー:14/1(15倍)

<4>Sky Sports
エストラーダ:11/13(1.85倍)
天心:5/4(2.25倍)
ドロー:16/1(17倍)


◎ファイナル・プレッサー



◎エストラーダ(35歳)/前日計量:117.5ポンド(53.3キロ)
元WBC S・フライ級王者(V5),元WBA・WBO統一フライ級王者(V5)
現在の世界ランキング:IBF6位/WBO2位(WBA:ランク外)
戦績:49戦45勝(28KO)4敗
世界戦通算:15戦12勝(6KO)3敗
アマ通算;94勝4敗
身長:163センチ,リーチ:168センチ
計量時の検診データ
血圧:118/70
脈拍:67/分
体温:36.3℃
右ボクサーファイター

◎天心(27歳)/前日計量:118ポンド(53.5キロ)
現在の世界ランキング:WBA2位/IBF:7位/WBO11位
戦績:8戦7勝(2KO)1敗
世界戦:1戦1敗
キック通算:42戦全勝(28KO)
※各種のキック世界タイトルを総ナメ
身長:165センチ,リーチ:176センチ
左ボクサーファイター

◎前日計量



◎『独占密着 4.11 PRIME VIDEO BOXING 15』那須川天心、エストラーダ|プライムビデオ



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■オフィシャル

主審:マイケル・グリフィン(カナダ)

副審:
ケヴィン・スコット(米/ノースカロライナ州)
ダニエル・ヴァン・デ・ヴィーレ(ベルギー)
リム・ジュンバェ(韓)

立会人(スーパーバイザー):マウリシオ・スレイマン(WBC会長)


藤岡奈穂子が殿堂入り Part 1 - 女子選手史上21人目にして日本人初の栄誉 -

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昨年末(12月4日)、キャナストゥータから驚きの吉報が届く。2026年度のインダクティーとして、女子モダン部門に藤岡奈穂子が選出された。

同時に選ばれたのは、一足先に栄誉に浴したアナ・マリア・トーレス(2024年)とともに、女子王国メキシコの隆盛を牽引した最大の功労者であり、アナ・マリアと人気を二分したトップスター,ジャッキー・ナーヴァ。

男子の人気選手をアンダーに従えて、メヒコのボクシング・ファンを熱狂させた両雄は2011年に2度の直接対決が実現。1勝1分けでアナ・マリアに軍配が上がっている。

◎昨年12月5日に公開されたIBHOF(国際ボクシング殿堂)公式サイトの発表記事
MODERN BOXERS GENNADIY GOLOVKIN, ANTONIO TARVER, NIGEL BENN, NAOKO FUJIOKA & JACKIE NAVA ELECTED TO INTERNATIONAL BOXING HALL OF FAME
http://www.ibhof.com/pages/inductionweekend/2026/announce_26.html

そして周知の通り、男子のモダン部門には以下の3王者が顔を並べた。

IBA(旧AIBA)に代わるアマチュアの統括機関として、IOCから正式に承認されたワールド・ボクシングの会長に就任した”GGG”ことゲンナジー・ゴロフキン。

L・ヘビー級で長く無敵を誇った上、ヘビー級を制して出戻ってきたロイ・ジョーンズを衝撃的なKOで駆逐したアントニオ・ターヴァー(後にヘビー級進出)。2006年の暮れに公開された映画「ロッキー・ザ・ファイナル」にも出演。敵役の現役ヘビー級王者メイソン・ディクソンを演じるなど、リング内外を大いに賑わせている。


もう1人はミドル級とS・ミドル級の2階級で世界タイトルを獲得し、リング禍で世界中を騒然とさせたジェラルド・マクラレン戦の悲劇を乗り越えて戦い続けたナイジェル・ベン。

”ダーク・デストロイヤー”の異名を取ったベンは、親子二代に渡るライバル・ストーリーを繰り広げることになったクリス・ユーバンク、ケルトの勇者スティーブ・コリンズ、アイドル的な人気を得たハンサム・ボーイのロビン・リード、そしてWBOのベルトを連続21回守り、事実上の4団体統一を果たすジョー・カルザゲといった優れたタレントとともに、長らく停滞していた発祥の地,英国の再興に大きく寄与した。

王国アメリカに半歩でも1歩でも追いつくべく、欧州の中心軸とも言うべき英国とドイツは、新興のWBOとIBFを積極的に利用して世界チャンピオンを作り、マーケットの充実と繁栄にまい進する。

1984年に発足間もない第三の団体IBFによって新設され、1987年~88年にかけて老舗のWBAとWBCが追随し、4つ目のWBOも足並みを揃えたS・ミドル級は、息も絶え絶え(?)だった英国のボクシング界に、見違えるような活況をもたらす原動力となった。

ショーマンシップ全開の入場パフォーマンスで注目を集めたユーバンクに続き、軽量級に出現した破戒無慚の異端児ナジーム・ハメドは、驚嘆すべき柔軟性とムーヴィング・センスに豪打を併せ持ち、セオリー無視の破天荒なスタイルが国際的な規模で人気を博したが、試合ごとに手を変え品を変え、豪華な衣装と演出で趣向を凝らした入場は、ユーバンクの発展形と表して間違いない。

◎ゲンナジー・ゴロフキン、ナイジェル・ベン、アントニオ・ターバーが主役 国際ボクシング殿堂2026年クラスが発表
2025年12月4日/リング誌公式
https://ringmagazine.com/ja/news/gennady-golovkin-nigel-benn-antonio-tarver-headline-hall-of-fame-2026-ja


さて、国際ボクシング殿堂(ニューヨーク州キャナストゥータ)が女子選手の表彰をスタートしたのは、武漢ウィルスが猛威を振るい始める2020年(選考期間は2019年秋~12月初旬頃)。「モダン(ラストファイト:1989年~)」と、「先駆者:Trailblazer(トレイルブレイザー/ラストファイト:~1988年)」の2部門で構成されている。

選出基準が緩和されたのもこの年からで、「ラストファイトから5年経過」→「3年経過」に短縮された。IBHOF(国際ボクシング殿堂)が1990年に発足する際、そっくり引き継いだ「リング誌殿堂」が定めていた元々の基準は、確か「引退後5年経過」だったと思う。

例によって、短縮に対する賛否両論が渦巻いた模様。冷静な評価の為に必要とされるクールダウン(冷却期間)は、果たしてどちらが適切なのか。「5年は長過ぎる」という声は、以前から上がっていたらしいけれども・・・。

昨年までの6年間に、功績を認められて名誉の博物館に招かれた女子選手は総勢19名。始まったばかりだから仕方ないが、モダン部門は以下に挙げる13名しかいない(先駆者部門6名)。

◎殿堂入りした女子選手
■2020年度
ルシア・ライカ(オランダ)
クリスティ・マーティン(米)
※先駆者部門:バーバラ・バトリック(英)
ルシア・ライカ(左)とクリスティ・マーティン(右)2020年第1回選出

■2021年度
レイラ・アリ(米)
アン・ウルフ(米)
※先駆者部門:ジャッキー・トナワンダ(米)マリアン・トリミアー(米)
レイラ・アリ(左)とアン・ウルフ(右)2021年第2回選出

■2022年度
ホーリー・ホルム(米)
レッジーナ・ハルミッヒ(独)
※先駆者部門:選出無し
ホーリー・ホルム(左)とレッジーナ・ハルミッヒ(右)2022年第3回選出

■2023年度
アリシア・アシュリー(アシュレー/ジャマイカ)
ラウラ・セラノ(メキシコ)
※先駆者部門:ジョアン・ハーゲン(ヘイゲン/米)
アリシア・アシュリー(左)とラウラ・セラノ(右)2023年第4回選出

■2024年度
ジェーン・カウチ(英)
アナ・マリア・トーレス(メキシコ)
※先駆者部門:テレサ・カービー(米)
ジェーン・カウチ(左)とアナ・マリア・トーレス(右)2024年第5回選出

■2025年度
メアリー・ジョー・サンダース(米)
ジェシカ・チャベス(メキシコ)
アンヌ・ソフィー・マティス(仏)
※先駆者部門:キャシー・”キャット”・デイヴィス(米)
メアリー・ジョー・サンダース(左),ジェシカ・チャベス(中),アンヌ・ソフィー・マティス(右)2025年第6回選出

○○○○○○○○○○○○○○○○○○
■2026年度・・・新たに加わった2王者
ジャッキー・ナーヴァ(メキシコ)
藤岡奈穂子(日)
※先駆者部門:選出無し
ジャッキー・ナーヴァ(左)と藤岡奈穂子-2026

◎IBHOF(国際ボクシング殿堂)公式サイト
<1>Women's Modern Category(女子モダン部門)
http://www.ibhof.com/pages/about/inductees/women_modern.html

<2>Women's Trailblazer Category(女子先駆者部門)
http://www.ibhof.com/pages/about/inductees/women_trailblazer.html


余りにも強過ぎて相手が見つからず、遂には男性のムエタイ戦士(プロの無名選手)と真剣勝負(形式上はエキジビション=ノーヘッドギアのリアルファイト/結果は凄絶なKO負け)で戦い、キックと国際式で無敗のまま引退。”史上最強の女子格闘家”と称されたルシア・ライカ。

90年代に忽然と現れ、女子ボクシングの本格的な勃興を支えた最初にして最大のスター,クリスティ・マーティン、王国アメリカの女子重量級を支配したレイラ・アリとアン・ウルフ。

多くの女子選手と同様、キックを出発点に国際式で大きな成功を収めた後、MMAに転じてあっという間にUFCの頂点に登り詰めたホーリー・ホルムは、まさしくルシア・ライカの後継者。そして、アナ・マリアとジャッキーのメヒコ・ツートップ。

彼女たちの列に、日本の女子選手が並び立つ。その日がこんなに早く訪れるとは・・・。


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◎長期防衛よりも複数(多)階級制覇

栄えある殿堂の門をくぐる最初の日本人女性が、WBCアトム級のベルトを連続17回も守り、最後の試合で階級を1つ上げて、黒木優子(Yuko)から同じWBCのM・フライ(ストロー/ミニマム)級を奪い、2階級制覇を達成して王者のままリングを去った小関桃(青木)ではなく、大胆にウェイトを増減させながら、M・フライ級からバンタム級までの5階級を獲った藤岡だった。

この事実は、プロボクサーに対する評価基準についてあらためて思いを馳せる時、実に象徴的な出来事のように思える。

小関桃(左)と藤岡奈緒子(右)

1つの階級を可能な限り長く保持すること。そして1回でも数多くベルトを防衛して、安定政権を築く。それこそが王者としての最大の誉れであり、名声だけでなく経済的な成功をも意味する、プロボクシングの歴史に連綿と受け継がれてきた揺ぎ無い評価基準だった。

そうした歴史の頂点に立つのが、11年に及ぶ在位期間(第二次大戦による4年間の中断を含む)に、25回連続防衛のとてつもない記録を樹立した不世出のヘビー級王者ジョー・ルイス(米)であることに、真正面から異論を差し挟む者はいないだろう。

70年代と80年代のミドル級に、それぞれ無敵の王者として君臨したカルロス・モンソン(亜/V14)と”マーヴェラス”・マーヴィン・ハグラー(米/V12)、70年代前半のウェルター級を支配し、事実上のP4Pキング的存在でもあった”マンテキーヤ”・ホセ・ナポレス(キューバ/2度の載冠で通算V13)、時を同じくしてL・ヘビーを治めたボブ・フォスター(米/V14)は、偉大な”ブラウン・ボンバー”とともに、伝統的な価値観を体現する名王者と称して間違いない。

左から:ジョー・ルイス,ボブ・フォスター,モンソン,ナポレス


世界最強の称号たるヘビー級の覇権を巡る抗争に端を発した、「英国(発祥の地) vs 米国(隆盛する新大陸)」の激しい主導権争いは、英国を中心とした欧州がいち早く立ち上げた史上初の世界王座認定機関と、10年近く遅れて発足した米国版世界王座認定機関の衝突=「IBU(現在のEBU) vs NBA(現在のWBA)」へと引き継がれる。

さらには、米国内における「NBA vs NYSAC(ニューヨーク州アスレチック・コミッション)のバトル。互いの面子とプライドを剥き出しに対峙する近親憎悪が、NBA王者とニューヨーク州王者(トップスター同士)の激突というドラマを生む。

近代ボクシングが産声を上げた19世紀半ば以降、欧米には真の世界一を決める「王座統一」の歴史と伝統が一貫して存在した。

さらにWBAとWBCが分裂して2団体時代に突入した70年代以降、A・C2団体の統一という絶対的な価値基準が加わる。1つの階級に2人の世界一は要らない。あってはならない。それが当たり前の常識であり、疑う余地のない当然の在り様でもあった。

価値観の大転換が始まったのは、忘れもしない1981年・・・。


※Part 2 へ


リヤドのリング初見参 /モンスターらしい豪快なKO決着に期待(P4P1位復帰へ) - Night of The Samurai プレビュー II -

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■12月26日/モハメド・アブドゥ・アリーナ,リヤド(サウジアラビア)/4団体統一世界S・バンタム級タイトルマッチ12回戦
4団体統一王者 井上尚弥(日/大橋) vs WBC1位 アラン・D・ピカソ(メキシコ)



※フル・プレス・カンファレンス(Lemino公式)
https://www.youtube.com/watch?v=QaeMjaIWDDA


「今後のキャリアをより加速させて行く一戦。この試合の内容がパウンド・フォー・パウンド1位への返り咲きを左右する。」

驚異的な集中力と節制でカネロを圧倒。3階級で4団体を統一したテレンス・クロフォードの引退表明を受けて、「P4PのNo.1は自分以外にいない」と明言(Leminoで公開されたドキュメンタリー)したモンスターにとって、「今度こそ下手は打てない」と言ったところだろう。

「どんな展開になるにしろ、最後はしっかりKO決着したい。」

「本番は来年なので・・・」

◎12月13日の公開練習時に行われた会見


※拓真とのライト・スパー



今月13日に行われた公開練習(話題となった拓真とのライト・スパー)時のインタビューでも、完璧と言っても過言ではないヒット&アウェイを貫徹したアフマダリエフ戦とは違い、本来の倒し切るスタイルで戦うと語っている。

「冷静にボクシングの美しさを見せながら、時に残酷さ・・すべてミックスして勝ちたい。」

◎密着ドキュメンタリー PRELUDE TO THE DREAM MATCH 井上尚弥 vs アラン・ピカソ ~夢舞台への前奏曲~(ハイライト短縮版)
2025年12月12日公開/Lemino公式



にしても、「サムライ・ナイト」とは良くぞ名付けたものだ。

毎年秋に開幕するリヤド・シーズンの2025年末尾を飾るボクシング・イベントに、井上尚弥を始めとする日本のトップ・ボクサー6名が終結。メキシコから総勢4名の選手(挑戦者3名)と王者1名を呼び、「日本 vs メキシコ」の国別対抗戦を仕掛けた。

◎The Night of Samurai 対戦カード
<1>4団体統一S・バンタム級王座戦
井上尚弥(大橋) vs アラン・デヴィッド・ピカソ(メキシコ)

<2>S・バンタム級12回戦
中谷潤人(M.T) vs セバスティアン・エルナンデス(メキシコ)

<3>IBF J・バンタム級王座戦
ウィリバルド・ガルシア(メキシコ) vs 寺地拳四朗(B.M.B.)

<4>WBA S・フェザー級暫定王座戦
ジェームズ・ディケンズ(英) vs 堤駿斗(志成)
※堤の負傷(眼窩底骨折の重症)により中止

<5>ライト級10回戦
今永虎雅(いまなが・たいが/大橋) vs アルマンド・マルティネス(キューバ)

<6>S・バンタム級8回戦
堤麗斗(志成) vs レオバルド・クィンタナ(メキシコ)


主役は間違いなくモンスターとビッグ・バンの両雄であり、来年5月の東京ドームを睨んだ前哨戦の位置づけ。トゥルキ長官の覚えも目出度い堤兄弟と、大橋会長が次期王者の最右翼と期待する今永の国際舞台へのデビューを兼ねる。

ファイナル・プレッサーに現れたピカソが、「(土曜は)サムライ・ナイトではなく、”アステカ・ナイト”になる」と言って、同胞と思われるファンから拍手を浴びていたが、一昔前なら「メキシコ vs プエルトリコ」の対抗戦になっていたに違いない。

「老害は黙っとけ」

若いファンの皆さんにお叱りを受けそうだが、プロにおいては王国アメリカに肩を並べるボクング大国メキシコも、トップクラスのレベルが落ちたなと言わざるを得ない。


マルコ・A・バレラ,エリック・モラレス,ダニエル・サラゴサ,ラファエル・マルケス,イスラエル・バスケス,オスカー・ラリオスらに比肩し得る存在は皆無で、才能の払底を本気で心配してしまう。

メキシコの東大(?)に当たる最高学府で脳科学を学び、二束のわらじを履く秀才は、ことボクシングに関する限り筋金が入り切ってはいない。ところが、いささかひ弱に見えるその秀才を、永らくメキシコシティに本部を置くWBCが、本来タレントがひしめいて仕方が無かった筈の、122ポンドの1位に据えて強力にバックアップする。

これもまた、一昔前なら有り得ない事態。

軽量級にしか世界で活躍する場が無い日本のボクサーが、まさかこんな形で脚光を浴びる日が来ようとは。昭和を生きたオールド・ファンは、唯々我が眼を疑い感慨に耽るばかり・・・。

◎Naoya Inoue & Junto Nakatani EXCLUSIVE JOINT SITDOWN INTERVIEW | Mr. Verzace Podcast | Ep. 5
2025年12月25日公開/リング誌公式



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「ノーベル賞と世界チャンピオン」

人生で成し遂げるべき目標について、25歳の若者アラン・デヴィッド・ピカソはそう述べている。

ピカソといえばパブロ。日本人の大多数が、おそらくそう答える筈。戦乱の悲劇と反戦を描いた大作「ゲルニカ」で知られるキュビスムの天才画家は、スペインのマラガに生を受けた。

絵画の大家と同じスペイン語を話し、実父アロンソの指導を受け、まずはボクサーとしての頂点を目指すピカソについて、我々日本のファンは詳しい来歴をほとんど知らない。

であるからこそ、7月に組まれた亀田京之介(MR)との10回戦は、その実像を知るのに打ってつけのテストマッチとなった。そしてその内容と結果は、日本だけでなく世界中のファンと関係者を大いに落胆させた。

デビュー戦でTKO負けを喫し、新人王戦(一応決勝まで進んだ)とユース王座戦も落とした京之介は、数々のジムを渡り歩きながら腕を磨き、中川麦茶(ミツキ)や元世界王者すりヤン・ソー・ルンヴィサイらを破って浮上。

今年2月にメキシコに渡り、ティファナでルイス・ネリーと対戦。ほぼワンサイドで打ちまくられ、いいところなく7回TKOに退いている。亀田3兄弟と血縁関係ににあり、悪餓鬼キャラで売り出したものの、実力がまったく追い付いて行かず、心あるファンからも見放されてしまった。

そんなを相手にチューンナップに臨んだピカソは、フェザー級を主戦場にする京之介との体格差に苦しみ、打っては打ち返される見栄えの悪い展開に終始。勝利自体に問題は無かったけれど、2-0のマジョリティ・ディシジョンで株を落とす。

調整試合の多くをフェザー級で行っているピカソだったが、リバウンドで大きくなった京之介とは一回りサイズが違い、コンビネーションとカウンターで効かせる場面もありながら、決定的なチャンスに結びつけることができなかった。

◎ピカソの試合映像
<1>亀田京之介戦:10回2-0判定勝ち
2025年7月19日/MGMグランド(ラスベガス)
フェザー級契約10回戦
オフィシャル・スコア:98-9,97-93,95-95
https://www.youtube.com/watch?v=WZTy54uld6A

<2>アザト・ホヴァニシアン戦:
2024年8月24日/アレナ・シウダード・メヒコ(メキシコシティ)
WBCシルバーS・バンタム級王座戦(V1)
オフィシャル・スコア:118-110×2,120-108
https://www.youtube.com/watch?v=g19sqbyQQtY

※ピカソもエルナンデスと同様、老雄ホヴァニシアンから上げた白星が出世試合


昨年モンスターへの挑戦が内定と報じられた際にも、「今やっても勝ち目はゼロ以下」「止めといた方がいい」と、同胞の元王者や著名なトレーナーらがこぞって諌める異常事態が発生。一転して陣営が撤退を表明すると、「賢明な決断」との見方が大勢を占めた。

もっともピカソ本人はSNSでやる気を訴え続け、「ダック(逃げて)してなんかいない」と自身の本意ではないことを強調。「知らないうちにキャンセルされていた。何時でも戦う」と、半ば怒りを交えながらの強弁を繰り広げる。

それだけに、京之介戦の出来に否が応でも注目が集まり、期待に反する拙戦が招いたファンの失望に対して、「理系の単位取得に追われて、充分な準備ができなかった」とエクスキューズ。


大学で医学を学び、優れた医師になることを夢見ながら、チャンピオンのまま交通事故で若い生命を散らしたサルバドル・サンチェスに例える者も少なくないが、プロボクサーとしての到達点には天地の開きがある。

直前のオッズはマージンがワイド過ぎて、もはや賭けとしての体を為さない。

□主要ブックメイカーのオッズ
<1>BetMGM
尚弥:-3000(1.03倍)
ピカソ:+1100(12倍)

<2>シーザース
尚弥:-3500(1.03倍)
ピカソ:+1300(14倍)

<3>ウィリアム・ヒル
尚弥:1/33(1.03倍)
ピカソ:10/1(11倍)
ドロー:25/1(26倍)

<4>Sky Sports
尚弥:1/20(1.05倍)
ピカソ:13/1(14倍)
ドロー:40/1(41倍)

◎公開練習


※フル・メディア・ワークアウト(Matchroom公式)
https://www.youtube.com/watch?v=9DdqZMibZXU

ピカソのボクシングは、積極果敢に攻勢をかけるメキシカン・スタイルを基調に、ブロック&カバーを主体に守る正攻法のボクサーファイト。中谷と対戦するエルナンデスと良く似ているけれど、比較すれば身体とパンチにキレもあるし、攻め込む際の力強さも感じさせてくれる。

攻防のまとまりも良く、良くも悪くもソツがない。がしかし、まとまりの良さとソツの無さが、試合運びの巧さやポイントメイクに直結しているとは言い難く、多くの同胞が思わず辛口の忠告に逸るのもむべなるかな・・・。

東京ドームのネリー戦、ラスベガスの大会場で行われたカルデナス戦のように、イレ込み過ぎることなく冷静さを保ち、立ち上がりを丁寧にまとめて攻め急ぎさえしなければ、遅くとも中盤6~7ラウンドまでには終わるべくして終わる。

気をつけるべきは、ピカソと陣営のモチベーションの高さあるのみ。キャリアハイの報酬に止まらず、モンスターのすべてを奪う為に、キャリアハイの準備と仕上がりで挑んで来るに違いない。


「(自分と戦う相手は)モチベーションが違う。映像で確認できる実力より、5~6割増しを想定して準備する。」

モンスター自らがそう述べている通り、くれぐれも油断は禁物。


◎井上(32歳)/前日計量:121.5ポンド(55.1キロ)
戦績:31戦全勝(27KO)
世界戦通算:27戦全勝(24KO)
---------------------------
■4階級制覇・2階級+4団体統一
WBA(V2)・WBC(V3)・IBF(V2)・WBO(V3)4団体統一王者
前4団体=WBA(V7)・IBF(V6)・WBC(V1)・WBO(V0)統一バンタム級王者.元WBO J・バンタム級(V7),
(1)WBC L・フライ級:2014年4月6日~2014年11月6日(V1/返上)
(2)WBO J・フライ級:2014年12月30日~2018年3月6日(V7/返上)
(3)WBAバンタム級:2018年5月25日~2023年1月13日(V8/返上)
(3)IBFバンタム級:2019年5月18日~2023年1月13日(V6/返上)
(4)WBCバンタム級:2022年6月7日~2023年1月13日(V1/返上)
(4)WBOバンタム級:2022年12月13日~2023年1月13日(V0/返上)
(5)WBC・WBOバンタム級:2023年7月25日~在位中(V6)
(6)WBA・IBFバンタム級:2023年12月26日~在位中(V5)
---------------------------
元OPBF(V0),元日本L・フライ級(V0)王者

アマ通算:81戦75勝(48KO・RSC) 6敗
2012年アジア選手権(アスタナ/ロンドン五輪予選)銀メダル
2011年全日本選手権優勝
2011年世界選手権(バクー)3回戦敗退
2011年インドネシア大統領杯金メダル
2010年全日本選手権準優勝
2010年世界ユース選手権(バクー)ベスト16
2010年アジアユース選手権(テヘラン)銅メダル
身長:164.5センチ,リーチ:171センチ
※ドネア第1戦の予備検診データ
右ボクサーパンチャー(スイッチヒッター)


◎ピカソ(25歳)/前日計量:121.1ポンド(54.9キロ)
戦績:33戦32勝(17KO)1分け
※アマ経験を含む詳しい来歴は不明
身長:173センチ,リーチ:178センチ
右ボクサーファイター

◎前日計量


※フル・ウェイイン
https://www.youtube.com/watch?v=E1tChZUx4Cs


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■リング・オフィシャル:未公表

”ビッグ・バン”のお披露目興行 /中谷潤人4階級制覇に向け初陣へ - Night of The Samurai プレビュー I -

カテゴリ:
■12月26日/モハメド・アブドゥ・アリーナ,リヤド(サウジアラビア)/S・バンタム級契約12回戦
WBA1位/3階級制覇王者 中谷潤人(日/M.T) vs WBA位



※フル・プレス・カンファレンス(Lemino公式)
https://www.youtube.com/watch?v=QaeMjaIWDDA

来年5月の東京ドームに向けて、”愛の戦士”あらため”ビッグ・バン”を名乗る中谷が、ラスベガスを超えるMMA&ボクシングのメッカを目指すリヤドで、S・バンタム級の初陣を迎える。

現地入りしてすぐに会見と公開練習をこなすハードな日程を縫って、モンスターと一緒にインタビューも行なわれた。ベルトこそ懸けられていないが、ダブルメインの扱いであることに間違いはない。

122ポンドに上げて生じた4ポンドの余裕は、削げ落ちた頬と土気色の表情に相応の生気を与えてくれた。やつれた感さえ否めなかったバンタム級の後半に比べれば、一息つけたのは確かにしても、本人が話すほど「楽になった(減量が)」のかどうかは・・・。

仕上がりそのものは順調な様子で、まずは一安心。

◎公開練習


※フル・メディア・ワークアウト(Matchroom公式)
https://www.youtube.com/watch?v=9DdqZMibZXU

◎Naoya Inoue & Junto Nakatani EXCLUSIVE JOINT SITDOWN INTERVIEW | Mr. Verzace Podcast | Ep. 5
2025年12月25日公開/リング誌公式



「P4PのNo.1」を目標に掲げて、モンスターとの大一番を控える3冠王のテストマッチに呼ばれたのは、20勝(18KO)のレコードを誇る25歳のメキシカン。175センチのタッパに恵まれた大型パンチャーの触れ込み。

エリックとディエゴのモラレス兄弟、トニー・マルガリート,ラウル・”ヒバロ”・ペレス,ファン・F・エストラーダ,ハイメ・ムンギア,ジャッキー・ナーヴァら、錚々たる面々を輩出したティファナの出身で、エリック・モラレスのコーナーでアシスタントを任されていたフェルナンド・フェルナンデスがチーフ・トレーナーを務めている。

2020年11月デビュー~2022年8月の10戦をバンタム級で戦い、2022年11月以降S・バンタム級に定住。2戦目(4回戦)で判定勝ちを収めた後、出世試合となった今年5月のアザト・ホヴァニシアン(アルメニア)戦(10回判定勝ち)まで、17試合連続KO勝ちを続けていた。

メキシコ国内では、大物プロモーター,フェルナンド・ベルトラン(最大手の興行会社プロモシオネス・サンフェル)の傘下で戦っており、初渡米が叶った2024年9月のヨンフレス・パレホ(ベネズエラ)戦をきっかけに、サンディエゴに活動拠点を設けてティファナとの往復を継続中。


40歳を目前にした大ベテランのパレホは、かつてバンタム級でWBAの暫定王座に就いたとは言え、会長職を実の父親から禅定されたメンドサ・ジュニアがとち狂い、ありとあらゆる批判にも臆せず(馬耳東風)、スーパー・正規・暫定の3人王者制にまい進・乱発していた10年以上も前のこと。

猛威を振るう武漢ウィルス禍により、2020年と2022年をそれぞれ丸々1年休み、2021年暮れにメキシコ国内で行われた亀田和毅戦(12回0-3判定負け)の後、2023年2月にも亡命キューバ人のアリエル・ペレスに8回0-3判定負け。

KO(TKO)を免れている点だけは、技術と経験の賜物と見るべきだろうが、試合枯れが続く中での連敗はそのままキャリアの終焉を如実に示しており、「勝って当然」のオールド・タイマー。危なげなく攻め続けて棄権に追い込んだが、トップランクを正式契約へと動かすには至らなかった模様。


アルメニアの勇敢なファイター,ホヴァニシアンもまた、37歳の高齢に加えて、ルイス・ネリー(2023年2月/11回KO負け)、ピカソ(2024年8月/12回0-3判定負け)と連敗中で試合間隔が空いていた。

フィジカル・タフネスとインファイトを売りにしてきた”クレイジーA(Crazy A)”も、激闘による疲労と加齢の影響は明らか。世界ランクからも外れて久しく、第9ラウンドにはホールディングで減点されるなど昔日の面影は無し。

正式な引退こそ表明していないけれど、階級を上げて来た元王者に続いて、メキシコのホープ2人の踏み台となり、その役割を終えた。


現在のランキング(WBC10位・IBF12位・WBO11位)が示す通り、米国内ではほとんど無名と言って良く、ベルトランの盟友ボブ・アラム率いるトップランクとの友好的な関係を保ちつつ、フレディ・ローチやロベルト・ガルシア、ジョエル・ディアス,アベル・サンチェス,ボブ・サントス等々,カリフォルニアで活動する著名なトレーナーに付いたという話も聞かない。

詳細なインタビューも当然行われておらず、アマ経験の有無も含めた詳しい来歴は不明。現時点での評価についてあえて申せば、「戦績だけはいいメキシコのローカル・トップ」といったところだろうか。


◎試合映像
<1>A・ホヴァニシアン戦:10回3-0判定勝ち
2025年5月10日/パチャンガ・アリーナ(カリフォルニア州サンディエゴ)
https://www.dailymotion.com/video/x9jaydw
---------------------------
オフィシャル・スコア:98-91×3
主催:トップランク/配信:ESPN+
メイン:レイモンド・ムラタラ UD12R ザウル・アブドゥラエフ(IBF暫定ライト級王座戦)/エマニュエル・ナバレッテ NC8R チャーリー・スアレス(WBO J・ライト級王座戦]
※スアレスはリオ五輪代表(ライト級)からプロ入りしたフィリピン期待の中量級ホープ(29連勝10KO)。バッティングによるナバレッテの負傷判定勝ち→ノーコンテストに変更(カットは正当な打撃によるものと判明=WBOはリマッチを指示)

<2>Y・パレホ戦:4回終了TKO勝ち
2024年9月20日/デザート・ダイヤモンド・アリーナ(カリフォルニア州グレンデール)
https://www.dailymotion.com/video/x960f64
---------------------------
オフィシャル・スコア(第4ラウンドまで):39-37×2,40-36
主催:トップランク/配信:ESPN+,ESPN Knock Out
メイン:ハイメ・ムンギア KO10R エリック・バジニアン
※チャーリー・スアレスの再起戦(3回TKO勝ち)も行われた、


ブロック&カバーで守りながら、厚みのある上半身と太い下半身に支えられたフィジカルを武器に、圧力をかけ続け前進を繰り返す真っ正直な正攻法。Boxrecの身体データには間違いも多く、165センチの記載が事実か否かは別にして、映像で見る限りリーチは短い。

身体的な特徴ゆえに、ロング・ジャブで突き放すアウトボックスは難しく、恵まれたサイズを最大限に活かすプレス・スタイルを採ったとの印象。

エマニュエル・ナバレッテが得意にする、カマのように大きな弧を描いて、アウトサイドから遅れ気味に着弾するメキシカン特有のフック%アッパーも無い。ジャブを突きながら、ショートのワンツーとフックを軸に、インサイドからのアッパーを混ぜたベーシックなコンビネーションで時間をかけて切り崩す。

極めて高いKO率に相応しい爆発力、1発でし止める圧倒的なパワーも感じられない。実直で派手さの無いボクシングだが、その分堅実とも言える。具体的な数値は不明ながら、リバウンドの幅はかなりありそう。

長身選手にありがちなギクシャクとした動き、腰高な不安定感が少ないのは、無闇に振り回さないスタンダードなボクシングのお陰で、余計な力みが無いことが一番の要因だとは思うけれど、リバウンドの効用も無視はできない。

◎RAW WORK | JUNTO NAKATANI SPARRING FOR NIGHT OF THE SAMURAI | BOXRAW



率直に申し上げて、「いい相手が見つかったな」と思う。中谷に見劣りしないサイズを持ち、ワンパンチ・フィニッシュの怖さは無く、柔らかい割りには変化にも乏しい。頑丈そうではあるし、守りもそれなりにしっかりしている為、そう簡単に倒れそうにないのも好ましい。

アップセットの要素は限りなくゼロに近く、オッズも大きく差が開いている。

□主要ブックメイカーのオッズ
<1>BetWay
中谷:-1587(1.06倍)
エルナンデス:+700(8倍)

<2>FanDuel
中谷:-1500(1.07倍)
エルナンデス:+1000(11倍)

<3>ウィリアム・ヒル
中谷:1/12(1.08倍)
エルナンデス:11/2(6.5倍)
ドロー:20/1(21倍)

<4>Sky Sports
中谷:1/12(1.08倍)
エルナンデス:4/1(5倍)
ドロー:25/1(26倍)


明白な力の差を見せるのは当然で、余り時間をかけず綺麗に倒し切りたいところではあるが、西田凌佑との統一戦で見せた一気呵成の攻勢ではなく、しっかり距離をキープしながら、出所のわかりにくいジャブで内・外を丁寧に打ち分けつつ、ガードの隙をスピードに注力した速い左で抜け目なく打ち抜く。

ノックアウトを無理に急がず、理詰めの崩しで静かに仕掛けた方が、却ってチャンスの到来を早めるのではと、そんな気がする。

とは言え身体はあるので、「まともにやっていたら勝てない」と覚悟を決め、ガードそっちのけでブンブン振り回してきたら、”まさかの一撃”がまったく無いと言い切ることはできない。

前後だけでなく両サイドを余すところなく使い、いつも以上に隙の無いボクシングを徹底して、窮鼠猫を噛む間も与えないぐらい圧倒して欲しいし、この相手なら十二分にできる筈。、


◎中谷(27歳)/前日計量:121.6ポンド(55.1キロ)
戦績:30戦全勝(23KO)
世界戦通算:10戦全勝(9KO)
※5連続KO更新中
---------------------------
■3階級制覇
(1)WBOフライ級:2020年11月6日~2022年10月27日(V2/返上)
(2)WBO J・バンタム級:2023年5月20日~2023年12月14日(V1/返上)
(3)WBCバンタム級:2024年2月24日~2025年9月18日(V4/返上)
(4)IBFバンタム級:2025年6月8日~9月18日(V0/返上)
※2団体統一
---------------------------
元日本フライ級(V0/返上),元日本フライ級ユース(V0/返上)王者
2016年度全日本新人王(フライ級/東日本新人王・MVP)
---------------------------
アマ戦績:14勝2敗
身長:173センチ,リーチ:176センチ
左ボクサーパンチャー


◎エルナンデス(25歳)/前日計量:120.8ポンド(54.7キロ)
WBC10位・IBF12位・WBO11位(WBAランク外)
戦績:20戦全勝(18KO)
身長:175センチ,リーチ:165センチ
右ボクサーファイター

◎前日計量


※フル・ウェイイン
https://www.youtube.com/watch?v=E1tChZUx4Cs


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■リング・オフィシャル:未公表


43歳の閃光三度び日本のリングへ - 両国トリプル世界戦プレビュー 【堤 vs ドネア Part 2】 -

カテゴリ:
■12月17日/両国国技館/WBA世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
正規王者 堤聖也(日/角海老宝石) vs 暫定王者 ノニト・ドネア(比)



「倒されたら立ち上がって倒し返せばいい」

「今のドネアに負けることは許されない」

「ずっとずっと準決勝にいる感じです」

発する言葉の端々に、この試合に懸ける堤の覚悟が滲み出る、自身に有利なオッズについて聞かれれば、「ドネアを低く見過ぎ」だと意に介さず、必殺の左フックに対する警戒とともに、「何が何でも突破しなければ(すべてが水泡に帰す)」との決意が溢れ出す。

<1>BetMGM
堤:-275(1.36倍)
ドネア:+230(3.3倍)

<2>シーザース
堤:-380(1.26倍)
ドネア:+260(3.6倍)

<3>ウィリアム・ヒル
堤:2/7(1.29倍)
ドネア:11/4(3.75倍)
ドロー:14/1(15倍)

<4>Sky Sports
堤:4/11(1.36倍)
ドネア:3/1(4倍)
ドロー:18/1(19倍)


本来ならば、7月にやる予定だった暫定王者アントニオ・バルガス(米)とのWBA内統一戦を、2年前から不調を訴えていた左眼の手術を理由に延期。堤は休養王者への横滑りを余儀なくされ、バルガスが正規へと昇格。

手術は左右両眼に行われ、無事な回復が伝えられると、ペンディングになっていたバルガス戦が12月17日開催でフィックスされるも、今度はバルガスが私的理由(母親の逝去による精神的なショック)で戦線離脱。

何とか日本開催に持ち込み、承認料の荒稼ぎを狙うお手盛りとは言え、6月にアルゼンチンで暫定王座を獲得したドネアとの対戦をWBAが義務付け。キャリア最大のライバルでもあり、戦友でもある比嘉大吾(白井具志堅→志成)に引導を渡した格好のバルガスの撤退は、堤のモチベーションに少なからぬ影響を与えたに違いない。

なおかつ代わりに浮上したドネアは、どこからどう見てもキャリアの終幕を迎えており、最短での殿堂入りを確実視されているとは言え、半ば「勝って当たり前」と表すべき状況。戦友比嘉の敵討ちという、年末に打ってつけのストーリーも含めて、色々な意味でバルガスの方がやり易かった。


バルガス戦を飛ばす原因となった眼疾は、懸念材料の筆頭。ファンなら誰もが気がかりで心配をしている筈。左眼の角膜に傷ができてしまい、痛みと濁りで酷い時はまともに目を開けていられなかったというから、そんな状態でキャリアを左右する大勝負をよく続けていたものだと驚くばかり。

症状を放置して治療が遅れれば、角膜の上皮が欠損するなどして、より深い層にまで病巣が浸透。角膜潰瘍を発症する恐れもあるという。角膜を傷つける原因のトップは、コンタクトレンズ装着時のアクシンデントとのことだが、堤の場合、やはり激闘の代償で負った戦傷ではないかと疑ってしまう。

今後も戦い続けていく以上、傷病名や状態をつまびらかに出来ない事情は理解するけれど、そうであるがゆえに心配も尽きない。手術が両眼に及んだという点も、詳細を知ることができないファンの不安を増幅する。「もう問題ない。万全です」と語る堤の言葉を、今はただただ信じるしかない。


◎公開練習
2025年12月3日/oricon


オープン・ワークアウトの堤は、パンチにも動きにもキレがあって好調そのもの。石原トレーナーとのミットワークでも、鋭いジャブから小気味のいいショートのコンビネーションを叩き込み、これだけ見ていれば頼もしい限り。

前日計量にはゲッソリ殺げた頬で登場。大胆にウェイトを上げ下げしてきたドネア以上に、減量は過酷さを増している様子。止むを得ないことではあるが、ここからのリカバリー,回復が何よりも重要になる。

◎計量後の囲み取材
2025年12月16日/oricon



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◎参考にすべきサンティアゴの戦い方

公称159センチのアレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)は、あえて遠目の中間距離をベースにして、左フックのカウンターを徹底して警戒しながら、鋭く素早い踏み込みで大きなドネアとの距離を潰すことに成功した。

同じ位置に留まらないよう、頭の位置にも気をつけつつ、踏み込む時にはさらにクラウチングを深くして、西岡利晃を沈めた(右)アッパー対策も兼ねるなど、至るところに工夫の跡が伺える。

もともとドネアのディフェンスには穴が多く、特にジャブを貰う確率が高い。あれだけの攻撃力と決定力があれば、オフェンスに偏重しがちになるのは当然で、左リードを無造作に出しては、引き手の戻りがおざなりになるところへオーバーハンドの右を狙い打たれる場面も増えた。


”フィリピノ・フラッシュ”の語源となったスピード&シャープネスを最大限に活かし、先に右(オーソドックス)を打たせておいて、一瞬遅らせてクロスで放つ電光石火の左フックは、”後の先”とも言うべき芸術の域に達していた。

加齢と勤続蓄積により、ダルチニアン,シドレンコ,モンティエルを血祭りに上げた当時の絶妙なタイミングは失われたが、破壊力は健在と見るのが妥当で無難。ドネアに容易に肉薄されない為にも、立ち上がりの早い時間帯に、当たらなくてもいいから(左右どちらでも)強打を見舞っておきたいところではある。

ただし、ドネアが元気な前半戦(3~4ラウンズ)の間は、正面突破の突進はしない方がいい。賢明なサンティアゴがやったように、どちらかと言えばロング・ディスタンスに身を置き、ドネアの打ち終わりに合わせて飛び込み、そのままサイドへ脱出するか、いっそくっついてブレイクを待つ。

右のオーバーハンドも常に狙いたいが、打ち込み際は頭と左肩を左サイドへ傾け、上体を沈めながら振り抜く。きめ細かい前後のステップを踏み、ドネアが疲れて集中の維持が難しくなるまで大振りは慎む。


せわしなく丁寧な出はいりとフェイントを繰り返し、前後左右に揺さぶりをかけ続けて、ドネアの頭脳を自由にさせないことが肝心。堤の眼に不安が無ければ、マージンはともかく順当に3-0の判定をモノにできる。

その為にも、とにかく拙攻・攻め急ぎは厳禁。豊富なアマ経験を今こそ総動員して、サンティアゴと同程度に攻防をまとめることさえ出来れば、後半から終盤にかけてストップを呼び込み、現役にこだわるドネアの執念を断つことも可能。

前半3~4ラウンズ、できれば6ラウンドを過ぎるまでは、攻防が単調かつ粗く雑にならないよう集中を切らさず、ドネアの左リードがルーズになる瞬間を逃さず、右を決め切って欲しい。

左ボディと十八番にする上下のコンビネーションは、その為の囮,陽動と考えるくらいで丁度いいのでは。


◎堤(29歳)/前日計量:117.7ポンド(53.4キロ)
WBAバンタム級王者(V1),元日本バンタム級王者(V2/返上)
戦績:15戦12勝(8KO)3分け
世界戦:2戦1勝1分け
アマ通算:101戦84勝(40RSC・KO)17敗
九州学院高校→平成国際大学
2013年(平成25年度)高校選抜L・フライ級優勝
※高校選抜:JOCジュニアオリンピックを兼ねる
身長:166センチ,リーチ:164センチ
血圧:157/91
脈拍:46/
体温:36.7℃
※計量時の検診
好戦的な右ボクサーファイター(スイッチ・ヒッター)


◎ドネア(43歳)/前日計量:117.7ポンド(53.4キロ)
現WBAバンタム級暫定王者(V0)
戦績:51戦43勝(28KO)8敗
---------------------------
世界戦通算:27戦20勝(12KO)7敗
■5階級制覇
(1)IBFフライ級:2007年7月~2009年7月(V3/返上)
(2)WBA S・フライ級暫定:2009年8月~2010年10月(V1/返上)
(3)WBC・WBO統一バンタム級:2011年2月~2012年2月(V1/返上)
(4)WBO J・フェザー級:2012年2月~2013年4月(V2)
(5)IBF J・フェザー級:2012年7月~10月(V0/返上)
(6)WBAフェザー級スーパー:2014年5月~10月(V0)
(7)WBO J・フェザー級:2015年12月~2016年11月(V1)
(8)WBAバンタム級:2018年11月~2019年11月(V1)
(9)WBCバンタム級:2021年5月~2022年6月(V1)
(10)WBAバンタム級暫定:2025年6月~(V0/在位中)
---------------------------
アマ通算:68勝8敗(2000年シドニー五輪代表候補)
2000年全米選手権優勝
1999年インターナショナル・ジュニア・オリンピック(メキシコシティ)金メダル
1999年ナショナル・ゴールデン・グローブス ベスト8
※階級:L・フライ級
身長:170.2センチ,リーチ:174センチ
※井上尚弥第1戦の予備検診データ
血圧:121/88
脈拍:130/
体温:35.5℃
※計量時の検診
右ボクサーファイター(スイッチ・ヒッター)


◎前日計量


◎前日計量:U-NEXT公式
https://www.youtube.com/watch?v=YSMvH0Olk7s


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■オフィシャル

主審:ルイス・パボン(プエルトリコ)

副審:
レシェック・ヤンコヴィアク(ポーランド)
ピニット・プラヤッサブ(タイ)
ロバート・ホイル(米/ネバダ州)

立会人(スーパーバイザー):安河内剛(日/JBC)


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■高見に残る懸念と不安

レネ・サンティアゴ(プエルトリコ)との統一戦に臨む高見享介(帝拳)は、パンチの決定力(重さと硬さ)だけを採れば、具志堅用高から始まった108ポンドの歴代日本人チャンプの中でも突出している。

持ち前の強打で一気に押し潰してしまうのがベストには違いないが、同門の岩田翔吉がやられたように、距離を縮める前に動かれすかされ、誤魔化し戦術に絡め取られて、空転を繰り返す恐れは十二分。

とにかく上体が突っ立てしまわないよう、ある程度ガードを楽に構えて、長めの距離をキープしながら間断なくジャブを突き、テンポ良くリズムを刻んで圧力をかけつつ、サンティアゴを呼び込む工夫も必要になる。


オラスクアガに挑む桑原は、遅かれ早かれのるかそるかの勝負に出るしかない。まともにボクシングをやっていたら、オラスクアガにプレスされて万事窮す。タイミングの余り良くない挑戦だが、チャンスはすべからくこうしたもの。

8~9割方の確率で、オラスクアガのKO防衛との見立てにならざるを得ない。

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